JUGEMテーマ:小説/詩 サバンナゾウといったか。この動物はあまり眠らない。常に草木を探し、食んでいる。「食べ続けていないとだめな気がするんだ」 以前、なぜそんなに食べ続けるのかと問いかけた時、そういう答えが返って
負社員 第22話 屍が死刑台の上に上がる時というのはこんな気分なんだろうか
JUGEMテーマ:小説/詩 その、輝かしくも広々とした空間は、まるでこの世のものとも思えぬ所だった。今まで息を切らしながら歩いて来た洞窟の狭い通路とは比べ物にならない、まったくの別世界だ。眩さに目が慣れてくると、やがてその空間を
負社員 第21話 離職率より生き残り率の方がレア率高という確率論
JUGEMテーマ:小説/詩 「あ、宗像さん」室内に入ると木之花が顔を上げ、笑顔で立ち上がり挨拶した。「きゃー」宗像が両手を天井に向かって差し上げ、嬌声を挙げる。「咲ちゃん、元気ー? お久しぶりー」「どうも」木之花の笑顔にほんのりと
JUGEMテーマ:小説/詩 公園のベンチに座りスマホをいじっていると、こちらに近づいて来る足音が聞こえた。 顔を上げると、白いレースのついたワンピースを着た、小学三年か四年ぐらいの女の子だった。両肩から三つ編みを前に垂らしている
JUGEMテーマ:小説/詩 「啄木」結城は洞窟に入った当初に注意された内容をすっかり忘却し、叫んだ。「石川啄木?」「あの、元祖ワーキングプアか」時中が呟く。「どうして、石川啄木がこんなところに?」結城は天津の顔を、その肩の下あたり
負社員 第19話 働けど働けど尚楽にならざる我が暮らしよ何とかなーあれっ
JUGEMテーマ:小説/詩 「あれ、店長。おはようございます」板長が厨房に入って来るなり眼を丸くする。「びっくりしたあ。シャッター開いてるから」「魚泥棒が来たとでも思った?」酒林は調理台に向かって包丁を振るいながら笑顔で答える。「
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JUGEMテーマ:小説/詩 サバンナゾウといったか。この動物はあまり眠らない。常に草木を探し、食んでいる。「食べ続けていないとだめな気がするんだ」 以前、なぜそんなに食べ続けるのかと問いかけた時、そういう答えが返って
JUGEMテーマ:小説/詩 意識が朧げに構築されていく。レイヴンは少しずつ、ほんの僅かずつ我を取り戻していった。「こんにちは」声がした。 レイヴンは振り返った。 そこに、死んだような表情の巨大な浮遊物がいた。「うわあ
JUGEMテーマ:小説/詩 月が一つ見える。まん丸に近い形で光っている。活動するなら今のうちだ。 ネコ科動物たちに嗅ぎつけられないよう注意を払いつつ、砂漠を移動する。ネコ科は素早い。あ、こいつこのぼくを仕留めようとし
JUGEMテーマ:小説/詩 「探しに来てくれて、見つけてくれたのは嬉しい。ありがとう、レイヴン」 コスは収容籠の中に大人しく──あるいは諦めを抱いて──入った後で、そういった意味の声で啼いた。「どういたしまして。心細か
JUGEMテーマ:小説/詩 へいいいいいん 「うわっ」 突如耳を襲った大怪音に、レイヴンは思わず身をすくませた。 ぱうあああああ ぽほおおおおお えわわわわわん 怪音はなおも続いた。どこから聞えてくるのか—
JUGEMテーマ:小説/詩 感受帯角質に正式な辞令が届いたのは、その日の夜だった。『レイヴン=ガスファルト 上記の者を地球方面行方不明動物捜索捕獲係に任命し、地球への出動を命ずる』すべての準備を終えてから、レイヴンはふう、と息を
JUGEMテーマ:小説/詩 感受帯角質に正式な辞令が届いたのは、その日の夜だった。『レイヴン=ガスファルト 上記の者を地球方面行方不明動物捜索捕獲係に任命し、地球への出動を命ずる』すべての準備を終えてから、レイヴンは
JUGEMテーマ:小説/詩 レイヴンは窓外の超高速雲流を眺めるともなく見遣りながら、ハヤミ総司令の待つオフィスへと浮揚推進していた。 呼び出しを受けたのは、昨日の夜だった。「明日の朝、私のオフィスに来てくれたまえ」
JUGEMテーマ:小説/詩 「松村彩夏、さん」初めて見る男の人が私の名を呼んだ。「はい」私は返事をした。「──」男は手許のタブレットに視線を下ろし、しばらく無言でいた。 私も椅子に座った状態で行動をしなかった。「橿原圭
JUGEMテーマ:小説/詩 施設からの迎えが来る日の朝、定時刻に電源がオンになると同時にスピリットの呟きが検知された。 あんたの娘になんか、生まれて来なきゃよかった。 泉は俺の女だ。俺がどうしようが俺の勝
JUGEMテーマ:小説/詩 「命令?」翔は戦慄の声を挙げた。「何、それってどういうフィードバックの?」「よくわからないけど……翔くんも見る? この映像」「──法的に問題なければ」「大丈夫、担
JUGEMテーマ:小説/詩 「何」櫃原圭輔は眉をしかめ私に向かい言った。「命令するのか? ロボットが人間に?」 その時私には、今私の発した言語は人間とのコミュニケーションにおいて選択されるべきものではないという認識があ
JUGEMテーマ:小説/詩 葬儀は恙無く執り行われた。 通夜には親戚が集まり、読経と焼香の後皆で食事をし、その晩は線香を灯し続けなければならないと誰かが言った、 圭輔も棺の傍に座っていたが、どの位経った頃かに叔母が「
JUGEMテーマ:小説/詩 葬儀は恙無く執り行われた。 通夜には親戚が集まり、読経と焼香の後皆で食事をし、その晩は線香を灯し続けなければならないと誰かが言った、 圭輔も棺の傍に座っていたが、どの位経った頃かに叔母が「
JUGEMテーマ:日記・一般JUGEMテーマ:小説全般 変なメールというものが、まあ毎日々々勤勉に送られて来ますよね。 曰く『あなたのアカウントに不審なログインがされました』『あなたのアカウントが停止されます』『今す
JUGEMテーマ:小説/詩 「──」慶子はやはりすぐに返事の言葉を探すことができなかった。「また、後日」圭輔は搾りだすような声で続けた。「父と一緒に、お詫びのためお伺いしたいと思います」「いいえ」慶子は自分でも驚くほど
JUGEMテーマ:日記・一般JUGEMテーマ:小説全般 行って参りました。初詣。 今年は海辺の神社にて参拝いたしました。 「一礼二拍手二礼だっけ?」「二礼二拍手一礼じゃない?」等と思い出しつつ考えつつ復唱し
JUGEMテーマ:日記・一般JUGEMテーマ:小説全般 もう30話か〜……400字詰換算で、29話めまでの所378枚となっています。 多分最終話までで、450〜500枚ぐらいになるのかな〜、と。あと書
JUGEMテーマ:日記・一般JUGEMテーマ:小説全般 大晦日から元旦にかけてTVをつけていなかった私なのですが、今朝今年初でつけた所大地震のニュースを初めて知ったのでした……TVつけずとも時事ニュー
JUGEMテーマ:日記・一般 うむ。 今年こそは、日記を、毎日、一日一記事ずつ、己の命の証として、今ここに私はいるということの魂の叫びを、こつこつと、かちかちと、誤変換満載で、全世界に恥しげもなく送信していってやるぅ!
JUGEMテーマ:小説/詩 問題は夜だ。 ランチで外食したので夜の飲みはさすがに「また今度」で帰宅の途に着いたが、帰って来たマンションの部屋は、当然ながら無人で暗く、寒いのだった。 それはいつものことなので、今更驚くようなことで
JUGEMテーマ:邦楽の新曲 もう今は、これがずっと体内を流れている。 米津さんもまた中毒性最強の曲を作ったもんだなあ。 そしてこれを初めて聴いた時、涙が出そうになった。 何でかというと、米津さんだからだよね。&nb
JUGEMテーマ:小説/詩 「おはようございます」 エレベータの前で声をかけられる。大崎有奈だ。「おはよう」亜一郎は返事した。「何かあったんですか?」訊かれる。「え、別に」答える。「なんで?」「なんか、落ちぶれてるから
JUGEMテーマ:日記・一般 桜は、いつも城に見下ろされていた。 城は丈が高いので、それは当然のことであるのだが、それでも桜は常に口惜しい想いを抱いていた。 自分は、城に見下されている。 そんな風に思われて仕方がない
JUGEMテーマ:小説/詩 「田坂さん」坂本はマスクの下で呟くように亜一郎を呼んだ。「お疲れです……見舞いに来て下さったんですか」「あ、うん」亜一郎は取り敢えず笑顔で片手を挙げた。「具合はど
JUGEMテーマ:小説/詩 「先輩お疲れっす」後輩の仁科が声をかけてきた。「ここ、いいですか?」ベンチに座ってコンビニ弁当をつつく亜一郎の隣を指差す。 そこは会社のすぐ近くにある公園で、仁科もコンビニの袋を提げていた。
JUGEMテーマ:日記・一般 そう。 私は 気づいたのだ。 日記は、眠くなる前に書くべし。と。 何故なら、日記といえども文章を書く作業というのは、どうもどうしても、時間がかかる。
JUGEMテーマ:日記・一般 今日はなんと。 朝、アラームが鳴る前にスキッ!! と、起床した!! スキッ!! と!! そう、いつもなら朝目が醒めたとしても「ぅ〜……起きたくねぇぇ」「仕事行
JUGEMテーマ:小説/詩 会社に向かいながら、亜一郎はいまだともりゅんのこと——その本質、その行動、その結果、その笑顔——について、考えを巡らせ続けていた。 ——そうか。彼女は、“ロボット”では、ないん
JUGEMテーマ:小説/詩 翌朝も端末は、ゆっくりと緑色のランプを点滅させていた。 まだ完全に開いていない目で、画面を見下ろす。『おはようございます 何かご用はありますか?』という表示が出ている。「おはよう」亜一郎は
JUGEMテーマ:小説/詩 「あはははは」バーチャル嫁ともりゅんは間髪を入れずに爆笑した。「なにその、何か企んでそうな呼び方は」「ええ?」亜一郎はつられて笑いながらも軽い混乱に陥った。「ええと、あはは、と、ともりゅん」
JUGEMテーマ:小説/詩 ははは、まさか。 いくらともりゅんだからって、あのともりゅんそのものが来るわけないだろう。 大体アニメのともりゅんは、中学生だったんだ。 今から来るのは、嫁だぞ。立派な大人に決まっている。
JUGEMテーマ:自分が読んだ本JUGEMテーマ:新書 学校時代はちむぷむかむぷむだったものが、数十年の時を経て今「あー、そういうことやったんか」と理解できたりする感動の書。 正直、実際に開くまでいーさーさーかー抵抗
JUGEMテーマ:小説/詩 「入金を確認致しました。ありがとうございます。本日十五時ゼロ分ゼロ秒よりサービスをご利用頂けます。」というメールが届いた。「よし」 亜一郎は呟いてメールを閉じ、代わりに、すでに設定済みのアプ
JUGEMテーマ:小説/詩 「終わりましたよー」 熱田氏の声で、私は目を開けた。 のろのろと起き上がると、最初に、玉の汗を浮かべて今にも気絶しそうに茫然としている森下氏の顔が目に入った。 そんなに、体力を使ったのか。 私には意外に
JUGEMテーマ:日記・一般 勤務先でですね、もう数箇月前になりますが、災害対策保存用缶パンが私葵含め全職員に支給されたのです。 一人一缶。「ただし保存期限は2023年5月某日です」との注釈付きで。 あれ、ほんの半年
JUGEMテーマ:日記・一般 はい。そんなわけで。 花粉です。 まあ、痒いです。 目が? 鼻が? 耳が? いいえ。 もはや人生のすべてが痒い。 わぐゃおぉごヴぉがぼぐお゛ぎを゛−−
JUGEMテーマ:小説/詩 「それで私にも森下君にも、見えなかった」熱田氏は続ける。「こういうのは、初めてだわ。こんなやり方をする霊には、初めて遭った」「——」私はまた小さくうなずいた。 なるほど、霊にも霊それぞれのやり方がある、
JUGEMテーマ:小説/詩 「あっくんは」熱田氏は質問を続けた。「今も、あなたを傷つけ続けているの?」「……」森下氏は、また顔をくしゃっとしかめた。 あたかも、今まさにあっくんに殴られたかのような表情だ
JUGEMテーマ:小説全般 「やめて……痛いよ」かすれた声で、彼——つまり森下氏——は続けた。 これが、足の声、なのか? 私は内心でそう問うた直後に、違う、と内心で答えを出した。 これは、あの女性の声だ