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家づくりに関する情報とノウハウ、より素敵な暮らしのための知恵袋的コラム。世界25カ国、住宅取材件数1500を超える編集者が、これまでに書きためた30万字もの記事に書き起こしを加え、全ての家族のために大切なことを考えます。

Sweet Potato.
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2019/05/10

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  • 【子どもと本】=大切なのは「人生は生きるに値する」ことを伝えること。

    // 地震、水害など、大規模な災害が起きるたび、自分には何ができるだろうかと考えてしまいます。しかし、ボランティア、募金など、すぐに行動を起こせる人ばかりとも限りません。せめて、いちばんの弱者ともいえる子どもたちにできることを考えてみました。 Contents. 3.11被災地で歓迎された本 赤ちゃんのものが足りない 生涯消えることのない言葉 沈黙と祈りだけで届くもの 言葉を選んで発することを 3.11被災地で歓迎された本 東日本大震災から10年以上が経ちました。 その後も、熊本地震、大阪北部地震、能登の地震など大きな災害が起こり、九州北部豪雨や西日本豪雨をはじめ、毎年、各地で水害が発生し、そ…

  • 【動線】=「右回り」にすると、エネルギーが高まる、という説。

    // 子どもの頃、大黒柱の周りをぐるぐる回って遊んだことがあります。目が回ったら反対に回る、そんな単純な遊びですが、どうやら回ることだけにでもパワーを生み出す秘密がありそうです。 Contents. 左脳と右脳のどっちを鍛えるか ヨーガの呼吸でバランスをとる 右回りにするとパワーが出る? 宇宙の創造物はほとんど右巻き 左脳と右脳のどっちを鍛えるか 本でもテレビでも、脳トレやクイズが人気です。 脳を活性化させてボケないように、いつまで元気でというのが目的なのでしょうが、その脳にはご存じの通り、右脳と左脳とがあります。 人間も2つのタイプに分けると、右脳型と左脳型に分かれるそうで、右脳が発達してい…

  • 【潜在意識】=肯定的に語りなさい。よい想像をしなさい。

    占いの類には一切興味がありませんでした。雑誌や新聞で、今月、今週、今日の占いに目がいくことはありますが、5分もすれば、忘れてしまいます。しかし、先日、親しい人から「自分のことを調べてみては」とアドバイスされたことをきっかけに、姓名判断や四柱推命、風水などを調べてみました。自分を客観視する手段、自分のいまと未来を創るきっかけの一つになることもある、というのです。確かに、面白い発見がいくつもありました。 Contents. 姓名判断は当たりやすい? 生年月日で占う東洋占星術 家の形や地形で占う風水術 本人の心掛けが運勢を創る 潜在意識を活用する6原則 自分で自分の背中を押せば 自分が考える通りの現…

  • 【採暖と暖房】=全館・連続(冷)暖房の家が普及しない理由と「床暖房」についての素朴な疑問。

    // 日本の住宅寿命は30年前後。欧米諸国の数分の1しかない短命な住宅のためにローンを組み、世代を超え、ほぼ全ての国民が住宅ローン完済のためにと働き続けます。「100年住宅」という言葉を耳にしますが、実現まではまだまだ遠い道のり。一向に高まらない省エネ意識と、耐久性との関係。そこには、日本人の生命観、生活文化も微妙に影響しているかもしれません。これまで「暖房」と思っていたことが実は、日本ならではの習慣、生活文化だったり、全く混乱してばかりなのです。 Contents. カビのある家が日本の標準? 温熱環境には無関心な日本人 日本の住宅を短命にする結露 空間=房=を暖めるから暖房 発熱体を皮膚に…

  • 【パーソナルスペース】=国によって、こんなに違う人との距離感。

    // こんなにも「ソーシャル‐ディスタンス【social distance】=社会的距離」という言葉を頻繁に聞いた時代があったでしょうか。距離と空間は意味が異なるものの、他人との距離感を示す際、「パーソナルスペース」という概念もあります。個人と個人、文化の相違によっても大きく異なる、もう一つの「ディスタンス」について。 Contents. 「腕を伸ばした」くらいが限度 インドや中国の人たちに戸惑う 文化の違いが空間感覚の違いに 「腕を伸ばした」くらいが限度 電車のなかはがらがらなのに、隣に誰かが座る。 バーのカウンター。 壁際を選んで座ったつもりが、 あとから来た客が横に腰掛け、いつの間にか距…

  • 【縁側とご縁】=向こうからくる「縁」、引き寄せる「縁」。

    // 縁側の「縁」、人と人との「縁」。同じ「縁」にも「ふち」や「へり」があり「えん」も「ゆかり」もあります。「縁側」のある家への憧れがありましたが、いい「ご縁」にも憧れます。人のみならず、お金や地位との「ご縁」にもあやかりたいのが、人間の弱さ、そしてエゴ。向こうからやってくる「縁」もあれば、引き寄せる「縁」もあるようです。 Contents. 縁側のある家に憧れる 並ぶから話せることも 「因」と「縁」の違い 選んだものが目の前に 縁側のある家に憧れる 子どもの頃から縁側のある家が憧れでした。 しかし、自宅は絵に描いたような住宅地にあり、敷地も60坪ちょっと。 隣家が境界線ぎりぎりにまで迫ってい…

  • 【子ども部屋】=最初はワンルームで共用、成長したら仕切る「可変」という考え方。

    // 家づくりの際、子ども部屋をどんなふうに計画したらよいのか悩んでしまう、という話をよく聞きます。子どもが独立したあとは物置になってしまった、という話も珍しくありません。子どもにとっても、親にとっても、生涯、無駄にならない子ども部屋にするために「可変性」という観点から考えます。 Contents. 子どもの個室は必要なのか 日本人のプライバシー感覚 機能を決めつけない可変性 あとで仕切れば済むはなし 吹き抜けで気配をつなげる 子どもが巣立ったあとには 互いを察し合える家族空間 子どもの個室は必要なのか 新築の際、ほとんどの家族が人数分の子ども部屋を考えてしまいます。 2人で2室ならまだしも、…

  • 【家づくり】=「50」のキーワードだけで家を考え、買う、建てる。

    // キーワードをいくつ自分のものとして抽出し、保持できるか。どんな仕事でもそうですが、家づくりも例外ではありません。いくつもの言葉を持ち、その言葉からビジュアルを生成し、建築という三次元に立ち上げる。このプロセスが、家づくり成功の秘訣といえます。 Contents. 建築のプロをめざすと失敗する 暮らしを分析すると家が見える 最低 250のキーワードを揃える 依頼先を決める前の大事なこと 建築のプロをめざすと失敗する 家づくりはつらい作業の連続です。 知人のなかには一時的に精神状態が壊れる寸前になった人もいれば、家を建てて引っ越しをし、その1カ月後に離婚した夫婦もいます。 3年がかりで計画を…

  • 【開口部(サッシ+ガラス)】=窓の性能を高めることで、劇的に向上する快適さ。

    // 窓は通風や眺望の役目もありますが、外からの熱を入れない、室内の熱を逃がさないなど、断熱も大切な役割です。窓から逃げる熱は冬期で屋内の約48%。言い換えると、窓の性能を上げるだけで、劇的な暖房エネルギー削減ができるといえそうです。 Contents. 開ける窓と閉じるための窓 窓に税金が課せられた時代 冬期は窓から熱が逃げ放題 窓の断熱性能を表わす数値 不健康なコールドドラフト 窓に求める機能を絞り込む 住まいの顔を決めるのも窓 開ける窓と閉じるための窓 // 日本における窓は「目戸」あるいは「間戸」が起源。 壁はもともと非耐力壁でしたので、大きくとっても問題にはされず、柱と柱の間が全部開…

  • 【線とフォルム】=直線と曲線(アール)の基礎知識。

    // 同じ建築でも日本と諸外国とでは、線一つの扱い方やそれに求める文化的な意味、価値観が大きく異なります。伝統建築はもちろん、住宅などの一般建築でも、少し角度を換えて「線」を眺めるだけで、新たな発見がいくつもあるはずです。もちろん、家づくりの際にはデザインのヒントにもなるでしょう。 Contents. 鳥居で結界を感じ取る日本人 女性のラインみたいなアール 直線で美を表わす障子や組子 自然界に存在しないはずの線 デザインの素材を数多く持つ 日本の直線美・西洋の曲線美 // 地方を旅すると、古い町並や家の造りを丁寧に見学します。 老舗の駄菓子屋、酒屋や町家、古い民家を利用したカフェなどがあると、…

  • 【仏壇】=葬式なし、墓なし、仏壇なし、という選択。

    // 新築の家におじゃましますと、仏壇のない家、仏壇の代わりに簡単な祭壇を設けた家が増えていることに気づきます。核家族化、少子高齢化、狭小な家が増えている影響ともいえますが、私たちの家づくり、先人たちへの思いは、どんなふうに変わっていくのでしょう。 Contents. 仏壇・葬儀にこだわらない現代 仏壇よりも写真が身近に感じる 日本家屋の変遷と仏壇との関係 機能をかたちで考えない選択肢 ありがとうの気持ちだけでいい 仏壇・葬儀にこだわらない現代 仏壇のない家が増えています。 小さ目の家が増えて、仏間がなくなったこと、 核家族化が進んだこと、 マンションやアパートに住む人が増えて 仏壇を置くスペ…

  • 【設計・プランニング】=家は「買う」ではなく「建てる」つもりで計画する。

    // 整理でも整頓でもなく、「編集」という過程を経ることなくして、質のいい結論には至れません。家は買うのはなく、建てる。施主とビルダーとのなれあいではなく、せめぎ合いから生まれる家が、本物。 Contents. 規格住宅と注文住宅の違い 建築と生活を編集する作業 せめぎ合で生まれる可能性 規格住宅と注文住宅の違い リフォームであれば、直したいところがはっきりしています。 が、新築となると希望がいくつかあっても、それらを平面や立面としてイメージするのは難しいことです。 ハウスメーカーでは、そのへんを楽にしましょうと、いくつかの規格を準備して、好きなプランを指差して「これ、ください」で済むようにし…

  • 【ムーミン谷の冬】=誰かを支えるためのやさしさについて。

    ムーミンがいちばん苦手なことは「ひとりぼっち」。やさしいパパやママ、仲間たちと一緒に、ムーミンはいつも冒険を楽しみます。フィンランドの国民的作家であり画家でもあるトーベ・ヤンソンが、私たちに伝えたかったこととは。 Contents. トロールの伝説をもとに誕生 冬眠から目覚めて出会うこと いろんなものをもちすぎてる トロールの伝説をもとに誕生 トーヴェ・ヤンソンは1914年フィンランド生まれ。 彫刻家の父と画家の母の元で早くから絵本作家や画家として活躍しました。 北欧の森には「トロール」という生き物が住んでいるという民話があり、この話から、ムーミントロールというキャラクターを作り出したといわれ…

  • 【屋根】=軒先にツララができるのは、天井から熱が逃げっぱなしの証拠。

    // 日本でいちばん寒いところで、暮らしたことがあります。寒いのは苦手ですが、冬という季節は大好き。雪景色もきれいですが、晴れた日、家々の軒先にズラリと並んだツララは、お日様の光を湛え、まるで水晶のように輝いて見えます。子どもたちの玩具としても、ツララは人気もの。しかし昨今、北国を旅しても、ツララの多い家へめっきり少なくなりました。これは住宅の断熱性能の進化といってもいいでしょう。少しだけさびしい気もします。 Contents. 宝石みたいにきれいなツララ どんな玩具にもなってくれた ツララ落としは仕事のひとつ ツララの有無でわかる断熱性 いまだ理解されない住宅性能 宝石みたいにきれいなツララ…

  • 【街と家と音】=静寂と騒音。

    // 目で見て、耳で聞き、肌でふれる。味覚や臭覚を含め、私たちは、常に五感を駆使して、目の前の現実を捉え、リスクを回避しながら生きています。なかでも「音」はときに視覚以上に動作や意思決定に影響を与え、長い時を経てもなお記憶に刻まれます。懐かしい音、騒音、誰かを救済し、自らを癒す音について。 Contents. 時代と暮らしを象徴する音 見える壁と見えない壁の差 家族の気配まで遮断する家 音に鈍感なのか敏感なのか 家の中でいらつく振動と音 会話のできない車両がある 不安な人は常に急いでいる 時代と暮らしを象徴する音 向田邦子のエッセイ集「夜中の薔薇」(講談社文庫)のなかに「刻む音」という短い一文…

  • 【子どもの自立】=依存を経ずして巣立つことはできない。

    // 子育ての最中、甘えや依存というと、あまり聞こえがよくないように思われがちです。自立というと、ちょっとカッコがつく気がするかもしれません。しかし、子どもにとっては「おなかいっぱい」というほどの依存が必要な時期があります。そんな自立と依存を経て再生した家族の小さな物語。 Contents. 子どもの万引き事件 課題を創った子ども 大人たちが川の字で 自立と孤立の関係性 家とうちとの違いは 子どもの万引き事件 C子さん夫妻は、 長い間深刻な不和の状態にあり、 互いに離婚は 時間の問題と考えていました。 お子さんは中学生の男の子。 ある日、スーパーで万引きをして 補導されてしまいます。 夫妻は「…

  • 【災害と住宅】=生き抜くための「バリア」が改善されないままの、日本の仮設住宅。

    // 地震、台風、大雨など大きな災害が続く日本列島。その都度、住み慣れた家を失い、生活、介護、子育てなどの場の変更を余儀なくされることがあります。新たな生活の場が快適であればいいのですが、残念ながら、日本の「復興」のなかで、住まいは常に後回し。ただでさえバリアの多い住宅が、災害のあとでまた、多くのバリアを抱えることになるのです。 Contents. 災害時の「在宅介護」のゆくえ 復興と並行して増幅するバリア 北海道における公営住宅のUD この瞬間の暮らしを支える意味 身体の表面にできた「床ずれ」 告発の叫びからもバリアを学ぶ 災害時の「在宅介護」のゆくえ 高齢の親を抱える家族にとって、介護は深…

  • 【願い】=手書きのメモだけで人生が変わる。

    家族みんなでハワイ旅行、年収50万円アップ…といった願いから、読まない本を10冊捨てる、観葉植物を2鉢増やす、使わない食器を2セット処分する、といった身近なことまで、私たちの頭の中は、いつも気になることでいっぱい。それらをいったん文字にして可視化することで無意識に刻み込み、願いや課題をクリアしていくことは、心地よい毎日を送るための、いちばん簡単な作業です。難しい理屈は後回し。必要なのは紙とペンだけ! Contents. 「100のメモ」の書き方 モヤモヤを文字で可視化 書くことで脳に刻まれる 「今週のメモ」をプラス 「100のメモ」の書き方 本やネットの世界には、引き寄せや夢を叶える方法が星の…

  • 【暖房】=体感温度は温度計の温度ではなく「輻射熱」を目安にする。

    // 空気の温度と体感温度は全く違います。聞いたことはあるのですが、実際、ほとんどの人はこのことを理解していません。理解していないからこそ、無駄な暖房、冷房エネルギーを消費し続け、高い光熱費を支払いながら、不快な環境で暮らし続けているのです。 Contents. 日本人は「暖房」を知らない 冷暖房をオン・オフする無駄 体感温度と省エネとの関係性 エアコンの間欠運転で熱中症 先進国では最低の省エネ基準 日本人は「暖房」を知らない 昔の暖房といえば、焚き火や囲炉裏。 私、そんな古い時代の生まれじゃないという人でも、ストーブで身体を暖めた経験はあるはずです。 手をかざして、身体を近くに寄せて、暖を採…

  • 【片付け・断捨離】=まずは「半径80センチ」以内から始める。

    // どんな本を読んでも、どんな方法をテレビで学んでも、結局、身の回りには捨てられないモノばかり。星の数ほど整理整頓のノウハウはあるのでしょうが、毎回、自分の目標を達成できずに落ち込んでしまうのです。諦めてはなりませんが、大きすぎる目標も問題です。いっそ、迷ったら、古いのは、使えなきゃ、みんなゴミと割り切ったほうがいいのかもしれません。 Contents. 「小掃除」ではダメなのか 「捨てられない」でもいい 「使っているか」が目安に 出す・分ける・収めること モノの整理も「編集」作業 まずは「半分」だけ減らす 「小掃除」ではダメなのか 大掃除と考えるだけで気が滅入ってしまいます。 気の向いたと…

  • 【エンディングデザイン】=終末期の時間は人任せにはしない。

    誰もが老いて、やがて死を迎えます。その過程に医療ががり、介護があり、それぞれに在宅、施設・病院など最期の「場」があります。終末期、その先に見えてくる「死」をどう捉え、迎え、受け入れていくか。場はどこか。そこには、本人と家族の意志、覚悟が深く関わってきます。「胃ろう」をきっかけに見えてきた生命の閉じ方、死のありよう。 // Contents. 寝たきりがつくられる ベルトに拘束された命 自然死へのアプローチ 寝たきりが少ない北欧 介護に医療を望む誤解 家族で死に方を考える 「あちらの国」はどこ 寝たきりがつくられる 友人のA君のお父さんが入院し、胃ろうをすることになりました。 70代後半ですが、…

  • 【家づくり】=言葉を集めて「暮らし」のイメージを可視化する。

    // どんな天才でも少しの努力もなしに、創造の種が湧き出てくることはありません。ひらめくためには、どれだけの素材を有しているか、その素材をどんなふうに料理をするかといったアレンジのノウハウが大事です。家づくりに際しては、情報が多いことに越したことはありませんが、情報をいかに取得し、等身大のものとして整理できるかがカギとなります。 Contents. 日頃から情報を整理しておく 等身大の情報を手づくりする 1坪削って世界の建築の旅を 自分の背丈くらいの本を読め 日頃から情報を整理しておく 仕事に行き詰まったとき、助けてくれるノートがあります。 新聞や雑誌、小説、エッセイなど自分の読んだものから「…

  • 【撮影】=少しの工夫でプロ並みの「建築写真」Ⅱ=ブルーアワーを撮る。

    // 建築写真。いろんな撮り方があります。今回、おすすめしたい写真は、薄暮(トワイライト)タイムの住まいの表情。「マジックアワー」や「ブルーアワー」と呼ばれますが、青や藍がきれいなことから、ここでは「ブルアワー」とします。構図などは【撮影】の記事を参考にしていただき、三脚など大袈裟な道具や複雑な設定なしで撮影できることを前提にまとめています。一眼レフ、コンパクトデジカメともに手ぶれ補正が付いている機種がほとんどですので、ぜひ、手持ちで挑戦してみてください。 Contents. 【撮影する時間】 【カメラの設定】 【撮影の前準備】 【撮影する時間】 ブルーアワーとは、夜明け前や日没後、屋外の色彩…

  • 【温度と健康】=ほんの少しの室温アップで、カビや結露、冷え性を改善する。

    // 身体が冷えると、風邪をひいたり、体調がすぐれない日も増えていくのが憂鬱なところ。外で冷え切った身体を暖めてくれるはずの住まいが、寒さや結露まみれでは、健康にいいはずはありません。暖かさと健康との関係について。 Contents. 「暖房」を知らない日本人 寒さと不健康との関係とは 快適さは人をひ弱にしない 体温が下がると免疫力は? 身体を冷やさないのが基本 床暖房より躯体を断熱する 「暖房」を知らない日本人 日本の住まいは伝統的に、 焚火やストーブ、囲炉裏、コタツなどから 暖を採る「採暖」を旨としてきました。 「採暖」とは寒さを解消するのではなく、 寒さのなかで暖かさを得る、感じることで…

  • 【障子】=はかなさを慈しむ気持ちがはぐくんだ美学。

    // かつては紙や木、土だけでできていた日本の家も、いまや化学製品が主流を占め、使われる自然素材は数えるほど。ビニールやプラスチックのように、いつまでも丈夫で頑丈なことはいいことですが、身近に「生命」の息遣いが感じられなくなったことは少しさびしい気がします。 Contents. 光と影が自在に躍る建具 はかなさゆえの魅力とは 生命に秘められた美しさ 光と影が自在に躍る建具 遠い昔のこと。 家の庭の花々が一斉に咲き始める季節になると、母と一緒に障子の張り替えをするのが恒例行事でした。 建て付けの悪くなった障子の建具を外して外に持ち出し、張り替えの前の障子紙をグウのパンチでボスッボスッと破っていく…

  • 【終活・看取り】=空間の片隅に「エンディング」を潜ませておく。

    // 多くの人が最期の時間を「家で過ごしたい」と願います。しかし、日本ではまだ、終の棲家であるはずの家が夏は暑く、冬は寒い、介護には適さない環境であることが少なくありません。建て替えやリフォームのとき、ほんの少しでも「介護」や「看取り」=「エンディング」のキーワードをプランに潜ませておければいいのですが「夢のマイホーム」から「死」は遠くに置かれたままなのです。 Contents. 看取りを視野に入れた家 介護室よりみんなと一緒 家づくりの夢と現実の間 死の気配が消えた町と家 生も死も受け入れた家族 看取りを視野に入れた家 その家を思い出すときには、いつも雪の匂いが甦ります。 70代後半のおばあ…

  • 【寝室】=介助する側の「──しやすさ」を考えることで見えてくる理想の空間。

    // ベッド派か布団派か問われると、いまやベッドと答える人のほうが圧倒的に増えています。しかし、ベッドを選択するとおのずと寝室の面積は広さが求められ、そこでの介護を視野に入れると、ベッドプラスαの面積と機能が必要になります。新築、リフォームの際に覚えておくと便利な豆知識。 Contents. 高齢世帯ではベッド一択のみ ベッドを想定し寝室を広めに 尺貫法でベッドを考えると? 4畳半ど既存サイズから脱却 公営住宅で在宅介護を可能に 高齢世帯ではベッド一択のみ 布団派の人のなかでも、 好きで布団に寝ているわけではなく、 ベッドを設置する部屋が 我が家にはないという理由の人も少なくありません。 ベッ…

  • 【しない生活】=「もっと」をやめることで「もっと」しあわせになれるか。

    // もっとほしい。もっと生きたい。もっと前に。もっと大きく。人生は限界、締め切りだらけなのに、私たちはいつも「もっと」を望みます。何かを「しない」ことは罪悪なのでしょうか。人生にもいつか終わりが訪れます。その締め切りを意識すること、しないことで得られること。 Contents. みんな「締め切り」の中で生きている 「もっと」の先に待っているのは何? 数を選ぶことと深さを選ぶことの違い いま・ここでしか生きられない私たち 締め切りを受け入れ諦めることの豊穣 みんな「締め切り」の中で生きている 限界。 水も電気も石油もガスも森林も有限のはずですが 私たちは、いつの頃からか、 そこに限りがあること…

  • 【ヒートショック】=交通事故死より怖い現場は「家」にあった。

    // あたたかな家に帰ると、身体の芯からほっとします。エアコン、薪ストーブ、ヒートポンプ温水パネル。暖房手法や熱源はさまざまですが、暖房の基本は、暖めることではなく「寒さを取り除くこと」であることをご存じでしたか。屋内の温度差を解消するのが基本ですが、この温度差がときに命とりにもなることが、ようやく注目されてきました。 Contents. ブルッと震えたときが危険 屋外より危険な日本の住宅 ショックは一度じゃない! 在宅介護の基本条件として ブルッと震えたときが危険 暖房が効いた部屋から寒いトイレや浴室に行くと「ブルッ」とします。 身体は急激な温度変化に対応しようと筋肉を震わせて熱を作り、その…

  • 【電子レンジ】=「チン」する料理を避けてきた理由。

    // 主婦の城ともいわれてきたキッチン。そのキッチンでの家事労働は急速に簡略化され、システムキッチンの役割、機能自体が形骸化しつつあります。食事をつくることは、家族の健康を考え、生命を支えること。食とキッチンの原点とは。 Contents. レンジの熱にはなじめない 天然乾燥と人工乾燥の違い 電化製品ありきのキッチン 手間をかけないことの意味 食品庫や床下収納にも注目 レンジの熱にはなじめない わが家には電子レンジがありません。 子どもたちが小さな頃から、家族みんな、ラップやコンビニの弁当の器が「どうして溶けたり、焼けたりしないんだろう」と不思議に思っています。 なぜ温まるのか、その仕組みが、…

  • 【至福の時間】=デンマークの「Hygge=ヒュッゲ」と日本の「だらだら」。

    // 家のこと、あるいは特定の場所や人との関係について、私たちは「居場所」を求めようとします。ときには「居場所」が見つからず、世界をさまよい続けるほど、それがないと、生きていくのが困難なこともあるのです。しかし、居場所はもとから「ある」ものではありせん。最初から家は家ではなく、家族は「ある」ものではなく「する」もの、つくっていくもの。ちょっとした努力さえすれば、心地よい居場所は、ちゃんとできます。 Contents. ネコは基本的に単独生活者 心地よさを探すための方法 縄張りと居場所の違いとは 愛猫が危篤になったあの日 ヒュッゲの根底にあるもの だらだら・ぼんやりの時間 意味もなくそこに居るこ…

  • 【転倒防止】=転んでケガをしないための「ぬ・か・づけ」対策。

    // 外でも家でも多いのが転倒事故。滑ったり、つまずいたり。さまざまですが、少しの対策、注意で防ぐことは可能です。キーワードは、「ぬ・か・づけ」。濡れているところ、階段、片付け――などですが、日常に潜むバリアを改めて検証。 Contents 横断歩道とマンホールが危ない ミリ単位の段差にも潜むリスク 濡れた場所・階段のリスクは大 自分でつくる生き方のバリアも 横断歩道とマンホールが危ない 同じ日に、滑って転んでしまった人を3人、見ました。 街なかでのことです。 1人目は横断歩道の白線のところ(60代くらいのおばさん)、2人目はコンビニのドアが開いてすぐの店内(20代の男性)、3人目はデパートの…

  • 【思考と言葉】=言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。

    // 思考があって言葉があって、行動になる。うなづけます。以前も「性格は『顔』ではなく短い『言葉』に――」で自分と照合してみましたが、なるほどと思うところが多々ありました。自分なりの統計や考えと照らしてまとめてみました。 Contents. 1.心の状態は部屋に現れる。 2.寂しさは金遣いに現れる。 3.気品は言葉遣いに現れる。 4.本性は別れ際に現れる。 5.哀愁は色気に現れる。 6.我慢は怒りに現れる。 7.感謝は謙虚さに現れる。 8.余裕は優しさに現れる。 9.決断は未来に現れる。 10.偶然は必然的に現れる。 11.運命の人は探すのをやめると現れる。 12.生きざまは顔つきに現れる。 …

  • 【自然素材・伝統工法】=人にも地球にもやさしい家って何だろう。

    // 外断熱と内断熱。どちらが優れているか。かつて、こういう議論がありました。正確にいうと、住宅建築の場合、外断熱、内断熱という言葉は使いません。マンションやビルなどコンクリートの建物に使用されるのが一般的で、住宅の場合は外張り断熱・充填断熱といって区別します。高断熱・高気密にするということは、住宅性能を高めること。そんな人工的な住宅より、昔のように自然素材だけで健康的な住宅がいい、という人も少なくありません。結論からいえば、自然素材=健康という図式がとても難しくなっている、というのが現代の家づくりなのです。 Contents. 高断熱・高気密の潮流 素材が先か性能が先か 化学製品だらけの生活…

  • 【五感と家】=だらしない自分を許してくれる空間であるか、どうか。

    // だらだらは、だらだら。ゾクゾクは、ゾクゾク。としか表現できないことがあります。オノマトペ。抽象的だからこそ、感覚を表現するには最適な言葉があります。この曖昧さを具体的な数値に換えて実現するのが、家づくりの醍醐味。 Contents. 感覚の表現にオノマトペ 微妙な心情を伝えるとき 設計のキーワードに応用 感覚の表現にオノマトペ 「うらうらに照れる春日にひばりあがり」 万葉集にある句です。 うらうら、という言葉の響きだけで、のんびりとした春の空気や淡い風景が頭に浮んできます。 私たち日本人は、お天気に関することだけでも「からっとした日」とか「からりと晴れた」とか「どんより曇った」「ぽかぽか…

  • 【長寿と料理】=料理好きな人は、長生きできるという説。

    // 家事だと思うと面倒ですが、料理は本来、楽しいもの。おいしいものを食べて、誰かに喜んでもらって、健康にもなれる。料理をすることで長寿になる、という報告について。 Contents. 楽しい料理と割り切る 週に3~5回で「長寿」 趣味の料理だっていい 楽しい料理と割り切る 夕刻、デパ地下、スーパーに行くと、 おいしそうな惣菜がたくさん並んでいます。 「あっ、いいな」と思った料理は その場でじっくり観察し、 まずは盛り付けをアタマに入れます。 次いで素材を確認。 あれとこれと、あれとあれ。 なるほど。 あれとあれはないけど、 これとこれは冷蔵庫にあるはず。 自分で作ってみるための心の準備です。…

  • 【間取り】=「図面」ではなく「言葉」で空間を言語化する方法。

    // 「どのくらいの広さの家が希望ですか」と問われれば、大半の人が30坪とか、35坪とか具体的な数字を出して答えます。「その面積の根拠は」とうかがうと、ほとんどの人が「そんなもんでしょ」とか「以前の家もそうだったので」といった曖昧な答え。ここでは家づくりにとって、もっと大切なことを考えてみます。結論から申し上げれば、素人は間取り図を描いてはダメ、という結論。 Contents. 広さの裏付けが乏しい 希望を500出せますか 素人の間取りよりメモ 大枠の予算だけ決める ビジュアルを言葉に! 買うのではなく建てる 広さの裏付けが乏しい 関西のとある街。 住宅セミナーの講師として呼んでいただいたとき…

  • 【ダイエット】=「過ぎる」の功罪。

    // 飽食の現代からさかのぼること数百年、数千年前から、過食の弊害が指摘されてきました。自分の健康だけではなく、異国の子どもたちの成長や海や大地、空までも美しく保つ【食】の影響、そしてその節制について。 Contents. 日本の主食はトウモロコシ? 大量の水が同時に輸入される ご馳走様のほんとうの意味は 節制は吉・ケチは大凶の教え 日本の主食はトウモロコシ? 日本人の主食は米でした。 「でした」と表現したのは、米がすでに主食ではなくなっているからです。 では、現代の日本人の主食はなんでしょうか。 パン? いえ、違います。 実は、トウモロコシのようなのです。 日本では1980年を境に、国内の米…

  • 【扇風機】=今日からすぐに実践できる、冷房コスト削減対策。

    // 猛暑が続く夏。わが家ではエアコンを稼働させつつ、古い扇風機を使って、光熱費削減にトライしています。一日中つけていても、電気代は数十円。設置する位置や風の角度で、お部屋の涼しさが変わります。 Contents. 冷暖房と給湯で6割の消費 真冬でも大活躍した扇風機 エアコン+扇風機で涼感を 光熱費30%減の壁を超える 冷暖房と給湯で6割の消費 家庭内でのエネルギー消費量は増え続け、石油ショック前の1973年から2011年までの間に、2.4倍にまで増加しています。現在のデータでは、もっとでしょう。 用途別にシェアの大きいのは、動力・照明他、給湯、暖房、厨房、冷房の順。 1965年度と比較して、…

  • 【音】=能動的に「聴く」ことでしか聞こえてこない「メッセージ」があります。

    // 私たちは、この世界を身体や心で瞬時に感じられる感覚を得て生まれてきました。代表的なものが、いわゆる五感と呼ばれる感覚です。しかし、同じものを見たり聞いたりしても、捉え方は人によってさまざま。目の前にあるものを、どう捉え、何をイメージするかによって、その人の本質が顕れることもあります。 Contents. 日本人ならでの空間感覚 メッセージとしての「音」 日本人ならでの空間感覚 // 眼を閉じることはすぐにでできますが、人前で両方の耳を塞ぐことはなかなかできません。 五感とは便利なもので、見えていても見えないふりができますし、隣で誰かが話していても、何か考えごとをしていれば、まったく聞こえ…

  • 【縁側】=外でも内でもない、日本的過ぎる「曖昧空間」が心地よい。

    // 誰かとつながりたい。社会とともに歩む。環境を大事に。けれど、誰ともつながりたくないことを体現した家のつくりがいま、主流です。ここ数十年で生まれた日本人特有のプライバシーの概念が、社会と家族、家の機能までも大きく変革しようとしています。 Contents. 「うち」の反対側にいる他者 家に帰る・うちに帰るの違い 「徒然草」にみる賤しげな家 環境との分断は家族との分断 「うち」の反対側にいる他者 あの人はいい「家」の育ちです、という表現はあります。 でも、あの人はいい「うち」の育ちです、とはあまりいいません。 「うち」のカミさん、とはいいますが「家」のカミさんとも、あまりいわないようです。 …

  • 【玄関】=幸運を引き寄せるデザインと機能。

    // 玄関を入って、土間。高断熱・高気密仕様で大空間にしても温度差はない。欧州ではこの部分だけ床暖房にして、外で濡れた靴を乾かすなどの工夫をすることも。 どんな場所でも整理整頓、清潔に保つことは大切ですが、玄関は特に人が出入りする場所であり、運気も出入りする場所。人にとっても、運気にとっても、不潔な玄関に好感を覚える人はいないはずです。 Contents. 玄関は引き戸かドアか 靴を揃えると清々しい 女と男の履物の揃え方 数秒の手間を惜しむな 玄関は引き戸かドアか 玄関の「玄」はもともと奥深い悟りの境地を意味し、色彩の「黒」という意味でも使われます。 幽玄、玄人などの言葉を思い浮かべると、なる…

  • 【オズの魔法使い】=ドロシーが帰りたかったのは「家」ではなく「おうち」でした。

    // 家は二、三度ぐるぐる回ってゆっくりと宙に昇ってゆきました。ドロシーは風船の中で昇っていっているような感じがしました――そして、ドロシーの旅が始まります。旅の終わりには、あまりにも有名なあのフレーズ。ドロシーが帰りたかったのは故郷や家、家族がつくる【おうち】だったのです。 Contents. 願いを叶えるための旅に出る 欲しいものは元々持っている There is no place like home ! オズの国になかったものとは 認知症の母の記憶の【おうち】 どんな夢も叶えられるところ 願いを叶えるための旅に出る アメリカ・カンザス州の農場の小さな家で暮らす少女ドロシー。 ある日突然、…

  • 【軒・庇】=日本人の知恵が詰まった「パッシブデザイン」の原点。

    // 日本の伝統家屋では、その土地の日射、通風などを考慮し、軒や庇を設けることで四季折々の温度調節を図っていた。 住宅の洋風化・欧米化に伴い、軒や庇のない住宅建築を頻繁に見かけるようになりました。雨の少ない欧米の気候風土では納得もできますが、高温多湿で雨の多い日本で、建築スタイルまで乾燥地域と同じでは、どこか違う気もします。日本の伝統でもある、軒や庇の基本を考えます。 Contents. 日本は世界有数の雨の多い国 暑さはアフリカや中東レベル 法隆寺でも採用した理由とは 日射をコントロールする意味 軒下にウッドデッキの小宇宙 日本は世界有数の雨の多い国 日本語で雨の呼び名を数えると、400種類…

  • 【景観】=「計画を立てるには歴史観を持たねばできません」(浅田孝)。

    // 新しい価値は、歴史観に基づいてこそ、普遍的な価値へと昇華します。変わっていいこと、変わらなくてはならないこと、変わってはいけないこと。 Contents. 熱的性能では先進的な北海道の家 家にも街にも表情が感じられない たった数年で古ぼけてしまう外観 時代を超えて伝わる家や街の価値 熱的性能では先進的な北海道の家 4日間ほど北海道に行ってきました。 旭川では研究所を訪ね、札幌では旧知の建築家と会って、近況などをうかがいました。 電車の車窓から眺めたり、街を歩きながら北海道の家を見るたびに、いつも思うことがあります。 一つは、ほとんどの家が熱的性能が高く、暑い寒いといった基本的な問題が解決…

  • 【ミッドライフクライシス】=人生を、問い直さずにはいられなくなる時期。

    // 家づくりを経て、子育てが終わった頃、足元に忍び寄る中年期ならではの不安や葛藤=クライシス。それと闘うこともいいのでしょうが、足元に課題解決のヒントがあるかもしれません。 Contents. 中年期の葛藤とは 熟年夫婦の大問題 生きてちゃだめ? 後退ではない進歩 中年期の葛藤とは 人生80年とすれば、40歳を過ぎたら、そろそろ中年期。 男女ともあぶらののった時期でもあります。 しかし、子どもたちは難しい時期にさしかかり、自分たち親世代は、家庭や職場での責任が一層増す時期。 体調の変化やストレス、あるいは離婚・再婚といった劇的な人生の転換が多いのもこの世代です。 結婚して家庭を持ち、子育てを…

  • 【温度・狭さ・動線】=日本の住宅が見落としてきた3つの弱点=バリア。

    // 住宅のバリアというと段差解消と手すりの設置くらいしか思い浮かばない人がほとんどではないでしょうか。加齢後、あるいは身体に障害を持って初めて気づくバリアもあります。できるだけコストをかけずに安全な環境をつくることが大切。バリアフリーに関しては何度かに分けて解説しますが、ここでは日本人の多くが見落としがちなバリアについて。 Contents. 新築の家にも多くのバリア 温度のバリアは最重要課題 交通事故より住宅が危ない 段差解消よりも大切なこと 必要な場所だけ広さを確保 廊下のいらない設計が基本 新築の家にも多くのバリア 取材で新築の家におじゃますると、瞬時に、たくさんのバリアが目につくこと…

  • 【マローンおばさん】=ここではない「どこか」を求めてしまう、私たちの「居場所」について。

    // 私たちはいつも、ここで生きながらどこかを求め、誰かといながら孤独を感じています。あなたのほんとうの居場所は、と問われて黙り込んでしまう人は、いったい、どれくらいいるでしょう。そんなときに、闇に覆われた心にぽっと灯りをともしてくれるのが「マローンおばさん」です。 Contents. 珠玉の詩が絵本になった 天国に旅立ったおばさん 誰にも必ずある「居場所」 珠玉の詩が絵本になった イギリス児童文学界を代表する作家・詩人であり、 第1回国際アンデルセン賞受賞者 エリナー・ファージョン(1881年‐1965年)の詩を 翻訳、絵本化した作品。 絵はエドワード・アーディゾーニ。 森のそばで、 一人貧…

  • 【災害と住宅】=「オール電化」は「災害時に脆弱」とは限らない。

    // 地震や台風などの災害時、停電が長引くたびに必ず流れるのが「オール電化住宅は災害に弱い」というニュース。停電になったら、調理もできない、冷暖房もストップ、給湯も使えない――というのが理由なのでしょうが、現実には、停電になったら、灯油のファンヒーターもガス給湯器も、固定電話(黒電話以外)も使えません。正しい情報かどうかをシミュレーションするためにも、少しひねくれているかもしれない情報の捉え方。 Contents. 災害時にも復旧が早い電気 電化の利点を引き出す住宅 ベストという選択肢はない 災害時にも復旧が早い電気 日本は地震大国です。 阪神・淡路大震災(M7.3 1995)や新潟県中越地震…

  • 【炎】=心が鎮まる「“1/f”のゆらぎ」効果。

    人類が初めてエネルギーとしての【火】を利用するようになったのは、いまから約50万年前のこと。暖かく、煮炊きもできる【火】はやがて、暮らしに欠かせないものとなり、その【火】を雨風から消さないために屋根ができ、囲いが工夫され、家の原型ができました。眺めているだけで落ち着くのは、私たちの家と暮らしの原点を感じるからかもしれません。 Contents. 日本の家の中心【竈=かまど】 家にいながら異界と交信する 暖炉が創った全館暖房の文化 暖房よりも採暖を選んだ日本 キャンドルで1/fゆらぎを満喫 日本の家の中心【竈=かまど】 // 文字通り、釜をかける場所であり、囲炉裏とともに家を象徴する火所とされて…

  • 【ハレとケ】=家の中で紡がれる日常・非日常の「記憶」。

    // かつて日本の家は、冠婚葬祭に代表される家族の儀式の舞台でもありました。その舞台は、時代とともに屋外に移りつつあるか消えつつありますが、儀式の痕跡はいまも家のなかに残っています。日常と非日常とを区別し、折々の節目でつくられてきた日本の家と家族の文化を考えます。 Contents. 家族の儀式を消さないために はればれ・晴れの場・晴れ着 家で礼節を学ぶ=室礼のこと いまも日常に息づくハレとケ わが家オリジナルの「ハレ」 フォトブックや旅行の定例化 // 家族の儀式を消さないために お正月が終わったかと思うと、節分、ひな祭り、今度は端午の節句、そして夏が来て、秋が過ぎ、来月はクリスマス、その翌…

  • 【インテリア/照明】=陰翳を意識することで得られる、時間と空間。

    // 日本家屋や身近な漆器,食物などが「常に陰翳を基調とし、闇と云ふものと切れない関係にある」と綴った文豪・谷崎潤一郎。数十年前まで、日本人の暮らしのなかに当たり前に存在した「陰翳」に美を発見し、その価値を世界に知らしめた功績は、海外でも高く評価されています。いまや日本の町も建築空間も、明るいだけの、のっぺりとした空間が多くなってしまいました。照明の基本を学ぶにはいささか物足りないかもしれませんが「陰翳」をキーワードにするだけで、今日からわが家の空間に違う表情を発見できるかもしれません。 Contents. 明るさと闇の間にあるもの 暗がりを原点に据えた芸術 時の移ろいを味わうセンス 天井の照…

  • 【聴く】=相手を受け入れる「力」について。

    誰かと話をしたいという気持ちの根底には、自分の話を聴いてほしいという願望が潜んでいます。しかし、わずか3分でも、相手から何のコメントもなく、自分の話を聴いてもらったという経験を持つ人はどれくらいいるでしょう。3分間、自分の意見を述べず、徹底して相手の話に耳を傾けた、そんな経験を持つ人も多くはないはず。人と、あるいは自然、世界とつながることの基本は、まずは、こちからから耳を傾けるということ。 // Contents. 誰だって聴いてほしい いつでもつながりたい 相手を尊重しない社会 野の花の声でも聴ける 耳を澄まし物語を編む 誰だって聴いてほしい 自分から相談をもちかけたくせに、相手に何か忠告を…

  • 【断熱性能】=外断熱、内(充填)断熱、それぞれの長短。

    // 断熱というと、日本ではまだ馴染みが薄く、関心も低いまま。国が示す住宅の断熱指標も、先進国のなかでは最低レベルのまま現在に至っています。断熱性能を上げることで夏はより涼しく、冬はより暖かくなるのはもちろん、割安な光熱費で健康的な室内環境を実現できます。省エネとCO2の削減は比例しますので、エコロジーにも貢献。しかし、断熱の手法、工法のあれこれで、いまだ混乱の様相を呈しているのが日本の住宅業界。生活者として確かな選択ができるよう、最小限、覚えておきたいことをまとめました。 Contents. 住宅にも「性能」がある? 外断熱と内断熱の優劣論議 性能だけで建築は語れない 設備優先で住宅を考えな…

  • 【洗濯・乾燥】=室内で洗う、干す───文化と効能。※【おまけ】ホテルでの「洗濯」について。

    // 梅雨の時期から猛暑の夏、寒い冬の間、共働きの家族の場合など、外干しが難しい状況に置かれることは少なくありません。部屋干しするにはそれなりのスペースも必要です。でも、エアコンや扇風機などを上手に使えば、快適な洗濯&室内干しができるかもしれません。 Contents. 美しい外観と洗濯物のある風景 世界各国で異なる外干しの事情 先進国は室内干しに徹する文化 室内干しにも意外なメリットが 梅雨の時期と冬のエアコン活用 美しい外観と洗濯物のある風景 いつも通る道路沿いに新しく家が建つことになり、 完成まで毎日、建築工程を眺めていました。 ちょうど信号があり、よく止まる場所でもあります。 基礎は、…

  • 【音のデジャビュ=】=家と家族の記憶に刻まれる「音」の物語。

    // 風景にデジャビュ=既視感を感じることがあるように、ある音から、突然、遠い記憶が呼び覚まされることがあります。しかし、現代の家のなかで響く音は機械音が増え、人が手間をかけてつくる「音」が少なくなってきました。 Contents. 目を覚ましてくれる音 手間から生まれるもの 「おもんばかる」とは 断熱が空間をひろげる 目を覚ましてくれる音 向田邦子のエッセイ集「夜中の薔薇」(講談社文庫)のなかに「刻む音」という短い一文があります。 朝、目を覚ますと台所の方から必ず音が聞こえてきた。 母が朝のおみおつけの実を刻んでいる音である。 実は大根の千六本であったり、葱のみじんであったりしたが、包丁の響…

  • 【キッチン】=「システムキッチン」の「システム」の本当の意味。

    // キッチンは主婦の城、と呼ばれたのは昔の話。いまや、家族の数だけ、生活スタイルの数だけキッチンのスタイルがあり、男性も子どもも集うスペースとして大切な空間に変化しつあります。いわゆるシステムキッチンも素敵ですが、自分なりのイメージや作業スタイルに合わせ、ビルダーに造り付けしてもらう選択肢もあります。どちらがいいかという話ではなく、自分たちの生活を見極めることから、計画をスタートさせたいものです。 Contents. 孤高を保つ家事空間という考え方 対面式キッチンの種類とメリット キッチンの理想を描けない理由は システムキッチンの「システム」 等身大のキッチンをどう考えるか キッチンの原点を…

  • 【夜と霧】=それでも人生にイエスと言う。

    // 読書の際、気になった文章は2Bの鉛筆で線を引きます。すごい話だ、上手な表現だなあと思った部分が多いときには、ページの端を折ります。ですから、書棚にある本は全てボロ雑巾みたいになってしまいます。読み終えると、線を引いたり、端を折ったページの文章をノートに書き写します。手書きに徹することで自分の無意識に刻み込める、という思い込みで続けている習慣です。読書は物語を通して、別の世界に通じるツール。そして私たちは日々、物語に助けられながら、生きているのかもしれません。 Contents. 絶望の中で物語を編める人 先生はやさしせなあかんで 生き直す媒体としての物語 絶望の中で物語を編める人 人生で…

  • 【冷房・暖房】=高額な設備機器より、まずは建物の断熱性能を確保する。

    // 日本の家庭内で消費されるエネルギー消費は上昇の一途をたどり、上昇率は国際的にも突出しています。冷暖房や給湯に関わるエネルギーは、さほど増加しているわけではないのに、家電製品や照明などのエネルギーが一向に減少する気配を見せていないのです。家の中のどこでも快適な温度に保たれた欧米と異なり、日本の家はいまも夏は熱中症になるような暑さ、冬はいつヒートショックになってもおかしくない寒い不健康な家ばかり。私たちの日本人の家と暮らしをいま一度、見つめ直します。 Contents. 暑さ・寒さと健康との関わり 我慢を強いる家は家ではない 躯体の省エネと設備の省エネ 暖かいと「寒くない」の差? 暑さ・寒さ…

  • 【トイレ掃除】をしても「運気」は上がらないという証拠。

    // 神様がいる。掃除をすると運気が上がる。金運、強運、何でも期待できる。トイレ掃除には、なぜか、スピリチュアルな言葉がついてまわります。それだけアンタッチャブルな空間といえるのかもしれません。トイレに関する、けっして汚くはないお話のあれこれ。 Contents. ホテル滞在中もせっせと掃除 お店の掃除には負けたくない タイのホテルで目撃した客室 家のなかは土足禁止のラオス トイレットペーパーは流すな トイレ掃除と金運の相関関係 見えないところだから清潔に ホテル滞在中もせっせと掃除 年間数十日、 出張先でホテルのお世話になります。 部屋のドアを開け、早速荷解き。 靴を脱いでクローゼットに入れ…

  • 家と家族の幻想。

    わずかな時間を見つけて向田邦子を読んでいる。昭和4年生まれ。世代が異なる気がしないのは、この人のシナリオによる作品が、子どもの頃からテレビドラマとして身近にあったからだろう。 ノンフィクションから読書の道に入り込んだ自分にとって、シナリオ作家の書いた活字は読むべき対象には入らず、事実、この数十年、1行たりとも入り込んではこなかった。縁がないものと思っていた。 ひと月ほど前のことだ。本棚の奥にあった「父の詫び状」を手にとって頁をパラパラめくると、止まらなくなった。人に会うのも、本を理解するのも、その時期、そのときの個性があるらしい。父が母が、あるいは祖父母たちが生きた昭和の時代の家と暮らしの相が…

  • 【nLDK】=家は「LDK」ではなく「Room=居室」より「Space=空間」という発想。

    // 日本の家はこれまで「LDK」に代表されるように居室=Roomを基本に家づくりを考え、Roomの数で家のステイタスを主張してきました。しかし、小間割りにされた居室の数ではなく、大きめの空間=Spaceで家の有り様を想像してみると、縦にも横にもひろがりが生まれ、新しい光や風、家族の暮らしが見えてきます。 Contents. 大きな家とおおらかな家 空間をあとで仕切る発想 回遊型デザインは楽しい 空間をSpaceで考えよう その壁を取り払う勇気を 名ばかりの書斎など不要 大きな家とおおらかな家 家は不思議です。 30坪でも開放感にあふれた家もありますし、 60坪の広さがあっても、閉塞感を感じる…

  • 【ゲド戦記】=私自身の「影」と向き合うことで「創造」される私。

    // 影はしばしば、私たちが願う方向とは逆に作用し、自我との対決を迫ります。その対決は、生死をかけた過酷な戦いとなることもありますが、それが導きとなり得ることは少なくありません。影のないところに光はなく、光のあるところには必ず影があります。その影にこそ、美しさの本質が隠れているかもしれません。 Contents. 陰翳の中にある美と安寧 仄暗さの中に秘めた美学 光より強い力を宿すもの 自分の中の影を凝視する もう一人の「私」の発見 自我との対決を迫られる 陰翳の中にある美と安寧 以前、ここに「1/f ゆらぎ」 について書きました。 単調でなければランダムでもない、 自然界に多く存在する 特別な…

  • 【微気候】=庭から屋内に「涼」を導く「パッシブデザイン」。

    // 気候には、大・中・小、そして微気候があります。微気候というと難しく聞こえますが、わかりやすくいうと、庭や樹木、植物などがある地面近くで発生する気候のこと。私たちのごく身近にある小さいけれども確かな気象でもあり、これを利用すると自然で心地よい「涼」を家に導くことができます。 Contents. 気候にも大・中・小がある 微気候で涼を得た日本家屋 縁側と庭は家の続きだった 気候にも大・中・小がある 気候風土の「風土」とは地形、水、土壌、植生、さらに歴史的な建造物なども含まれます。 「気候」は、その土地における気象の平均的な姿をいいます。 この気候にも、200〜4万キロ、高さ120キロくらいの…

  • 【家の記憶】=初めてなのに懐かしい、そんな家のたたずまい。

    // どこかで会ったような気がする人がいます。どこかで見たような風景、家。思い出そうとしても、なかなか記憶が甦らない。それは既視感=デジャビュかもしれません。曖昧だけれど、どこか懐かしく、温かい。ひょっとして、前世で出合った風景や人なのでしょうか。 Contents. 既視感と未視感の狭間 人類には共通した記憶 シェーカーの家に学ぶ 消化不良になる家とは 自分だけの物語を辿る 既視感と未視感の狭間 初めて訪れた街や風景、お寺、民家などに、なんだか懐かしい、どこかで見たことがあるかも、という感覚を覚えることがあります。 このように、いま自分が見ている風景が、いつかどこかで見た風景のような気がする…

  • 【個室と孤室】=部屋ごとに仕切るより、ちょっとした「縄張り」がほしい。

    // 新築を計画するとき、家族一人ひとりが真っ先に考えるのが、自分の居場所。しかし、私たちは居場所を間仕切りされた個室空間と考えがちですが、個室ばかり並んでは、予算はいくらあっても足りません。私たちがほんとうにほしいのは、個室なのか、家族といえども、立ち入ってほしくない「縄張り」なのかを考えると、ヒントが見えてきそうです。 Contents. つかず離れずの難しさ 憧れの隠れ家になるか 本当の孤独はさびしい LDKプランには限界が 目的を部屋で考えない 少しだけ視線を遮れば カウンターだけの空間 個室より縄張りでいい 間取り図は描かない! ヤマアラシのジレンマ // 2匹のヤマアラシが、ある日…

  • 【ドアか引き戸か】=家にドアは1つだけでいい。

    // 引き戸は日本で生まれた建具。海外の伝統家屋ではほとんど見かけません。ドアの開閉には一定の力と面積が必要になりますが、指1本でも開けることができるのは引き戸ならでは。設置にも少しの幅があればOK。デッドスペースがありません。車椅子の人でも開閉がスムーズなバリアフリー建具でもあるのです。 Contents. 世界に誇るべき日本発祥の建具 空間を大きくも小さくもできる 指1本で開閉できるバリアフリー 暮らしの場面ごとに使い分ける // 世界に誇るべき日本発祥の建具 平安時代には、衝立、屏風など間仕切りするものはまとめて「障子」と呼ばれていました。 それが開閉できる機能を備え、外部と仕切る建具と…

  • 【遺伝子/オキシトシン】=遺伝子がONになる、感謝と祈りと。

    // いやなことがあると落ち込みます。いいことがあるとうれしい。よくても、悪くても、私たちは、その折々で置かれている状況だけを見つめて、揺れています。意地をはったり、嫉妬をしたり、恨んだり、怒ったり。分かっていても、やめられない。この問題、苦しみから逃れる方法はあるのでしょうか。 Contents. 怒りや恨みの感情の行き先 遺伝子をオンにするために 元気になれるオキシトシン 子どもより奥さんに労りを いいことが起きますように 正しい言葉は人に届かない 怒りや恨みの感情の行き先 この20年来、おつきあいのあるA先生(医学・生理学博士)に こんな話を聞いたことがあります。 人が病気になるには 衣…

  • 【室内気候】=家は「第三の皮膚」。四季を通じて健康的な温湿度を保つために。

    // 家にも衣服にも気候があります。暑い季節は涼しく、冬は少しでも暖かく。住まいは人を守る皮膚であり、衣服であり、シェルター=器としても、多くの機能を求められます。いわば第3の皮膚。寒さから人を守り、健康にダメージを与えない暖かさがほしくなる季節。「室内気候」という言葉をはじめ、私たちは熱や温度について、意外に知っていることが少ないことに気づくのです。 Contents. 住宅・衣服にも「気候」がある 気候と衣服と文化と機能の関係 欧米人と体温や汗腺の数は違う 身体・衣服に次ぐ「第三の皮膚」 身体をセンサーに快適さを計る 伝導・対流・放射の違いとは? 真冬でも太陽が暖かい理由とは あちこち移動…

  • 【照明】=日本の家も街も明るすぎる。うつくしい空間は「陰影」の演出から。

    // 光にも陰にも階調があります。色合い、光度は一定ではなく、無限のグラデーションの中に無限の美しさが潜んでいます。絵画や写真、文章、そして建築にも【陰翳】の演出は欠かせません。 Contents. 線で形を描くことの難しさ 無意識でも眺めている輪郭 無限の階調=【silhouette】 明る過ぎると疲れてしまう 線で形を描くことの難しさ 絵画教室に通ったことがあります。 父方の祖父や叔父2人が 画家であったことで(とても貧乏な)、 自分もいつか彼らのような 絵を描きたいと思ったのでした。 絵の表現を学ぶことで文章や写真の勉強にも なるのではないか、 というひそかな願いもありました。 結果とし…

  • 【親の寿命】=あとどのくらいの時間を一緒に過ごせるか───。

    // いつまでもあると思うな親と金。分かっているつもりです。しかし、親の命にも私たちの人生にも限りがあります。限界から人生を眺めてみると、私たちのいま、明日は、どんなふうに見えてくるのでしょう。 Contents. 親の命は永遠ではない事実 いろんな視点で人生を逆算 生からの視点と死の視点と 親の命は永遠ではない事実 テレビのスイッチをつけましたら、「親孝行」について、いろんな人がお話をしていました。 親子双方にとったというアンケートがあり、それによると子は親にプレゼントをしたり、温泉に連れていったりするのが親孝行と考えがちですが、親からすれば、子どもが元気で暮らしているかどうかがいちばんの心…

  • 【吹き抜け】=寒くない、暑くない、メンテナンスも容易な大空間を考える。

    // 明るくて開放的。いやいや、寒さが心配。掃除やメンテナンスは――など、家づくりの際に、迷ってしまうのが吹き抜けを設けるかどうか。ひと昔前までは、エネルギーの無駄、寒くてしようがないなど、マイナス面ばかりが強調されていましたが、断熱水準が上がったことで温度差も少なく、省エネで吹き抜けができる時代。そんな吹き抜けに関する話題のあれこれ。 Contents. 天井の高さと子どもの出世 狭くて暗い場所が落ち着く 天井高は7尺5寸が限度説 床と天井の温度差について リビングそのものが不要? 一人で過ごせる空間なのか 天井の高さと子どもの出世 吹き抜けを採用するお宅が増えてきました。 ひと昔前までは、…

  • 【アンネの日記】=あと少し背伸びをするだけで手が届きそうだった、彼女の「居場所」。

    // アンネという言葉を目にしたり、耳にするだけで、胸が苦しくなり、少しだけ暖かくなります。極限ともいえる恐怖のなかにあってもなお、日記を綴り、言葉の中に、夢を描き続けた少女。彼女のことを思い起こすたび、人間の持つ可能性と、恐ろしさを同時に感じるのです。 Contents. 残された1冊 15歳の見た光 夢と願いの跡 内的な居場所 残された1冊 // 【あなたになら、これまでだれにも打ち明けられなかったことを、なにもかもお話できそうです。どうかわたしのために、大きな心の支えと慰めになってくださいね】(1942年6月12日 アンネ・フランク) いまなお世界中で読み継がれている『アンネの日記』。 …

  • 【省エネ冷房】=電気代を安くする、エアコン連続運転と住宅性能の関係。

    // 暑い夏は、まずエアコン。しかし、帰宅してすぐにスイッチを入れても、なぜか涼しくならないのはなぜなのか。24時間、省エネでえ涼しさを得る基本は、まず日射を室内に入れないこと、そして躯体の断熱性の向上、そしてエアコンの連続運転なのです。 Contents. 日射を遮る暑さ対策の基本 住宅性能の確保を大前提に 古くて新しいパッシブ設計 冷やすだけでは不快なまま Low-E・複層ガラスの選択 袖壁や樹木でも日射を遮る 一人でも1000Wの熱を放つ 省エネラベルの「★」とは 日射を遮る暑さ対策の基本 // 猛暑の日が続きます。 数週間前まで、時折、暖房がほしいと思うほど肌寒い日が多かったのに、突然…

  • 【家づくりと職人】=手わざを守ることは、町を育て、自然を守る循環をつくること。

    // 家づくりは、あらゆる職種の専門家たちによる手業の集大成でもあります。どんなに工業化が進もうと、現場での人の目、人の手足による裁量なしでは、寸分の狂いも許されない建築がそもそも成立すらしないのです。 Contents. 大工さんが入る前の職人たち 2×4の現場にはフレーマー あらゆる技術が集積される家 気密処理には高度なノウハウ 職人が町と自然を守ってきた 人の「願い」が凝縮された家 大工さんが入る前の職人たち 家をつくるのは大工さんというのが、私たちのイメージです。 が、家づくりには、いくつもの分野の職人さんたちの技術が駆使され、集積されています。 既存の家を解体するのは解体の専門業者さ…

  • 【家づくり】は「修業」。

    A社(工務店)でお話をうかがう。昨年、取材でお会いしたBさんご夫妻と一緒である。あれから検討を重ね、プランを練り、いまは上棟を終え、着々と工事が進んでいる。奥様からうかがった話が、印象に残った。「家づくりって、実は、苦しい作業だったのですね」というのである。限られた予算と数えきれないほどの制約のなかで、家族が要望を出し合う。そこで初めて、ご主人が、2人の子どもが、こんなことを考えている人間だったんだ、とわかる瞬間がいくつもあった。 時には、考え方の違いで感情的になり、諍いになることさえあったという。そのときに見せる相手の表情に戸惑い、逆に、和解に向かっていくときの、これまで見たこともない対応に…

  • 【収納】=納める・仕舞う・見せる───「いい・加減」整理。

    // 収納。星の数ほどテクニックが紹介されていますが、どんな方法を試しても、なかなか成功しないのはダイエットと同じ。テクニックを学ぼうとするほど「学ぶ」ことが面倒になってしまうのです。私たちは、そんなに我慢強くありません。我が家では、片づけや掃除は全て「いい・加減」。プラス100ではなく、プラス1でも進歩だと思うことから始まりです。 Contents. 大掃除も「小掃除」もある 本棚に入るだけの本に絞る 10年間一度もふれていない 収納術の前に決断力をもつ 片づかない人のコスト換算 収納スペースを減らすこと 納める・仕舞う・見せる? 削ぎ落とし醸される美しさ 大掃除も「小掃除」もある 家のなか…

  • 【瞑想】=人生の大切な答えは、目を向けたくないところに隠れている。

    // 本日のおすすめ本 放っておくと身体も脳も心もずっと動いています。 少し落ち着こうと、その場で座って、目を閉じ、呼吸を深くしてみます。 3分、そうするのも難しいのです。 私もそうでした。いえ、いまも、ほとんどがそうです。 目を閉じた途端に、あれも忘れていた、すぐにあれをしなきゃ、こうしなきゃと、心のなかは雑念だらけ。 思わず不安になって数秒後に目を開け、立ち上がってしまうこともあります。 なぜ、急ぐのでしょうか。 どこに行こうというのでしょう。 わかりません。 目を閉じるだけでは、脳は活動を止めることなく、エネルギーを消耗し続けます。 エネルギーの消耗を抑える方法は、睡眠と瞑想しかないこと…

  • 【長寿遺伝子】=「腹七分目」で起きる奇跡について。

    // 日本には古くから「腹八分目」という言葉があります。何事も、ほどほどのほうがいい結果を招く、少食が健康を保つなど、短いその一言に哲学さえ感じます。最近は「腹七分目」が健康だけでなく、長寿のもとになるとの説が相次いで発表されています。 Contents. 長寿遺伝子を発動する行動 食事もエネルギーも3割減 少し肉を減らすだけの効果 100%と150%の七分目とは 日常は世界と直結している 長寿遺伝子を発動する行動 満腹よりも八分目程度に抑えていた方が健康によく、医者いらず、といった意味で使われてきた「腹八分目」。 食べ物がいまほどゆたかでなかった時代は、食べたくても満足に食べられず、八分どこ…

  • 【実家の整理】=「捨てるモノ」を選ぶより「捨てたくないモノ」を選んできた。

    // 老いた親と実家。この二つにどう向き合うかは、誰にでも避けては通れない課題といえます。いつまでも両親二人で、あるいは一人暮らしをさせておくこともできず、同居もしくは施設入居となれば、実家は即、空き家となってしまいます。空き家を抱えた地域はやがて、過疎の地に――。この問題も、少しずつ考えていかなくてならないようです。 Contents. 「親家片」の行く末とは 何を捨てるかという迷い モノも空き家も社会問題 捨てるモノなど選ばない 大事なモノから選ぶこと 「親家片」の行く末とは 「親家片」(おやかた)という言葉があります。 「親の家を片付ける」意味で使われます。 初めてこの言葉を目にしたとき…

  • 【家庭内事故】=段差だけではない、濃淡・色彩・明暗の「バリア」を見逃さない。

    // 視覚障害のある家族のために、動線にLEDを埋め込み、自活性を高めた工夫。 段差の解消はもちろん、「狭さ」というバリアも解消する。明るさの確保もバリアフリーの一つ。 バリアフリーというと段差の解消や手すりの設置などが思い浮かびますが、その人の持つ障害によって、対処すべきバリアは大きく異なります。特に、足腰が弱くなったり、視力の衰えなどは加齢とともに進み、誰もが避けて通ることができません。それだけに家のなかのバリアとその解消には、早目に対処したいところです。 Contents. 階段を踏み外しそうになる 40歳を超えると「高齢視」 色を判別できないハンディ ほぼ全員が経験する白内障 コントラ…

  • 【ぼくを探しに】=自分にぴったりの「かけら」に出会うまで。

    「ぼくを探しに」(講談社)という絵本が デスク脇の書棚にある。 いつも、手の届きやすいところに置いてある。 シルヴァスタイン作・倉橋由美子訳。 もう何年も前の誕生日に、娘からプレゼントされた本である。 何かが足りない。 楽しくないと思った「ぼく」は足りないかけらを探しに行く。 かけているからだは、あまり速くころがれないし、歩けない。 それで立ち止まってみみずと話したり、 花の香りをかいだり、かぶとむしを追い越したりして かけらを探していく。 途中でようやく、自分にぴったりのかけらに出会う。 やった! ばんざい! これでようやくまん丸になれた、と思ったが 今度は花の香りをかぐことも、歌も歌えない…

  • 【坪単価】=日本独自の建築コストの迷宮。

    // 住宅の広さが延床面積=㎡で示されてもなお、私たちは「坪単価」を建築コストの目安にしてしまいます。しかし、ビルダーや設計者によって、どこからどこまでが標準仕様で、何がオプションなのか、明確な判断基準はありません。「坪単価80万円」を目安にしたものの、図面があがってきたら「坪単価100万円」というケースが多々あるのもビルダーと施主の解釈の違いによることが少なくありません。いざというとき、慌てないために「坪単価」の考え方について。 Contents. 計算に何を含めるかで変化する 設備の種類やグレードも考える 総額で判断するのはいけないか ローン+光熱費/月で判断する 計算に何を含めるかで変化…

  • 【正座】に秘めた精神性。

    中国人の留学生にお話をうかがいました。「日本の生活でつらいことは」と尋ねたところ、即座に「正座」という答えが返ってきました。意外かもしれませんが、中国は欧米と同じ「立式」の生活なのです。日本人でも正座が苦手な人は少なくありません。冠婚葬祭などの席で正座を余儀なくされると、つらい反面、気が引き締まって、まんざらでもないと思うこともあります。自分も、疲れたときはあえて正座をします。実は、日本に正座が浸透してから、まだ100年足らず。江戸時代中期の頃まで、正しい座り方といえば立て膝が主で、胡座(あぐら)のような姿勢だったといいます。もっとも、当時の日本の建築は板の間が大半で、畳は高貴な人のためのもの…

  • 【ムーミン谷の家族】=スナフキンにはならない。

    「ムーミン」の物語が好きだ。 テレビでは、 昔の岸田今日子さんの声のアニメがよかったが 再放送にはなかなか巡り合えない。 (作者のトーベはこのシリーズが気にいらなかった) 仕方がなく、 文庫本を何冊か買って大事にしている。 ほんとうの名前は「ムーミントロール」。 甘えん坊で、傷つきやすく 吟遊詩人のスナフキンに憧れている。 崇拝さえしている。 住所は「どんなところよりも美しい谷」。 ムーミンパパは責任感が強いが、 すぐに挫折をするナイーブな紳士。 仕事はしていないみたい。 ムーミンママは癒し系代表のような存在だが 頼りになって前向き。 でも、ものごとにも人にも、 けっして執着しない ある意味、…

  • 【簡素・省略・余韻】=文章も写真も音楽も空間も、究極のテーマは「余韻」。

    プロの小説家はもちろん。著名な研究者や専門分野で執筆機会の多い人でも、腕のいい編集者の手にかかると、2000字を500字くらいに減らしても、十二分に要点を伝達できる文章にできます。それだけ大半の人は、無駄なことを書いているのです。デザインも同じ。限られた誌面に過剰なケイ線、必要以上に大きな活字、そこまで増やさなくてもいい写真の点数、目立ちすぎるノンブルやキャプションなど、過剰に情報を詰め込むタイプのデザイナー、余白を生かしてシンプルに徹するデザイナーなどいろいろです。写真について大切にしているのは、キャプション(写真説明)を付けられる写真かどうか。テーマを絞り切った写真は、キャプションを付ける…

  • 【人間の土地】=「星の王子さま」が生きた軌跡。

    「星の王子さま」の著者による自伝的作品。訳者は明治から昭和にかけての 詩人、歌人、フランス文学者でもある堀口大學。 読みやすいとはいえないが、著者の美学を格調高い日本語に転換し、 遺伝子と文化のバリアを研ぎ澄ました感性で突いてくる。 解説は、宮崎駿。この人の作品の多くに登場する飛行機だが、残酷な歴史と文化を熟知したうえでの、 空と飛行機への憧憬であったことに気づく。 著者、訳者、解説者。どれをとっても、これほど贅沢な本はめったにない。 風景は、人が見れば見るほど摩耗する。 今の空とちがい、 彼等の見た光景はまだすり減っていない空だった。 今、いくら飛行機に乗っても、 彼らが見た空を僕等は見るこ…

  • 【リフォーム】=投資した費用を無駄にしない、性能改修という選択肢。

    // 新築が伸び悩み、リフォームやリノベーションが急増しています。しかし、新築に比べコストが割安という理由だけで、見た目優先の改修をしてしまうと、家や人の健康に影響する事態も起きかねません。リフォームは、壁や基礎までチェックする絶好の機会。合理的な改修を考えたいものです。 Contents. 見た目優先のリフォームのリスク 性能改修で家の寿命を延ばす発想 膨大な家のゴミから目を背けない 何もしない…という選択肢もある 選択肢が増えることで自由になる 見た目優先のリフォームのリスク 築後数十年の間に、何度もリフォームを繰り返し、結局は新築・建て替えとなってしまうケースが少なくありません。 問題が…

  • 【食卓の美学】=日本人の所作と日本の家との関係性。

    // 子どもの頃から、箸の使い方には、とりわけきびしく躾けられてきました。裕福な家ではなかったからこそ、食卓での作法くらいは、という父の考えだったのかもしれません。同じ箸を使う文化でも、お隣の韓国とでは少しマナーが異なります。単純な「違い」のなかに、関係を深めるヒントが隠されているかもしれません。 Contents. 箸の不作法を知る 父がもっとも嫌った動作 もとは床を汚さない手段 韓国で垣間見た礼節 単純さの中に潜む美学 箸の不作法を知る どんなに質素な食事でも、 「箸はきちんと使いなさい」が 父の口癖でした。 ただでさえ、豪華な料理などではないのに 箸の使い方が悪いと 食事がいっそう貧しく…

  • 【汚れなき悪戯】=無力と純心と節度の狭間にあるもの。

    小さな村があった。 ある朝、修道院の門前で、生まれたばかりの 捨て子が発見される。 僧侶たちはその子をマルセリーノと名付け、 心をこめて育てる。 6歳になったマルセリーノは、 悪戯ばかり。 野原で偶然に出逢った女性に、 会ったことのないママの姿を重ね見て以来、 誰かと会うたびに 「ママはどこにいるの?」と尋ねるようになる。 そんなマルセリーノが、 決して行ってはならないといわれていた 修道院の2階にそっと忍び込み、 痩せ細ったキリスト像と出会う。 彼は「空腹」のキリスト像のために、 毎日、厨房から パンとワインを盗んで届けに行く。 ある日、像がマルセリーノに語りかける。 対話は毎日続き、 マル…

  • 【茶の間の復権】=「LDK」の空間が、こんなに息苦しい理由。

    // サザエさん家族が集う場所 あまり使われなくなった「茶の間」という言葉。 子どものころは当たり前に使われていた言葉ですが、いまの若い人たちに「茶の間」といっても、どんな空間なのかわからず、「?」という表情をされるのがオチかもしれません。 サザエさんの家族が集う場所といえば、すぐにイメージがつかめるでしょうか。 囲炉裏が家の中心に備えられ、そこで煮炊きしたり、暖をとったりしながら家族を繋いできたという話を以前書きました(下記参照)。 www.ienotomo.com 囲炉裏の火は、絶やさないのが決まりでした。 火を焚き続けることで空間を少しでも暖め、柱や梁を乾燥させる目的もありました。 明治…

  • 【おじいさんと犬】=雨の日も風の日も一緒にゴミを拾い続ける、1人と1匹。

    // モノを持ちすぎない、リサイクルを徹底する、ミニマリストへの憧憬。人とモノとの関係は暮らしとゴミの関係に直結します。ご近所のおじいさん、毎日、愛犬との散歩の途中でゴミを拾っていることに気づきました。小さなことでも、自分にできることから黙々と。そんなおじいさんと犬とエコロジーの話。 Contents. 缶やビンはあまり使わない リサイクルは突き詰めない ゴミ箱はどうして満杯か? おいしくなーあれ、の魔法 散歩のついでにゴミを拾う 誰に褒められることもなく 缶やビンはあまり使わない 外で飲むときには、ビール、そのあと焼酎のお湯割り。 家では食事と一緒にワインか日本酒(純米酒)をグラスに1杯ほど…

  • 【通風・換気】=心地よい風が抜ける「家」と風通しのいい「人間関係」。

    // どんなに空調設備や換気システムが進化しても、窓を開けたときに感じる自然の風の心地よさにはかないません。高断熱・高気密住宅がスタンダードになっても、四季折々の風が感じられる家が素敵です。家を抜ける風、注目のパッシブ換気、風通しのいい人と人との関係まで、風と家と人の小さな話。 Contents. 窓を開けて感じる四季の空気 空気の行き止まりを回避する 温度差と気圧差と換気の関係 パッシブ換気も視野に入れる 微気候でも風の流れをつくる 風通しのいい人と人との関係 窓を開けて感じる四季の空気 朝早く起きて、窓を開けて味わう空気は、気持ちのいいものです。 かつての日本家屋は、夏を旨とし、北から南に…

  • 【照明・灯り】=闇を制御する光のしわざ。

    今年も、あの3.11がやってきて、また過ぎていった。 震災の直後から、節電のためにと居間の蛍光灯は使わなくなった。 その代わりにスタンドライトを2本購入し、間接照明としてきた。 スタンドといっても高価なものでない。 お値段以上のニタリで買った3980円のものである。 電球は昼光色のLED。 以前は40ワットの蛍光灯3本だったので、 電気代は数分の1で済む。 一つは壁を、もう一つは天井を照らす。 影も色も消してしまう以前の白い空間から、 きれいな朱色の空間に変わり、 時間の尾っぽに重しがついたように、 時がゆっくりと過ぎていくのがわかる。 家族との会話の声も静かになり、たまにつけるテレビの音量も…

  • 【家族関係】=「自らに目覚めよ」(親鸞) 「いただいた私」を生きていく。

    // 人を変えようと思っても自分がつらいだけ。家族に関しても同じことがいえそうです。人との関係改善の最大のコツは、まず、自分が変わること。他者は変えられませんが、自分だったら、いま、ここで、すぐに、変わることができます。気が付くと、家族との関係性もプラスに変化している。なぜ? Contents. 変わらないなら方法を変えてみる 幸福な人の側では不幸になれない 変えられるのは自分しかいない! 自分が幸福になることで人を救う 変わらないなら方法を変えてみる 毎日、口うるさいくらいに言っても、パパは洗濯後の下着を畳まない、息子は何時間でもゲームに夢中、娘は2時間もお風呂から出てこない。 何度言っても…

  • 【小さな家】=小さな幸せの価値が分かる人だけが得られる、この家のかたち。

    // どんな家づくりにも予算があります。その予算のなかで、大半の家族が少しでも大きな家をと望みます。しかし、すぐに壁に突き当たり、いくつもの夢を諦めてしまってはいないでしょうか。はじめから、小さな家の選択肢が除外されているのが原因の一つかもしれません。これまで、世界中の名建築家たちが、小さな家で個性と技、ノウハウを競ってきました。工夫次第でどんな空間にも変化するゆたかさを内包した、もう一つの家の有り様、小さな家。そこには、ミニマムな暮らしの原点、混乱の時代を生きる哲学が潜んでいます。 Contents. 住み慣れた我が家を25坪に建て替え 限りなくワンルームに近い家がいい 世界の建築家たちが挑…

  • 【ニュー・シネマ・パラダイス】=「自分のすることを愛せ」。

    // 何百と観た映画の中でベスト1を挙げるとすれば、迷うことなく、この映画を挙げます。本や映画は、その人がそのとき、置かれていた環境や思いに大きく左右されるだけに、安易に人に薦めることは避けてきました。それでも、おすすめしたい珠玉の1本といえます。 Contents. 自分のすることを愛せ 誠実な人はいつも孤独 して返したことがない ひたすらに与える価値 自分のすることを愛せ 映画好きの少年と 映写技師のアルフレードの、 年の差を超えた友情を 描いた傑作。 レンタルビデオ、テレビ、 自分で買ったBRなどを含めると 7回も観ていますが、 しばらくすると、また観たくなるのです。 自分の中では洋画の…

  • 【省エネと熱収支】=「得られる熱」と「出ていく熱」を計算する、当たり前のこと。

    // 収支計算は住まいのエネルギーにも応用できます。季節によって、必要な熱と不要な熱を理解すると、エネルギー消費は効率よくなり、快適さも維持できます。計算の苦手な方もおつきあいください。少しの発想の展開で大幅な節約、光熱費の削減もできるのです。 Contents. エネルギーの「支出」が多い季節 窓の高性能化が快適さを得るカギ 設備にコストをかけずに省エネを 少しの工夫で大きく変わる快適性 何もかも建築や設備に依存しない エネルギーの「支出」が多い季節 「収支」という言葉があります。 一般的には「収支」=「収入」-「支出」 で表わされますが 住宅の熱=エネルギーにも同じような損得計算があり 主…

  • 【建築と間(ま)】=日本の家と家族の間に立ち塞がる、もう一つの結界。

    // スケジュールが埋まっていないと不安でしかたがない日々。日々の暮らしはモノに囲まれ、隙間や余白が罪であるかような家やインテリアが主流です。私たち日本人は、何もない「間」に宇宙を感じ、沈黙に言葉を聴き、「余白」に映像を観る文化を育んできました。私にはとてもできないことですが、ミニマリストと呼ばれる人たちに代表されるように、一部の人たちがこうした問題に気付き、原点に戻り始めています。何もないことの、豊穣。 Contents. 手書きの原稿にあってないもの 行間の意・行間を読むこととは 何でもできて何もできない技術 余白にも美しさが醸される理由 聴くことは能動的な行為である 狭い空間に宇宙を見出…

  • それぞれの家族、それぞれの祈り

    〇日懇意にしているお店の息子さんが、ある日突然、原因不明の病に倒れ、昏睡状態に陥ったのは3年前のこと。月に1、2度伺うのだけど、その後の状態がどうなったのかご主人に聞くのが怖かった。 「この間、息子と温泉に行ってね」「息子さん…」「下の息子です」 迷ったが、思い切って聞いてみた。 「そういえば上の息子さん…」「お陰さんで、いま専門学校に通ってるよ」 医者からは、植物人間状態になるだろうと宣告されていた。国内に4人しかいないという難病だった。 家族は絶望の淵を彷徨った。最後に自分たちにできることを、家族みんなで考えた。先祖の墓参り。お墓に行けないときはそれぞれが、朝、昼、晩、何度となく胸の前で手…

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