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暮らしの真ん中に「言葉」を https://kazahanamirai.com/nihon-shiika-selection.html

暮らしの真ん中に「言葉」を。言葉の力を信じることで、未来を変えたい。

風花未来が美しい日本語で書かれた詩をはじめ、文学や映画などの豊かな日本文化をご紹介。「詩心回帰(詩の中に見出す希望の未来)=まあるい未来」を提唱中。

風花未来
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2019/04/21

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  • ヒッチコックの映画「パラダイン夫人の恋」は、なぜ傑作にならなかったのか?

    久しぶりにヒッチコックの映画を見た。「パラダイン夫人の恋」である。途中まで、これは傑作かもしれないと期待が膨らんだが、最後まで見ると、期待ほどではなかったというのが正直な感想である。ただ、何回も傑作になりそうな気配は感じられた。その意味は、二人の女性の描き方。パラダイン夫人を演じたアリダ・ヴァリ、弁護士役のグレゴリー・ペックの妻を演じたアン・トッドに関しては、前半はヒッチコックらしさが垣間見られた。しかし、後の「めまい」「ダイヤルMを回せ」「マーニー」などのような確かな結実、後半の異様なまでの盛

  • 岸田衿子の詩「くるあさごとに」

    そ岸田衿子(きしだえりこ)の「くるあさごとに」という詩をご紹介。くるあさごとにくるあさごとにくるくるしごとくるまはぐるまくるわばくるえ全行、頭韻を踏み、七音で統一されている、実に語呂の良い詩である。この軽やかなリズムがなかったら、どうなるだろうか?詩の内容は一言であらわすならば「人生の苦悩」である。「くるくるしごと」は「来る来る仕事」というより「来る苦しこと」を表しているであろうから。内容だけなら「苦しみの歌」であったはずが、軽妙なリズムを勝ち得た時、テーマを「人生の歓喜」とする詩として変貌を遂

  • 岸田衿子の詩「くるあさごとに」

    岸田衿子(きしだえりこ)の「くるあさごとに」という詩をご紹介。くるあさごとにくるあさごとにくるくるしごとくるまはぐるまくるわばくるえ全行、頭韻を踏み、七音で統一されている、実に語呂の良い詩である。この軽やかなリズムがなかったら、どうなるだろうか?詩の内容は一言であらわすならば「人生の苦悩」である。内容だけなら「苦しみの歌」であったはずが、軽妙なリズムを勝ち得た時、テーマを「人生の歓喜」とする詩として変貌を遂げた。この「くるあさごとに」を「苦しみの歌」から「歓びの歌」へ、「苦悩の詩」から「歓喜の詩

  • ラングストン・ヒューズの詩「助言」。訳詩:木島始

    ラングストン・ヒューズの「助言」という詩をご紹介しよう。訳詩は木島始。助言みんな、云っとくがな、生まれるってな、つらいし死ぬってな、みすぼらしいよ──んだから、掴(つか)まえろよちっとばかし愛するってのをその間になAdviceFolk,I'mtellingyou,birthingishardanddyingismean──sogetyourselfalittlelovinginbetween.※meanはこの場合は形容詞。「卑劣な、けちな」の意。「mean」が形容詞として使われる場合、人の性格が

  • https://kazahanamirai.com/16098.html

    ラングストン・ヒューズの「助言」という詩をご紹介しよう。訳詩は木島始。助言みんな、云っとくがな、生まれるってな、つらいし死ぬってな、みすぼらしいよ──んだから、掴(つか)まえろよちっとばかし愛するってのをその間になAdviceFolk,I'mtellingyou,birthingishardanddyingismean──sogetyourselfalittlelovinginbetween.※meanはこの場合は形容詞。「卑劣な、けちな」の意。「mean」が形容詞として使われる場合、人の性格が

  • 新川和江の詩「ふゆのさくら」

    新川和江の「ふゆのさくら」という詩をご紹介。ふゆのさくらおとことおんながわれなべにとじぶたしきにむすばれてつぎのひからはやぬかみそくさくなっていくのはいやなのですあなたがしゅろうのかねであるならわたくしはそのひびきでありたいあなたがうたのひとふしであるならわたくしはそのついくでありたいあなたがいっこのれもんであるならわたくしはかがみのなかのれもんそのようにあなたとしずかにむかいあいたいたましいのせかいではわたくしもあなたもえいえんのわらべでそうしたおままごともゆるされてあるでしょうしめったふとん

  • 吉野弘の詩一覧

    このページでは、私がレビューした、吉野弘の詩をまとめてみました。吉野弘の詩「Iwasborn」吉野弘の詩「雪の日に」吉野弘の詩「夕焼け」二人が睦まじくいるためには(吉野弘「祝婚歌」全文)吉野弘の詩「争う」を「ふぞろいの林檎たち」で手塚理美が朗読した件

  • 吉野弘の詩「I was born」

    吉野弘の「Iwasborn」という詩をご紹介。Iwasborn確か英語を習い始めて間もない頃だ。或る夏の宵。父と一緒に寺の境内を歩いてゆくと青い夕靄の奥から浮き出るように、白い女がこちらへやってくる。物憂げにゆっくりと。女は身重らしかった。父に気兼ねしながらも僕は女の腹から目を離さなかった。頭を下にした胎児の柔軟なうごめきを腹のあたりに連想しそれがやがて世に生まれ出ることの不思議に打たれていた。女はゆき過ぎた。少年の思いは飛躍しやすい。その時僕は<生まれる>ということがまさしく<受身>である訳を

  • 折笠美秋の俳句

    折笠美秋(おりがさびしゅう)の俳句をご紹介。折笠美秋は、1934年〈昭和9年〉12月23日に生まれ、1990年〈平成2年〉3月17日に死去した。俳人、新聞記者。享年55歳。1982年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症。全身不随となる。当時の状況を「自発呼吸ゼロ、全身不随。目および口は動かせるが、声は出せない」と自ら綴った。かずかに動く口と目だけから、夫人に言葉を読み取ってもらい句作を続けたという。約8年の闘病後、亡くなった。では、折笠美秋の俳句を引用してみよう。微笑が妻の慟哭雪しんしん参院議員

  • 山崎方代の短歌

    山崎方代(やまざきほうだい)の短歌をご紹介。こんなにも湯呑茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり卓袱台の上の土瓶に心中をうちあけてより楽になりたり生れは甲州鶯宿峠に立っているなんじゃもんじゃの股からですよおかたみの二枚屏風も質流れは音なかりけり欄外の人物として生きてきた夏は酢蛸を召し上がれあさなさな廻って行くとぜんまいは五月の空をおし上げている残りゐる0.1の視力もてわが庭を眺む六年恋ひにしと砲破片の無数に入れる脚をもてわが庭芝を踏みつづくなりおそろしきこの夜の山崎方代を鏡の奥につき落とすべ

  • 田中克己の短歌「この道を泣きつつ我の行きしこと 我がわすれなばたれか知るらむ」

    今回は田中克己(たなかかつみ)の短歌をご紹介。「詩集西康省」の序の歌この道を泣きつつ我の行きしこと我がわすれなばたれか知るらむこの短歌は予備知識は一切必要ない。私自身、大学生時代に読んで、「良い歌だなあ」と感じ、何十年も経ったにもかかわらず、忘れないでいた。そして、今回、再読して、やはり「良い歌だなあ」と感じた。それだけで充分ではないだろうか。解説の尾ひれはひれは要るまい。ただ、今回は記事にするにあたって、少しだけ田中克己について調べたので、参考までに最小限のデータを記しておく。田中克己、191

  • 坪野哲久の短歌「母よ母よ息ふとぶととはきたまへ……」

    坪野哲久(つぼのてっきゅう)の短歌をご紹介しよう。母よ母よ息ふとぶととはきたまへ夜天は炎えて雪ふらすなりこの歌は、昭和13年、坪野哲久が母親が危篤という報せを受けて、10年ぶりに故郷である能登に帰った時のものである。本人であれ、他者であれ、生死の境に臨場した時に、名作詩はしばしば生まれている。愛する者の死に接した時は、なおさらである。斎藤茂吉の「みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞただにいそげる」は、あまりにも有名である。今回ご紹介した「母よ母よ息ふとぶととはきたまへ夜天は炎えて雪ふらすな

  • 「アリ」という、まど・みちおの詩を読んで

    今回は、まど・みちおの「アリ」という詩をご紹介しよう。アリアリはあんまり小さいのでからだはないように見えるいのちだけがはだかできらきらとはたらいているように見えるほんのそっとでもさわったら火花がとびちりそうに…この世の中で最も大事なものは何だろうか?それは「命」に違いない。まど・みちおは蟻を見て「いのちだけがはだかできらきらとはたらしているように見える」と言う。要するに、蟻はこの世で最も大事なものを輝かせて生きているわけである。私は、ハッとした。蟻に対して、私自身はどうだろう?昨日を過ごし、今日

  • 柳澤桂子の短歌

    今回は柳澤桂子の短歌をご紹介。日めくりを一枚めくる私のいのちをめくる萩はそよぎてまさに今の私自身、日めくりを魂を込めて一枚いちまいめくるように生きたいと願っている。長い間、難病に苦しんできた柳澤桂子だからこそ「いのち」という言葉が説得力を持ち安いのだろう。私自身は、難病指定は受けていないが、断続的に大病で倒れてきているので、「いのち」への思いは強いほうだ。「日めくり」と「いのち」という二語が入っているだけで、今の私には大きな意味を持つ。私は柳澤桂子の歌集を持っていない。アマゾンで調べたが、すべて

  • 草野心平の詩一覧

    草野心平という詩人ほど「ユニーク」という言葉が似合う人はいませんね。「自由に」「思うがままに」「自分らしく」生きたいと願っても、現実は自分から進んで「自由」や「らしさ」を放棄して暮らしている(ことが多い)のではないでしょうか。派手さはないけれど、地味だけで滋味が滲む、草野心平の詩(当ブログにてレビューした作品)を1ページにまとめてみました。草野心平の詩「春のうた」は、みずみずしい生命讃歌。草野心平の詩「青イ花」草野心平の詩「秋の夜の会話」草野心平の詩「空間」は、中原中也を追悼する詩なのだが…

  • 草野心平の詩「空間」は、中原中也を追悼する詩なのだが…

    草野心平の「空間」という詩をご紹介しよう。空間中原よ地球は冬で寒くて暗い。ぢやさやうなら。「中原」は詩人の中原中也を指す。中原中也は1937年(昭和12年)に、30歳という若さで亡くなった。当ブログでは、中原中也の詩作品のレビューをしているので、よろしければ以下からご一読願いたい。⇒中原中也のその他の詩はこちらにそして、中原中也の「愛のカタチ」について言及…⇒中原中也・金子みすゞ・宮沢賢治の「愛」についてさて、草野心平の詩「空間」だが、実にユニークであり、初めて読んだ時、誰もが驚きを禁じ得ないだ

  • 「もののあはれ」は最も重要な日本語であり、最も美しい日本語の一つ

    「もののあはれ」という言葉を説明しようとすると、言葉に詰まってしまうのではないか。「もののあはれ」とは何か、と問われた時に、即答できる人は多くはないだろう。そういう私も、なかなか短い言葉、ズバッと言い切ることは不可能に近いと感じている。「もののあはれ」を定義するとは「詩」を定義することに近いのではないだろうか。私自身「詩」とは何かについて説明しようとして、かなり苦戦した体験をしている。こちらのページで「詩」なるものを定義してみたので、ご一読願いたい。⇒風花未来の「詩の定義」はこちらにここで「もの

  • 「もののあはれ」は最も重要な日本語であり、最も美しい日本語の一つ

    「もののあはれ」という言葉を説明しようとすると、言葉に詰まってしまう人は少なくないだろう。そういう私も、なかなか短い言葉、ズバッと言い切ることは不可能に近いと感じている。「もののあはれ」を定義するとは「詩」を定義することに近いのではないだろうか。私自身「詩」とは何かについて説明しようとして、かなり苦戦した体験をしている。こちらのページで「詩」なるものを定義してみたので、ご一読願いたい。⇒風花未来の「詩の定義」はこちらに

  • 堀北真希が主演したドラマ「霧の旗」の驚くべきクオリティー

    アマゾンプライムで、松本清張ドラマ「霧の旗」を観た。主演は堀北真希。松本清張の同名小説を原作として映像化された三作目が、今回鑑賞した堀北真希バージョンをンである。倍賞千恵子、山口百恵、そして、堀北真希。驚いたのは、堀北真希バージョンのレベルの高さである。ひょっとすると、今までで一番良かったかもしれないと感じたくらいだ。倍賞千恵子が主演した「霧の旗」も良かったのだが、堀北真希バージョンも、なかなかの力作である。堀北真希の演技力も、侮れない、と思った。松本清張ドラマの新作には全く期待していないのだが

  • ニコラス・ケイジ主演の映画「60セカンズ」で、アンジェリーナ・ジョリーの存在感がキラリ

    「60セカンズ」(シックスティセカンズ、原題:GoneinSixtySeconds)は、2000年に公開されたアメリカ合衆国のカーアクション映画。主演はニコラス・ケイジ。共演はアンジェリーナ・ジョリー。カーアクション映画だが、それだけではない面白さがある。登場人物のキャラも豊富だが、あくまで物語展開のスピード感を重視した演出が成功している。ラストも良い。後味の悪さはない。ニコラス・ケイジの映画は、出来不出来が激しく、落胆することもあるが、この「60セカンズ」は文句なく楽しめる。

  • 高村光太郎の詩「道程」の全文、102行のノーカット版を掲載。

    高村光太郎の「道程」という詩を知らない人は少ないだろう。昔から教科書に載っていたからだ。さっそく、引用してみよう。道程(ショートバージョン)僕の前に道はない僕の後ろに道は出来るああ、自然よ父よ僕を一人立ちにさせた広大な父よ僕から目を離さないで守る事をせよ常に父の気魄を僕に充たせよこの遠い道程のためこの遠い道程のため9行と、ごく短いために、また内容を極めてシンプルなので、高村光太郎を理解する上で、実にわかりやすい材料・資料となってきたわけである。ところが、実は、そんな単純でことではないのだ。この余

  • 高村光太郎と三好達治、詩人が戦前・戦中・戦後を生きることは残酷すぎて…

    三好達治のプロフィール。戦前・戦中・戦後を生きぬいて…三好達治(みよしたつじ)は、1900年(明治33年)8月23日に生まれ、1964年(昭和39年)4月5日に死去。大阪府大阪市出身の詩人、翻訳家、文芸評論家。63歳で没。63年の生涯は現在の日本人の平均寿命からみると、「まだ若いのに、もったいない」と惜しまれることだろう。しかし、日本近代詩人の中には30歳前後までに亡くなっている、いわゆる「夭折の詩人」が少なくない。中原中也、立原道造、八木重吉、金子みすゞなどの名前はすぐに浮かんでくる。そう考え

  • 高村光太郎の詩「典型」

    典型今日も愚直な雪が降り小屋はつんぼのやうに黙りこむ。小屋にいるのは一つの典型,一つの愚劣の典型だ。三代を貫く特殊国の特殊の倫理に鍛へられて,内に反逆の鷲を抱きながらいたましい強引の爪をといでみつから風切の自力をへし折り,六十年の鉄の網に蓋はれて,端坐薫服,まことをつくして唯一つの倫理に生きた降りやまぬ雪のやうに愚直な生きもの。今放たれて翼を伸ばし,かなしいおのれの真実を見て,三列の羽さへ失ひ,眼に暗緑の盲点をちらつかせ,四方の壁の崩れた廃城にそれでも静かに息をしてただ前方の広漠に向ふというさう

  • 長田弘の詩「世界は一冊の本」

    長田弘の「世界は一冊の本」という詩をご紹介します。世界は一冊の本本を読もう。もっと本を読もう。もっともっと本を読もう。書かれた文字だけが本ではない。日の光、星の瞬き、鳥の声、川の音だって、本なのだ。ブナの林の静けさもハナミズキの白い花々も、おおきな孤独なケヤキの木も、本だ。本でないものはない。世界というのは開かれた本で、その本は見えない言葉で書かれている。ウルムチ、メッシナ、トンプクトゥ、地図のうえの一点でしかない遙かな国々の遙かな街々も、本だ。そこに住む人びとの本が、街だ。自由な雑踏が、本だ。

  • 室生犀星の詩一覧

    室生犀星の詩を、当ブログでレビュー済みの作品のみ、まとめてみました。ふるさとは遠きにありて思ふもの室生犀星の詩「春の寺」室生犀星の詩「子守歌」室生犀星の詩「きょうという日」室生犀星の詩「本」

  • 室生犀星の詩「本」から、古き良き時代の薫りがしてくる。

    今回は室生犀星の「本」という詩をご紹介。本本を読むならいまだ新しい頁をきりはなつとき紙の花粉は匂ひよく立つそとの賑やかな新緑までペエジにとぢこめられてゐるやうだ本は美しい信愛をもって私を囲んでゐる「新しい頁をきりはなつ」の意味がわからないと思います。昔の本は、袋とじになっていて、ページをナイフなどで切り離さいと、読めなかったのですね。室生犀星は1889年〈明治22年〉8月1日に生まれ、1962年〈昭和37年〉3月26日に死去しました。享年72歳。亡くなったのが昭和37ですから、パソコンもスマホも

  • サトウハチローの詩「ちいさい母のうた」

    今回は、サトウハチローの「ちいさい母のうた」という詩をご紹介します。ちいさい母のうたちいさいちいさい人でしたほんとうにちいさい母でしたそれよりちいさいボクでしたおっぱいのんでるボクでしたかいぐりかいぐりとっとのめおつむてんてんいないいないバアきれいな声の人でしたよく歌をうたう母でしたまねしてうたうボクでした片言まじりのボクでしたああアニィローリーマイボニィそれからねんねんようおころりよう羊によくにた人でしたやさしい目をした母でしたころころこぶたのボクでしたおはなをならすボクでしたすぐにおぼえた午

  • サトウハチローの詩「ちいさい母のうた」

    今回は、サトウハチローの「ちいさい母のうた」という詩をご紹介します。ちいさい母のうたちいさいちいさい人でしたほんとうにちいさい母でしたそれよりちいさいボクでしたおっぱいのんでるボクでしたかいぐりかいぐりとっとのめおつむてんてんいないいないバアきれいな声の人でしたよく歌をうたう母でしたまねしてうたうボクでした片言まじりのボクでしたああアニィローリーマイボニィそれからねんねんようおころりよう羊によくにた人でしたやさしい目をした母でしたころころこぶたのボクでしたおはなをならすボクでしたすぐにおぼえた午

  • 詩とは

    「詩」とは何か?と問われたら、どのように答えるか、その回答が即ち「詩の定義」となるかと思う。まずは「辞書的な回答」から書き始めようかと思ったが、ネットで調べても、かんばしい答えが見つからない。やはり、詩を定義するのは難しいようだ。ちなみに、デジタル大辞泉は以下のように「詩」について説明している。文学の様式の一。自然や人事などから受ける感興・感動を、リズムをもつ言語形式で表現したもの。押韻・韻律・字数などに規定のある定型詩と、それのない自由詩・散文詩とがあり、また、内容から叙情詩・叙事詩・劇詩など

  • お問い合わせ

    お問い合わせなどは、以下のフォームから、お願いいたしますm(__)mお問い合わせフォーム

  • 映画「ラブ・レター」のラストシーンは、視聴者のあらゆく予測を裏切る?

    今日ご紹介する映画「ラブ・レター」は、1945年に制作されたアメリカ映画。監督はウィリアム・ディターレ。主演は、ジェニファー・ジョーンズ、ジョセフ・コットン。以前、ジェニファー・ジョーンズとジョセフ・コットンが共演した別の映画をご紹介したことがある。それが、以下の作品。映画「ジェニーの肖像」のレビュー記事「ジェニーの肖像」もミステリアスな映画だったが、今回鑑賞した「ラブ・レター」も、結末が最後まで予測できなくてハラハラした。私が最も恐れたラストシーンとは違っていたので、救われた気持ちになった。そ

  • 映画「終身犯」は、バート・ランカスターの演技力が圧巻

    今回は映画「終身犯」をご紹介。現代は「BirdmanofAlcatraz」。主演はバート・ランカスター。監督はジョン・フランケンハイマー。この映画こそ、隠れ名作という言葉がふさわしい。正直、ほとんどの人がご存じないのではないか。無名の映画だが、傑作中の傑作と評価したくなる深さを備えた心理映画だ。主演のバート・ランカスターの存在があまりにも大きい。彼以外では、この映画は成立しない、と思うほどだ。人間の心理をきめ細かく表現する、いわゆる「性格俳優」としての卓越した才能を、バート・ランカスターはいかん

  • 良寛の子供をうたった短歌7選

    良寛には子供をうたった短歌が多いことは広く知られている。それがまた、良寛短歌の最大の魅力でもあることは、間違いないであろう。以下、良寛が子供をうたった短歌を集めてみた。つきて見よ一二三四五六七八九十十と納めてまた始まるを(つきてみよ ひふみよいむなや ここのとをとをとおさめてまたはしまるを)霞立つ永き春日を子どもらと手まりつきつつこの日暮らしつこの里に手まりつきつつ子どもらと遊ぶ春日は暮れずともよしこの宮の森の木下(こした)に子供らとあそぶ春日になりにけらしもいざ子ども山べにい行かむ菫(すみれ)

  • 特捜最前線 第188話「プラットホーム転落死事件!」

    今回ご紹介するのは「特捜最前線」の188話「プラットホーム転落死事件!」である。第188話プラットホーム転落死事件!紅林刑事の活躍する回だ。この回の主題曲は、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」である。私が敬愛する刑事は、船村刑事、桜井刑事、橘刑事、そして、紅林刑事だ。この容疑者ほど、無実であってほしい容疑者はいない。明らかに善人としか思えない人物の罪を暴くこと、その人物を追い詰め、逮捕するのは、何と辛いことか。紅林刑事は、事件にのめり込み、苦悩し、やつれ果ててしまう。特命化の中でも、誠実を絵

  • 特捜最前線 第152話「手配107・凧をあげる女!」

    やめたほうがいい、テレビドラマ「特捜最前線」にはまっていて、まだこの回を見ていない人は、この回「手配107・凧をあげる女!」だけは見ないほうがいいんじゃないか。152話「手配107号・凧をあげる女!」暗い、とにかく暗い。救いが、あるようでない。なぜか、ドラマ中ひんぱんに流れる中島みゆき「この空を飛べたら」は、この回の内容にピッタリ過ぎて、残酷すぎる。このように書きながら、ひょっとすると「手配107・凧をあげる女!」は、509話ある「特捜最前線」の中でもトップレベル、いや最高傑作ではないか、と感じ

  • 「特捜最前線」で船村刑事が活躍する回をまとめてみました。

    船村一平刑事が活躍する回は、すべて見たいものだ。そうしなかれば「特捜最前線」を見たとは言えない、と私は強く感じている。第40話初指令・北北東へ急行せよ!特捜最前線第118話「子供が消えた十字路」「第85話死刑執行0秒前」「第127話裸の街Ⅰ・首のない男!」「第128話裸の街Ⅱ・最後の刑事!」特捜最前線第340話「老刑事・96時間の追跡!」特捜最前線第380話「老刑事・対決の72時間!」

  • アルベール・カミュの「異邦人」は、駄作である!?

    アルベール・カミュの代表作「異邦人」を、私は二十歳の時に読んだ。あれから気が遠くなるほどの年月が流れた今、この小説のことを振り返ると、やはり……と結論づけたくなる。駄作。これは言い切って良いと思う。主人公のムルソーの人物造形。これは造り過ぎだ。頭で概念的に造り上げた人間であり、こういう人間など、どこにもいない。もちろん、カミュは哲学的エッセイ「シーシュポスの神話」で言いたかったことを、小説家したかったことはわかる。だが、そもそも哲学的な思想を、小説にすること自体が愚かである。そういう動機と意図か

  • 特捜最前線 第380話「老刑事・対決の72時間!」

    特捜最前線の浪花節、ここに極まれり!第380話「老刑事・対決の72時間!」昭和の名俳優である蟹江敬三の演技力が実に効いていた。浪花節という言葉に、私は軽蔑の意味を1ミリも込めていない。最大限の敬意を表しているのである。クライマックス、ギターの激しい演奏が響く。これぞ、特捜最前線だ。七人の刑事を超える、お涙ちょうだいの究極形である。それにしても、船村刑事の存在感が素晴らしい。他の記事でも書いたが、船村刑事がいなければ、特捜最前線そのものが成立しないほど、その存在感は重く、大きい。「老刑事・対決の7

  • 特捜最前線 第340話「老刑事・96時間の追跡!」

    特捜最前線、今回も語るのは、船村刑事が活躍する回だ。「老刑事・96時間の追跡!」、これは泣ける!弦楽四重奏の演奏が実に巧みに使われている。まさか、この曲の作曲者が、〇〇だったとは!?かつての恋人、最愛の妹、犯人は絶対に逢いたいはずなのに、逢いに現れない。それは、なぜか?まさかのエンディング……謎の提示、意外な展開と結末、サスペンスと人間愛が交錯する、これぞ特捜最前線だ!特捜最前線の全話中でも、屈指の名作である。

  • 映画「美貌に罪あり」は、山本富士子を軸に増村保造監督の女性美学が展開される。

    映画「美貌に罪あり」は、1959年に公開された。東京五輪の開催まで5年あり、戦後の暗さをひきずっている時代だ。時代が変わり過ぎてゆく時、人は不幸になる場合が多い。光と影が交錯する時代において、影を生きる人は少なくない。だが、増村保造監督は、この映画「美貌に罪あり」では、光を中心に描いた。山本富士子、若尾文子、野添ひとみ、この三人の女性、あまりにも生き方の異なる女性を、ものの見事に描き分けた。特に、山本富士子への傾倒が激しく、日本女性美の典型として描いている節がある。その真逆のキャラが、若尾文子の

  • ドラマ「特捜最前線」の最大の魅力は、大滝秀治が演じる船村刑事の泣き節!?

    特捜最前線の最大の見どころは、アクションとか逮捕劇ではない。船村刑事の人情劇にこそ、特捜最前線の精髄が息づいている。今回ご紹介する「第85話死刑執行0秒前」「第127話裸の街Ⅰ・首のない男!」「第128話裸の街Ⅱ・最後の刑事!」も、船村刑事の泣き節と執念に、私たちは酔い、感動できるのだ。大滝秀治が演じた船村一平という刑事についての解説は、ウィキペディアに詳しいので、かなり長いが引用しておく。船村一平演-大滝秀治警部補。1925年(大正14年)6月6日生まれ。新潟県で出生、東京都出身。刑事生活40

  • 山田太一ドラマ「遠まわりの雨」では、夏川結衣が渡辺謙をしのぐ演技力を披露。

    山田太一ドラマに「遠まわりの雨」がある。主演は渡辺謙と夏川結衣。この二人の共演というだけで絶対に見たくなる。私はこの「遠まわりの雨」を見るのは、今回が2回目。現在、全く金がないが、どうしても見たいので、中古のDVDを買ってしまった。1980円以上の価値があった。素晴らしい。山田太一らしさが凝縮された傑作だ。ドラマ「遠まわりの雨」は、2010年3月27日の21:00-23:18、日本テレビ系列で放映された。スタッフ作:山田太一音楽:村井邦彦主題歌:スーザン・ボイル「翼をください〜WingsToFl

  • 特捜最前線 第118話「子供が消えた十字路」

    前回の記事で「特捜最前線」の真骨頂は『お涙ちょうだい劇』にある、と申し上げた。⇒特捜最前線の「第40話初指令・北北東へ急行せよ!」今回は大滝秀治(船村刑事)の独特の演技力について述べたい。大滝秀治の凄まじいばかりの演技が見られるのが、118話の「子供が消えた十字路」だ。この回も、現在、アマゾンプライムで見られる。子供が自動車にはねられたところを、船村刑事が目撃。それがとんでもない事件になるのだが、その時の様子を、船村刑事はどうしても正確に思い出せない。船村刑事の苦悶が始まるのだが、その苦しみ、悶

  • 映画「流れる」は昭和の名女優が勢ぞろいした、滅びの美学をきめ細やかに表出

    成瀬巳喜男監督の映画「流れる」を鑑賞。「流れる」は、1956年に公開された日本映画。日本の情緒、滅びの美学を、零落する芸者置屋を舞台に存分に描き切った名作映画だ。古き昭和の名女優たちが大集結している点も、映画のオールドファンにはこたえられないだろう。梨花(お春):田中絹代つた奴:山田五十鈴勝代:高峰秀子なな子:岡田茉莉子染香:杉村春子以上5人の女優たちが、陰影豊かな演技を披露してくれていて、最初から最後まで目が離せない。山田五十鈴の美しさ、高峰秀子の哀愁、田中絹代の渋みが、特に際立っていた。私自

  • 日本の名作映画50選

    日本の映画はかつて世界一のレベルを誇っておりました。当時の名作をじっくりと鑑賞することは、今の私たちに有益なだけでなく、希望ある未来を創造する上で、大いに役立つと、風花未来は信じています。そこで、このページでは、日本の名作映画50選)を選定し、多くの人々に名作映画の素晴らしさを味わっていただくことにしました。なお、黒澤明監督の作品は、除外いたしました。黒澤映画が上位を独占すると思われるからです。⇒黒澤明監督の映画は別格扱いとして、こちらにまとめましたでは、邦画50選(日本の名作映画ベスト50)の

  • 映画「花影」は、池内淳子の形容しがたい美しさと、川島雄三監督の才気が際立つ名作

    映画「花影」を初めて鑑賞。原作の大岡昇平の小説「花影」は買ったが、読了できなかった記憶がある。小林秀雄が絶賛していたので、購入したのだが、まだ二十代だった私には理解できなかったのだろう。この映画も、大人でないと決して、味わえない作品と言えそうだ。映画「花影」を論評するなら、2点に尽きる。1つは、主演の池内淳子のあまりの美しさだ。その美しさを表現したのは、川島雄三監督の才気である。池内淳子といえば、幼い頃、テレビドラマ「女と味噌汁」に出ていた池内淳子が懐かしい。あとは、映画「男はつらいよ」で薄幸の

  • 特捜最前線「第40話 初指令・北北東へ急行せよ!」、これこそ昭和だ!

    特捜最前線の「第40話初指令・北北東へ急行せよ!」を観た。昭和のお涙ちょうだい劇、ここに極まれり!素晴らしいの一言である。中華料理店で船村刑事の家族の隣の席で、四人家族が豪華な食事をしていた。その豪華な食事の裏に、抜き差しならない理由がった……この物語設定と展開がしびれる。テレビドラマの「特捜最前線」は、テレビ朝日・東映の制作により、テレビ朝日系列で1977年4月6日から1987年3月26日まで放送されていた刑事ドラマ。できれば全話視聴したいのだが、DVDは高価すぎて、とても手が出ない。ところが

  • 映画「異人たちとの夏」は、愛を求める者たちの狂おしくも美しい夢である。

    映画「異人たちとの夏」を初めて観た。1988年に松竹から公開された。監督は大林宣彦。どちらかというと苦手な監督なので、今まで未見だったのだろう。しかし、これは名作だ、紛れもない。風間杜夫、片岡鶴太郎、秋吉久美子、名取裕子、永島敏行など、登場人物がすべて輝いている。年齢的にはピークを過ぎている役者たちだが、この映画を観ると、全員、今が全盛期だと感じてしまうから不思議だ。この「異人たちとの夏」が、いかに作品として成功しているか、その証拠である。ネタバレになるので内容は言えないが、主要登場人物が、必死

  • 映画「異人たちとの夏」は狂おしいまでに美しい、真夏の夢である。

    映画「異人たちとの夏」を初めて観た。1988年に松竹から公開された。監督は大林宣彦。どちらかというと苦手な監督なので、今まで未見だったのだろう。しかし、これは名作だ、紛れもない。風間杜夫、片岡鶴太郎、秋吉久美子、名取裕子、永島敏行など、登場人物がすべて輝いている。年齢的にはピークを過ぎている役者たちだが、この映画を観ると、全員、今が全盛期だと感じてしまうから不思議だ。この「異人たちとの夏」が、いかに作品として成功しているか、その証拠である。ネタバレになるので内容は言えないが、主要登場人物が、必死

  • 映画「八月十五日の動乱」は鶴田浩二と

    映画「八月十五日の動乱」は、1962年8月22日に公開された。監督は小林恒夫。主演は、鶴田浩二と江原真二郎。政治家と軍人という兄弟による対立が、実に効いており、映画のラストまで、二人の関係性が物語の軸となって展開する。有名な「日本のいちばん長い日」と同様の内容だ。「八月十五日の動乱」はほとんど無名だが、どうしてどうして、最後まで堪能できる出来栄えとなっている。見ごたえの大半は、やはり、鶴田浩二と江原真二郎の存在感と演技力に起因する。名作と呼ぶには、確かに何かが欠けているが、今はそうしたマイナス要

  • 映画「グリーンブック」は、白人と黒人の友情を描いた良質ドラマ

    映画「グリーンブック」を鑑賞。2018年のアメリカ映画。偶然見つけて、何の予備知識もなく、見始めたが、徐々に作品世界にのめり込み、ラストまで熱中した。良い映画だ。そして、何といっても面白い。白人と黒人の友情や愛情の物語は、「手錠のまゝの脱獄」「夜の大走査線」「最強のふたり」「招かれざる客」「アラバマ物語」「人生の動かし方」などあるが、この「グリーンブック」は、他作品に劣らない良質なエンターテイメントに仕上がっている。

  • 映画「グリーンブック」

    映画「グリーンブック」を鑑賞。2018年のアメリカ映画。偶然見つけて、何の予備知識もなく、見始めたが、徐々に作品世界にのめり込み、ラストまで熱中した。良い映画だ。そして、何といっても面白い。白人と黒人の友情や愛情の物語は、「手錠のまゝの脱獄」「最強のふたり」「招かれざる客」などあるが、この「グリーンブック」は、他作品に劣らない良質なエンターテイメントに仕上がっている。

  • まど・みちおの詩「じめん」

    まど・みちおの「じめん」という詩を取り上げます。地面人が歩くときに足音がするのは歩いているよ歩いているよわたしが歩いているよとその足音でいいながら歩いているのですそれはどんな人でもですがそれはどんなものでもですいまもそこの人通りにまじってアリたちが歩いています歩いているよ歩いているよぼくが歩いているよわたしが歩いているよと小さなきこえないほどの足音でいいながら…じめんだけがそれをききわけています気をつけて気をつけてほんとにみんな気をつけてといのるように…この「じめん」という詩を読んで、やはり、ま

  • 山田太一ドラマ「岸辺のアルバム」、そのエンディングの美学…

    山田太一ドラマの傑作中の傑作「岸辺のアルバム」を、最後まで鑑賞した。これが2回目だ。1回目から10年以上が経過していたが、今回の方が感動は大きかった。今回は、その最終話について、書きとめておくことにする。エンディングの素晴らしさ。このラストシーンは、よほどの力量がないと描けない。余韻、余白、余情といった美学を体得した作家でないかぎり、このエンディングは演出できない。全部で15話。実に多くのことがあった。その事件のどれもこれもが、リアリティがあった。ドラマを鑑賞した私自身の人生と変わらぬリアリティ

  • 黒田三郎の詩「僕はまるでちがって」

    今回ご紹介するのは、黒田三郎の「僕はまるでちがって」という詩です。山田太一ドラマ「悲しくてやりきれない」の中で(全文が紹介されるわけではないのですが)、非常に効果的に使われています。ここでは、全文を引用してみましょう。僕はまるでちがって僕はまるでちがってしまったのだなるほど僕は昨日と同じネクタイをして昨日と同じように貧乏で昨日と同じように何も取柄がないそれでも僕はまるでちがってしまったのだなるほど僕は昨日と同じ服を着て昨日と同じように飲んだくれで昨日と同じように不器用にこの世に生きているそれでも

  • 「男たちの旅路」第3部 第3話「別離」

    ウィキペディアには「男たちの旅路」について、以下のような記述がある。『男たちの旅路』(おとこたちのたびじ)は、1976年2月から1982年2月までNHKにて放映された山田太一脚本のテレビドラマ。全13話。全部で13話あるということだが、改めて確認したが、私はすべて視聴していた。一話残らず、全部を風花未来は見終わっていた。で、今夜、鑑賞したのは、第三部の最終話「別離」だ。メインの登場人物は多くはない。以下の3名を中心に物語は展開する。吉岡晋太郎-鶴田浩二杉本陽平-水谷豊(第4部第1話まで出演)島津

  • 栗原貞子の詩「生ましめんかな」

    今回は、栗原貞子の「生ましめんかな」という詩をご紹介します。生ましめんかなこわれたビルディングの地下室の夜だった。原子爆弾の負傷者たちはローソク一本ない暗い地下室をうずめて、いっぱいだった。生ぐさい血の匂い、死臭。汗くさい人いきれ、うめきごえその中から不思議な声が聞こえて来た。「赤ん坊が生まれる」と言うのだ。この地獄の底のような地下室で今、若い女が産気づいているのだ。マッチ一本ないくらがりでどうしたらいいのだろう人々は自分の痛みを忘れて気づかった。と、「私が産婆です、私が生ませましょう」と言った

  • 小林一茶の有名な俳句

    小林一茶の代表的な俳句をご紹介しましょう。雪とけて村いっぱいの子どもかな雀の子そこのけそこのけお馬が通る 我と来て遊べや親のない雀 涼風の曲がりくねってきたりけりやせ蛙負けるな一茶これにあり名月を取ってくれろと泣く子かなうまさうな雪がふうはりふわりかな

  • 「ジョイフル詩学」は、詩の遊び場です♪

    風花まどか大学の2023年2月からの予定をご紹介。⇒風花まどか大学の公式ページ2月からは、いよいよ「詩学」が始まります。本編に入る前に、リラックスして楽しめる、準備体操のような講座を開きます。題して「ジョイフル詩学~詩を楽しもう」です。限りなく、初心者さんに優しい講座を目指します。ジョイフル詩学~詩を楽しもう詩って、こんなに楽しいんだ、こんなにワクワク、ドキドキできるんだってことを、一人でも多くの人に体感してほしいのです。ですから、小難しい、理屈は言いません。詩で気持ちよくなっていただきます。快

  • 「詩を朗読する動画」おすすめセレクション

    当ブログ「美しい詩」の運営者である、風花未来が朗読した「詩の朗読」動画を、このページに集めてみました。一つでも多く、優れた詩に親しんでいただくために、コツコツと朗読していきたいと思っていますので、どうか、よろしくお願いします。では、さっそく、ご紹介しましょう♪カール・ブッセ(上田敏訳)「山のあなた」パブロ・ネルーダ(笠木透訳)「おいで一緒に(山と川)」木下夕爾「晩夏」中野重治「機関車」黒田三郎「紙風船」島崎藤村「小諸なる古城のほとり」ふるさとは遠きにありて思ふもの……室生犀星詩集より室生犀星「子

  • 映画「ブルークリスマス」は単なる異色大作では済まされない、何かが蠢いている。

    岡本喜八監督の「ブルークリスマス」は、奇妙奇天烈な怪作映画である。基本情報は、ウィキペディアから引用する。『ブルークリスマス』は、1978年(昭和53年)11月23日に公開された日本映画。実際の映画プリントのタイトルは「ブルークリスマスBLOODTYPE:BLUE」と英語副題がつく。東宝映画製作、岡本喜八監督により、倉本聰のオリジナルシナリオ『UFOブルークリスマス』を映画化した。アメリカ映画『スター・ウォーズ』によるSFX映画ブームの渦中にあって、特撮映画の本家である東宝が「特撮を一切使わない

  • 風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】

    【全コンテンツ閲覧コース】へのご案内●風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】の募集を開始しました!半年コースと1年コースを設けました。以下、風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】募集要項です。★半年コース★全コンテンツ閲覧当ブログにおける、風花まどか大学生様限定ページを、お申込みいただた方だけに公開いたします。【閲覧可能な期間】2023年1月5日~2023年6月30日まで【コンテンツ】風花まどか大学で配信する全コンテンツを、専用ページで閲覧いただけます。チャットのアーカイブ、配信済みメルマガ

  • 風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】

    【全コンテンツ閲覧コース】へのご案内●風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】の募集を開始しました!半年コースと1年コースを設けました。以下、風花まどか大学【全コンテンツ閲覧コース】募集要項です。★半年コース★全コンテンツ閲覧当ブログにおける、風花まどか大学生様限定ページを、お申込みいただた方だけに公開いたします。【閲覧可能な期間】2023年1月5日~2023年6月30日まで【コンテンツ】風花まどか大学で配信する全コンテンツを、専用ページで閲覧いただけます。チャットのアーカイブ、配信済みメルマガ

  • まどか大学を開校した深い理由を告発した記事まとめ

    風花未来が「風花まどか大学」を開校するに至った、それには深い理由があるのです。このページには、「風花まどか大学」開校のエピソード、なかなか口には出せない心の手続きなどを告発した記事をまとめてみました。茨の道を希望の道に。明るく楽しく…晴れやかな、すがすがしい気持ちで、蒼天に誓う!どうしても伝えたい「まどか学」の存在意義についてまどか大学を開校した理由~一つの気づきからhttps://kazahanashinden.com/madokakougi/9443/

  • 茨の道を希望の道に。明るく楽しく…

    明けましておめでとうございます。風花未来でございます。本年も、どうか、よろしくお願いいたします。●年頭の風花未来の思い年頭の風花未来の思いですが、以下のページにて配信いたしましたので、お読みいただけたら幸いです。https://kazahanashinden.com/madokakougi/9540/●茨の道を希望の道に年明け早々に、私のツイッターにアクセスできませんでした。最近、ツイッターアカウントの乗っ取りがひんぱんに行われており、ひどいことになるかもと直感したのですが、何とか、今はアクセス

  • 茨の道を希望の道に。明るく楽しく…

    明けましておめでとうございます。風花未来でございます。本年も、どうか、よろしくお願いいたします。●年頭の風花未来の思い年頭の風花未来の思いですが、以下のページにて配信いたしましたので、お読みいただけたら幸いです。https://kazahanashinden.com/madokakougi/9540/●茨の道を希望の道に年明け早々に、私のツイッターにアクセスできませんでした。最近、ツイッターアカウントの乗っ取りがひんぱんに行われており、ひどいことになるかもと直感したのですが、何とか、今はアクセス

  • 映画「アウトロー」、この心地よさは? トム・クルーズ主演だけど…

    映画「アウトロー」は、2012年のアメリカ映画。監督と脚本は、クリストファー・マッカリー。主演はトム・クルーズで、主人公のジャック・リーチャーを演じている。トム・クルーズが主演の映画の特徴として「心地よさ」がある。要するに、トム・クルーズ演じる主人公が、激情的ではない、つまり、感情が入り過ぎないということ。感傷的でもなく、クールすぎることもない。ほどよい、バランスのとれたキャラクター。ただ、格好良さだけは群を抜いている。無駄はそぎ落とされ、合理的かつスピーディーに物語は展開する。ほどよい水分はあ

  • 晴れやかな、すがすがしい気持ちで、蒼天に誓う!

    2023年という年がついに明けました。明けましておめでとうございます。今年は、風花未来にとって勝負の年となる、という言い方さえて当てはまらないほど、風花の人生全体をかけた一年となることは間違いありません。去年の暮れから「風花まどか大学」を始めまして、私自身の中に、というより、私の奥で何かが静かに燃えているのがわかるのです。今年の12月まで「まどか大学」は続きます。⇒風花まどか大学の詳細はこちら正直は、「不安」はあります。風花の頭の中には、すでに設計図はできており、それを言語化、つまり、言葉に変え

  • 晴れやかな、すがすがしい気持ちで、蒼天に誓う!

    2023年という年がついに明けました。明けましておめでとうございます。今年は、風花未来にとって勝負の年となる、という言い方さえて当てはまらないほど、風花の人生全体をかけた一年となることは間違いありません。去年の暮れから「風花まどか大学」を始めまして、私自身の中に、というより、私の奥で何かが静かに燃えているのがわかるのです。今年の12月まで「まどか大学」は続きます。正直は、「不安」はあります。風花の頭の中には、すでに設計図はできており、それを言語化、つまり、言葉に変えて発してゆけば良いのです。しか

  • 映画「座頭市物語」では、天知茂がなぜか平手造酒(ひらてみき)役に

    映画の「座頭市」シリーズは、ほとんどすべての作品を見てきている。今回、鑑賞したのは「座頭市」シリーズの記念すべき第一作である「座頭市物語」。1962年に公開されている。監督は三隅研次。いきなりだが、これは「座頭市」シリーズの最高傑作だ。主演はもちろん、勝新太郎。相手役の剣士は、天知茂が扮している。で、注目すべきは、天地茂が、なんと平手造酒(ひらてみき)役として登場していることだ。この物語設定が、実に面白い。映像も、モノクロームでしっとりとした雰囲気がある。勝新太郎と天地茂の友情がいい。だが、戦わ

  • 映画「十三人の刺客」は、黒澤明の時代劇にはない、深い味わいがある。

    映画「十三人の刺客」を再度、見直してみた。1963年に公開された、片岡千恵蔵が主演のバージョンである。監督は、工藤栄一。最初に鑑賞した時には見逃してしまった、この映画独特の味わいを味わうことができた。ウィキペディアに記載されている出演者は以下のとおり。片岡千恵蔵里見浩太郎内田良平山城新伍菅貫太郎嵐寛寿郎丹波哲郎月形龍之介西村晃注目すべき役者を赤字で示してみた。片岡千恵蔵と嵐寛寿郎である。「十三人の刺客」に出演した時、二人はすでにかなりの年齢に達いていた。「集団抗争時代劇」と呼ばれる、大スケールの

  • 外国映画のベスト100

    外国映画のベスト100を、以下、気長に選んでまいります。1)ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「若者のすべて」の感想2)映画「邪魔者は殺せ」を見て、キャロル・リードはヒッチコックと正反対の監督だと感じた。3)映画「ガス燈」でイングリッド・バーグマンが迫真の演技を披露。4)「マディソン郡の橋」の小説と映画を比較レビューしてみました。5)映画「愛情物語」は尊いギフト(贈り物)だと感じました。

  • 風花まどか大学【2023年1月期】募集中

    風花まどか大学【2023年1月期】募集要項風花まどか大学の公式ページはこちらに風花まどか大学【2023年1月期】の募集を開始しました!メルマガを受信できないので、サイトにも募集要項を載せてほしいとのリクエストをいただきましたので、一般募集用の要項となりますが、以下、ご案内いたしまっす。2023年の1月から、1ケ月間限定のイベント講座を開催。「まどか学」はちょっと難しそう、ハードルが高い気がするというご意見をいただいております。そこで、思い切って、受講費と内容のハードルを限界までお下げいただいまし

  • 「風花まどか大学」公式ページ

    こんにちは、風花未来です。新たなプロジェクト(風花塾23期)を立ち上げます。その名は「風花まどか大学」風花塾は2010年から22期(日本最長のネット塾)までやってきましたが、今年の12月より始動し、来年から本格的に展開する企画は、最も規模の大きなプロジェクトとなることは間違いありません。⇒風花未来のプロフィールはこちら12月5日よりプレ開校。途中入学がいつでも可能です。「まどか大学」の講義という名の物語は、コリドー(回廊)でつながる巨大が建築群にも似て……伝えたいのは「あたたかな愛」、作りたいの

  • どうしても伝えたい「まどか学」の存在意義について

    まどか大学は「伏流水のようだ」って言ったら?今回はまだ、どなたにも知られていない、「風花まどか大学」の存在価値について、お伝えします。⇒風花まどか大学の詳細はこちらこの記事をお読みいただくと、「風花まどか大学」は「どうして、今、この時代に降り立ったのか?」「他にはない、唯一無二の特長とは?」の答えを得ていただけると、風花未来は確信しています。いきなりですが、「伏流(ふくりゅう)」という言葉をご存知でしょうか?「伏流」について、デジタル大辞泉は以下のように説明しています。【伏流】1地上の流水が、あ

  • まどか大学を開校した理由~一つの気づきから

    まどか大学の次の募集は?まどか大学に関するご質問で、いちばん多いのは、次の募集についてです。次の募集は以下のメルマガで告知いたします。以下のページから、ぜひ、ご登録ください↓https://kazahanashinden.com/kazahanajyuku/8999/割引価格での募集要項をお送りするのは、上のメルマガのみですので、どうか、この機会にご登録ください。一つの気づきから「まどか大学」の開校を決意風花まどか大学の公式ページhttps://kazahanashinden.com/kazah

  • まどか大学を開校した理由~一つの気づきから

    まどか大学の次の募集は?まどか大学に関するご質問で、いちばん多いのは、次の募集についてです。次の募集は以下のメルマガで告知いたします。以下のページから、ぜひ、ご登録ください↓https://kazahanashinden.com/kazahanajyuku/8999/割引価格での募集要項をお送りするのは、上のメルマガのみですので、どうか、この機会にご登録ください。一つの気づきから「まどか大学」の開校を決意風花まどか大学の公式ページhttps://kazahanashinden.com/kazah

  • 映画「その男を逃すな」では、シェリー・ウィンタースの名演技に引き込まれた。

    「その男を逃がすな」は、1951年に製作され、1952年に公開されたアメリカ映画。監督は「初恋時代」のジョン・ベリー。主演は、ジョン・ガーフィールドとシェリー・ウィンタース。映画「その男を逃すな」、知らない。シェリー・ウィンタース、聞いたことない、という人は、とにかく、この映画「その男を逃がすな」を見てほしい。若い女性の演技が、これはもう筋金入りで、その表情の目まぐるしい変化に、この映画は並外れて優れた心理劇であることがわかるはずだ。それにしても、シェリー・ウィンタースという女優は素晴らしすぎる

  • 「まどか(風花円和)」とは

    まどか(円和)入門講座●「まどか」は現実離れした理想ではなく、実現可能な世界「まどか」は、「日本の名作詩ベスト100」「詩心回帰」と並ぶ「まあるい未来プロジェクト」に含まれる、心の国民運動です。「まどか」という言葉は、風花未来が開校した「風花まどか大学」の基本理念を形成する最重要キーワードであります。⇒風花まどか大学風花未来は2019年頃から「まあるい未来(詩心回帰)」を提唱してまいりました。まあるい円を描くように未来を描きたいのですが、その時に大事になるのが「つなげること」です。分断され、壊さ

  • 詩心の定義と詩心の7つの特長

    詩心とは「詩人」とは?「詩人」とは、詩を書く人だけを指すのではなく、詩心を持っている人全員が詩人なのです。自分では気が付いていない場合が多いのですが、誰もが詩心を持っています。ですから、すべての人は詩人なのです。では「詩心」とは?「詩心」は「詩精神」、あるいは「詩魂」と呼んでもさしつかえありません。この「詩心」は、詩を書くことの専門家である、いわゆる詩人だけが持っているのではなく、一般庶民も持っています。だから、和歌(短歌)、俳句、近代詩などを理解できない日本人はいないのです。「詩心」は詩を理解

  • 映画「美しい十代」は、西尾美枝子の好演が光る、若者の成長物語

    映画「美しい十代」は1964年に日活にて公開された。監督は吉村廉(よしむられん)。主演は吉永小百合ではなく、西尾三枝子だ。それがかえって、この映画に深みを与えていると言えるかもしれない。相手役は浜田光夫。主題歌を歌っている三田明も好演している。想像以上に良い映画だ。浜田光夫をチンピラ役にすえたことが成功している。西尾三枝子が編んだ靴下が小道具として効いていて、思わず涙ぐんでしまう。

  • 映画「父と娘の歌」はピアニストを主人公とする音楽映画

    映画「父と娘の歌」は、1965年に日活で公開された。監督は齋藤武市(さいとうぶいち)。「愛と死をみつめて」を監督したのは、この齋藤武市である。主演は、父娘を演じた、宇野重吉と吉永小百合。浜田光夫と山内賢も共演している。際立った特徴は、吉永小百合のピアノ演奏シーンがふんだんに観られることだ。ラストのコンサートでの演奏は圧巻である。この映画が安っぽくなっていないのは、吉永小百合のピアノ演奏シーンにリアリティがあるからだ。ピアニストから相当なレッスンを受けたのだろう。特筆すべきは、吉永小百合は、ピアニ

  • 日活青春映画レビュー集

    西河克己(にしかわかつみ)生きとし生けるもの(1955年)しあわせはどこに(1956年)若い傾斜(1959年)風のある道(1959年)四つの恋の物語(1964年)悲しき別れの歌(1965年)白鳥(1966年)若杉光夫ガラスの中の少女(1960年)蔵原惟繕(くらはらこれよし)この若さある限り(1961年)愛と死の記録(1966年)野村孝あすの花嫁(1962年)堀池清その人は遠く(1963年)森永健次郎若草物語(1964年)風車のある街(1966年)

  • 映画「悲しき別れの歌」で、吉永小百合の女優魂が燃え立つのを見た。

    映画「悲しき別れの歌」は1965年に公開さた日活映画である。監督は西河克己。この映画で吉永小百合が豹変した。共演映画は44作にも及ぶ浜田光夫は変わらないのに、吉永小百合がすっかり大人の女性になっていて、その変身ぶりにはのけぞりそうになったほどだ。吉永小百合と浜田は、32本の映画で恋人役を演じている。その中でも異色中の異色というべきが、この「悲しき別れの歌」である。キャストはかなり豪華だ。野村ゆり子................吉永小百合風見信太郎................浜田光夫矢吹健次

  • 映画「この若さある限り」は女教師と男子生徒の愛のカタチを描いた佳作

    映画「この若さある限り」は、1961年に公開された日活映画。監督は蔵原惟繕(くらはらこれよし)。蔵原惟繕監督作品である「愛と死の記録」は当ブログですでにレビューしている。主なキャストは、浜田光夫、吉永小百合、吉行和子である。浜田光夫と吉行和子の熱演から、目が離せない。ただの青春映画を超えた、良質なエンターテインメントと言えよう。

  • 映画「あすの花嫁」は吉永小百合と浜田光夫コンビの最高傑作かもしれない。

    映画「あすの花嫁」は1962年に公開された。吉永小百合と浜田光夫コンビの最高傑作かもしれない。監督は野村孝。原作は壺井栄。吉永小百合の母親を演じた奈良岡朋子が凄い。影の主役と言ってもいい。奈良岡朋子の相手役の宇野重吉も、渋い味を出していて良かった。

  • 映画「風車のある街」はオランダの風景とともに刻まれる美しい記憶のような作品である。

    映画「風車のある街」(ふうしゃのあるまち)は、1966年に公開された。数多い吉永小百合・浜田光男の共演作の中で、屈指の佳作である。ロケ地となったオランダの街は美しい。光に満ち、心まで洗われるようだ。で、内容だが、最後までハラハラさせられるが、納得のゆく形で終わったので、満足した。

  • 映画「屋根裏の女たち」こそが隠れ名作と呼ばれるにふさわしい。

    「屋根裏の女たち」は1956年に公開された日本映画である。監督は木村恵吾。原作は壺井栄の「屋根裏の記憶」。私の知っている女優はほとんど出演していないが、すべての女優が熱演していて作品に没入させられた。映画というより、演劇、芝居を観ているようだ。人間の命とはこういうものだ。穢れていて、神々しい。天使のようで淫売みたい。弱々しく、雄々しい。屋根裏でいかがわしい商売をしている女たちの群像劇だが、彼女たちが純粋無垢に感じられてるから不思議だ。無垢とは、傷だらけの天使、カサブタだらけの仏様のことを指すので

  • 映画「私は泣かない」の主人公は和泉雅子のはまり役。

    映画「私は泣かない」は1966年10月29日に公開された。主演は和泉雅子。不良少女の成長する姿を描いた、ヒューマンドラマだ。和泉雅子の相手役は、山内賢だ。注目すべきは、裁判で実質の無実を勝ち得た被告人の突飛な行動である。この行動によって、映画「私は泣かない」にワンランク深い作品になったと言えそうだ。しかし、私としては、異なる描き方を、吉田憲二監督にはしてもらいたかった。それにしても、不良少女は和泉雅子のはまり役で、見ごたえ充分だ。その一方で、冷静で知的な役を演じきった、芦川いづみの存在感も際立っ

  • 「純愛物語」は恋愛映画というより人間愛の物語である。

    この感想文のタイトルに悩んだ。「原爆」という言葉を入れたくなかったので、通常とは異なるタイトルになってしまった。この映画はいわゆる「原爆映画」に分類されるべき作品とは言い難い。しかし、私はあえてこの「純愛物語」を、原爆映画としてカテゴライズしたいのである。広島に原爆が投下されてから10年ほどが経過したという時代設定である。主人公の中原ひとみは放射能を浴びて10年ほどが経ってから発症する。相手役の江原真二郎は刑務所がえりのチンピラだが、中原ひとみと出逢って、懸命に生きようとする。こう見ると、ありが

  • 風花ワークショップの当日ご参加者募集について

    風花ワークショップのご案内少人数で学べる、語らいの場を、思い切り楽しみ、そして、笑顔をお持ち帰りください。シーズン2の日程は以下のとおりです。2022年09月10日(土)14:10~15:55(終了)(以下からは約3時間の開講です)2022年09月24日(土)13:10~15:55(終了)2022年10月08日(土)13:10~15:55(受付中)2022年10月22日(土)13:10~15:55(受付中)2022年11月05日(土)13:10~15:55(受付中)【内容】ワークショップの内容は

  • 映画「影なき声」は鈴木清順監督が、松本清張の小説を独自に料理した佳作

    映画「影なき声」は1958年に公開された日活映画。監督は鈴木清順。主演は南田洋子と二谷英明。原作は松本清張の小説「声」だが、珍しくハッピーエンドになっている。

  • 映画「黒い画集 第二話 寒流」は、まさに清張節だが…

    映画「黒い画集第二話寒流」をアマゾンプライムで鑑賞。この作品を見るのはこれで3回目。なぜか、これまで、レビューを書けなかったので、今夜は書いてみたい。1961年11月12日公開。製作・配給は東宝。監督は鈴木英夫。主演は池部良と新珠三千代。情け容赦のない世界が描かれる。そこには愛も正義もありはしない。巨悪が生き延び、小さな善意は踏みつぶされる。まさに、この映画には「清張節」が息づいている。それにしても後味が悪い。新珠美千代に対する印象も悪くなってしまいそうだ。悪が勝っても、快感が残る映画もあるが、

  • 映画「白鳥」では、知られざる吉永小百合が見られる。

    映画「白鳥」は1966年に公開された。監督は西河克己。主演は吉永小百合だが、これまでに見たことがない吉永小百合を見て、絶句した。だが、逆に、これが吉永小百合だと思った。美女の典型のような吉永小百合より、この「白鳥」での吉永小百合の方が私にとってはありがたい。相手役は渡哲也である。「愛と死の記録」で、渡哲也と吉永小百合は共演した。この映画は被爆と純愛というテーマだったが、今回の「白鳥」の方が、より人間臭くて今の私には好ましい。しかし、この「白鳥」で描かれた愛の形は、これまでに映画化されているのだろ

  • 「まあるい未来」とは

    風花未来が2018年から提唱している「詩心回帰」を、わかりやすく、まろやかにさせたのが「まあるい未来」です。⇒詩心回帰についてはこちらへ提唱の内容は同じなので「詩心回帰=まあるい未来」と呼んでいます。「詩心回帰」とは、忘れかけていた大事なものを想い出し、取り戻し、取り戻したものを生かして希望あふれる未来を創造することを意味します。希望あふれる未来を、円を描くように一つの物語としてお伝えするのが「まあるい未来~詩心で『人の時代』を」です。「まあるい未来」が目指すのは「人の時代」。これまでの日本の歴

  • 映画「剣」で市川雷蔵は、三島由紀夫の化身となった!?

    映画「剣」は1964年に公開された日本映画。監督は三隅研次。原作は三島由紀夫の同名の小説である。出演者は以下のとおり。国分次郎:市川雷蔵壬生:長谷川明男伊丹真理:藤由紀子賀川:川津祐介藤代滋子:紺野ユカ次郎の父・国分誠一郎:稲葉義男木内:河野秋武壬生早苗:小桜純子国分ひろ子:角梨枝子多田:高見国一市川雷蔵と川津祐介の対立、その緊張感がいい。また、藤由紀子の異様なほどの美しさが強く印象に残った。結末には納得できない。しかし、この不自然すぎる生の決着は、三島由紀夫らしいと思えばうなずけるのである。

  • 映画「剣」で市川雷蔵は、三島由紀夫の化身となった!?

    映画「剣」は1964年に公開された日本映画。監督は三隅研次。原作は三島由紀夫の同名の小説である。出演者は以下のとおり。国分次郎:市川雷蔵壬生:長谷川明男伊丹真理:藤由紀子賀川:川津祐介藤代滋子:紺野ユカ次郎の父・国分誠一郎:稲葉義男木内:河野秋武壬生早苗:小桜純子国分ひろ子:角梨枝子多田:高見国一市川雷蔵と河津祐介の対立、その緊張感がいい。また、藤由紀子の異様なほどの美しさが強く印象に残った。結末には納得できない。しかし、この不自然すぎる生の決着は、三島由紀夫らしいと思えばうなずけるのである。

  • 映画「若者の旗」での山口果林の演技は珠玉

    「若者たち」三部作の三作目である「若者の旗」は、1970年に公開された。出演者は以下のとおり。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功山本圭佐藤三郎山本圭佐藤オリエ佐藤オリエ佐藤オリエ松山政路佐藤末吉松山政路石立鉄男戸坂石立鉄男夏圭子町子夏圭子謙昭則努謙昭則稲葉義男杉本稲葉義男入江洋佑吉野入江洋佑中谷一郎若田中谷一郎井口恭子瀬黒みわ井口恭子森幹太赤沢森幹太益田ひろ子西田和子益田ひろ子高津住男池田高津住男土屋靖雄青木土屋靖雄山口果林チエ山口果林桜井勇子原田桜井勇子杉山とく子中山杉山とく子上田孝蔵中山司郎

  • 映画「若者はゆく -続若者たち-」で光る佐藤オリエと夏圭子

    映画「若者たち」の続編である「若者はゆく」は、1969年に公開された。出演者は以下のとおり。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功佐藤オリエ:佐藤オリエ佐藤三郎:山本圭佐藤末吉:松山省二間崎ミツ:木村夏江間崎みき:大塚道子辰夫:福田豊土町子:夏圭子戸坂:石立鉄男武:中野誠也塚本:塚本信夫他三部作の二作目。三作ともモノクロームの映像が美しい。写真のバラ板紙のような墨色が、眼に沁みる。「若者たち」シリーズの最大の魅力は、もちろん、以下の五人兄弟の人物造形である。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功佐藤オリ

  • 1968年公開の映画「若者たち」が、現代に語りかけるもの…

    映画「若者たち」をアマゾンプライムで初めて鑑賞した。「若者たち」は1968年に公開された日本映画である。1967年製作、1968年公開。俳優座、新星映画社(自主上映)製作。白黒、87分。出演者は以下のとおり。佐藤太郎:田中邦衛佐藤次郎:橋本功佐藤オリエ:佐藤オリエ佐藤三郎:山本圭佐藤末吉:松山省二河田泰子:栗原小巻淑子:小川真由美戸坂:石立鉄男桜井:井川比佐志小川隆音:大滝秀治小川隆:江守徹他新鮮だった。こういう映画の撮り方もあるのかという感じ。演出も、俳優の演技も、まるで違う。何と違うのか?そ

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