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  • 歌詞を付けました

    歌 星に隠れんぼA 歌いました。ただし自分ではありません。 CeVIO Pro (仮)さんのソフトを使わせて頂きました。 メロディーと私の感性から、子供の声を選びました。 まだ、使い方、操作が見習熟なので完璧ではありません。 何れ、時間が出来たら再度修正して、より完成度を増...

  • 回り道 その19

    拓海を送り出すと、智子は早速大介に連絡する。大介は仕事中。電話としては掛けられない。 智子は、Cメールで連絡を取る。 【拓海君が菜実さんに妊娠させた。どうしよう】 未だ確定では無いのに、衝撃的な内容である。 LINEでも良いのだが、そのLINEには結菜と大介しか登録...

  • 売れそうも無いから・・・

    TuneCoreから楽曲を登録しないかとのお誘いが。 かなり魅力的。 だが、楽曲登録は有料。 最初だけ無料とあったが、何が無料の対象かは確認しなかった とは言え、シングル1年間1600円弱。正確な金額は忘れた。 考えて見たら結構安い。一瞬登録しようかと手続きを踏む。 「チョ...

  • 回り道 その18

    根草大介と沢登智子はもんじゃ焼き店に入る。 「食事に連れてってくれると言うからどんな食べ物屋に行くのかと思ったら、これなのね」 智子はもんじゃを頬張りながら言う。 「色々な食べ物を食べた方が良いんじゃ無いかって思ってね」 「う~ん? さては、結菜が大ちゃんに何か告げ口し...

  • 回り道 その17

    学校側が手を拱いているはずも無く、先生が拓海の父親に直接電話する。父・大介は帰宅すると烈火の如く彼を叱った。 だが、強く怒鳴りつけたのはこの時だけだった。 大介は父親なりに、自分が拓海の母親を追い出した事で、拓海に寂しい思いをさせた。その思いがあったので、あまり強硬な態...

  • 回り道 その16

    青春 河(かわ)里(さと)菜(な)実(み)が根草家に訪れる一ヶ月ほど前。その頃、拓海と菜実は行動を共にすることが多かった。 バイト先が一緒と言う事も関係した。 「ねえ、明日私の所に来ない? 土曜だし、バイトも学校も休みだし」 「えっ、菜実さんの部屋に?」 「一緒にゲー...

  • 回り道 その15

    ベランダに立ち洗濯物を触りながら、智子の頭は忙しく回転する。 菜実の人物評価。二人の仲はどうなっているのか。今後どう応対すべきか。勝ち気ではあるが、その一方で世話好きでもある智子は、一人悩む。 ベランダで、天気のハッキリしない蒸し暑さの中、一人佇む智子。 「そうだ」 ...

  • 回り道 その14

    ドカドカと拓海がキッチンに現れた。 「連れて来たよ」 「良く来てくれたわね」 智子はご飯の盛り付けをしながら応え、後ろを振り返り、キッチン入り口に視線を向けた。 智子は、思わずご飯茶碗を落としそうになった。 「えっ! 女の子なの?」 拓海の後ろに隠れるようにして立っ...

  • 回り道 その13

    結菜は話を続ける。 「私、この前、お母さんが付けているノートを見たの。そこには、細(こま)々(ごま)と料理に関して書いてあった。味については勿論、行った先の店のメニューとか店内の様子とか。スーパーの惣菜に付いてまで書いているのよ。それで、結菜がお母さんに聞いたの。そしたら...

  • 回り道 その12

    何はともあれ、根草家の共同生活は順調に船出する。それもこれも沢登智子のお陰と大介は奉る。 そして、その感謝の気持ちを示そうと、根草大介は彼女を食事に誘う。料理の得意な智子を招待するのだから、生半可な店では折り合いが付かない。 大介は、奮発して高給料理店に智子を連れて行...

  • 回り道 その11

    船出 午後一時頃、拓海が昼食を食べにキッチンに2階の部屋から降りて来た。いつものサイクルだ。 智子は、既に料理をテーブルに並べている。 「あのさ、俺、来週からアルバイトするから」 食事をしながら拓海が言う。 「あら、そうなの。良い事じゃない。どういう所で働くの?」 ...

  • 回り道 その10

    拓海は学校に通うために毎日4時頃家を出る。智子は、軽い食事を用意する。大概パン食に合わせた一品を出すだけではあるが。 夕食というか夜食は学校でも食べられる。 平日はこの様な感じで過ぎて行く。拓海にとって顔を余り見たくない大介や結菜とはすれ違いの毎日。実に順調に同居生活...

  • 回り道 その9

    沢登智子は、大介の息子・拓海を部屋から出すことに成功した。最も、部屋に閉じ籠もっていたのは大介や智子が居た時だけ。 智子が来る前は、大介が会社に行った後、拓海は伸び伸びと過ごしていた。 入浴やシャワー浴びも自由勝手に出来るし、外出もしていた。 智子が成功したと言える...

  • 回り道 その8

    週末、大介は智子を食事に誘った。 「いつも家事をしてくれて有り難う。お陰で、男所帯の陰鬱な雰囲気が消えて、明るくなった。それに、拓海を部屋から引き出してくれたし、智ちゃんには本当に感謝している。感謝しきれない位だ」 「そんなー。私はただ好きだから遣ってるだけ」 「いやいや...

  • 回り道 その7

    結菜は、トントンと階段を駆け上がり、拓海の部屋の前に立つ。 「拓海君。料理が出来上がったよ。一緒に食べよーォ」 返事が無い。 「今夜はね、お母さんが腕に縒(よ)りを掛けて、美味しい料理を一杯作ってくれたよ。本当に美味しいんだからね」 やはり、何の応答も無い。 「拓海君...

  • 回り道 その5

    拓海がキッチンテーブルの椅子に座る。そこで智子はハタと困る。 「拓海君ゴメン。時間がアレだから、未だお昼ご飯の用意、出来てないのよ」 年配になると「アレとかそれ」等の抽象的な言葉が増える。でも、さすが日本人の拓海。意味するところは分かっていた。 「別に何でも良いよ。俺、...

  • 回り道 その5

    結菜の「拓海の部屋出し作戦」と名付けた作戦が動き出す。結菜が目出度く志望校に受かった後だった。 「拓海君。今日から少しの間、この家の家事手伝いをすることになった智子よ。もうこの件はお父さんから聞いているでしょ。宜しくね」 以前と同じく、拓海の部屋からは物音一つ聞こえない...

  • 回り道 その4

    引っ張りだし作戦開始 沢登智子が、根草拓海を部屋から出す為に2階に上がる。 智子が、2階の拓海の部屋に行く姿を見て、大介が結菜との会話に持っていく。 「高校の志望校は何処なの?」 結菜は志望校を上げる。それを聞いた大介は喜ぶ。 「その高校、ウチからの方が近いかも知れ...

  • 回り道 その3

    後日、智子から連絡があった。気乗りしないが遣ってみると答えた。大介の息子・拓海を部屋から引っ張り出す作戦である。 「やったぜ。先ずは切っ掛けを作れた。しかしこの電話番号、変わって無いじゃないか。智子め、俺と近づくのが嫌だったという事か」 智子に嫌われては居ないようだが、...

  • 回り道 その2

    智子が、結婚したと聞いた時には、正直大介はちょっとショックだったし残念に思う。とは言え、間もなく遠くに引っ越したので、暫し彼女の事は忘れていた。 この法事で、暫くぶりに再開した智子に、彼は今、ある考えが芽生える。 根草大介は沢登智子に携帯番号を聞こうとする。 「これ...

  • 回り道 その1

    回り道 大介筋書きを練る 「やあ、久しぶり。元気そうだね」 根草大介はいとこの沢登智子に話し掛ける。 「うん。貴方もね。所で名前、何て言ったっけ?」 「大介」 「そうそう、大ちゃんだった」 智子は、愛想笑いを浮かべ応える。 「旦那さんの葬儀に行けなくてゴメンね」 二...

  • 挑戦

    只今、執筆スランプ 新しい筋書きは頭の中にあるのだが、どう表現していこうかなかなか考えが纏まらない。 連載していた、ほら探偵のらりくらり日記は、最近も連載したので目を通していただいた 方々は内容を記憶している方もおられるでしょう。 再掲載した理由は、新趣向のストーリーが...

  • 墓場の五助

    【諸事情により、「ほら探日記」連載が追いつきません。よって、短編小説を載せます】 墓場の伍助 酒の好きな伍助。好きという尺度では済まない。大酒飲みだった。 父親が早く亡くなり、母親と二人きりの生活は貧しかった。身体が大きかった伍助は、力仕事に駆り出され働くも、収入は僅か...

  • ほら探日記Ⅲー5 恋の季節 2

    保(やす)来(き)信(しん)次(じ)郎(ろう)が久しぶりに旅館に戻る。 「和ちゃん、色々あって大変だったね」 「うん、大丈夫。先週、父が亡くなったってメールがあったの」 「それは何と言って良いか・・・。折角会えたのに、悔やまれるね」 「いいの。でも、やはり生きている内に父...

  • ほら探日記Ⅲー4 恋の季節 1

    恋の季節 保来探偵事務所は今日も平穏安泰だ。もっとも、仕事が来ないのだから波風が立つわけが無い。 もはやこの会社は、税金対策の為に存在していると言っても過言では無い。 そんな中、アパート経営は順調だった。 暇な癖に、1階の事務所タイプの部屋を陣取っていた事務所。そ...

  • ほら探日記Ⅲ-3 実父 3

    健一は、当時を回想するように弱い声で話す。 「俺が気が短く短気だっただけに、敏子達に迷惑を掛けてしまった。申し訳なく思っている」 和枝は何も言えなくなった。彼女のイメージしていた父親と違っていたからだ。 (若しかしたら、私があなたの子供だと気付いているのでは?) そう...

  • ほら探日記Ⅲ-2 実父 2

    父親だという男の名前は鈴木健一。健一と和枝の母・敏子は、同じ旅館で働いていた時に深い関係になった。 妊娠したのを知り、敏子が健一に伝えようとした直前、調理人だった健一が料理長と刃物沙汰となり、彼はその日のうちに姿をくらましてしまった。 料理長に深手を負わせただけに、健...

  • ほらたん日記Ⅲ-1 実父

    ホラ探偵のらりくらり日記Ⅲ 実父 保来孝太郎、平原幸恵コンピも北海道の牧場に戻った。 再び、アパート3階の信次郎の家は静かになった。何だかんだと言っても、誰も居なくなると寂しい。 父・孝太郎は置き土産に、「ほら探偵信次郎」の名刺を知人などに起きてきたと言った。 と...

  • ほら探日記Ⅱ最終章 秘密の調査 3

    保来孝太郎は、書類などを入れる大きな茶色の封筒、保存袋を木村和枝に渡す。 「その中に、和ちゃんのお父さんの調査結果が入っている。住所も、家族構成も。そして、今入院している病院も記述してある。残念ながら、直接会っていないので写真は得られなかった。目を通すのも嫌なら、捨てるな...

  • ほら探日記Ⅱー45 秘密の調査 2

    父・孝太郎が戻ってから数日経った。 「わし等、旅館の方に行くから」 孝太郎は信次郎に突然告げる。信次郎は、いよいよ決着しに行くのかと胸騒ぎが起きる。 孝太郎と幸恵が実家の旅館に着くと、真っ先に娘の彩音が出迎えた。木村和枝も現れる。 いよいよ波乱が始まる。二人は和枝に...

  • ほら探日記Ⅱー44 秘密の調査 1

    秘密の調査 「今日は、父さん一人で調査なの?」 調査は、殆ど孝太郎と幸恵のペアで行っていた。息がピッタリで仕事が捗(はかど)るのか、二人は常に一緒に動いていた。 「何か大切な調査をしているらしく、私にも内容が分からないのよ。調査が完了するまで2~3日泊まってくるって」 ...

  • ほら探日記Ⅱー

    父の孝太郎は上京間もなく、既に色々動いていた。幸恵の東京見物と説明していたが、実は一緒に何かを調査していた。 そんな父の行動を、保来は不思議に思う。 「父さん、一体何を調査してるんだ? まさか、「繭の館事件」の桜谷貴子を調査しているのか?」 「まあな」 「あの人と直接会...

  • ほら探偵のらりくらり日記Ⅱー42 新たなコンビ 3

    信次郎は将来に不安を覚えた。木村和枝の居ない探偵社なんて有り得ない。 信次郎の心を見透かす様に、孝太郎が言う。 「お前が探偵業を遣らない積りなら、あの事務所を引き払え。誰かに貸した方が遙に儲かる」 「俺に、探偵業を辞めろと言うのか?」 信次郎が反発する。 「辞めたけれ...

  • ほら探日記Ⅱー40 新たなコンビ 2

    一ヶ月ほど経過する。 「信ちゃん。私、旅館の方に帰る事になったから」 木村和枝が信次郎に伝える。 和枝は一ヶ月か二ヶ月おきに旅館に行っていた。アパートの管理状況とか、殆ど収入は無いが、保来探偵社の状況報告も兼ねて。 それは、旅館の女将であるユキの命令とも言うべき指示...

  • ほら探日記Ⅱー40 新たなコンビ 1

    新たなコンビ 信次郎は、二人を自分たちが住んでいる3階の部屋に連れて行く。 「おお、外から見たよりも広く感じるな。部屋は幾つあるんだ?」 「5部屋。リビングに水回り。トイレは2カ所。お客さんも泊まれるようにしてある」 「ユキの指図か?」 「母さんや、東京見物したいという...

  • ほら探日記Ⅱー39 わだかまり4

    今まで、信次郎に和枝との結婚をせっつく人は何人も居た。両親もそうだし、短艇業で知り合った岩田も安藤絵美子もそうだった。 口汚い刑事の浅羽は、 「和枝さんを生殺しにするのか」 とまで言い放った。だから、信次郎は浅羽を毛嫌いしている。 最近では、妹の彩音にまで、 「和枝...

  • ほら探日記Ⅱ-38 わだかまり 2

    保来家は山間から離れた中核都市に別宅を持っていた。その家に、ユキに女将の座を譲って引退した祖母が一人で暮らしていた。 やはり街の方が買い物も病院に行くのも便利だからである。 保来信次郎は、進学するに当たってその街にある高校を選んだ。高校生活は祖母と一緒に始まった。 ...

  • ほら探日記Ⅱー37 わだかまり 1

    信次郎は一人自宅で退屈な日々を過ごす。案の定、探偵社は閉めてる。 《只今遠地に調査作業に出向いていますので、暫くの間、保来探偵社事務所を閉めさせて頂きます》 そんなような内容を、留守番メッセージに残す。 「この際だ、海外旅行にでも行ってこようかな」 そう思ったが、旅慣...

  • ほら探日記Ⅱー36 初対面 3

    普段の信次郎なら、部屋に入るなりドカッと座り胡座を掻くのだが、今回は母・ユキと彩音との対面がどんな展開になるのか心配で、座る気になれず立ち尽くしたままだった。 そう、いざとなったら彩音と共に部屋から逃げ去る準備をしていたのだ。 「貴方のお父さん、元気なの?」 ユキの夫...

  • ほら探日記Ⅱー35 初対面 2

    保来信次郎は、ハンドルを握りながらも、彩音と母・ユキの顔合わせを心配して気持ちが落ち着かない。 「彩音が母さんに酷い目に遭わなかったとしても、親父の件はどうするんだ。彩音に説明させるのか?」 「そうね。どうなのかしら?」 「オイオイ。無責任だぞ、和ちゃん」 「そうなったら...

  • ほら探日記Ⅱー34 初対面 1

    初対面 保来探偵事務所は今日も暇である。本当にいつも暇なのである。平原彩音もこの状況にもう慣れた。 「丸畑さんの調査は、彩音も頑張ったらしいじゃないか」 母親の違う妹と分かってからは、信次郎は彩音の名を呼び捨てにしている。 「和ちゃんが褒めてたぞ。演技力が良いって。結...

  • ほら探日記Ⅱー33 恋慕の果てに 4

    保来信次郎は、調査報告書を丸畑に渡さず、おもむろにページをめくる。 「結実子さんは、埼玉の地方都市で建築業をしている人と結婚しています」 「そいつは、いや、その人は歌手の卵だったと言う奴じゃないだろうね」 丸畑は、保来の話をぶった切って入って来た。 「先ず、違うでしょ。...

  • ほら探日記Ⅱー32 恋慕の果てに 3

    10時を回った頃、和枝はフロントに向かった。 「女将さんに伺いたいことがあるのですけど、お時間頂ければ有り難いのですが」 年老いた受付の男性は、女将を呼びに行ってくれた。 「どんなご用でしょうか?」 50代くらいの女性だ。 「こちらに、由井結実子さんと仰る女性が居ると...

  • ほら探日記Ⅱー31 恋慕の果てに 2

    帰りもまた、渋滞に嵌まった。ノロノロ運転していると後ろの車がクラクションを鳴らして来た。ルームバックミラーで確認するも、一度は無視する。しかし、何度も鳴らすので、顔を出し後方に目を向ける。 すると、後車の運転手が腕を出し、彼の車のタイヤを指差している。 砂利を引き詰め...

  • ほら探日記Ⅱ-30 恋慕の果てに 1

    恋慕の果てに ここまで聞いた保来信次郎は、丸畑の最初に語った内容とは随分違うと思う。これは、大恋愛でなく、大片思いだ。それも、保来の感じる所では、由井結実子なる女性は丸畑を、殆ど眼中に置いてない雰囲気だ。 第二候補、第三候補であろうと、そんな男達に多少なりとも好意を持...

  • ほら探日記Ⅱ-28

    社会人となった丸畑は中堅クラスの会社に入る。その会社は支店が沢山あり、その支店の一つで営業業務に就く。 事務志望だったが、新人教育の一環として、営業を遣らされる。その支店には、年配の女性と若い女性が事務員として居た。 後は支店長と営業担当者が5人ほどのこじんまりした支...

  • ほら探日記Ⅱー28 信次郎珍しく動く 1

    宮下は、刑事という仕事が邪魔してか、なかなか彼女が出来なかった。いま、偶然にも彩音と知り合った。そして、彼は彩音に一目惚れのような感情を持つ。 また彩音も、上京してこの方、同年代の若者と触れ合う機会が無かった。彩音もまた、誠実そうな宮下に親しみを抱く。 とは言え、警察...

  • ほら探日記Ⅱー27 恋? 1

    恋? 相変わらず暇な保来探偵社。そこに一人の青年が訪れた。 「保来社長は居ますか?」 結構軽い雰囲気で事務所に入って来た。 「今、用があって席を離れていますが」 平河美咲が応対する。 「また、何時ものサボりですか」 随分と馴れ馴れしい砕けた言い方だ。 「保来に、どんな...

  • ほら探日記Ⅱー26 新たな頭痛 2

    実のところ、木村和枝が結婚したかどうかは微妙で、事実かどうかも分からない。和枝を知る多くの人達は、彼女が信次郎の見合い話を聞き、自ら身を引いたのではないかと見ていた。 当時、孝太郎を手伝って保来興信所の仕事を支えていた彼女が、唐突に「結婚するので」と一言残し辞めて去った...

  • ほら探日記Ⅱ-25 降って湧いた妹 1

    降って湧いた妹 この様な内容を話し終えるのに5時間ぐらい要した。何故か? 彩音の話があちこち飛びまくるからだ。 同級生の誰々ちゃんは性格が悪いとか、集配に来る運転手は小屋の後ろで何時もオシッコしていくだとか、家畜との出来事とか、本筋から外れる話が余りに多い。 保...

  • ほら探日記Ⅱ-24 巡り合わせ7

    彩音は高校を卒業して少しの間、牧場の仕事を手伝っていた。19歳に成る迄は牧場の仕事を手伝うと、母・幸恵と約束したからだ。 幸恵自身もやはり、両親から20歳になるまで東京行きを許されなかった。 もう一つ、牧場の仕事を覚えさせたなら、上京して何かあったら、その仕事を懐かし...

  • ほら探日記Ⅱー23 巡り合わせ 6

    娘の彩音が父・孝太郎を待ち構える。 「どうだったの?」 「どうだったって聞かれてもな。確かに、週刊誌に載ったのは息子の信次郎だったよ」 「それで、会って何話して来たの? 何か言われた?」 彩音にしてみれば、二十年間弱も音沙汰無しの父親が突然現れたのだから、特別な会話が有...

  • ほら探日記Ⅱー22 巡り合わせ 5

    白髪の混ざった口髭と顎髭。目には老眼鏡。深く被ったハンチング帽子からはグレーの髪の毛が覗く。保来孝太郎である。 その風貌は、彼が失踪した時とは大きく変わっていた。彼を一目で孝太郎と見抜く者は、恐らく誰一人居なかったであろう。信次郎やその家族さえもである。 孝太郎も、自...

  • ほら探日記Ⅱ-21 巡り合わせ 4

    この幽霊屋敷は埼玉県の或る町にある。東京では無いが、彼女達にとってはそこは大都市圏内なので、東京と称しても大きな抵抗は無い。 東京ディズニーランは、実際は浦安にあるが、冠に東京と付いていても文句を言う人は殆ど居ないのと同じだ。 平河彩音も、誰かが持参した記事の乗ってい...

  • ほら探日記Ⅱ-20 巡り合わせ 3

    そんな保来の気持ちなど構わずに、幸恵のお腹の子は育って行く。そして、無事産まれた。 女の子だった。名前を彩音と名付けた。美しい音楽を彩るようにとの思いからである。 幸恵が望み、名付ける。 幸恵の両親は大喜びだった。彩音をとても愛おしい眼で見つめる。幸恵とて、当然同じ...

  • ほら探日記Ⅱー19 巡り合わせ 2

    保来と幸恵の関係はその後も続いた。そして数ヶ月後、彼女は妊娠した。 「本当なの? だって、大丈夫って言ってたじゃ無いか」 「ちょっと、勘違いしたみたい」 保来にとっては、勘違いなんて言葉では済まされない重大なこと。 「どうするつもり?」 「何を言ってるんですか。産むに決...

  • 短編小説を動画化

    短編小説 海を眺める老女 作大空ひろし YouTube版です。文章を読み上げる設定にしています。新たにオリジナル曲のBGMを挿入しました。 YouTubeに短編小説をアップロードを開始する時に、BGMを入れたいなと考えてから作曲なる物にチャレンジを始めました。 安く市販され...

  • ほら探日記Ⅱー18 巡り合わせ 1

    巡り合わせ 保来孝太郎は北海道の地で暫く過ごす。 山間の温泉地で育った保来には、広々としたこの地が心地よかった。故郷の、僅かなスペースに身を寄せ合うように立つ温泉地の建物。それに比べて、何とゆったりした家並や空間。保来には異国の地の様にも感じる。 何よりも感動した...

  • 削除

    このブログで、Twitterに連携なるものがあったので初めて見たTwitter。 しかし、右派的ツイッター達の巣窟みたいなコメントばかりが増えて、いささか閉口してい た。とにかく、ブロック仕切れないほど次から次へと湧いてくる。 そこで、少し反発のコメントしたら逆上的な反応が...

  • ほら探日記Ⅱー17 失踪の真実 6

    保来が暫く幸恵の牧場に留まっていると、とんでもないニュースを目にした。保来を襲ったと思われる佐田の死体が発見されたのである。 それは、保来の心肝を寒からしめた。一応不審死との発表だが、保来には犯人が何者か火を見るより明らかだった。 「間違いなく、殺したのは広田三郎。現桜...

  • ほら探日記Ⅱ-16 失踪の真実 5

    保来は車中で幸恵に、北海道に来た理由を大まかに説明する。 「探偵さんだったんですか」 「大した探偵では無いがね。所で、幸恵さんは、ズーッとあの牧場で両親を助けて働いて来たの?」 「いいえ。私、何年か東京に行ってました」 「そうなんだ。良ければ聞かせて貰えるかな?」 平河...

  • ほら探日記Ⅱ-14 失踪の真実 4

    保来孝太郎の記憶は一週間ぐらいで完全に戻った。しかし彼は、記憶が戻ったことを平河家の人達には知らせなかった。 彼は、記憶が戻るとテレビやラジオのニュースを食い入る様漁った。メディアが、自分が行方不明者として報道されていないか知りたかったのだ。 そんな保来の様子を見て、...

  • 星に隠れんぼ

    Music 星に隠れんぼ 歌詞は半分出来上がった状態。2番までね 完成したら歌いますよ。 音痴を承知で。 何故なら、誰も歌ってくれないから。

  • ほら探日記Ⅱー13 失踪の真実 3

    保来孝太郎は冬の札幌に飛ぶ。しかし、札幌と一口にいっても広い。何を手がかりに探せば良いのか途方に暮れる。 そこで佐田の行動を分析してみた。確か彼は、戦死したと記載されていたという。しかし、現実に生きているのなら、貴子と同じく脱走兵となる。 兵隊が脱走すればその懲罰は重...

  • ほら探日記Ⅱ-12 失踪の真実 2

    繭の館の一件が終わって何年かして、保来孝太郎は桜谷貴子に呼び出された。 「あの伍長の佐田を見つけた。今住んで居る住所を探し出して欲しい」 「貴方に、戦時中耐え難い苦痛をもたらした、あの軍人の伍長ですか」 「そうよ。私の執念が遂に彼奴を見つけたのよ」 桜谷貴子は、執拗に佐...

  • ほら探日記Ⅱ-11 失踪の真実 1

    信次郎の父・保来孝太郎が失踪してから、和枝はずーっと心配していたし、気にしていた。 今、元気で生きていると聞いて、長い間背負って来た荷物を降ろしたかのように気分が軽くなった。 色々な考えがあったにせよ、孝太郎を一人置いて、彼が立ち上げた保来興信所を勝手に辞めてしまった...

  • ほら探日記Ⅱー10 魔法の言葉 2

    数日後。保来はかなり酔って帰宅する。 「まあ、こんなに酔って。珍しいじゃない」 木村和枝が出迎えた。 半分抱えられながら、保来はキッチンに向かった。 「ゴメン。和ちゃん、水くれる?」 椅子にドカッと座ると、保来は水を要求する。 そこに、バスタオルで身体を包んだままの...

  • ほら探日記Ⅱー9 魔法の言葉 1

    飛び出した魔法の言葉 ある日、久し振りに岩田が事務所に顔を出した。 「お、新人かい?」 平河彩音を見つけると、イタズラっぽく声を掛けた。 「ご依頼ですか?」 「ご依頼って言うほどの用件では無いけどよ、信ちゃん居るかい? おっと、ここの社長さんの事ね」 岩田が彩音を知...

  • 愈々歌に近づく

    主となるメロディーは完成。 歌詞は完成していないが、頭の中には言葉が幾つか浮かんでいる。 私、とても歌が上手いと皆さんから皮肉られているので歌いたくない。 そこで、YouTubeにアップロードして歌ってくれる人を募集した。 でも、肝心のメロディー動画を観て貰えなければ無意味...

  • ほら探日記Ⅱー8 愛猫ラグ 3

    翌日。彩音は一晩考えたが答えが浮かばなかった。取り敢えず、彼女は依頼人にラグの姿を見掛けたとの報告をする。 「そうだったの。母の家の近くに居たんだ。なら、時間を作って私もそちらに行くわ。鍵開けて、家の中に餌を置いとけば、ラグは中に入って行くんじゃ無いかな」 「そうですよね...

  • ラグについて

    ラグという名の猫は、実は私が飼っていた猫の名です。 海外出張で連れて行けないというご夫婦から譲り受けた猫。 最初は少しも慣れてくれず、狭いところに潜り隠れていて、我が家でありながら見つけるのも大変だった。 水と餌を欠かさず与え続けていたら、2ヶ月ぐらいしてやっと私の前に姿を...

  • ほら探日記Ⅱ-7 愛猫ラグ 2

    ペットというのは、懐いてくれると無性に可愛くなってくる。その、ペットの持つ魔性が母の心を掴んで離さなくなる。 何時しかラグが、我が子達よりも可愛くなってしまい、ラグの姿を見ないと気分が滅入って仕舞う迄になっていた。 なので、旅行は勿論、散歩さえもしなくなってしまった。...

  • ほら探日記Ⅱ-6 愛猫ラグ 1

    愛猫(あいびょう)ラグ 保来信次郎と木村和枝は、保来探偵事務所改め、保来探偵社に社名変更する。 事務所なんて、法律や会計などを扱うみたいで格好よく無い。探偵社の方が格好良いからそれに社名を変えるべき、との彩音の言葉に従ったのだ。 社名変更は少し面倒だが、若い彩音の...

  • ほら探日記Ⅱ-5 繭の館突入 2

    保来は、再び念を押すように貴子に語り掛ける。 「本当に、何処に居るのやら見当も付きません。生きているのやら、死んで居るのやら。消息だけでも分かれば、私達の気持ちも落ち着くことが出来るのですが。桜谷さんには全く心当たりが無いのでしょうか?」 「何も分からないというのは、嘸か...

  • ほら探日記Ⅱ-4 繭の館突入 1

    案内されたのは畳敷きの和室。ご丁寧に縁側まである。外見は洋風な建物。玄関も洋風な立派なドア。なのに、この一角だけ和風の造り。 何となくバランスが悪い。 貴子は、高価そうな座椅子に座り、座敷机の下に足を投げ出している。その対面に信次郎と和枝が座る。 当然正座。ふかふか...

  • 新曲 蝶の舞い

    大空ひろしメロディーです。 若い人達のような音楽は創れません。 ゆったりとした曲調です。クラッシックとニューミュージックを合わせたような感じなのかな? 時間があったら聴いてください。

  • ほら探日記Ⅱ-3 魔法の言葉を・・・ その3

    平河彩音は想像以上に良く働く女性だった。家事も積極的に手伝うし、事務所も同じようにマメに掃除してくれる。 まるで家族の一員かのように、屈託の無い振る舞いをする。 そんなこんなで、益々保来信次郎の仕事が無くなった。 「彩音ちゃんの両親は躾が良かったんだね」 彩音のセッ...

  • ほら探日記Ⅱ-2 魔法の・・・ その2

    保来は、彩音と一緒に住むのを思わず想像してしまったが、和枝は冷静だった。 「何故、私が社長と一緒に住んでいると知ってるの?」 「だって、探偵事務所に勤めるんですもの。その位は事前に調査し、知って置かないと」 結構抜かりが無い。 それに、言葉遣いが少し馴れ馴れしくなって...

  • 目指す先は 2

    何が起こったかは分からぬままに時間は過ぎて行く。お腹が空いて来た。誰の家だか分からないが、取り敢えず何かを食べたい。 六畳一間に土床の台所。一応煮炊きが出来そうな簡単なかまどがある。台の上に菜切り包丁と板まな板。 その他、水が入っている少々大きめの瓶。その他は何も無い...

  • ほら探日記Ⅱ-1 魔法の言葉・・・ その1

    魔法の言葉を持った少女 何時もの様に保来が事務所で電話番をしていると、ドアの外を行ったり来たりする少女の姿が目に入った。 (何かの調査依頼か? 若い子の場合は結構切羽詰まった問題の場合が多いからな) 保来は、若い子の来訪を好まない。 保来と目が合うと、少女は観念した...

  • ほら探偵日記26 PCの中の二人 その5

    季嶋夫婦の間には孝治という息子が授かった。孝治が8歳の時、白血病に掛かり子供専門の病院に入院する。 一進一退の病気との闘いが続く。その間、何度か家に帰れる時もあった。しかし、両親の必死の願いや祈りも、症状の好転には繋がらなかった。 父親は、闘病中の息子の為にも出張先の...

  • ほら探日記25 PCの中の二人 その4

    用紙に、恐らく自分で描いたのであろう背景や人物。その人物の顔には、プリンター印刷した物を切り取ったと思われる父親と息子の顔写真が貼り付けられている。コマ送りの様に変わる紙芝居風な絵には、二人の会話が挟まれている。 病床の絵には 「病気に勝ったら、ケンタの好きな釣りに一緒...

  • ほら探日記 PCの中の二人 その3

    警察は事件性は無く自殺と処理した。自殺の原因は、「子供を病気で亡くし、悲観した故に」となっている。 事実、妻もそれを証明するように、夫は我が子の死亡に尋常では無い哀しみを抱いていたと証言している。 季嶋満子には、数年前から母親の介護が必要となっていた。そんな中で、何よ...

  • ほら探日記 PCの中の二人 その2

    保来は休憩も取らず、一路夫が住んでいるというアパートへと車を走らせた。アパートは、街外れの田んぼ近くに建てられていた。2DKで家族でも住めるタイプ。一人で住むには十分余裕がある。一階に二部屋、二階も二部屋の箱形。それと同じ造りの建物が平行に二棟並んでいる。 「季嶋さん!」...

  • ほら探日記 PCの中の二人 その1

    PCの中の二人 或る日、浅羽刑事から電話が掛かって来た。彼とは、職業上で幾度か関わっているので当然顔見知りではある。ただ、仕事とは関係なく木村和枝に言い寄る浅羽を、保来は毛嫌いしていた。 「至急、動いて欲しいんだけど、あんたなら何時でもオーケーだろう」 失礼な物言い...

  • 短編小説を入れました。

    短編小説 撃退 アッシ国の本土から少し離れた孤島・福の島。 その島を巡り、アッシ国とサイ国が領土主張して争っていた。 主権はアッシ国にあるとなっている。が、サイ国はそれを認めず、領海付近に武器を装備した船を送り込む。 現場を離れて制服組に配属された柵(さく)優(ゆ...

  • ほら探日記 紫陽花の庭 その2

    山は秋の訪れが早い。十月下旬頃の季節は、紅葉狩りの客で実家の旅館もとても忙しくなる。今はその少し前に当たり、旅館もそんなに混んでいない。 信次郎の仕事は探偵業だが、元を正せば旅館の主となる立場。当然、我が儘も許される。 「一週間でも二週間でも好きなだけ居て良いですよ。お...

  • 機械には融通が無い

    ロシアが日本の北方領土でなにやらきな臭い事をしているようだ。 北方領土返還交渉、安倍さんに期待したが冷静に見れば却って後退した感がある。 拉致被害者返還も1ミリも進んだ気配が無い。 安倍さんは仲の良い自由主義国では活躍したが、難しい相手には歯が立たなかったようだ。 さて、そ...

  • ほら探日記 紫陽花の庭 その1

    紫陽花の庭事件 一人の中年女性が事務所に遣って来た。 「こちらでは、人も捜して頂けるのでしょうか?」 探偵社を訪れるのは始めてかな、とも見える。 「勿論、それも仕事の内ですから。こちらにどうぞ。依頼内容を伺うだけなら無料ですから、遠慮せずに話して下さい」 保来は応...

  • ほら探日記 商魂 その2

    実は、週刊誌が発売される前に、保来信次郎にも週刊誌からの取材があった。 「保来探偵さんは何故、ほら探偵と言って名刺を渡すのですか?」 週刊誌の記者が訊ねる。 「父が子供の時、『ホラ』とか『ホラ野郎』とかのあだ名を付けられた。ホラは大袈裟な嘘とか誇張した自慢とかに訳される...

  • ほら探日記 商魂 その1

    商魂 一ヶ月後、岩田が探偵事務所に遣って来た。 「おう、岩ちゃん。調査代はいつ頃振り込んでくれるのかな?」 「それどころでは無いのよ。テレビのワイドショー、観た?」 「観てないけど、それがどうした?」 「例の三輪家のからくり屋敷。お化け屋敷として公開してるんだって」 「...

  • 完成です

    この曲はYouTubeにアップロードした読み聞かせ短編小説「ポン太」の BGMとして作曲したのを楽器や多少の編曲をして単独アップした曲です。 短編小説 ポン太 画像がMusicとなっている! 今初めて気が付いた。 直しておきます。 自分のすることは何処か抜けると言うかおかし...

  • タイムスリップバージョン

    今はサバイバルゲームとか、シムシティのような都市シュミレーターゲームなど様々なゲームがある。 殆ど無から何かを作り上げて行くゲームはそれなりに面白い。 大きな枠で括ればRPGもその一つに入るかも知れない。 だが、似たような物が沢山有るので食傷気味でもある。 そこでタイムマシ...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その7

    保来信次郎の怖がりには理由があった。 彼の住んでいる地域は山間の僅かな土地に群がるように建てられた温泉宿街。多くの観光客が行き交う場所だが、一方で、温泉施設に関係する人達が住み着いている土地。その人数は少なく、比例して子供の数も少ない。 学校も、歩いて行ける距離には無...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その6

    もう、有無を言わせずの強引だ。次は必ず、岩田にお供をさせる為の確約をさせようと、保来は彼を探偵事務所に呼び出した。 「この間は逃げやがったな」 「のっぴきならない事情を、信さんもご存じでしょ」 「知らん! とにかく話の流れから、次の満月の夜にまた行かなければならない」 「...

  • VR時代

    今や仮想空間を身近に体験できる時代になった。 少し無理すれば、VRゴーグル・VRヘッドセットなどを手に入れられる。 しかも、高いスペックを求めなければスマートフォンよりも安い。 我が駆け出しプログラマー息子も、仕事と関係があるようで会社勤めしてから 直ぐにこのような物を買っ...

  • 雪に沈んだ都会

    今日は寒かった。 なので、妻が暖かグッズを色々引っ張り出して自分にくれた。 最近お目に掛からなかった思いやり? まるで雪でも降りそう。おっと、雪が降ってとても寒かったからそうしてくれたんだっけ。 我が家では「愛している」なんて会話は一切無かった。これからもありえないだろう。...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その5

    外に出て振り返ると、出て来た引き戸は入る時の引き戸と同じ位置だった。冷静になって思い起せば、建物を一廻りした時に、既に戸は一カ所だけと確認済みだった。つまり、入るのも出るのも此処だけと分かっていた筈なのである。いかに冷静さを失っていたか、保来は己を恥ずかしく感じた。 そ...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その4

    入り口迄逃げ戻りたいが、戻ったところで戸が開かない。 (クソッ、岩の奴め) 口の中で、エンドレスのように岩田を罵る言葉を吐き続ける。恐怖心を紛らわす狙いもあった。 掛け軸壁を通り過ぎると、再び灯りは懐中電灯のみとなった。壁の照明が消えたのだ。 錯覚かも知れないが、通...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その3

    依頼主は三輪と名乗った。五〇歳を過ぎているであろう恰幅の良い中年男性。 三輪は、挨拶もそこそこに母屋から少し離れた離れ屋敷に案内する。屋敷は想像していたよりも大きく、高さは、二階建て家屋と比べて少々低い感じがする。天井が高い平屋なのか。 入り口は普通サイズの引き戸で、...

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