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値千金で、感謝せざるを得ません。これほどすばらしい鼓動でも、一度止まったら終点。例え、栄耀栄華を極め、いかなる名声を得ようとも、間違いなく止まる宿命を帯び、ただひたすら打ち続ける。これしかなく、無意味に打たせれば、白髪とシワが増えるだけ。しかし、精神には終点がありません。音楽や芸術の世界、生き方など、先人達が残してくれた思想や、素晴らしい作品に、何百年後でも感動させられ、小さな事でもいい、自分の子供にだけでもいい。何かを残せる人生を、歩みたいものです。一人ぼっちで寂しい時、人生の嵐が襲い掛かり、苦しい時、そっと胸に手を当て、生まれた時と変わらない、清らかな響きで打ち続ける、鼓動との対話を試みてみましょう。今まで、何十年間、動き続けたのだろうか?精神が全てを休め、ぐっすり眠っている間も、暗闇、孤独、何のそのと打ち...1104残せる人生
そして長い人生を考えた場合、我々の鼓動は、一分間に七三回打つとすると、一日に十万回以上、八十歳まで生きるとして計算すると、なんと三十億回以上も打つ事になります。体内に張り巡らされた血管の総延長と、片時も休む事なく、三十億回以上も血液を送り続け、回収する作業。しかも酸素やビタミンなどの量を調節し、八十年も打ち続けるのです。地球を何周するのだろうか?生涯、どれだけのエネルギーを生み出すのだろうか?いかに技術が進んだ現在でも、部品交換なしに八十年間、動き続ける機械を作る事は不可能。己の持てるパワーの偉大さ、改めて考えさせられます。脳死という言葉がありますが、脳が死んでも鼓動は続いており、逆は成り立ちません。不幸にして道半ば、やむなく止まる事を宣告され、残る鼓動をどう使うべきか、と思案に暮れる人生があるかと思うと、朝の...1103値千金
この一方通行のスケール上で、家族や人生を考えると、子供の進学や成人の時、自分は何歳で、子供達と、どのような会話が必要か。教育資金が、一番必要な時期に、どう対応すべきか。定年時、家族の年齢や状況が、どうなっているか。位置付けが、よく理解出来、今後の展開等、色々な新しい事が、発見出来るかと思います。人生は不確定要素があり、完璧とはいきませんが、決して後戻りの出来ない、一方通行のスケール上で、物事を考え、人生の目標なりを設定する事により、毎年繰り返す事柄と、五年や十年、生涯を通して貫く事が、年代ごとに計画され、己の人生が、より良きドラマとして演出出来、かなりの精度で、人生の青写真なり、予測なりが出来るのではないだろうか。1102どう対応すべきか
ハブが出るはずもない、アスファルトに覆われた東京のど真ん中で、子供の頃から、命に関わる本能として覚えた、見事なハブジャンプが出てしまったのです。改めて、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!(黒島は今、ほとんど牧場となり、ネズミも激減、そのため、ハブもほとんどいません)我々の日常は、朝晩寝起きし、時計は回転して元に戻り、一年が終ると、また新しい年を迎える、が繰り返されています。人生もまた、繰り返しの連続のように錯覚しがちですが、繰り返し以外にも、子供の誕生や親との別れ等、繰り返す事の少ない事もあり、人生が成り立っています。人生を80歳まで、生きられると計算し、80センチの物差しに置き換えて見ましょう。物差しの10ミリを12か月単位に置き換え、仕事や結婚の経歴、上段には親の年齢で、下段には女房や子供達の年齢を...1101東京でハブジャンプ
これは、子供の時から、親に教えられなくても、自然に出てくる行為。それが出来なければ、猛毒を持ったハブに、間違いなく噛まれていた事でしょう。上京して間もない頃、歩道を横断中、なにげなしに足元を見た瞬間、ハブが現れ、思わずガニ股、ハブジャンプ!。自転車で横を通り過ぎようとした、おじさんと、もろにぶつかり、怒鳴られました。まっすぐ歩けば、いいだろうに!わざと、やったんだろう!謝るしかありません。前方には誰もいない、すれ違う人もなく、見通しの良い歩道。いきなり、思いっ切りガニ股で、横っ跳びに出る行為は、自転車めがけ、体当たりをして来た、としか思えないはずで、怒鳴らない人は皆無でしょう。「ハブが出たので、ハブジャンプをしたのですが・・」と説明しても分かってもらえません。よく見ると、ハブではなく、ネクタイが落ちており、それ...1100怒鳴られる
不思議に思い聞くと、風で感じるとの返事。魚の臭いがする訳でもなく、どうしてだろう?再度尋ねると、海から吹いて来る風の温度で、北上する黒潮の水温を体感。近海を、どの魚種が回遊して行くのか、当てるとの事である。また、ある虫が発生すると、ある魚種が近海に集まっている、と言う虫との間違いない関連もあります。小さな島、周りの海から吹いて来る風、虫などの情報は、生きて行く大事な知恵でした。ひかるが子供の頃、島の収入源は、サトウキビ生産で、サトウキビは、ネズミの格好の餌。ネズミが繁殖し、その天敵として、猛毒を持ったハブが、大繁殖していました。ハブは、脱皮をするので、皮を見ると、どれくらいの大きさか、ハブの棲家が、どの近辺かは、子供同士の情報交換で察知出来ます。しかしハブは、かなりの行動範囲を持っているので、常に心の準備が必要...1098好奇心
ガニ股。1099画
また、ハブの性器は、メスには二つ、オスには四つあります。数が合わないので、疑問に思いますが、オスの性器は、ペアになっており、しかもイボイボ状。ペアでメスの性器へ挿入し、交尾。蛇体は絞め縄の如く、もつれ喰い込み、飲まず食わず、執念深くエキスをむさぼりあう。その姿はすさまじく、犬や牛馬の交尾とは比較にならず、ゾクゾクとさせられます。しかし、ハブは害のみにあらず。初夢にハブを見ると、大金が転がり込む、金運の女神、とも言われています。興味は、海へも向けられます。魚のヒレに切れ目を入れた場合、まともに泳げるか実験。必死に、尾ビレで舵を取るにも、ほろ酔いチドリ泳ぎ。残酷な事をしてしまった、と後悔させられました。ある時、父が空を見上げ、急に、今日は、ハトッシ(方言魚名)が、大量に捕れる日だと、漁へ出かけ、間違いなく、言った通...1097ペア性器
一度、人間が巣を見つけ、近づいた気配が感じられると、警戒し、二度と巣には戻りません。多分、人間の匂いを感じるのでしょう。我が子より、我が命を大事にする、臆病な生き物。普段は、楽しく飛び回っているスズメやひばり達、台風の時どうするのだろうか。台風を避け、遠くへ逃げるはずは無い。台風を避け、数十キロ先の島へ逃げ、翌日その島へ舞い戻って来る事は、とうてい考えられません。それが証拠に、台風が過ぎ去った翌日には、元気よく飛び回っているのです。その疑問は解けました。小鳥達は、危険が迫った時、岩穴で台風が過ぎ去るのを、じっと待っているのです。彼らは、どうしたら尊い命を守れるか、心得ていたのです。我々も、小鳥の生き方に見習うべきではないだろうか。時代のうねりや大きな組織力で、一人で立ち向かっては、どうしようもない事が、しばしば...1096臆病な生き物
また、大空を飛び交う、ひばりを観察すると、巣へ入る時、直接巣には入りません。わざと別な場所へ降り、茅の根を這って近づき、巣に入ります。直接巣に入ると、カラスに巣の場所を狙われ、卵や雛を食べられる為、知恵を使っているのです。しかし、巣から出る時は、直接飛び立ちます。頭隠して、尻隠さず、の格言通り。やる方もやる方、気付かない方も気付かない方。どちらも、似たもの同士。間抜けな鳥もいます。ニワトリを野生化させた場合、卵を産む度に、必ず喜びの大声を「コケコッコーコケコッコー」と上げます。カラスはその大声で、卵が生まれた事と、巣の場所を確認、労せずして、栄養満点な卵を頂戴。ニワトリの馬鹿さ加減は、見て居られません。他にも無責任な鳥がいます。野生のハトは、人間に見つからないよう、細心の注意をし、場所を考え巣を作ります。野生の...1095似た者同士
また、大空を飛び交う、ひばりを観察すると、巣へ入る時、直接巣には入りません。わざと別な場所へ降り、茅の根を這って近づき、巣に入ります。直接巣に入ると、カラスに巣の場所を狙われ、卵や雛を食べられる為、知恵を使っているのです。しかし、巣から出る時は、直接飛び立ちます。頭隠して、尻隠さず、の格言通り。やる方もやる方、気付かない方も気付かない方。どちらも、似たもの同士。間抜けな鳥もいます。ニワトリを野生化させた場合、卵を産む度に、必ず喜びの大声を「コケコッコーコケコッコー」と上げます。カラスはその大声で、卵が生まれた事と、巣の場所を確認、労せずして、栄養満点な卵を頂戴。ニワトリの馬鹿さ加減は、見て居られません。他にも無責任な鳥がいます。野生のハトは、人間に見つからないよう、細心の注意をし、場所を考え巣を作ります。野生の...1095似た者同士
色々な問題があったとしても急ぐべきか、直接自分が実行すべきか、部下に振り分け、実行させて大丈夫かどうか、即座に判断し、指示して行けば問題にはなりません。大事な事は、三十本の矢を描き、時差処理をして行く。このような事は、決してコンピューターには出来ず、そこが知恵を使う人間の、偉大な要素ではないだろうか。子供の好奇心、色々な事に、疑問を感じます。ひかるは、野生のハトを生け捕り、飛べないよう羽先を切り、ニワトリ同様、飼い慣らそう、と実験。難なく飼い猫に食べられてしまい、小さなウズラですら、野良猫に襲われても逃げ切れるのに、何んでいとも簡単に食べられるのだろうか、と考えさせられました。やはり、空を飛ぶ鳥は空で生き、たとえ小さなウズラでも、地上で生きる代々の知恵が備わっているのだなぁと感心。1094三十本の矢
将来、大きくなる問題でも、今は処理が出来ない、という場合は、担当者を置き、調査を継続。後で経過を知らずに荒治療するのと、知っていてやる事では、処理方法に大きな差が出て来るのは当然。男の働き盛り三十代、ひかるは八十人の部下を任され、下請けや外注を含めると、百数十人の仕事を処理していました。だいたいが十五から、二十班に分かれ、国内外取材、翌日以降の予定や下見、打ち合わせや段取り等、同時進行。他にも兼務が多く、電話は鳴りっぱなし、客は順番を待っている状況。目の回る忙しさでした。これ程多くの問題をどう整理し、同時処理しているのか、コツを教えて欲しいと言われましたが、問題処理に、前記した通り、知恵を使っていた事が分からなかったようです。1093調査を継続
そして、30通りの問題すべてが矢と成り、自分の方へ向かって来ますが、すべての問題には時間差があり、その時間差を利用し、一つ一つ処理して行く。100問題があったとしても、決して、処理不可能と言う事はありません。今は小さな問題でも、将来は大きな問題になる場合もあり、それに対しては、今の内に手を打っておけば、大きくならずに済ます。今は大きな問題でも、時間が解決し、消滅する問題もあるかと思います。良きリーダーに成れる人は、問題点を見つけられるか、処理出来るか、将来、伸ばすべき芽を見つけられるか、そして、育て大きく出来るか、という事へ、知恵をいかに絞り出せるかが、大事な要素ではないだろうか。数年後に、大きな問題に成る、と判断したならば、担当者を置き、現状のまま大きくするな、と指示。今は小さくても、将来大きな芽にしたい場合...1092時差処理
母はいつまでも、生まれ育った南の空をじーっと見つめ、他を向こうとはしません。懐かしい古里、遠い昔の事を思い出しているのだろうか。首に抱き付く、か弱い両手にこもる力、島を手繰り寄せているのです。大きくあえぎ、高まる息遣い、首筋に二つ、熱く伝わる、母の涙。翌年、死に水も取れない、心を通わせる事すら出来なかった、永遠の別れとなり、生涯、拭う事叶わず、消す事の出来ない、涙を背負い続ける人生となってしまいました。・・親不孝詫びる息子の背に涙・・生きていく中、誰もが持って生まれた財産、知恵を使わない方はありません。基本的な知識は、学校なり、本を読む事で得られますが、知恵は見方、考え方、立場や状況等で、十人十色。絞り出せば出す程、無尽蔵に出て来ます。親子や将来に関する問題等、少なく見ても、一人30以上の問題があるかと思います...1091背に涙・・・
母子の心さえ通わせられないアルツハイマーの怖さ。これ程辛くて、寂しい世界があるだろうか・・母の好物を、思う存分食べさせると、脅えが和らぎ、手を握れるようになりました。そして、足腰の弱った母を背負い、散歩に出た時、あまりの軽さにつんのめり、三歩歩んで立ち止まる。ランドセルの重さにしか感じられません。全ての記憶を失った母に心は通じず、長き別離を償う、無言の歩み・・南国の陽射に、汗ばむ背中。涙は止めどなく、踏み出す影へ、七つ・・八つ・・・・海を見下ろす丘の上、洗剤の如く押し寄せる白いさざ波。波の足音は、ザザザーサー、ザザザーサーと浸み、身や心、砂浜までも洗い清めて行きます。はるばる長い旅路を渡って来たのだろうか、風は優しくすれ違い、「風の渡り来る南、生まれ育った島、我が家があるんだぞ、風の行く先、東京があるんだぞ」と...1090三歩歩んで立ち止まる
子供の頃、怒られもしました。叩かれもしました。しかし、常に温かく見守る眼差しがあり、愛がありました。命ある限り、我が身に限って、母の愛が閉ざされるなんて・・まさかこのような親子の再会になるとは、一度も想像しなかった・・夢だに、見なかった・・母の元、一つ屋根の下で生活出来たのは、15歳迄。人間、いくつになっても、母は母。もっともっと甘え、お母さん、といっぱい呼んでやりたかったのに・・話したい事が、背負いきれない程、沢山あるのに・・母の事を思い出さない日は、一日たりとてなかった。母とて、一日たりとも忘れなかっただろうに・・・会える日を、一日千秋の思いで待ち続けた母子。何んで無情にも、鉄の扉が降りてしまったのだろうか。子供達との離別生活、会いたい一心が高じ、アルツハイマーになったのだろうか。待たせ過ぎた!許してくれ・...1089母は母
子供の頃、怒られもしました。叩かれもしました。しかし、常に温かく見守る眼差しがあり、愛がありました。命ある限り、我が身に限って、母の愛が閉ざされるなんて・・まさかこのような親子の再会になるとは、一度も想像しなかった・・夢だに、見なかった・・母の元、一つ屋根の下で生活出来たのは、15歳迄。人間、いくつになっても、母は母。もっともっと甘え、お母さん、といっぱい呼んでやりたかったのに・・話したい事が、背負いきれない程、沢山あるのに・・母の事を思い出さない日は、一日たりとてなかった。母とて、一日たりとも忘れなかっただろうに・・・会える日を、一日千秋の思いで待ち続けた母子。何んで無情にも、鉄の扉が降りてしまったのだろうか。子供達との離別生活、会いたい一心が高じ、アルツハイマーになったのだろうか。待たせ過ぎた!許してくれ・...1089母は母
懺悔の丘。1088画像
母は晩年、アルツハイマーとなりました。上京させるべく父を説得するにも、「母の面倒は自分が見る」の一点張り。やむなく、石垣島の療養施設へ入所させました。アルツハイマー特有のものなのか、白衣の医者や看護婦、薬を極端に拒んだとの事ですが、東京のひかるの所へ行けるんだ、と言うと、素直に病院や薬も受け入れ、見知らぬ人を捕まえ、東京のひかるの所へ行くんだと、口走っていたとの事。日増しに容体が悪化している、との連絡に帰郷。しかし、あれだけ待ち望んだ対面は、まさかと思われる再会となってしまいました。すでにひかるの面影は、母の記憶の領域に、跡形もなくなっていたのです。お母さん、帰って来たぞ!ひかるだぞ!と声をかけるにも後ずさりをし、部屋の隅へ逃げ、脅えて睨む、拒否する眼差し。妖気すら漂う、一度も見た事のない視線でした。ひかるが帰...1087恐怖の白衣?
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