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  • X線の偏光から明らかになってきたブラックホール近傍のコロナの位置と形状

    今回の研究では、銀河系内にあるブラックホールと恒星の連星系“はくちょう座X-1”の観測から、ブラックホール近傍から放射されるX線がわずかに偏光していることを発見。ブラックホール近傍にある高温のプラズマ(コロナ)の位置と形状を明らかにしています。この研究を進めているのは、理化学研究所開拓研究本部玉川高エネルギー宇宙物理研究室の北口貴雄研究員、玉川徹主任研究員、広島大学大学院先進理工系科学研究科の张思轩大学院生、同宇宙科学センターの水野恒史准教授らの共同研究グループです。研究成果は、今後のブラックホール近傍における強重力場下の物理の検証や、ブラックホールの自転速度の測定につながると期待できます。ブラックホール連星系のブラックホールの周辺には、恒星からの物質がブラックホールの強い重力に引かれてできる渦巻き状の高...X線の偏光から明らかになってきたブラックホール近傍のコロナの位置と形状

  • 分子ガスを用いた新たな手法で迫る! 短時間に非常に強い電波パルスを発する“高速電波バースト”の正体とは?

    マイクロ秒~ミリ秒という短時間に強力な電波パルスを発する“高速電波バースト(FRB:FastRadioBurst)”という天体現象があります。2007年の発見以降、数千例以上の観測例があるのですが、その起源となる天体の正体や発生のメカニズムは未だ分かっていません。そこで、今回の研究では星の材料である分子ガスに着目。高速電波バーストが出現した銀河(母銀河)の分子ガスを調べることで、その起源天体の正体に迫っています。今回の研究を進めているのは、東京大学大学院理学系研究科付属天文学教員研究センターの廿日出文洋助教を中心とするチーム。分子ガスとは、星間空間に存在しているガスのうち、分子として存在しているもの。温度は10-100ケルビン程度。星を形成する材料になる。アルマ望遠鏡を使って、高速電波バースト母銀河におけ...分子ガスを用いた新たな手法で迫る!短時間に非常に強い電波パルスを発する“高速電波バースト”の正体とは?

  • 40年間の観測から見つけた! 木星の気温は規則正しい変動をしていた

    今回の研究では、NASAの宇宙探査機と地上望遠鏡の観測データを用い、木星の対流圏上層部の温度を、今までで一番長い期間追跡調査を行っています。その結果、分かってきたのは、木星の気温が四季とは関係なしに一定の間隔で変動することでした。木星の対流圏は、木星のトレードマークともいえる色とりどりな縞模様の雲が形成されるなど、様々な気象現象が起こっている大気の低層部です。なので、この結果は太陽系最大の惑星である木星の天気を左右する要因をより深く理解し、究極的には天気を予報できるようになるための大きな一歩といえます。今回の研究では、すばる望遠鏡の中間赤外観測装置“COMICS”が14年に渡る観測データを提供しています。図1.木星の赤外線画像。左側の2枚は、それぞれ2016年2月と3月に超大型望遠鏡“VLT”で撮られた波...40年間の観測から見つけた!木星の気温は規則正しい変動をしていた

  • 超強磁場を持つ大気のない中性子星“マグネター”からのX線偏光を世界で初めて観測

    今回、国際共同研究グループが世界で初めて観測したのは、宇宙で最も強い磁場を持つ中性子星“マグネター(磁石星)”からのX線偏光でした。中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が、一生の最期に大爆発した後に残される宇宙で最も高密度な天体。主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在し、そこに地球の約50万倍の質量が詰まっていている。マグネター(磁石星)は中性子星の一種で、10秒程度の自転周期を持つ、主にX線で輝く天体。100億テスラ以上の超強磁場を持つと推定されていて、磁気エネルギーを開放することで輝くと考えられている。これまで、様々な方法で、“マグネター”に超強磁場が存在している可能性が示されてきましたが、観測的に実証されていませんでした。研究では、地球磁気の26兆倍(130...超強磁場を持つ大気のない中性子星“マグネター”からのX線偏光を世界で初めて観測

  • ブラックホールの電波ジェットへのプラズマの供給機構を発見! ブラックホールが稼働する短時間のフレア現象

    ほぼすべての銀河の中心には、太陽の数100万倍から数10億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが存在しています。そのブラックホールからは、電波ジェットと呼ばれるほぼ光速で運動するプラズマ噴出流からの電波信号が観測されています。でも、ブラックホール近傍では物質はブラックホールへと落ち込んでしまうので、電波放射に必要なプラズマを電波ジェットへと供給する機構は大きな謎になっていたんですねーそこで、東北大学学際科学フロンティア研究所のチームが考えたのは、ブラックホール近傍で磁気エネルギーが効率的に高エネルギーの光子へと変換されるフレア現象が発生するということ。これにより作成された理論モデルを用いて、フレアの際に放射される高エネルギーの光子同士が相互作用して効率的に電波ジェットへとプラズマが供給され、電波ジェットの...ブラックホールの電波ジェットへのプラズマの供給機構を発見!ブラックホールが稼働する短時間のフレア現象

  • 遠く離れた場所にある複数の電波望遠鏡が協力! 高解像度で解き明かすクエーサーから噴き出したジェットの姿

    今回、国際研究チームは、地球上に点在する電波望遠鏡を組み合わせて同時に観測を行う超長基線電波干渉“VLBI”技術を用いて、極めて明るい電波源“3C273”から噴き出すジェットの最深部の構造をとらえることに成功したんですねー歴史上初めて発見されたクエーサが“3C273”です。その中心部から噴き出すジェットは過去数十年に渡って精力的に研究されてきました。今回、研究チームが実施したのは、この“3C273”に対する様々な周波数帯での国際的なVLBI観測でした。これまで詳しく観測されていなかった最深部から、母銀河を超える先端部に至るまでの様々な空間スケールに渡ってジェットの「形状」を詳しく調べています。その結果、クエーサーのジェットが絞り込まれている様子が初めてとらえられ、その絞り込みがブラックホールの重力が支配す...遠く離れた場所にある複数の電波望遠鏡が協力!高解像度で解き明かすクエーサーから噴き出したジェットの姿

  • 見ごろはいつ? 活動は? 月明りの影響は? 2022年の“ふたご座流星群”

    今年もあとわずか、三大流星群のひとつ“ふたご座流星群”の時期が近づいてきました。“ふたご座流星群”は、1月の“しぶんぎ座流星群”や8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多いのが特徴です。今年の極大は12月14日の午後10時頃。この時間帯に最も活発に流星が流れると予想されています。極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。ただ、極大予想の14日22時ごろはちょうど月の出のタイミング。15日の明け方まで、ずっと月明かりの影響を受けることになるんですねー狙い目は12月14日の空が暗くな...見ごろはいつ?活動は?月明りの影響は?2022年の“ふたご座流星群”

  • 金やプラチナなど貴金属の元素を含む星は、100億年以上前に天の川銀河の元になった小さい銀河で生まれていた

    宇宙が誕生した138億年前そして、その数億年後から形成されてきたと考えられている天の川銀河。でも、誕生から形成の過程は謎に満ちていて、今でも解明されていないことがたくさんあるんですねー今回の研究では、国立天文台の天文学専用スーパーコンピュータ“アテルイⅡ”を用いて、天の川銀河ができる様子を世界最高解像度でシミュレーションすることに成功。その結果、金や、プラチナなど鉄より重い貴金属の元素を多く含む星は、100億年以上前、天の川銀河の元になった小さい銀河で形成されたことを明らかにしています。また、本シミュレーションで形成された星の元素量、運動は天の川銀河の星の観測と一致。今後、国立天文台のすばる望遠鏡などでの観測が進むと、貴金属に富んだ星を指標として、長年の謎であった100億年以上前の天の川銀河形成史を辿れる...金やプラチナなど貴金属の元素を含む星は、100億年以上前に天の川銀河の元になった小さい銀河で生まれていた

  • X線天文衛星のアーカイブデータから、銀河中心ブラックホール近傍の現実的な物理モデルを構築

    銀河の中には、その中心で激しい活動を起こしているものがあり、このような天体を“活動銀河核”と呼びます。その中心には、太陽質量の数百万~数十億倍もの超大質量ブラックホールが存在し、その周りではいろいろな現象が起きているんですねーこの活動銀河核の中心ブラックホール周辺で群を抜いているのがX線放射なので、この場所の物理環境を解き明かすにはX線の観測が不可欠になります。そこで、今回の研究で用いているのは、“NGC5548”という活動銀河核について、3つのX線天文衛星で得られた広帯域X線スペクトルでした。先行研究では、複雑なモデルで説明していた“NGC5548”のX線スペクトル変動ですが、物理的に相関し得ないパラメータ同士に相関が出るなどの問題がありました。この相関は、必要以上のパラメータを含んだモデル設定による“...X線天文衛星のアーカイブデータから、銀河中心ブラックホール近傍の現実的な物理モデルを構築

  • 火星で観測された史上最大の天体衝突! 隕石の衝突が作り出す火震を観測

    NASAにとって火星への着陸に成功した8機目の探査機“インサイト”。その“インサイト”が2021年12月24日に天体の衝突に伴う地震を検出したんですねーこの時作られたクレーターは、形成の瞬間を人類が記録できたものとしては太陽系で最大のもののようです。火星の地質調査を行う探査機NASAの低予算プログラム“ディスカバリー”の候補に挙がっていた、3つの計画から選ばれたのがインサイト計画でした。選ばれた理由は、スケジュールがずれ込む可能性や、予算の上限を超える可能性が低かったこと。ただ、搭載機器の“地震計”に問題が発生し打ち上げは延期に…“地震計”の改良や、完成している探査機本体や機器の保管などに更に予算が必要になってしまいます。それでも2018年5月に火星探査機“インサイト”は打ち上げに成功。2018年11月に...火星で観測された史上最大の天体衝突!隕石の衝突が作り出す火震を観測

  • 原始の地球に火星サイズの天体が衝突! そして月はほんの数時間で作られた のかもしれない

    地球に別の原始惑星が衝突して月が生まれた。この仮説を、過去最高の解像度のシミュレーションで検証してみると、これまでの予想よりはるかに速く、数時間で月が形成されるという結果が得られたようですよ。ジャイアントインパクト説月はどうやって生まれたのでしょうか?月が形成される原因として最も有力な仮説がジャイアントインパクト(巨大衝突)説になります。この説によれば、45億年前に火星サイズの天体“テイア”が、作られて間もない原始の地球に衝突。この衝突から生まれた破片が、かなり急速(おそらく数百万年強の間)に分離し、地球と月を形成したと考えられています。大きい方は地球になり、大気と海のある地質学的に活発な惑星になるのにちょうどよい大きさと環境へと進化。小さい方が月になるのですが、こちらには地球のような特性を保持するのに十...原始の地球に火星サイズの天体が衝突!そして月はほんの数時間で作られたのかもしれない

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