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  • 雪 (笑えない夜のために34)

    雪尹東柱Well肉桂誤訳 ゆうべ 雪がこんもりと降った 屋根の上にも 道にも 畑にも 雪は布団のように 寒さから護ってくれる だから 寒い冬にしか 降らないのだ

  • 再びなぜ尹東柱なのか(どうしても言いたかったこと61)

    急にまた尹東柱の詩を思い出し、私の勝手な解釈で訳してみた。 これは私の中で定期的に蘇ってくる「序詩」と呼ばれる一節の所為である。 命尽きる日まで天を仰ぎ 一点の恥なきことを 草をそよがせる風さえ 我が胸をかきむしる 星を讃えるごとく 死にゆ

  • 大分県はツッパリにいちゃん(毒にも薬にもならない話88)

    今年も成人式が各地で行われたようだ。 昨年は随分と自粛ムードだったが、今年は皆がいい加減それに飽きてきたのか、例年通り新成人の馬鹿騒ぎが復活したようだ。 そもそも一人の人間が20歳になるという極めて個人的な出来事を何故国家が費用を払って祝う必要があるのか

  • かな入力の孤高(どうしても言いたかったこと60)

    米国との戦争に負けて占領され、戦後の日本の体制をどうしていくかという議論の中で、「日本語ローマ字化計画」というものが提議されたらしい。 具体的には連合軍総司令部(GHQ) のペルゼルという人が、「日本語は漢字が多いために覚えにくく、識字率が低いために民主化を

  • 明日なんかない(笑えない夜のために33)

    明日なんかない-幼い心の問い―尹東柱Well肉桂日本誤訳明日、明日、というから尋ねてみたら夜に寝て 朝起きたときが 明日なのだと新しい日を 探していた 僕は眠りから覚めて 見廻してみた今は 明日じゃなく 今日じゃないか何のこたあない!明日なんか ないんだ

  • 陽だまりにて(笑えない夜のために31)

    陽だまりにて尹東柱Well肉桂日本誤訳 国じゅうに 黄土を運んでゆく この地への西域からの春風が  その地の民の糸車のように 廻りながら通りすぎ 雲に見え隠れする太陽の手が 壁を背に立たされて命尽きそうな者の胸を 次々と 分け隔てなく なぜてゆく。 陣取

  • 懺悔録(笑えない夜のために31)

     懺悔録尹東柱Well肉桂日本誤訳 私がこんなに辱しめられるのは     どの王朝の    緑青の葺いた古ぼけた銅の鏡の中に 私の顔貌(かお)が残っているからなのか 私は私の懺悔を一行の文に纏められる。 -満二四年一か月を どんな喜びがあって生きてきたのか 明日か

  • 帰ってきて見る夜(笑えない夜のために30)

    帰ってきて見る夜尹東柱Well肉桂日本誤訳 まるで世間から帰ってきたかのごとく  今 俺は 狭い部屋に戻ってきて 灯を消すのだ 灯を点けておくことは あまりにもしんどい苦行だ それは世間で暮らさなければならない昼を 更に延ばすことだから 今 窓を開けて 空気

  • 向日葵の顔(笑えない夜のために29)

    向日葵の顔尹東柱Well肉桂日本誤訳 姉の顔は 向日葵の顔 朝陽を浴びて 職場に行く 向日葵の顔は 姉の顔 首をうなだれて 家に帰る

  • にわとり(笑えない夜のために28)

    にわとり尹東柱Well肉桂日本誤訳 狭い鶏小屋のすぐ上には青空が広がっているのに 自由なふるさとを忘れた鶏たちは しけた生活をぶつぶつ言い合い 産卵の苦労をわめきちらした。 陰惨な鶏小屋で押し合いへし合いしている 外来種のレグホン。 学園から新たな群れが排出

  • うちの女たち(笑えない夜のために27)

    うちの女たち(原題 슬픈族屬)尹東柱Well肉桂日本誤訳 白い手拭いを 黒い髪に 被せ 白いゴム靴を ごつごつした足に 履く。 白いチマ・チョゴリで 痩せた体躯を 包み 白い帯で 細い腰を ぎゅっと 締める。

  • 雪の降る地図(笑えない夜のために26)

    雪の降る地図尹東柱Well肉桂日本誤訳 スニが旅立つ朝 舞う牡丹雪は俺の心 悲しみが 窓の外に広がった地図の上に降りつのる 部屋の中を見廻しても もはや何もない 壁と天井がやけに白々しい 部屋の中にも雪が降るのか 本当に君は失われた歴史のように消え去ってしま

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