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2019/04/24

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  • 西荻窪のアパート

    再度東京に出ると決めたとき、どこに住もうかと考えた。毎週のように見ていたアド街ック天国で、なぎら健壱が京成線沿いを飲み歩いていて、昔ながらの人情や情緒が残っていると言っていたことを思い出した。 お花茶屋は駅名から良さそうに思ったが、実際に歩いてみると人が少なく、見かけても年寄りだった。アパートも多くなさそうに見えた。別の駅でも降りてみたがたいして変わらず、京成線沿いはやめた。 次に向かったのは中央線だった。大学時代に高円寺から三鷹にかけて友人たちが住んでいて、酒を飲んで泊まるたびに住みやすそうなところだと思っていた。 阿佐ヶ谷駅前の不動産屋で、東中野・四畳半・風呂なし・2万5千円という貼り紙を…

  • 独居日乗 2.28(金)

    タイにはじめて行った1999年と2000年は、なにをどう撮ればいいかわからなかった。カメラを入れたバッグを持ち歩くだけで、1枚のシャッターを切れない日もあった。怒られたらどうしようという思いばかりが先に立ち、人にカメラを向けることができなかった。 35歳のときにタイに3か月滞在し、そのときから少しづつ撮れるようになった。夜の世界で生きる女たちやカレン族の難民家族のもとに通った。 撮った写真が貯まってくると、写真集を出したいと考えはじめた。本が出れば人生が好転するだろうと思い、いくつかの出版社に持ち込んでみたがうまくいかなかった。 本がだめなら写真展しかない。そう思いニコンやキャノンのギャラリー…

  • 独居日乗 2.13(木)

    「斬進快楽写真家」にこんな一文があった。 「16歳からずうっと強烈なものばかり会ったり、見たりしていたから、今さら自分はもう元の世界には戻れない」 同じだと思った。サラリーマン8年目の夏休みに偶然が重なり急遽バンコクに行った。そのときの体験がまさに「強烈なもの」だった。 目と鼻の先のステージで性を誇示して踊るおおぜいのダンサーたち。迷い込んだ真っ暗なゴーゴーで女たちに囲まれながらした小便。女をおぶって上がったアパートの階段。行き先もわからず乗ったバス。体にまといつくような湿気と暑さと騒音と匂いと暗闇。探し続けていた場所を見つけたように思った。 10日にも充たない滞在だったのに、帰国後はすべてが…

  • 独居日乗 2.3(月)

    「世界旅写真展」の審査結果が届く。最終選考まで残って落とされていた。がっかりだが、肉筆で書かれたコメントに少し光明が見えた。 「~ あまり見ない被写体(鳥と人)も魅力的です。あとはこれを活かすのは何よりプリントです。勿体なく思いました ~」 プリントが良ければ最終選考を通過したのかまでは不明だが、人が撮らないものを撮ることの大切さとプリントの重要性がわかった。 図書館から金村修の「斬進快楽写真家」を借りて読む。以前ならたぶんわからなかったと思うことがいまは理解できる。誰かに付いて修行したり学校で学ぶことなくきたので基礎がない。他人の写真に触れる機会も少ない。それらがいまの停滞につながっている。…

  • 独居日乗 1.1(水)

    元旦をグループホームで迎える。大晦日の宿直は敬遠していたが、経験してみるとなんでもない。考えようによっては、アパートで寂しく過ごすよりは気が紛れていいのかもしれない。これで2日~6日に休んでも大きな減収にはならない。 今日は利用者が2人しかいないので、朝はいつもの休日よりもさらにゆっくりできる。8時過ぎに下へ降りていくと、トイレ前の廊下が全面水浸しになっていて、自閉症の強い〇〇さんが足を濡らしながらこちらを険しい顔で見る。警戒しながらリビングに入り、鍵を開けて冷蔵庫から朝食を出して並べるとすなおに食べはじめた。 炊飯器の蓋に付いていた15✕5センチ大の部品がなくなっている。あんな大きなものを流…

  • 独居日乗 10.27(日)

    宿直の朝。6時20分起床。スマホのラジオで「グッチ裕三 朝からうまいぞお!」を聴きながら、折り畳みベッドの上で朝食。パン、リンゴジュース、バナナ、カロリーメイト。土曜日から日曜日にかけての宿直はゆっくできる。平日は6時から朝食の準備と食器洗い、着替え、洗濯、歯磨き、髭剃りを介助しなければならない。 「BIZAIA!」休刊状態の件でメールを送っていた旅行作家のSさんから返事が届いている。中国からタイに戻ってきたところらしい。情況は厳しそうで、出版界にコネも伝手もない者にはお先真っ暗だ。 7時半から昨日作っておいた朝食をテーブルに並べる。自閉症の強い〇〇さんがひとりで食べる。休日なので他は誰も起き…

  • 独居日乗 10.14(月)

    6時半起床。最近は3時や4時に目が覚めても、ラジオを聴きながら再度眠ることができる。 朝食後ジョギングをしようと外に出るが、雨が強く降っているのを見てまた部屋に入る。少しすると小雨になったので帽子をかぶって出る。距離を短くして速く走る。 帰宅して少しすると郵便局が書留を持ってくる。ドアを殴りつけるように強く叩く。郵便局はいつも手袋を外さずノックするが、今日の人は乱暴だ。靴で蹴ったのかもしれない。対応もぞんざいで、局員の質の悪さを再認識する。 かんぽ生命の不適切販売が明らかになったが、派遣で働いたときに社員の体たらくを目の当たりにしているので驚きはない。彼らは派遣社員に連日残業させて、自分たちは…

  • 独居日乗 8.17(土)

    3時に目が覚め、再度寝ようとするがかなわず起床。なんでこんな早く起きなければならないのか。 パソコンでダンベルを探す。6キロでは不足に感じ重いものを探している。ネジがゆるむなどの口コミを見ては、どれがいいのかと探すことを繰り返している。 6時からジョギング。昨日スクワットをしたので足が重い。下半身は走ってさえいればいいように思っていたが、走るのとスクワットでは鍛えられる筋肉が違うらしい。最近手幅を広げての懸垂ができるようになり、昨日調子に乗ってやったら右肩が痛い。 ダンベルを注文する。30キロにするか20キロにするかで迷い、20キロ✕2で8480円のものに決める。当面これでやって必要に応じて1…

  • 独居日乗 8.12(月)

    火、木、土の3連続宿直後の休日。4時起床。ゆっくり寝ていていいのに目が覚める。6時からジョギング。若者が善福寺公園でスピードを出して走っている。それを眺めつつマイペースで走る。 睡眠が足りないように思い横になるが眠れず、9時半過ぎに出てブックオフへ。目当ての「EQこころの知能指数」見つけ200円で買う。すぐ出ればいいのに志賀直哉など探してしまう。西友へ。ここでもすぐに食品売り場へ行けばいいのに服など見てしまう。それで疲れたのか買い物中に具合が悪くなる。 アキダイでくしゃみをしたら鼻水が出てきて、リュックを開けてテッシュを探していると、万引きと勘違いされたのか女の店員が近づき、目の前で魚をしばら…

  • はじめてのインド (4)

    おやじに先導され、また階段をのぼり通路を行く。掃除されていないらしく、壁際に砂や埃が溜まっている。分厚い扉を開けて入る。ツインルームで広い。おやじがエアコンを作動させる。 おやじが戻ってひとりになってから、エアコンの調整のつまみを探すが見当たらない。吹き出し口だけがある。これでは夜になって気温が下がっても室温を調整することができない。 財布に30ルピーしかなく両替屋かATMを探すが、どういうわけかどこも閉まっている。ATMをやっと見つけるが、操作を2回間違え引き出せなくなる。焦るが、ホテルが両替してくれることを思い出し、高級そうなホテルへ行く。20ドル札はレートが悪いと言われ、迷っている間に両…

  • 独居日乗 8.5(月)

    5時半起床。8時45分からジョギング。すでに暑く、また30分で戻る。隣のアパートとの境の塀に布団を干す。 前から気になっていたTinderに登録する。金をかけずにできるところが良さそうだ。出会いを求める気力や体力はもうあまりないが、少しは楽しめるかもしれない。 昼食後西友へ行き食料を買う。帰りにアキダイでバナナと白菜と玉ねぎ。帰って横になるが眠れない。ウエイトトレーニング。腕立て伏せをすると右肩の関節が痛く、回数控える。 Tinderでマッチした41歳の人にメッセージを送ると返事がくる。マッチしないとメッセージが送れないらしい。1時間ぐらいの間に4~5回やり取りする。忙しくて昼食が17時になっ…

  • 独居日乗 8.3(土)

    1時に目が覚め、エアコンを切って扇風機の風だけで寝るがまた目が覚め、NHKの深夜便を聴きながら眠っているのか起きているのかわからないまま5時起床。 暑いし外出の用事があるのとで、迷いながらも7時20分に走りに出る。体力を温存したくて30分で戻る。滴り落ちる汗を、頭と顔は水道の水で洗い流し、体は濡らしたタオルで3回拭く。 昨日途中までになっていた「追想」の残りを観る。最後のマジックミラー越しの火炎放射器の場面は、十数年前の記憶ではもっと長い。U-NEXTのものはカットされているのか。 10時半に出て南浦和へ向かう。駅前で待ち合わせH先生の家へ。調べてみるとちょうど1年ぶりだった。お母さんの手料理…

  • 独居日乗 7.29(月)

    5時半起床。昨日早く寝たおかげで体調いい。7時50分からジョギング。先週苦しかったので、脱水状態になったときに備え200円を小銭入れに忍ばせて走る。 善福寺公園の土にモズの出た穴を見つける。気になってモズを調べてみると、地域によって呼び方が違う。出身地の新潟県だけでも幾とおりもの呼び名がある。帰宅後濡れタオルで体を拭く。 10時過ぎに出て吉祥寺のGUへ。目当てのベルトはいまひとつで買わず、Tシャツを買う。税込み853円。色違いで3枚目。帰宅後冷やし中華。 暑いが早い時間からエアコンつけたくなく、扇風機の風で1時間昼寝。起きてウエイトトレーニング。図書館で本2冊借りる。夕飯にビールロング缶。20…

  • 歯医者の思い出(2)

    歯医者には苦しめられてきた。 大学時代にも苦しめられた。当時は情報が手に入らない。腕の良し悪しはネットではなく、本当の口コミに頼るしかない。下北沢に住んでいた友人が言った。 「酒屋の角を曲がったところの歯医者がいいぞ」 「なにがいいんだ?」 「ほかの歯医者で治したばかりなのに痛いから行ったら、なかに脱脂綿が入っているのを発見してくれた」 「なかに脱脂綿?」 「詰め物の下に入ってた。それを見つけてくれた」 脱脂綿を残したまま治療を終わらせる歯医者のいることに愕然とした。 酒屋の角を曲がった歯医者に行ってみる。が、建物は民家そのもので、診察している気配もない。大丈夫なのか。角の酒屋で訊いてみた。 …

  • 歯医者の思い出(1)

    歯医者には小学生のときから苦しめられてきた。その端緒となるのがヨシゾエ歯科だった。 小学校3年生の歯科検診で、奥歯にバツをつけられた。C1だとかC2なら削って終わるが、バツは抜歯だ。おびえながら母に訊いた。 「これどうしたらいいん?」 「抜かんとだめらわ。ヨシゾエに行きなせ。女の歯医者だすけ痛くしね」 本当に痛くないのだろうか。疑いつつも、母が勧めるのだからと出かけた。 呼ばれて入ると、なかには診察椅子がいくつもあり、女医も1人ではなかった。恰幅のいい女医が、受付に出していた歯科検診の紙を見ながら現れた。 「はい、口開けて。あーここね」 液体の入った注射器を持ってきて、前の台に置く。針の太さと…

  • バービアの蝶

    タイ、パタヤ。普段は閑散としている店が、ダンサーがいる日は賑わう。きわどい衣装の女たちが、イサーンの歌に合わせて踊る。煽情的なダンスで、見ているだけで華やいだ気持ちになった。 Aeはその店にいた。明るい性格で、ベッドに素っ裸で「わー」と飛び込んできた。カレッジを卒業していると言い、しっかりした英語を話した。フェイスブックの表紙が高校生の娘だった。 Aeと一緒に見るダンスはひときわ楽しかった。女たちが性を誇示するように踊ったとき、歌詞の意味を訊いた。 「蝶になった女が、男のまわりをひらひら飛んで誘惑している」 言いながら両手の親指を交差させ、宙で蝶のように動かした。 女たちのダンスに目をやりなが…

  • はじめてのインド(3)

    21時に横になるが、ドアの外が騒々しくて眠れない。それでもいつのまにか眠っていて、0時に目を覚ましたときは静かになっていた。 7時に部屋を出る。鍵を返しに行くと、従業員の子供たちが、フロントの後ろの狭いスペースで折重なるようにして眠っていた。 ガイドブックで良さそうなことを書いているYMCAへ行く。歩いても行けそうな距離で、スーツケースを引きずりながら行く。 フロントは階段を上がったところにあった。が、その階段が長い。スーツケースを持って息を切らしながら上がる。タイなら手伝ってくれそうなところだが、インドではただ見ている。 やっと上がり、フロントのおやじに指示されるまま、宿帳に国籍や名前を記入…

  • 鳥を商う男

    03.2017 Delhi India

  • 鳥と親子

    03.2017 Delhi India

  • 鳥と親子

    03.2017 Delhi India

  • 黄身のない目玉焼き

    デリーの朝。6時半に外に出ると寒い。1時間撮り歩き、朝食を食べようと7時半に開店する店へ行くが、掃除中で入れない。ほかに良さそうな店は見つからず、開いているところに適当に入る。食パンと目玉焼き、コーヒーのセットを頼むが、出てきた目玉焼きは、白身だけで黄身がない。 03.2017 Delhi India

  • タイの公衆電話

    携帯電話がまだ出まわっていなかったとき、タイで電話をかけるのは大変だった。安宿の部屋に電話機はなく、必要なときは公衆電話を使うしかなかった。 が、騒音のひどい大通り沿いを避けて探すと、なかなか見つからない。やっと探し当て、使おうとすると壊れている。隣の電話機に移っても同じ。ダイヤルボタンが堅くて押せなかったり、押すと戻ってこなかったり、コードが千切れているのもあったりして、呼び出し音を聞くまで1時間近くかかることも珍しくなかった。 それがいまはシムカードを入れ替えれば、日本で使っているスマホがそのまま使える。会話だけでなくメールやネットまでできる。苦労がなくなったぶん達成感も目減りしたのだろう…

  • パタヤのスターバックス

    混んでいるので日本ではほとんど入らないスターバックスに、タイでは入る。 最近はパタヤも、インド人や中国人が増えて混んでいるときがあるが、それでも日本よりは落ち着いて過ごせる。 この日もコーヒーを飲みながらくつろいでいると、どこかで携帯が鳴った。黒Tシャツの男らしい。が、どうしたのか鳴るままにしている。気になるのだろう、じんさんが新聞から顔を上げ、男を見ている。電話が鳴りやむと、じいさんもまた新聞を読みはじめた。 が、また電話が鳴る。男はまたもや鳴るままにしている。10回、15回、20回・・・。コールが続く。イラだったじいさんが席を立ち、男に近づいていく。男のテーブルのすぐ前まで来たとき、電話は…

  • はじめてのインド(2)

    TOURIST INNという宿を予約していた。ホテルの予約はめったにしないが、今回はしていた。フロントと思われる古びた事務机にいる若い男に、予約してある旨と名前を言う。が、満室だと返される。こういうこともあるだろうと、プリントアウトして持ってきた予約済みの返信メールを見せる。が、若い男は意味なく荷物運びのおやじたちを怒鳴るだけで、埒が明かない。 諦めて外に出ると、荷物運びのおやじが追ってきて、スーツケースを頭に上げて運んでくれる。ついて行くと近くのホテルに入っていく。人を紹介すれば金をもらえるのだろう。居心地良さそうならそこでもよかったが、そんなふうでもない。 「ここはだめだ」 HOTEL S…

  • はじめてのインド

    インドへはじめて行ったのは8年前、44歳のときだった。バングラデシュに行ったことはあったが、インドは知らないままで、それではアンバランスだという思いがあった。バンコクからエアアジアが就航し、安く行けるようになっていた。 が、しだいに行くのが億劫になり、当日も早起きはしたものの出かけるのが面倒で、ぐずぐずしていた。このままタイにいれば楽しく過ごせるのに、なんでわざわざ大変そうなところに行かなければならないのか。 しかしせっかく取ったビザや航空券を捨てるのも惜しく、渋々空港に向かった。内心ではなにかトラブルが起こり、フライトが中止になればいいと思っていた。 願いは通じず、なにも起きないまま機内に腰…

  • 夜のパタヤビーチ

    立ちんぼがビーチロードに1メートル間隔で立つ夜のパタヤ。そのいっぽうでこんなパタヤもある。 03.2017 Pattya Thailand

  • コルカタ 片目の男

    カメラを持ってサダルストリートを歩いていると、声をかけられた。 振り向くと眼つきの鋭い片目の男がいる。 文句でも言われるのかと身構えたが、 「写真を撮ってくれ」 言われたとおりにすると、「サンキュー」と礼を言った。 見かけたら渡してやろう、と滞在するたびに持ち歩いているが、以来会うことがない。 04.2011 Kolkata.India

  • ある派遣労働者の独白⑩

    BizAiA!に、会社国家ニッポンの闇—ある派遣労働者の独白⑩ を書きました。 http://bizaia.asia/yamijapan10/

  • 扇家食堂 2016.4.23

    天気のいい日に井の頭公園でくつろぐ。 西荻のアパートから歩いみると40分。 スーパーで買ったコーヒーを飲みながらベンチに腰かける。 木漏れ日のなか、暇に任せて取り組んでいる英語のテキストに目を落とす。 TOEICの試験を受けてみたいと思いつつ、500点を取れる自信がついてからと先延ばしにしている。 昼過ぎに定食屋に向けて歩く。 定食屋は17年前、パニック障害の発作に苦しみ、暗鬱とした日々を送っていたアパートの近くにある。 もうないだろうと思いながら訪れた数週間前、あったことに少し感動した。 新聞やマンガ誌が揃えられていることも変わっていない。 17年前は、食べ終えて出るとき「いってらっしゃーい…

  • ビーチで見つけた写真

    パタヤビーチで砂にまみれた写真を見つけた。本人が捨てたか落としたか、撮った業者が売れ残りを放ったものか。わからないが、眺めているといろんなことが想像される。 パンツの色から連想すれば中国人だろう。海外旅行をできるぐらいだから貧乏人ではない。従業員を抱えている経営者かもしれないし、共産党の幹部かもしれない。しかし家のなかでは恐妻家の面もあるのではないか。今回の親戚全員でのタイ旅行も渋々付いてきたに過ぎない。が、きてみると意外に楽しく、奥さんがバッグに入れてくれた海水パンツをはいて年甲斐もなくはしゃいでしまった。それが帰国後、「あんたの写真だけないじゃない!記念に海で撮ってもらったあれ、浜で見てた…

  • 会社国家ニッポンの闇 ⑨

    タイで編集発行されているビジネス情報誌に連載しています。 会社国家ニッポンの闇 ──ある派遣労働者の独白⑨ - BizAiA! Asia(ビザイアアジア)

  • ROOM RENT

    2001年5月。はじめてのパタヤ。ガイドブックにあったレックスマンションに向かう。行ってみるとハイシーズンで値段が上がっている。エアコンの部屋が560バーツ。探せばもっと安い部屋が見つかるのではないか。 荷物を担いで歩くが、暑くてすぐに疲れる。と、目の前のバーに「ROOM RENT」とある。訊くと250バーツ。ここでいい。簡単に決めた。 部屋は最上階だった。直射日光が差し込んでいる。扇風機だけで凌げるのか。それにバーの上ということは、夜どおし騒々しいのではないのか。こんな部屋で眠れるのか。 外に出ると、路地を入ったところでサワディーホテルというのが見つかる。エアコンの部屋がバーの扇風機部屋と同…

  • パタヤを楽しめる年齢

    タイへ行けばパタヤに滞在するようになったのは6年前からだ。はじめて行ったのが、タイに2か月滞在した2001年のとき。それから2~3度滞在してみたが、そのたびにこの町のどこがいいのかと首を傾げていた。バービアに入ってみても白人たちのようには楽しめない。どこに安い食堂があるのかもわからない。騒々しいばかりで、自分には縁のないところだと思っていた。 40代半ばになったとき、いまなら楽しめるのではないかと10年ぶりぐらいに訪ねてみた。すると以前とはまるで違う印象を受ける。まず海のあることがいい。風に吹かれ砂浜を歩く心地良さはなんともいえない。探せばビールの飲める安い食堂も随所にある。落ち着ける海沿いの…

  • タイのタクシー

    2017年3月13日。インド5回目にしてはじめてのデリー。バンコクのホテルを午前3時に出てタクシーで空港へ行く。 高速道路を走っていると、運転手が段ボールが荷台から落ちそうになっているトラックを見つける。年輩の運転手。親切なのだろう。クラクションを鳴らしながら並走する。が、トラックは気づいてくれない。すると窓を開けて怒鳴りはじめる。深夜で道路はすいているが、タクシーの速度は百キロを超えている。事故を起こすのではないかと気が気でない。 気づかないことにイラだった運転手は、アクセルを踏みスピードを上げた。トラックの前に強引に入り、窓から腕を出して停まるよう促す。 そんなゆっくりしてられないんだけど…

  • はじめてのソムタム

    ソムタムをはじめて食べたのは、いまから15年前の2003年6月23日。タイを3か月かけて歩いたときのウドンターニーでだった。 泊まっていた宿の横はステーキ料理の店だった。たまには豪華の夕食で栄養を取ろう。メニューを見るとソムタムがある。ガイドブックには、東北タイの料理で青パパイヤのサラダと書いてある。パパイヤということはフルーツサラダなのだろう。ステーキと一緒に注文した。 運ばれてきたのはフルーツとは程遠いものだった。これがソムタムなのか? 一口…二口…。辛い…。いや、辛いなんてものじゃない、なんだこれはー!慌ててビールを流し込む。ビールで辛さを流そうとするが、舌に付いて離れない。涙と鼻水が流…

  • 旅日記 2003年7月31日

    ゲストハウスには便所が3つしかなかった。混雑するのが嫌で5時に起きる。ところが朝食の時間を過ぎても混んでいる様子はない。白人は朝便所に入る習慣がないのか? 夕方小学校の敷地の隅で卓球をしている少年たちを見つける。仲間に入れてくれ、少年相手にひさびさに卓球をする。 夜は昨日食べた店へ。従業員のおばちゃんが猫をかわいがっているので「メーオ」(猫)と言ったら、笑いながら「メーオ」と返してくれる。 雨で足が汚れ、帰ってきてから洗う。

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