chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
暮らしの真ん中に「言葉」を https://kazahanamirai.com/nihon-shiika-selection.html

暮らしの真ん中に「言葉」を。言葉の力を信じることで、未来を変えたい。

風花未来が美しい日本語で書かれた詩をはじめ、文学や映画などの豊かな日本文化をご紹介。「詩心回帰(詩の中に見出す希望の未来)=まあるい未来」を提唱中。

風花未来
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/04/21

  • 栗原貞子の詩「生ましめんかな」

    今回は、栗原貞子の「生ましめんかな」という詩をご紹介します。生ましめんかなこわれたビルディングの地下室の夜だった。原子爆弾の負傷者たちはローソク一本ない暗い地下室をうずめて、いっぱいだった。生ぐさい血の匂い、死臭。汗くさい人いきれ、うめきごえその中から不思議な声が聞こえて来た。「赤ん坊が生まれる」と言うのだ。この地獄の底のような地下室で今、若い女が産気づいているのだ。マッチ一本ないくらがりでどうしたらいいのだろう人々は自分の痛みを忘れて気づかった。と、「私が産婆です、私が生ませましょう」と言った

  • 小林一茶の有名な俳句

    小林一茶の代表的な俳句をご紹介しましょう。雪とけて村いっぱいの子どもかな雀の子そこのけそこのけお馬が通る 我と来て遊べや親のない雀 涼風の曲がりくねってきたりけりやせ蛙負けるな一茶これにあり名月を取ってくれろと泣く子かなうまさうな雪がふうはりふわりかな

  • 「ジョイフル詩学」は、詩の遊び場です♪

    風花まどか大学の2023年2月からの予定をご紹介。⇒風花まどか大学の公式ページ2月からは、いよいよ「詩学」が始まります。本編に入る前に、リラックスして楽しめる、準備体操のような講座を開きます。題して「ジョイフル詩学~詩を楽しもう」です。限りなく、初心者さんに優しい講座を目指します。ジョイフル詩学~詩を楽しもう詩って、こんなに楽しいんだ、こんなにワクワク、ドキドキできるんだってことを、一人でも多くの人に体感してほしいのです。ですから、小難しい、理屈は言いません。詩で気持ちよくなっていただきます。快

  • 「詩を朗読する動画」おすすめセレクション

    当ブログ「美しい詩」の運営者である、風花未来が朗読した「詩の朗読」動画を、このページに集めてみました。一つでも多く、優れた詩に親しんでいただくために、コツコツと朗読していきたいと思っていますので、どうか、よろしくお願いします。では、さっそく、ご紹介しましょう♪カール・ブッセ(上田敏訳)「山のあなた」パブロ・ネルーダ(笠木透訳)「おいで一緒に(山と川)」木下夕爾「晩夏」中野重治「機関車」黒田三郎「紙風船」島崎藤村「小諸なる古城のほとり」ふるさとは遠きにありて思ふもの……室生犀星詩集より室生犀星「子

  • 映画「ブルークリスマス」は単なる異色大作では済まされない、何かが蠢いている。

    岡本喜八監督の「ブルークリスマス」は、奇妙奇天烈な怪作映画である。基本情報は、ウィキペディアから引用する。『ブルークリスマス』は、1978年(昭和53年)11月23日に公開された日本映画。実際の映画プリントのタイトルは「ブルークリスマスBLOODTYPE:BLUE」と英語副題がつく。東宝映画製作、岡本喜八監督により、倉本聰のオリジナルシナリオ『UFOブルークリスマス』を映画化した。アメリカ映画『スター・ウォーズ』によるSFX映画ブームの渦中にあって、特撮映画の本家である東宝が「特撮を一切使わない

  • 風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】

    【全コンテンツ閲覧コース】へのご案内●風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】の募集を開始しました!半年コースと1年コースを設けました。以下、風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】募集要項です。★半年コース★全コンテンツ閲覧当ブログにおける、風花まどか大学生様限定ページを、お申込みいただた方だけに公開いたします。【閲覧可能な期間】2023年1月5日~2023年6月30日まで【コンテンツ】風花まどか大学で配信する全コンテンツを、専用ページで閲覧いただけます。チャットのアーカイブ、配信済みメルマガ

  • 風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】

    【全コンテンツ閲覧コース】へのご案内●風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】の募集を開始しました!半年コースと1年コースを設けました。以下、風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】募集要項です。★半年コース★全コンテンツ閲覧当ブログにおける、風花まどか大学生様限定ページを、お申込みいただた方だけに公開いたします。【閲覧可能な期間】2023年1月5日~2023年6月30日まで【コンテンツ】風花まどか大学で配信する全コンテンツを、専用ページで閲覧いただけます。チャットのアーカイブ、配信済みメルマガ

  • まどか大学を開校した深い理由を告発した記事まとめ

    風花未来が「風花まどか大学」を開校するに至った、それには深い理由があるのです。このページには、「風花まどか大学」開校のエピソード、なかなか口には出せない心の手続きなどを告発した記事をまとめてみました。茨の道を希望の道に。明るく楽しく…晴れやかな、すがすがしい気持ちで、蒼天に誓う!どうしても伝えたい「まどか学」の存在意義についてまどか大学を開校した理由~一つの気づきからhttps://kazahanashinden.com/madokakougi/9443/

  • 茨の道を希望の道に。明るく楽しく…

    明けましておめでとうございます。風花未来でございます。本年も、どうか、よろしくお願いいたします。●年頭の風花未来の思い年頭の風花未来の思いですが、以下のページにて配信いたしましたので、お読みいただけたら幸いです。https://kazahanashinden.com/madokakougi/9540/●茨の道を希望の道に年明け早々に、私のツイッターにアクセスできませんでした。最近、ツイッターアカウントの乗っ取りがひんぱんに行われており、ひどいことになるかもと直感したのですが、何とか、今はアクセス

  • 茨の道を希望の道に。明るく楽しく…

    明けましておめでとうございます。風花未来でございます。本年も、どうか、よろしくお願いいたします。●年頭の風花未来の思い年頭の風花未来の思いですが、以下のページにて配信いたしましたので、お読みいただけたら幸いです。https://kazahanashinden.com/madokakougi/9540/●茨の道を希望の道に年明け早々に、私のツイッターにアクセスできませんでした。最近、ツイッターアカウントの乗っ取りがひんぱんに行われており、ひどいことになるかもと直感したのですが、何とか、今はアクセス

  • 映画「アウトロー」、この心地よさは? トム・クルーズ主演だけど…

    映画「アウトロー」は、2012年のアメリカ映画。監督と脚本は、クリストファー・マッカリー。主演はトム・クルーズで、主人公のジャック・リーチャーを演じている。トム・クルーズが主演の映画の特徴として「心地よさ」がある。要するに、トム・クルーズ演じる主人公が、激情的ではない、つまり、感情が入り過ぎないということ。感傷的でもなく、クールすぎることもない。ほどよい、バランスのとれたキャラクター。ただ、格好良さだけは群を抜いている。無駄はそぎ落とされ、合理的かつスピーディーに物語は展開する。ほどよい水分はあ

  • 晴れやかな、すがすがしい気持ちで、蒼天に誓う!

    2023年という年がついに明けました。明けましておめでとうございます。今年は、風花未来にとって勝負の年となる、という言い方さえて当てはまらないほど、風花の人生全体をかけた一年となることは間違いありません。去年の暮れから「風花まどか大学」を始めまして、私自身の中に、というより、私の奥で何かが静かに燃えているのがわかるのです。今年の12月まで「まどか大学」は続きます。正直は、「不安」はあります。風花の頭の中には、すでに設計図はできており、それを言語化、つまり、言葉に変えて発してゆけば良いのです。しか

  • 晴れやかな、すがすがしい気持ちで、蒼天に誓う!

    2023年という年がついに明けました。明けましておめでとうございます。今年は、風花未来にとって勝負の年となる、という言い方さえて当てはまらないほど、風花の人生全体をかけた一年となることは間違いありません。去年の暮れから「風花まどか大学」を始めまして、私自身の中に、というより、私の奥で何かが静かに燃えているのがわかるのです。今年の12月まで「まどか大学」は続きます。⇒風花まどか大学の詳細はこちら正直は、「不安」はあります。風花の頭の中には、すでに設計図はできており、それを言語化、つまり、言葉に変え

  • 映画「座頭市物語」では、天知茂がなぜか平手造酒(ひらてみき)役に

    映画の「座頭市」シリーズは、ほとんどすべての作品を見てきている。今回、鑑賞したのは「座頭市」シリーズの記念すべき第一作である「座頭市物語」。1962年に公開されている。監督は三隅研次。いきなりだが、これは「座頭市」シリーズの最高傑作だ。主演はもちろん、勝新太郎。相手役の剣士は、天知茂が扮している。で、注目すべきは、天地茂が、なんと平手造酒(ひらてみき)役として登場していることだ。この物語設定が、実に面白い。映像も、モノクロームでしっとりとした雰囲気がある。勝新太郎と天地茂の友情がいい。だが、戦わ

  • 映画「十三人の刺客」は、黒澤明の時代劇にはない、深い味わいがある。

    映画「十三人の刺客」を再度、見直してみた。1963年に公開された、片岡千恵蔵が主演のバージョンである。監督は、工藤栄一。最初に鑑賞した時には見逃してしまった、この映画独特の味わいを味わうことができた。ウィキペディアに記載されている出演者は以下のとおり。片岡千恵蔵里見浩太郎内田良平山城新伍菅貫太郎嵐寛寿郎丹波哲郎月形龍之介西村晃注目すべき役者を赤字で示してみた。片岡千恵蔵と嵐寛寿郎である。「十三人の刺客」に出演した時、二人はすでにかなりの年齢に達いていた。「集団抗争時代劇」と呼ばれる、大スケールの

  • 外国映画のベスト100

    外国映画のベスト100を、以下、気長に選んでまいります。1)ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「若者のすべて」の感想2)映画「邪魔者は殺せ」を見て、キャロル・リードはヒッチコックと正反対の監督だと感じた。3)映画「ガス燈」でイングリッド・バーグマンが迫真の演技を披露。4)「マディソン郡の橋」の小説と映画を比較レビューしてみました。5)映画「愛情物語」は尊いギフト(贈り物)だと感じました。

  • 風花まどか大学【2023年1月期】募集中

    風花まどか大学【2023年1月期】募集要項風花まどか大学の公式ページはこちらに風花まどか大学【2023年1月期】の募集を開始しました!メルマガを受信できないので、サイトにも募集要項を載せてほしいとのリクエストをいただきましたので、一般募集用の要項となりますが、以下、ご案内いたしまっす。2023年の1月から、1ケ月間限定のイベント講座を開催。「まどか学」はちょっと難しそう、ハードルが高い気がするというご意見をいただいております。そこで、思い切って、受講費と内容のハードルを限界までお下げいただいまし

  • 「風花まどか大学」公式ページ

    こんにちは、風花未来です。新たなプロジェクト(風花塾23期)を立ち上げます。その名は「風花まどか大学」風花塾は2010年から22期(日本最長のネット塾)までやってきましたが、今年の12月より始動し、来年から本格的に展開する企画は、最も規模の大きなプロジェクトとなることは間違いありません。⇒風花未来のプロフィールはこちら12月5日よりプレ開校。途中入学がいつでも可能です。「まどか大学」の講義という名の物語は、コリドー(回廊)でつながる巨大が建築群にも似て……伝えたいのは「あたたかな愛」、作りたいの

  • どうしても伝えたい「まどか学」の存在意義について

    まどか大学は「伏流水のようだ」って言ったら?今回はまだ、どなたにも知られていない、「風花まどか大学」の存在価値について、お伝えします。⇒風花まどか大学の詳細はこちらこの記事をお読みいただくと、「風花まどか大学」は「どうして、今、この時代に降り立ったのか?」「他にはない、唯一無二の特長とは?」の答えを得ていただけると、風花未来は確信しています。いきなりですが、「伏流(ふくりゅう)」という言葉をご存知でしょうか?「伏流」について、デジタル大辞泉は以下のように説明しています。【伏流】1地上の流水が、あ

  • まどか大学を開校した理由~一つの気づきから

    まどか大学の次の募集は?まどか大学に関するご質問で、いちばん多いのは、次の募集についてです。次の募集は以下のメルマガで告知いたします。以下のページから、ぜひ、ご登録ください↓https://kazahanashinden.com/kazahanajyuku/8999/割引価格での募集要項をお送りするのは、上のメルマガのみですので、どうか、この機会にご登録ください。一つの気づきから「まどか大学」の開校を決意風花まどか大学の公式ページhttps://kazahanashinden.com/kazah

  • まどか大学を開校した理由~一つの気づきから

    まどか大学の次の募集は?まどか大学に関するご質問で、いちばん多いのは、次の募集についてです。次の募集は以下のメルマガで告知いたします。以下のページから、ぜひ、ご登録ください↓https://kazahanashinden.com/kazahanajyuku/8999/割引価格での募集要項をお送りするのは、上のメルマガのみですので、どうか、この機会にご登録ください。一つの気づきから「まどか大学」の開校を決意風花まどか大学の公式ページhttps://kazahanashinden.com/kazah

  • 映画「その男を逃すな」では、シェリー・ウィンタースの名演技に引き込まれた。

    「その男を逃がすな」は、1951年に製作され、1952年に公開されたアメリカ映画。監督は「初恋時代」のジョン・ベリー。主演は、ジョン・ガーフィールドとシェリー・ウィンタース。映画「その男を逃すな」、知らない。シェリー・ウィンタース、聞いたことない、という人は、とにかく、この映画「その男を逃がすな」を見てほしい。若い女性の演技が、これはもう筋金入りで、その表情の目まぐるしい変化に、この映画は並外れて優れた心理劇であることがわかるはずだ。それにしても、シェリー・ウィンタースという女優は素晴らしすぎる

  • 「まどか(風花円和)」とは

    まどか(円和)入門講座●「まどか」は現実離れした理想ではなく、実現可能な世界「まどか」は、「日本の名作詩ベスト100」「詩心回帰」と並ぶ「まあるい未来プロジェクト」に含まれる、心の国民運動です。「まどか」という言葉は、風花未来が開校した「風花まどか大学」の基本理念を形成する最重要キーワードであります。⇒風花まどか大学風花未来は2019年頃から「まあるい未来(詩心回帰)」を提唱してまいりました。まあるい円を描くように未来を描きたいのですが、その時に大事になるのが「つなげること」です。分断され、壊さ

  • 詩心の定義と詩心の7つの特長

    詩心とは「詩人」とは?「詩人」とは、詩を書く人だけを指すのではなく、詩心を持っている人全員が詩人なのです。自分では気が付いていない場合が多いのですが、誰もが詩心を持っています。ですから、すべての人は詩人なのです。では「詩心」とは?「詩心」は「詩精神」、あるいは「詩魂」と呼んでもさしつかえありません。この「詩心」は、詩を書くことの専門家である、いわゆる詩人だけが持っているのではなく、一般庶民も持っています。だから、和歌(短歌)、俳句、近代詩などを理解できない日本人はいないのです。「詩心」は詩を理解

  • 映画「美しい十代」は、西尾美枝子の好演が光る、若者の成長物語

    映画「美しい十代」は1964年に日活にて公開された。監督は吉村廉(よしむられん)。主演は吉永小百合ではなく、西尾三枝子だ。それがかえって、この映画に深みを与えていると言えるかもしれない。相手役は浜田光夫。主題歌を歌っている三田明も好演している。想像以上に良い映画だ。浜田光夫をチンピラ役にすえたことが成功している。西尾三枝子が編んだ靴下が小道具として効いていて、思わず涙ぐんでしまう。

  • 映画「父と娘の歌」はピアニストを主人公とする音楽映画

    映画「父と娘の歌」は、1965年に日活で公開された。監督は齋藤武市(さいとうぶいち)。「愛と死をみつめて」を監督したのは、この齋藤武市である。主演は、父娘を演じた、宇野重吉と吉永小百合。浜田光夫と山内賢も共演している。際立った特徴は、吉永小百合のピアノ演奏シーンがふんだんに観られることだ。ラストのコンサートでの演奏は圧巻である。この映画が安っぽくなっていないのは、吉永小百合のピアノ演奏シーンにリアリティがあるからだ。ピアニストから相当なレッスンを受けたのだろう。特筆すべきは、吉永小百合は、ピアニ

  • 日活青春映画レビュー集

    西河克己(にしかわかつみ)生きとし生けるもの(1955年)しあわせはどこに(1956年)若い傾斜(1959年)風のある道(1959年)四つの恋の物語(1964年)悲しき別れの歌(1965年)白鳥(1966年)若杉光夫ガラスの中の少女(1960年)蔵原惟繕(くらはらこれよし)この若さある限り(1961年)愛と死の記録(1966年)野村孝あすの花嫁(1962年)堀池清その人は遠く(1963年)森永健次郎若草物語(1964年)風車のある街(1966年)

  • 映画「悲しき別れの歌」で、吉永小百合の女優魂が燃え立つのを見た。

    映画「悲しき別れの歌」は1965年に公開さた日活映画である。監督は西河克己。この映画で吉永小百合が豹変した。共演映画は44作にも及ぶ浜田光夫は変わらないのに、吉永小百合がすっかり大人の女性になっていて、その変身ぶりにはのけぞりそうになったほどだ。吉永小百合と浜田は、32本の映画で恋人役を演じている。その中でも異色中の異色というべきが、この「悲しき別れの歌」である。キャストはかなり豪華だ。野村ゆり子................吉永小百合風見信太郎................浜田光夫矢吹健次

  • 映画「この若さある限り」は女教師と男子生徒の愛のカタチを描いた佳作

    映画「この若さある限り」は、1961年に公開された日活映画。監督は蔵原惟繕(くらはらこれよし)。蔵原惟繕監督作品である「愛と死の記録」は当ブログですでにレビューしている。主なキャストは、浜田光夫、吉永小百合、吉行和子である。浜田光夫と吉行和子の熱演から、目が離せない。ただの青春映画を超えた、良質なエンターテインメントと言えよう。

  • 映画「あすの花嫁」は吉永小百合と浜田光夫コンビの最高傑作かもしれない。

    映画「あすの花嫁」は1962年に公開された。吉永小百合と浜田光夫コンビの最高傑作かもしれない。監督は野村孝。原作は壺井栄。吉永小百合の母親を演じた奈良岡朋子が凄い。影の主役と言ってもいい。奈良岡朋子の相手役の宇野重吉も、渋い味を出していて良かった。

  • 映画「風車のある街」はオランダの風景とともに刻まれる美しい記憶のような作品である。

    映画「風車のある街」(ふうしゃのあるまち)は、1966年に公開された。数多い吉永小百合・浜田光男の共演作の中で、屈指の佳作である。ロケ地となったオランダの街は美しい。光に満ち、心まで洗われるようだ。で、内容だが、最後までハラハラさせられるが、納得のゆく形で終わったので、満足した。

  • 映画「屋根裏の女たち」こそが隠れ名作と呼ばれるにふさわしい。

    「屋根裏の女たち」は1956年に公開された日本映画である。監督は木村恵吾。原作は壺井栄の「屋根裏の記憶」。私の知っている女優はほとんど出演していないが、すべての女優が熱演していて作品に没入させられた。映画というより、演劇、芝居を観ているようだ。人間の命とはこういうものだ。穢れていて、神々しい。天使のようで淫売みたい。弱々しく、雄々しい。屋根裏でいかがわしい商売をしている女たちの群像劇だが、彼女たちが純粋無垢に感じられてるから不思議だ。無垢とは、傷だらけの天使、カサブタだらけの仏様のことを指すので

  • 映画「私は泣かない」の主人公は和泉雅子のはまり役。

    映画「私は泣かない」は1966年10月29日に公開された。主演は和泉雅子。不良少女の成長する姿を描いた、ヒューマンドラマだ。和泉雅子の相手役は、山内賢だ。注目すべきは、裁判で実質の無実を勝ち得た被告人の突飛な行動である。この行動によって、映画「私は泣かない」にワンランク深い作品になったと言えそうだ。しかし、私としては、異なる描き方を、吉田憲二監督にはしてもらいたかった。それにしても、不良少女は和泉雅子のはまり役で、見ごたえ充分だ。その一方で、冷静で知的な役を演じきった、芦川いづみの存在感も際立っ

  • 「純愛物語」は恋愛映画というより人間愛の物語である。

    この感想文のタイトルに悩んだ。「原爆」という言葉を入れたくなかったので、通常とは異なるタイトルになってしまった。この映画はいわゆる「原爆映画」に分類されるべき作品とは言い難い。しかし、私はあえてこの「純愛物語」を、原爆映画としてカテゴライズしたいのである。広島に原爆が投下されてから10年ほどが経過したという時代設定である。主人公の中原ひとみは放射能を浴びて10年ほどが経ってから発症する。相手役の江原真二郎は刑務所がえりのチンピラだが、中原ひとみと出逢って、懸命に生きようとする。こう見ると、ありが

  • 風花ワークショップの当日ご参加者募集について

    風花ワークショップのご案内少人数で学べる、語らいの場を、思い切り楽しみ、そして、笑顔をお持ち帰りください。シーズン2の日程は以下のとおりです。2022年09月10日(土)14:10~15:55(終了)(以下からは約3時間の開講です)2022年09月24日(土)13:10~15:55(終了)2022年10月08日(土)13:10~15:55(受付中)2022年10月22日(土)13:10~15:55(受付中)2022年11月05日(土)13:10~15:55(受付中)【内容】ワークショップの内容は

  • 映画「影なき声」は鈴木清順監督が、松本清張の小説を独自に料理した佳作

    映画「影なき声」は1958年に公開された日活映画。監督は鈴木清順。主演は南田洋子と二谷英明。原作は松本清張の小説「声」だが、珍しくハッピーエンドになっている。

  • 映画「黒い画集 第二話 寒流」は、まさに清張節だが…

    映画「黒い画集第二話寒流」をアマゾンプライムで鑑賞。この作品を見るのはこれで3回目。なぜか、これまで、レビューを書けなかったので、今夜は書いてみたい。1961年11月12日公開。製作・配給は東宝。監督は鈴木英夫。主演は池部良と新珠三千代。情け容赦のない世界が描かれる。そこには愛も正義もありはしない。巨悪が生き延び、小さな善意は踏みつぶされる。まさに、この映画には「清張節」が息づいている。それにしても後味が悪い。新珠美千代に対する印象も悪くなってしまいそうだ。悪が勝っても、快感が残る映画もあるが、

  • 映画「白鳥」では、知られざる吉永小百合が見られる。

    映画「白鳥」は1966年に公開された。監督は西河克己。主演は吉永小百合だが、これまでに見たことがない吉永小百合を見て、絶句した。だが、逆に、これが吉永小百合だと思った。美女の典型のような吉永小百合より、この「白鳥」での吉永小百合の方が私にとってはありがたい。相手役は渡哲也である。「愛と死の記録」で、渡哲也と吉永小百合は共演した。この映画は被爆と純愛というテーマだったが、今回の「白鳥」の方が、より人間臭くて今の私には好ましい。しかし、この「白鳥」で描かれた愛の形は、これまでに映画化されているのだろ

  • 「まあるい未来」とは

    風花未来が2018年から提唱している「詩心回帰」を、わかりやすく、まろやかにさせたのが「まあるい未来」です。⇒詩心回帰についてはこちらへ提唱の内容は同じなので「詩心回帰=まあるい未来」と呼んでいます。「詩心回帰」とは、忘れかけていた大事なものを想い出し、取り戻し、取り戻したものを生かして希望あふれる未来を創造することを意味します。希望あふれる未来を、円を描くように一つの物語としてお伝えするのが「まあるい未来~詩心で『人の時代』を」です。「まあるい未来」が目指すのは「人の時代」。これまでの日本の歴

  • 映画「剣」で市川雷蔵は、三島由紀夫の化身となった!?

    映画「剣」は1964年に公開された日本映画。監督は三隅研次。原作は三島由紀夫の同名の小説である。出演者は以下のとおり。国分次郎:市川雷蔵壬生:長谷川明男伊丹真理:藤由紀子賀川:川津祐介藤代滋子:紺野ユカ次郎の父・国分誠一郎:稲葉義男木内:河野秋武壬生早苗:小桜純子国分ひろ子:角梨枝子多田:高見国一市川雷蔵と河津祐介の対立、その緊張感がいい。また、藤由紀子の異様なほどの美しさが強く印象に残った。結末には納得できない。しかし、この不自然すぎる生の決着は、三島由紀夫らしいと思えばうなずけるのである。

  • 映画「剣」で市川雷蔵は、三島由紀夫の化身となった!?

    映画「剣」は1964年に公開された日本映画。監督は三隅研次。原作は三島由紀夫の同名の小説である。出演者は以下のとおり。国分次郎:市川雷蔵壬生:長谷川明男伊丹真理:藤由紀子賀川:川津祐介藤代滋子:紺野ユカ次郎の父・国分誠一郎:稲葉義男木内:河野秋武壬生早苗:小桜純子国分ひろ子:角梨枝子多田:高見国一市川雷蔵と川津祐介の対立、その緊張感がいい。また、藤由紀子の異様なほどの美しさが強く印象に残った。結末には納得できない。しかし、この不自然すぎる生の決着は、三島由紀夫らしいと思えばうなずけるのである。

  • 映画「若者の旗」での山口果林の演技は珠玉

    「若者たち」三部作の三作目である「若者の旗」は、1970年に公開された。出演者は以下のとおり。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功山本圭佐藤三郎山本圭佐藤オリエ佐藤オリエ佐藤オリエ松山政路佐藤末吉松山政路石立鉄男戸坂石立鉄男夏圭子町子夏圭子謙昭則努謙昭則稲葉義男杉本稲葉義男入江洋佑吉野入江洋佑中谷一郎若田中谷一郎井口恭子瀬黒みわ井口恭子森幹太赤沢森幹太益田ひろ子西田和子益田ひろ子高津住男池田高津住男土屋靖雄青木土屋靖雄山口果林チエ山口果林桜井勇子原田桜井勇子杉山とく子中山杉山とく子上田孝蔵中山司郎

  • 映画「若者はゆく -続若者たち-」で光る佐藤オリエと夏圭子

    映画「若者たち」の続編である「若者はゆく」は、1969年に公開された。出演者は以下のとおり。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功佐藤オリエ:佐藤オリエ佐藤三郎:山本圭佐藤末吉:松山省二間崎ミツ:木村夏江間崎みき:大塚道子辰夫:福田豊土町子:夏圭子戸坂:石立鉄男武:中野誠也塚本:塚本信夫他三部作の二作目。三作ともモノクロームの映像が美しい。写真のバラ板紙のような墨色が、眼に沁みる。「若者たち」シリーズの最大の魅力は、もちろん、以下の五人兄弟の人物造形である。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功佐藤オリ

  • 1968年公開の映画「若者たち」が、現代に語りかけるもの…

    映画「若者たち」をアマゾンプライムで初めて鑑賞した。「若者たち」は1968年に公開された日本映画である。1967年製作、1968年公開。俳優座、新星映画社(自主上映)製作。白黒、87分。出演者は以下のとおり。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功佐藤オリエ:佐藤オリエ佐藤三郎:山本圭佐藤末吉:松山省二河田泰子:栗原小巻淑子:小川真由美戸坂:石立鉄男桜井:井川比佐志小川隆音:大滝秀治小川隆:江守徹他新鮮だった。こういう映画の撮り方もあるのかという感じ。演出も、俳優の演技も、まるで違う。何と違うのか?そ

  • 映画「アウトロー」、この心地よさは? トム・クルーズ主演だけど…

    映画「アウトロー」は、2012年のアメリカ映画。監督と脚本は、クリストファー・マッカリー。主演はトム・クルーズで、主人公のジャック・リーチャーを演じている。トム・クルーズが主演の映画の特徴として「心地よさ」がある。これを、いわゆる「安定の面白さ」と呼ぶべきものだろうが、その理由を少しだけ考えてみたい。要するに、トム・クルーズ演じる主人公が、激情的ではない、つまり、感情が入り過ぎないということ。感傷的でもなく、クールすぎることもない。ほどよい、バランスのとれたキャラクター。ただ、格好良さだけは群を

  • 「何処へ」

    ジャッキー吉川とブルー・コメッツに「何処へ(いずこへ)」という隠れ名曲がある。特に、万里村ゆき子の歌詞が素晴らしい。何処へ作詞・作曲・編曲:万里村ゆき子、歌唱:ジャッキー吉川とブルー・コメッツいつものことのように人はほほえみいつものことのように人は涙ぐむこんな小さな街にもきっとあるだろう喜び悲しみ明日の幸せ僕はそれを探しに来たいつものことのように人は知り合いいつものことのように人は愛し合うこんな小さな街にもきっとあるだろう二人で育てる本当の恋が僕はそれを探しに来たいつものことのように人は訪れいつ

  • 「星屑の町」の歌詞には不思議な解放感がある。

    「星屑の町」という歌謡曲をご存じだろうか。東条寿三郎の歌詞が実にいいのだ。摩訶不思議な魅力がある。哀しいのに、寂しいのに、救われたような気持ちになれる。閉塞感の強い時代でも、しばし、心が解き放たれるのだ。さらには、お茶目なユーモアが感じられるのも、嬉しいかぎりである。星屑の町作詞:東条寿三郎、作曲:安部芳明、唄:三橋美智也1両手をまわして帰ろう揺れながら涙の中をたったひとりでやさしかった夢にはぐれずまぶたをとじて帰ろうまだ遠い赤いともしび2指笛吹いて帰ろう揺れながら星屑わけて街をはなれて忘れない

  • 映画「泥だらけの純情」には、侮れない魅力が詰まっている。

    「泥だらけの純情」は、1963年に公開された日活映画。泥だらけの純情(1963)監督中平康脚本馬場当原作藤原審爾出演者浜田光夫吉永小百合平田未喜三小池朝雄和泉雅子三井真澄音楽黛敏郎主題歌吉永小百合「泥だらけの純情」典型的な「吉永小百合&浜田光夫の恋愛映画」であると言われればそのとおりである。しかし、この映画には侮れない、良質なエンターテインメント性があると私は言いたい。2022年現在のエンタメ系映画よりは、ずっと質は良いと感じた。時代にも、人にも「純」なるものが息づいていた、だからこういう映画が

  • 映画「美しき抵抗」は遠く懐かしい風景画にも似て…

    映画「美しき抵抗」は1960年に公開された日活作品。監督は、森永健次郎。

  • 映画「ガラスの中の少女」には今まで見たこともない吉永小百合がいた。

    吉永小百合が怖かった。映画の「ガラスの中の少女」をご存じだろうか。私は今回、アマゾンプライムで偶然見つけて鑑賞したのが、初めてだった。私は吉永小百合のファンではないが、この女優が出演した映画を数多く観てきた。この映画「ガラスの中の少女」には、今まで見たこともない吉永小百合がいた。気の強い少女を演じるのが吉永小百合は得意だが、気が強いのではなく、生命体としての少女の野生を感じたのだ。野生の少女は、傷つきやすく内向的だが、瞳がキラキラ輝いている、その瞳の輝きは、命の純度の高さを示している。そんな野生

  • 「新妻鏡」作詞:佐藤惣之助、作曲:古賀政男

    今回は「新妻鏡」の歌詞をご紹介します。新妻鏡作詞:佐藤惣之助、作曲:古賀政男、唄:霧島昇・二葉あき子1僕がこころの良人(おっと)なら君はこころの花の妻遠くさびしく離れても泣くな相模(さがみ)のかもめどり2たとえこの眼は見えずともきよいあなたの面影はきっと見えます見えました愛のこころの青空に3強くなろうよ強くなれ母となる身は幼児(おさなご)の愛の揺籠(ゆりかご)花の籠なんで嵐にあてらりょう4むかし乙女の初島田泣いて踊るも生計(くらし)なら清い二人の人生を熱い泪(なみだ)でうたおうよ古い歌謡曲につい

  • 「愛のメモリー」歌詞は万葉集を参考につくられたと松崎しげるが証言

    松崎しげるのヒット曲「愛のメモリー」をご存じだろうか。この歌の作詩は、たかたかしだが、万葉集を参考にしてつくられたと、松崎しげるの証言を聴いて驚いた。以下、Wikipediaからの引用ディレクターの意向により、それまでにないスケールの大きな楽曲が製作されることとなり、歌手として松崎に白羽の矢が立った。フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」を念頭においた、ラブ・バラードが最適とディレクターは判断し、作詞をたかたかし、作曲を馬飼野康二に依頼する。たかは『万葉集』から、藤原鎌足が采女安見児を得たときに詠

  • 2022年06月18日(土) 風花ワークショップ(詩の寺子屋)

    「風花ワークショップ」を開講する運びとなりましたので、ご案内いたします。この風花ワークショップは「詩の寺子屋」とも呼びます。「風花ワークショップ(詩の寺子屋)」は「詩心回帰(まあるい未来)プロジェクト」の一環として開催されます。風花ワークショップ(詩の寺子屋)は、「日本の名作詩ベスト100」「日本の名作映画100選」と並ぶ「詩心回帰(まあるい未来)」の主要プロジェクトの1つです。風花ワークショップ(詩の寺子屋)のご案内少人数で学べる、語らいの場を、思い切り楽しみ、そして、笑顔をお持ち帰りください

  • 映画「MIFUNE: THE LAST SAMURAI」を観ると、三船敏郎がなぜ凄いのかがわかる。

    映画「MIFUNE:THELASTSAMURAI」は2015年に公開されたアメリカ映画。監督は、スティーブン・オカザキ。忘れないうちに一番大事なことを記しておく。三船敏郎がなぜあれほど偉大になれたのか、それは三船が戦争の生き残りだからだ。神風特攻隊として飛びだってゆく少年兵に「天皇陛下万歳なんて言わずに、おかさん、ありがとうございましたって言うんだぞ」と三船は声をかけたとのこと。三船敏郎が戦争を経験していなかったら、極限状況を体験していなかったら、あの七人の侍での演技はできなかったろう。あの黒澤

ブログリーダー」を活用して、風花未来さんをフォローしませんか?

ハンドル名
風花未来さん
ブログタイトル
暮らしの真ん中に「言葉」を
フォロー
暮らしの真ん中に「言葉」を

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用