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2019/04/14

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  • 2022年10月に観た新作映画

    映画祭の月 『恋するアナイス』先日観た『スペンサー』から引き続き『燃ゆる女の肖像』的な海岸のイメージが前景化したクィア映画でありながら、将来不透明な主人公が自己愛を見い出していく作品とも捉えられる。程よいユーモアが散りばめられており、コメディとしても面白い。疾走感溢れる冒頭から好きになる。 pic.twitter.com/ullQCo1KQA — Taku (@batmanight) 2022年10月1日 『秘密の森の、その向こう』大傑作技術面で素晴らしいのは勿論、"Au revoir"と別れを告げていく冒頭から始まる、まさに夢のような幼少期のひとときを描くミニマムな物語にやられてしまったので…

  • 第35回TIFF『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』壁の穴から見出す希望(ネタバレなし)

    www.youtube.com 東京国際映画祭で『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』を観た。このサムネとタイトルが印象的で、とても観たかった作品。これは結構良かった。ユース部門に相応しい映画。 空爆により主人公一家の壁に大きな穴が開く。面白いのは、空爆自体は悲劇であり作中でもそう描かれているが、一方で長引く戦争や家父長制などによってそもそも家の内側には閉塞感が存在しており、それが壁の穴によって打破されるところだ。穴を通じて外の世界と繋がることで希望が見出されていくのだ。タイトルに「魂、水、人々の移動」とあるが、文字通り穴を通じた移動が映像として描かれており、その見せ方が良かった。 劇中でも言及され…

  • 第35回TIFF『セルヴィアム ―私は仕える―』自分で考えないの?(ネタバレなし)

    www.youtube.com 東京国際映画祭で『セルヴィアム ―私は仕える―』を観た。ルース・メイダー監督作品は『モニタリング』を鑑賞済み。 結論から言えば、悪い意味で期待を超えてこなかった。本作のテーマはキリスト教それ自体というよりは、何かを盲目的に信じ(→キリスト教への過度な信仰)、自分で考えて行動しないことの危うさというところにあると思う。本作で不気味な存在感を放っているマリア・ドラグシ演じるシスターは、そのような「信者」として登場する。 本作には前作『モニタリング』と重なる部分があり、ここにルース・メイダーの作家性、描きたいテーマがあると読めるが、残念ながら設定を活かしきれておらず中…

  • 第35回TIFF『カイマック』人生の上澄みを集めてみた(ネタバレなし)

    www.youtube.com 東京国際映画祭でミルチョ・マンチェフスキー『カイマック』を観た。マンチェフスキー監督の作品は『ビフォア・ザ・レイン』『ダスト』を鑑賞済み。本作の参考になりそうな『柳』は残念ながら未鑑賞。 これは傑作だった。鑑賞済みのマンチェフスキー作品はどちらも主にマケドニアを舞台にしていて、一筋縄ではない凝った作りの映画になっていた。特に両作とも「循環」のイメージがある。『ビフォア・ザ・レイン』は三部構成の最初と最後が輪のように繋がることで、マケドニアの終わりの見えない民族紛争の不毛さを表現していた。『ダスト』では現代ニューヨークと一世紀前のマケドニア双方の物語が互いに相互作…

  • 第35回TIFF『ライフ』三時間の地獄めぐり(ネタバレなし)

    www.youtube.com 東京国際映画祭でエミール・バイガジン『ライフ』を観た。過去作の『ザ・リバー』は鑑賞済み。本当はその前の『ハーモニー・レッスン』を観たいのだが、なかなか観ることが出来ない。『ライフ』はIMDbでのスコアが4点台だったりと、事前に評価が低いことは知っていたので、期待値は下げて臨んだ。 観てみると、低評価の理由は頷けた。主人公がある失敗(誰にでも起こりうるから怖い)をきっかけに、ひたすら堕ちる様子を三時間みっちり描く。しかもメリハリもあまりないので三時間観続けるのが辛く感じる人も多いだろう。また、作中での女性の扱いは、真意としてそれが肯定的か否定的に描かれているかに依…

  • 『ジュラシック・パーク』について話したくなったのですこしだけ(自然 vs 人工)

    *『ジュラシック・パーク 』『ジュラシック・ワールド』のネタバレあり 『ジュラシック・ワールド』のラストバトルに関して、あれは「自然の摂理 vs 人工物」だという意見をよく見る。つまり、実際に存在するティラノサウルスやヴェロキラプトル(=自然物)と、ハイブリッド恐竜であるインドミナス・レックス(=人工物)の対立であるというわけだ。でも、仮に製作者の意図がそうであっても、この説は引っ掛かる。このシリーズの恐竜は「遺伝子操作によって、人間が望む姿を具現化した恐竜」だからだ。『ジュラシック・パーク』では恐竜再生において、DNAの欠損部位の補完のためにカエルのDNAを使っている。その影響でメスしかいな…

  • 映画月間批評『ブリュノ・レダル、ある殺人犯の告白』感想(ネタバレなし)

    アンスティチュ・フランセ日本主催、映画月間批評で観た二作目は『ブリュノ・レダル、ある殺人犯の告白』。 www.youtube.com 1900年代初頭に実在した殺人犯ブリュノ・レダルと、彼を担当した医師の手記を基に映画化したようだ。とある少年を山中で殺害した17歳のレダルは自首をする。捕まった彼は、医師に自分の人生を幼少期から振り返るような回顧録を書くように言われる。本作ではその手記に書かれた内容(過去)と、レダルと医師の問答が映し出される。 まず特筆すべきはレダルの手記をほぼそのまま再現したらしいナレーションだ。本作には全編通してレダル役のディミトレ・ドレによる語りが存在する。その語りによっ…

  • 『悪の法則』と『ノーカントリー』についての雑感#1

    評価の差 Rotten Tomatoesで『悪の法則』の評価を見たことがあるだろうか?2022年9月28日時点ではこんな感じだ。 https://www.rottentomatoes.com/m/the_counselor_2013 一方、同じコーマック・マッカーシーの作品『血と暴力の国』を原作とした『ノーカントリー』は『悪の法則』と似たような話であるが、評価はこんな感じだ。 https://www.rottentomatoes.com/m/no_country_for_old_men Rotten Tomatoesに絶対的信頼を置いているわけではないが、にしてもこの評価の差はなんだろうか?と…

  • 映画月間批評『恋するアナイス』感想(ネタバレなし)

    アンスティチュ・フランセ日本主催の映画月間批評で『恋するアナイス』を観た。日本未公開の作品が上映されるので、あと何作かは観に行きたい。 www.youtube.com 本作はシャルリーヌ・ブルジョワ=タケ監督の長編デビュー作品とのことだが、傑作だったと思う。主人公アナイスが疾走するスピード感溢れる冒頭からグッと引き込まれ、力強いラストまで目が離せない。饒舌で自由奔放な彼女はエネルギッシュであるが、一方で彼女は自他問わず永遠ではない人生に恐れを抱いている。彼女は恋愛が長続きせず、博士論文も仕上がらない。将来不透明な人生を歩んでいる。また、彼女にとって大切な人が居なくなることに対する不安も抱えてい…

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