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こちらは、花より男子の二次小説になります。類つく中心です。亜門贔屓なので 亜門が出てきますが カップリングはないです。 

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2019/04/12

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  • 12時過ぎのシンデレラ 3

    12時過ぎのシンデレラ 3~再会したシンデレラ~あたしの二十歳の誕生日に 司が滋さんと一緒に 久し振りに帰国した。 滋「つくし~ 会いたかったよ~ 」いきなり抱きつく滋さん。 相変わらず 愛情表現がハンパない。あたしに抱き着きながら 涙を流す滋さん。滋「・・・・・ン・・・ 」耳元で何か囁かれたけど あたしには聞こえなかった。久しぶりに会う司は 自身に満ち溢れ、あのころとは違う 若き経営者としてのオ...

  • 12時過ぎのシンデレラ 2

    12時過ぎのシンデレラ 2~ 迷えるシンデレラ ~高校卒業後 司はNYで 滋さんと一緒に大学へ通いながら 新たなプロジェクトに打ち込んでいた。一旦婚約はしたものの 結局別れた二人 お互いに 仕事のパートナーとして 新しい関係を築いている。そこには もう恋愛感情など ないようにも見えて インタビューでも 『 生涯の友人 』 と 口をそろえて 公言していた。彼がNYへ飛び立つ前に 婚約だけはしたものの...

  • 12時過ぎのシンデレラ 1

    12時過ぎのシンデレラ 1~ プロローグ ~ゴーン ゴーン ゴーン 教会の鐘の音とともに あたしは目覚める。ガラスの靴は ここへ来る途中 落として割れた。 かぼちゃの馬車は真っ黒のリムジンに変わり 鼠の馬もいなくなった。みずぼらしい姿をした かわいそうな女の子は もういない。今 目の前の鏡に映るのは きらびやかなドレスを身にまとい 豪華な宝石で飾られた 魂のない人形だった『汝 この女性を妻とし 生...

  • Happy Time 72

    Happy Time 72俺達の結婚披露パーティーの日取りがなかなか決まらなくて イライラする俺。本当はパーティーはあまり好きじゃないけど これだけは別。だってさ 早くお披露目して つくしは俺のものなんだって 世間に認めさせないといけない。それに なるべく早く 子供も作らないと 危なっかしくって見てられない。未だつくしのことを諦めてないらしい司。 この前だって俺が 「もう籍も入れたから 」って言ったのに司「そ...

  • Happy Time 71

    Happy Time 71つ「わー!! ねえねえ類、 静さん コンクール優勝したって!! 」すっごい勢いで部屋に入ってきたかと思ったら 耳元で大きな声で興奮したように言った。類「つくし 頼むから もう少し小さな声で 」つ「あっ、ごめんね。 あたし嬉しくってつい 」類「いいけどさ。 」ホントは 俺 知ってたんだ。 昨日ネットで見たから『日本人女性優勝』ってさ。急いで教えようとしたんだけど あんた 寝てたでしょ?...

  • Happy Time 70

    Happy Time 70類「ねえつくし 父さんたちがさ 結婚披露パーティー いつにしようかって言ってるんだけど 」つ「あたしはいつでもいいんだけど できれば 静さんや椿さんにも来て欲しいから 二人の予定を聞かなくっちゃいけないよね?でも 静さんは コンクールも控えてるって言ってたし 忙しいかも・・・ 」類「つくしのためなら二人とも どんなことしてでもスケジュール空けると思うよ 」つ「でも 申し訳ないじゃな...

  • Happy Time 69

    Happy Time 69剣菱の 家庭教師も無事終わり 俺はつくしとの時間をとりもどし つくしはたくさんの報酬を 剣菱からもらった。つ「ねえ類 あたしこんなにたくさんもらっていいのかな? なんだか申し訳なくって 」類「いいんじゃない? 向こうがくれるって言うんだからさ ありがたくもらっておけば? 」つ「でもさ 貰いすぎって言うか・・・ 」俺は彼女の手から それをひょいと奪うと 目の前にあるテーブルにポンと立て...

  • Happy Time 68

    Happy Time 68邸に帰り 食事の時も 二人並んで席に着く。初めは知恵も驚いてたけど 事情を説明すると知「では 申し訳ありませんが 明日は一日お部屋でお過ごしくださいませ。 部屋から出るのは無理だと思いますので 」くすくす笑いながらそう言った。部屋から出られないってどういうこと? その時はわからなかったけど 後でその意味を知ることになる。俺は右手が使えない。 だって 俺が右手使おうとすると つくしの左...

  • REPLACEMENT 71

    REPLACEMENT 71 エピローグ 類~半年後 今日は俺達の結婚式だ。つくしの純白のドレスは 初めにデザインされたものとは違い 全体的にふわっとしてる。足元はぺたんこの靴。おまけに結婚式なのにすっぴんだ。更さんの店に行って暫くたったある日 つくしはいきなり化粧ができなくなった。その後何日かして 急に食欲が落ち 心配した両親と病院へ。「まだ はっきりはいえませんが おそらくはおめでただと思われます。 ...

  • REPLACEMENT 70

    REPLACEMENT 70進~更さんや匡央さんの希望もあって 結局 食事会は 森沢家 家族全員で行くことになった。もちろん類さんも家族の一員として参加していた。アルバムを見ながら 嬉しそうに話す義母さんと義父さん。 その隣では兄さんさんと更さんが 別のアルバムを見ながら 何か話をしている。類「良かったな。 匡央さん呪縛からとけたみたい 」つ「ん? なんか言った? 」類「ううん なんでもないよ 」類さんは すご...

  • REPLACEMENT 69

    REPLACEMENT 69匡央~何日かして 更さんが家にやってきた。 前日に連絡があり アルバムを持ってきてくれるということで 母様は楽しみにしていた。更「こんにちわ。 良かったらこれ 皆さんで召し上がってください。お口に合うといいんですが・・・ 」彼女は 持ってきたお菓子と二人で作ったレシピノート そしてアルバムを一緒に差し出した。そこには お菓子の写真や絵とともに 見慣れた文字が並んでいた。更「まだ何冊か...

  • REPLACEMENT 68

    REPLACEMENT 68更「じゃあ さやかさんは その事故で無くなったんですね。 私知らなくって・・・。 ごめ・・・サイ・・・ 」彼女は顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。お兄様が そんな彼女に ハンカチを差し出すと 彼女は黙ってそれを受け取り ハンカチに顔を埋める。暫くの間 その部屋は 彼女の嗚咽だけになった。やがて彼女はゆっくりと顔を上げ 更「近いうちに お線香をあげに行ってもいいですか 」黙ってうなずく...

  • REPLACEMENT 67

    REPLACEMENT 67つくし~お兄様にせがまれて あたしたちは千石屋 2号店に来ている。入口の所で 少し緊張した面持ちで 入るのをためらっているお兄様の背中を あたしは軽く押した。2号店は 小さなビルの一階にあり 中でお茶も楽しめるので 外から中の様子が見えないつくりになっていた。まだ新しい大きな暖簾の前で お兄様は入るのを躊躇してたのだった。あたしが背中を押したことで お兄様の足が一歩前に出て スーっ...

  • REPLACEMENT 66

    REPLACEMENT 66森沢の家に着くと 雛「あら 遅かったわね。何かあったの? 」のんびりとしたお母様の声が聞こえた。今日は 久しぶりに家族全員が揃うので 「夕食を一緒に」と 類と一緒に誘われていたのだった。ところが あの千石屋で 女将さんたちと話をしてて すっかり遅くなってしまった。類「遅くなって申し訳ありません。 良かったら食後に お茶でもどうかと思いまして 」あの和菓子を差し出しながら 類が言った...

  • REPLACEMENT 59

    REPLACEMENT 59あきら~「美作さーん!! 」結構な大声で呼ぶ声に振り向くと すっかりあか抜けた 牧野の弟がこっちに向かって走ってきた。ヲイヲイ そんな走ったら 危ねぇぞ。 ぷぷっ 尻尾振って走ってくる子犬みたいだな。オット!! あーあ 言わんこっちゃない。勢いのつきすぎたらしい進は 少し手前でつんのめって 俺の腕に飛び込んできた。あ「進、そんなに慌てたら危ねぇぞ。 」進「すみません。 ・・・受け止めて...

  • REPLACEMENT 58

    REPLACEMENT 58お茶会当日 朝早くから 類さんと姉ちゃんが二人そろってやってきた。類さんは琥珀色のスーツに桜色のネクタイ。普通の人がすると嫌味に見えるような桜のモチーフのタイピンも 類さんがするとかっこよく見えてしまうから不思議だ。姉ちゃんは 桜の花がデザインされた淡いピンクの着物を着てる。つ「これね お母様がお嫁入り道具だってくれた着物なの。 さやかさんの成人式用に作ったものなんだって。それを...

  • REPLACEMENT 57

    REPLACEMENT 57進~なんとなくだけど 最近 匡央兄さんの様子がおかしい。姉ちゃんが帰ってくる日は 必ずと言っていいほど予定を入れてたり 予定もないのに 学校に行ったり会社に行ったり・・・姉ちゃんと喧嘩でもしたのかな。 少しだけ 不安になった俺 さりげなく 姉ちゃんに電話して聞いてみた。進「姉ちゃん 匡央兄さんと・・・ 」「喧嘩でもした? 」率直に聞こうとしたんだ。 でも 俺が言い終わらないうちにつ...

  • REPLACEMENT 56

    REPLACEMENT 56 ある朝 4人で朝食をとっているとつ「おはようございます。」雛「あら こんな朝早くからどうしたの? 」今は花沢に住んでいるはずのつくしが そこに現れた。 あまりにも突然のことで 一瞬立ち上がりかけた僕には誰も気が付いていない。僕や母さんだけじゃなく 父さんや進までもが 心配そうに一瞬つくしを見る。つ「すみません。 でも この時間でないと みんな家にいないんじゃないかって思って・・・...

  • REPLACEMENT 55

    REPLACEMENT 55匡央~ あの日・・・つくしや進たちと 永徳に行ったあの日から 僕はなんだか変だ。二人が通っていた高校へ一緒に行って 二人の思い出の場所へ行ったとき なんだか気持ちがざわざわしたんだ。僕の知らない彼女の思い出。ぼくの知らない二人の時間。そしてーーーーーー僕が経験出来なかった青の時代ーーーーーーその時のつくしは 僕には眩しくて。その時の類君は 僕には眩しくて。あの日から つくしを見ると...

  • REPLACEMENT 54

    REPLACEMENT 54道明寺達の名前を口にしたときの彼の切なそうな顔を あたしは一生忘れないだろう。匡「でも? 」類「いや なんでもない。 きっとさ あいつらも 感謝してると思うよ? つくしの一生懸命な姿に 心 動かされてさ。 あいつらから 魔法の言葉 聞いたことなかったのにさ。 」匡「魔法の言葉? 」類「うん 『ありがとう』と 『ごめんなさい』 つくしの口癖。特に司なんて それまで謝ったことなんて 一...

  • ご無沙汰してます

    こんにちわ。 Funnyです。 長いこと放置しててすみませんでした。コメントくださった方 どうもありがとうございます。 この場を借りましてお礼させていただきます。実は 更新が滞るまでは 何話かまとめて予約投稿してありました。そうこうしてるうちに 実はフルタイムのパートに変わりまして・・・なんだかんだで忙しかったり疲れてかけなかったりで 今に至ります ハイ ←言い訳ですね。最近やっと 身体も慣れてきてはいま...

  • REPLACEMENT 53

    REPLACEMENT 53校長先生に挨拶をして 卒業の手続きを取り 帰ろうとした時匡「そう言えば つくしの友達が言ってたんだけど 二人には 思い出の場所があるんだって? そこに行ってみたいな。 よかったら 案内してよ。 」つ「お兄様 なにを言って 」類「いいよ。 ね、つくし 久しぶりに一緒に行こうよ 」非常階段の扉を開けると 懐かしいような切ないような そんな気持ちになったあたし。匡「ここ・・・ なの? 」少...

  • REPLACEMENT 52

    REPLACEMENT 52進「姉ちゃん こっちー! 」空港には 進と匡央兄さんが迎えに来てくれていた。つ「お兄様! 」あたしは 驚いた。だってお兄様が自分の足で立っていたから。 今までは ほとんどの時間をベッドの上で生活してたし外に出るときは車椅子だったのに。つ「お兄様大丈夫ですか? 」匡「ああ ここの所すごく調子が良くてさ。やっと自分で外を歩けるようになったところさ 」つ「よかった元気になったんですね 」...

  • REPLACEMENT 51

    REPLACEMENT  51つ「なーんだ そういう事だったんだ。 よかった。 」マンションに戻ると そこにはお父様がいて リビングでお茶を飲みながら 話を聞いたあたしは ホッと胸を撫で下ろした。宗「まさか 君達があの記事を読んでたなんて知らなくてね。 心配かけて悪かったな 」つ「でも それなら連絡ぐらいくれてもよかったのに。 何度も連絡したのよ 」宗「すまないね。 私もさっき気が付いたんだ。 」つ「本当に...

  • REPLACEMENT 50

    REPLACEMENT 50一週間後 あたしたちはフランスに渡り 彼のマンションに一緒に住む事になったあたしはレストランに 類は花沢のフランス支社に通う行先は目と鼻の先だから 二人で一緒に家を出て 一緒に帰ってくるし お昼休みも 類が時間をずらしてくれたりあたしが時間をずらしたり いつも一緒に過ごしてた。毎日あたしがお弁当を作って 近くの公園や花沢の応接室で一緒に食べる。新しいお店も 改装準備で忙しいけど な...

  • REPLACEMENT 49

    REPLACEMENT 49類「でも 俺  大学が・・・ 」少し戸惑ったように言った類京「もちろんだよ。 ただね つくしちゃんも  将来のために大学は行っておいた方がいいんじゃないかな?英徳に復学したんだから 来年からは大学に行きながら仕事を続けるというのは・・・ 少し大変かもしれないが 無理かな? 私は 出来ればそうして欲しいと思っている。 君が嫌と言えば 無理強いはしない。類も復学したばかりだから ...

  • REPLACEMENT 48

    REPLACEMENT 48つ「なんだか家に帰るのが恥ずかしいな。 昨夜は類と一緒にいた事 みんな知ってるし 」類「大丈夫だって。 みんなそんなこと気にしないと思うよ 」つ「でも・・・ 」類「じゃあ ウチへ来る? 」つ「そんなわけには 」類「いかないだろ? 大丈夫だよ。 普通に入って行けば向こうも普通に接するから 」「ただいま 」と言いながら 邸に入っていくと お母様が雛「あらお帰りなさい。 類さん いらっし...

  • REPLACEMENT 47

    REPLACEMENT 47目が覚めて隣を見ると彼女はいない。 なんでだよ。 俺一人残していかないでよね! そう思いながら 今度はそこにぬくもりが残っていないのを確認すると 仕方なくシャツを羽織ってベッドルームから出た。昨日と同じ服をしっかりと来た彼女は ルームサービスを頼んだのか 新しいハーブティーを飲みながら 眼下に広がる景色を眺めてた。つ「類 おはよう 」類「おはようじゃないだろ? なんで俺一人残して...

  • REPLACEMENT 46

    REPLACEMENT 46部屋に入りシャワーを浴びたあたし。 鏡に映る自分の後ろ姿を見て 悲しくなる。右の肩甲骨の辺りから広がるそれは 脇腹からお尻の辺りまで ほぼ背中の右半分を覆いつくしている。あたしは 以前ドレスを作った時のことを思い出した。採寸のためにドレスルームに入り あたしの後ろに回った女性は 「ひっ! 」という短い悲鳴とともに目を背けた。その後もメジャーを持つ手が震えているのがあたしにも伝わって...

  • REPLACEMENT 45

    REPLACEMENT 45帰り際 類が 類「ねえ 今から二人でデートしようよ 」あたしに声をかけると宗「そうだな。 私たちは邸に帰ることにするから 花沢さんがよければ 二人で出かけるといい。」紗「いいんじゃない? あれからまだゆっくりお話もしてないんでしょう?今までの事 これからの事 二人でたくさん話すといいわ。 」類のお母様は ニコッと笑うと紗「類 今日は門限を決めることにするから それ以降は家に入れない...

  • REPLACEMENT 44

    REPLACEMENT 44お見合い当日パステルピンクのドレスに身を包んだあたしは さやかさんのあのネックレスを身に着け 家を出た。車に乗り込み その場所へ向かう途中 ふと思う。そう言えばお見合いの相手って誰なんだろう。類とお見合いしてって 前にお母様が言ってたけど あの話はあのままうやむやになってしまっている。相手が類じゃなかったらどうしたらいいんだろう・・・ この時になってあたしは初めて不安になった。お見...

  • REPLACEMENT 43

    REPLACEMENT 43あたしと進が 正式に森沢の養子になる少し前 ママもパパの所に旅立った旅立ちの前日 自発呼吸ができなくなり 危篤状態に陥った と病院から連絡を受け あたしたちは急いで病院へ駆けつけた。マスクをつけられ モニターには今の状態が映し出されている。カっと目を見開き 苦しそうにしてる顔を見て あたしは初めて涙が出た。「ママ 大丈夫? 」そう声をかけたけど ママはそのまま苦しそうに呼吸を繰り返...

  • REPLACEMENT 42

    REPLACEMENT 42類「だからあんなことを 」桜「なんですの? 」類「いや 別に・・・ 」類は話すのを少しためらっていたけど 桜子に詰め寄られ類「内緒にしてくれって 言われたんだけど 」そう言った後 しぶしぶといった感じで話し始めた類「一昨日 進から連絡が来て 会えないかと言われて 俺はおそらくつくしの事だろうと思ったから 今すぐに会おうと言ったんだ。 でも実際に会って話をすると 自分に語学を教えてく...

  • REPLACEMEN 41

    REPLACEMEN 41つくし~みんなが泣いてる。誰も怒りはしなかったけど こんなに心配かけてたんだと思うと あたしの胸は苦しくなった。類はどうしてなのか ずっと優しくほほ笑んでて あたしを見つめながら その唇が 「よかったね 」って動いたように見えた。雛「皆さん お話は済んだかしら 」いきなりお母様が 顔をのぞかせた。つ「え!! 」あたしは凄く驚いた。 お母様と一緒に 車いすに乗ったお兄様が 突然現れたか...

  • REPLACEMENT 40

    REPLACEMENT 40つくし~どんな姿でパーティーに出るか あたしはすごく迷った。でもあたしはあたしらしく そう考えて 前日に一人で買い物に行った。 そう これが本当のあたしの姿なんだ。奇麗なドレスも 輝く宝石も あたしには不釣り合いなものだった。その日 あたしは朝から落ち着かなかった。どういうふうに話したらいいのか 何から話せばいいのか 美作さんは みんな喜んでくれるって言ってたけど 記憶が戻って随分...

  • REPLACEMENT 39

    REPLACEMENT 39お父様の提案で パーティーを開くことになった。 招待客は あたしの友人だけ。 名目は あたしの全快祝い。そこで あたしは牧野つくしですべて思い出したことを みんなに言う事に決めた。総「は? 今さら全快祝いって・・・ 」つ「ええ 本来ならもっと早くに開くべきでしたが いろいろと忙しくて お兄様も快方に向かっているので お父様が そうおっしゃってくださって 」類「さやかのパーティーなら...

  • REPLACEMENT 38

    REPLACEMENT 38宗「匡央 具合はどうだ? 」匡「父さん。 来てくれたんだ。 順調だよ。 昨日から 食事もできるようになったんだ。まだ全量とはいかないけどさ。 」宗「そうか それはよかった 」匡「ドナーになってくれた人に感謝してる。 本当のこと言うと諦めかけてたんだ。 ただ 父さんと母さんのことが心残りだった。 さやかのことだって・・・ 」宗「そのことで 話がある。いいかな? 」匡「話って? 」宗「...

  • REPLACEMENT 37

    REPLACEMENT 37何日かして パパが天へ召された。 事件から意識が戻らないまま ひと月以上が経っていた。進が喪主となって 全て済ませたけど すごく寂しい葬儀だった。参列したのは あたしと森沢の両親だけ。 親戚も誰も来なかった。進「姉ちゃんの時は すごく大勢の人が来たのにな・・・ 」進がぽつりと言った。ママは未だに病院のベッドの上で そのことを伝えても 何も反応しなかった。あの時の 鬼のような形相からは...

  • REPLACEMENT 36

    REPLACEMENT 36進~あの事故の時 大きな衝撃の後 誰かが俺の手を引っ張って 外に出たんだ。 多分 バスの非常口だったと思う。 その後 パパとママも 同じところから出てきた。自力でね。外からバスを見ると 丁度姉ちゃんの座ってた辺りがペチャンコになってるように見えた。ママは 姉ちゃんの名前を一生懸命呼んでて パパはその場に座り込んで ボー然としてた。すぐにバスの前の方から ドンという音がして 一瞬で炎が...

  • REPLACEMENT 35

    REPLACEMENT 35進は少し時間が欲しいと言った。宗「もちろんだとも。 心の整理をつける時間も必要だろう 」進「はい。 では 失礼します 」進が立ち上がろうとすると 宗「あのマンションに帰るのは辛いだろう 」進「ええ でも今は病院から学校に行ってますから 大丈夫です。 」宗「どうだろう 君さえよければ 家に来ないか? いや ずっと住めと言ってるわけじゃない。 帰りたくなれば帰ればいい。姉さんとの積もる話...

  • REPLACEMENT 34

    REPLACEMENT 34少し前から お母様は あたしがさやかさんではないかもしれないと思っていたそうだ。さやかさんは卵が苦手だったから。それがあの日 そう桜子たちにあたしが本当のことを告げた日あの家で 初めてあたしは卵焼きを作った。 前は卵を触るのも嫌がってたあたしが 嬉しそうに卵を焼いている姿を見て 変だと思ったと。実際 フランスのレストランにも卵料理はほとんどない。付け合わせである程度だ。そして病室で...

  • REPLACEMENT 33

    REPLACEMENT 33そして その次の日 眠れないまま 夜を明かしたあたしの耳に飛び込んできたニュース牧野の家が強盗に入られたと。お父様が調べたところによると 進は アルバイトで家にいなかったため 無事だったけど 二人は意識不明の重体。犯人は 同じマンションの同じフロアに住む住人で すぐに捕まった。 彼はこう言ったそうだ。「ビルを持っていると吹聴してたから 金があるかと思い泥棒に入った。」「鍵? かかっ...

  • REPLACEMENT 32

    REPLACEMENT 32何日かして たまたまお父様と帰りが別々になった日あたしは久しぶりに 歩いて帰ることにした。 だっていつも車で移動じゃ 足が訛っちゃう気がして。お父様は心配してたけど ほぼ定時のこの時間まだ外は明るくて 人通りも多い。つ「大丈夫よ お父様。 なるべく人通りの多い道を歩いていくから 」そう言って会社を出た。邸の近くまで来ると 門の前に立つ二つの影。 どこかで見覚えがある。なんとなく嫌な予...

  • REPLACEMENT 31

    REPLACEMENT 31つくし~桜子が気付いていたなんて・・・ううん 桜子だけじゃなく 美作さんまで 知っていたなんて。お父様 どうしよう・・・あたしは 本当のことを言っていいものかどうか 迷っていた。でも・・・・あ「牧野 おまえの記憶が戻ったのは あの非常階段に行ったときだろう? あの日 おまえは 類のことを『花沢類』と呼び 桜子のことを 『桜子』と呼んだんだ。それまではずっと 『類君』『桜子さん』だった...

  • REPLACEMENT 30

    REPLACEMENT 30桜子~さやかさんが 先輩だという確信を持った私は それを確認するための行動に出ることにした。先輩のご両親に対しての不安はあるものの 先輩のため 花沢さんのため いいえ 私達のためにも 本当のことが知りたい。もしも 誰にも知られたくない何かがあっても 私と美作さんだけなら 絶対に秘密は守れるはずです。場所は私の家。 他の人には知らせず 美作さんと先輩と私の3人にしたかった私は花沢さん...

  • REPLACEMENT 29

    REPLACEMENT 29邸に戻ると お父様が 部屋の前で待っていた。宗「今日 行くと聞いてたからね。 少し気になってしまって 」つ「気に留めてくださってありがとうございます 」言いながら 部屋に招き入れつ「お父様 ごめんなさい。 本当に申し訳ないと おも・・・ 」そこから先は 言葉にならなかった。両親のことが 悔しくて 悲しくて 進のことが 可哀そうで 辛くて ボロボロと泣くあたしの頭に手を置くと 宗「いい...

  • REPLACEMENT 28

    REPLACEMENT 28桜「さやかさん帰りましょう 」そう言って あたしの手を引いて 玄関を出ていこうとした桜子。 だけど ママのほうが一歩早くてマ「いかがかしら。 払っていただけるの? いただけないの? 」その鬼気迫る言い方に あたしはこの場を一瞬でも早く離れたくてつ「わかりました。 一度 父と相談してみます 」にっこり笑ってそう言うと お金がもらえると勘違いしたのかマ「そうですか。 それではお帰りくださ...

  • REPLACEMENT 27

    REPLACEMENT 27お父様に言われた通り 牧野の家に一度行ってみようと思った。ただ 一人で行くのは なんだかとても怖い。 森沢さやかのお面をかぶり続けることができるんだろうか。どうしようか迷った挙句 類について行ってもらおうと 連絡を入れた。 話をするとあいまいな返事が返ってくる。なんとなく電話の向こうで戸惑ってる様子が伺えて 「やっぱりいいよ 」そう言おうとした時類「何とかするから大丈夫。 俺が行けな...

  • REPLACEMENT 26

    REPLACEMENT 26------------------------------------------------------------------------すべてを思い出したので今回から 「さやか 」 ではなく 「つくし 」に名前が変わります。------------------------------------------------------------------------二日後 あたしは 森沢がよく利用する料亭の離れで お父様を待っていた。時間より30分ほど遅れて来たお父様は 宗「一時間ほど ふたりにしてくれないか 」そう言...

  • REPLACEMENT 25

    REPLACEMENT 25あたしは すべてを思い出したことをお父様に告げることを決めた。トントン ノックをすると 「どうぞ 」の返事が返ってくる。さ「お父様 お話があります 」あたしの表情を見て なにか気が付いたようで 宗「今から 出なきゃならない。 今日は雛子の代わりに匡央に付き添うんだろう? 明日の夜 二人で食事でもしながらでいいかな? 店は おまえに任せるから 個室があるところを予約しておきなさい。 ...

  • REPLACEMENT 24

    REPLACEMENT 24類~家に帰りたくないという進に類「進 おまえは 両親が犯罪者になってもいいの? 多分 つくしが庇ったのは お金持ちの家だよ。 普通はさ いきなり行っても そんなに出せないだろう?でも お金持ちの家だって そんなに簡単には出さないと思うんだ。だからもしかしたら相当ごねて 半分強請りみたいなことしたんじゃないかって思う。でもね 一度は出してもきっと二度目はない。 通報されて逮捕される可能...

  • REPLACEMENT 23

    REPLACEMENT 233人で一緒に 近くの喫茶店で話をすることにした。類「進 何があったのさ。 なんで牧野は お墓どころか仏壇までないんだよ。 」何も言わないでだた下を向いてる弟類「進! 何とか言えよ!! 」静かな店に 類の怒声が響き渡る。 その声に 肩を震わせ 進「あ・・ 」何か言いかけ また口を閉ざす弟テーブルの一点を見つめ そのままじっと動かない俺は 立ち上がろうとした類を 手で制しあ「大丈夫だから...

  • REPLACEMENT 22

    REPLACEMENT 22案外あっさり牧野の家族の引っ越し先は見つかった。それは 昔住んでいたアパートから 車で20分ほどの場所。高層マンションの13階に 家族3人で住んでいた。あ「へえー すごいな。 本当に ここなのかよ 」場所や規模から言っても おそらく 1億近くはするんじゃないかと思われるほどの 豪華なマンション。 あの頃の牧野の生活からは 想像もできない。 本当に ここに あの家族が住んでいるんだろうか。...

  • REPLACEMENT 21

    REPLACEMENT 21類に連絡を取ってみたが 類も知らないといった。類「賠償金で 家を買うとか何とか言ってたけど・・・ 引っ越したみたいだから 家 買ったのかもしれないな 」とりあえず 前に彼女が住んでいたアパートの前で待ち合わせをして そこから足取りをたどることにした。類「でも どうして今更牧野の家族なの? 」不思議そうに聞く類に あ「なんとなくだよ。 あれから3年以上たっただろう? 牧野の墓参りに行き...

  • Happy Time 67

    Happy Time 67つ「悠理 こんにちわ。 昨日出した宿題できてる? 」悠「うん。ほら これ 」つくしは 差し出されたノートを見てつ「すごいね。 ほとんど正解じゃない。 うーん やっぱり ちょっと弱いのはここなんだ 」そう言いながら 参考書を開こうとした時悠「ね、つくし 類君と結婚したんだよね? 」つ「う、うん まあ・・・ 」照れてるのか 真っ赤な顔して 中途半端な返事をしたつくし悠「でさ あたいお祝い...

  • REPLACEMENT 20

    REPLACEMENT 20桜子~今日のさやかさんのことが気になって 私は美作さんに相談したいと電話をかけた。美作さんもそれに気が付いたようで 迎えをよこしてくれた。美作邸に着くと 地下のバーに案内され彼が入れてくれた紅茶を飲みながら 話し始めた。桜「さやかさん 私の事 桜子と言ってました。 今までは 桜子さんだったのに・・・ 」あ「ああ 俺にも聞こえたぜ。 多分 あの場にいた全員がそれは聞いてると思う 」桜「...

  • Happy Time 66

    Happy Time 66魅録~次の日 まだあいつらが来る前 いつものように清四郎PCを開けて 何かを探してた。清「ああ これですね。『エバン』。 確かに人気のようですね。あれ? ここ日本人のデザイナーもいますね。 SIZUKA.T この女性 どこかで見たことある気がします。」美「すごくきれいな女性だね。 まっ僕の美貌には敵わないけど。」悠「ナニナニ 清四郎何やってんの? 」清「何でもないです。ちょっと本を探してまし...

  • Happy Time 65

    Happy Time 65日本に帰ってきて普段の生活に戻ると つくしと二人でまた剣菱邸へ行く日々が始まった。ただ 前と違うのは もうつくしは牧野ではなく 花沢だという事と 左手の薬指には 誓いのリングが輝いていることだ。それにいち早く気が付いたのは 松竹梅。魅「あれ? つくしこれって 」つ「あっ いっけない 外すの忘れてた 」類「は? 外すってナニ これは絶対に外しちゃダメって言ったろ。 」魅「なんのことだ?...

  • REPLACEMENT 19

    REPLACEMENT 19その時は 突然やってきた。いつものように 類君が家に遊びに来て類「さやかさん 俺 明日から大学に行くんだ。よかったら 俺の行ってる大学 来てみる? 」なんとなく そう 本当になんとなくなんだけど あたしは あまり気が進まなかった。でも あたしに優しく微笑みかける類君が すごく素敵で まるで天使の微笑みだよね なんて見惚れながら 思わず頷いてしまっていた。そのまま類君に腕を引かれ あた...

  • REPLACEMENT 18

    REPLACEMENT 18さ「なんだかね あの事故のせいでって思うと 申し訳ない気分でいっぱいなの 」滋「どうして? だってさやかが悪いわけじゃないじゃん 」桜「そうですよ さやかさんが悪いわけじゃないです。さやかさんだって あの事故の被害者なんですから 」でも・・・ あたしには まだ二人に話していないことがある。 あたしが森沢さやかではない事。ただ 今は自分がどこの誰なのかがわからない。 お父様との約束で ...

  • Happy Time 64

    Happy Time 64ホテルに戻り 母さんに ヴィース教会でプロポーズしたこと お互いの指に リングをはめたことを報告すると紗「そう よかったわね。 じゃあ早速 お父様にも 知らせなくちゃ。式はいつがいいかしら。 そうそう つくしちゃんのご家族にも知らせなきゃね 」言いながらいそいそと準備を始めた。フランスにいた父さんは その場でスケジュールを調整して 次の日の朝早く ホテルに到着した。3人で話をした結果...

  • REPLACEMENT 17

    REPLACEMENT 17お父様と話をして約一月後 あたしは 未だに あの時お父様とした約束通り 森沢さやかとして生きている。宗『君は 今でも 過去の記憶がない。 記憶を完全に取り戻すまでは 今まで通り 私たちの娘でいてほしい。 婚約の件は いったん白紙に戻すことにしよう。雛子のためにも 君のためにも それがいちばんいい方法だと思う 』懇願され 今のままじゃだめだと思いつつも 頷くことしかできなかった。そん...

  • Happy Time 63

    Happy Time 63フュッセンの街は のどかな田園地帯で 景観もよくドイツでは観光名所として知られている。町の中心部にある建物は パステルカラーで メルヘンチック。 女の子が喜びそうな街並みだ。そこで 少し早いランチをして 観光に向かう。ここには アルプ湖という湖があって そこの水がすごくきれいなんだ。その近くに ノイシュヴァンシュタイン城がある。 つ「ねえ 沈んでる落ち葉まで見えるよ。 湖に山が映って...

  • REPLACEMENT 16

    REPLACEMENT 16オープンから半年この頃になると あたしは自分が森沢さやかではないことを確信してた。まだ顔や名前は分からないけれど 記憶は確実に戻りつつある。小さなアパート アルバイト いじっめにあってたこと自分の住む世界とは違った はなやかな世界に身を投じたこと公園 ブランコ ファミレスあたしの持ってる記憶は さやかとはかけ離れすぎていて 可愛がってくれる両親に対して 申し訳ないという気持ちと 本...

  • Happy Time 62

    Happy Time 62結婚式の後 新婚旅行へ向かう写真を撮ると 今日のノルマは終わり。明後日から ハワイを皮切りに 世界8か国での撮影に行く。 花沢のジェットで行くから あいつらは邪魔できないし 20日間の予定だから いくら何でも全部の行程にあいつらが来ることはないよね? 何日間かは 二人っきりになれるはず。 そうだ 撮影に合間に どこ行くか考えなくちゃ。それが甘い考えだったというのは 俺は後で知ること...

  • REPLACEMENT 15

    REPLACEMENT 15「自由の女神 息できるんだ よかった 」 「なんとなくしたくなったから・・・ 」「今度は 俺が支えるから 」 「おめでとう よかったじゃん 」「・・・って 雑草よね。雑草ってつおい植物よね 」 「ねえ ママ本当? 本当に当たったの? 」「あたしが就職したら また連れてってあげるよ。 」キキ――――!! ガッチャン ドッカーン!!! 「これ・・・ お母様に・・・ 」なに? これは ペン...

  • Happy Time 61

    Happy Time 61ショー当日 つ「大丈夫かな。 ドキドキしてきた。 」類「大丈夫♪ 何度も練習したじゃん。それに 俺が一緒だもん。 もしつくしがドジしても 俺がフォローするからさ 」みんな 幸せそうに腕を組んでランウエイを歩いてる。 中には 顔を見合わせ ほほ笑み合ったり キスをするカップルまで。まあ自由にって言ってたから そんなこともできるんだけどね。手拍子が鳴ったり 時々 「うわー!! 」っていう...

  • REPLACEMENT 14

    REPLACEMENT 14あきら~2泊3日の 強行スケジュールで日本に戻って調べたことを伝えるため 俺は 桜子の泊まるホテルへと向かう。しかし その足取りは 重い。それは 桜子が 彼女が牧野ではないかと感じたことを すべてクリアにするものだったから・・・。 桜「それでは・・・ 」あ「ああ 彼女はそれまで幼稚舎から通ってた「聖プレジレント」から 両親の反対を押し切って 森栄学園高校に入学したんだ。 ここの調理...

  • Happy Time 60

    Happy Time 60紗「つくしちゃん 今度うちで ブライダルのショーがあるんだけど 出てみる気はない? 」ある日 食事中 いきなり母さんが言った。つ「ブライダルのショーって 」紗「うーん 簡単に言えば ファッションショーみたいなものだけど それだけじゃなくて 結婚に関するトータルコーディネート的なもの って言ったらいいのかしら。式の前のエステから 挙式 披露宴、新婚旅行まで すべてのコーディネートなの...

  • REPLACEMENT 13

    REPLACEMENT 13~さやか~ あー疲れた。レストランオープン初日 部屋に戻ると そのままベッドにダイブしたあたし。ゴロンと横になると 今日一日の反省点をまとめる。もう少し テーブルの位置を変えたほうがいいとか お皿の置き方だとか 店内の様子をうかがいながらとったメモを読みながら なにげなく窓のほうを見た。桜子さんたちが来てくれたことは知ってたけど 厨房もホールも大忙しで 顔を出すことができなかった。...

  • Happy Time 59

    Happy Time 59類「ねえつくし つくしは 俺と二人っきりになるのは イヤなの? 」何気なく口から出た言葉つ「え? そんなことあるわけないじゃない。 今だって こうして一緒にいるじゃない。 」けらけら笑いながら言うけど 俺が言いたいのは 二人の甘い時間ってことなんだよ。あの香港の別荘以来 また清い関係に逆戻りだし 最近キスだってしてないんだ。せめて 一日に1回 いや 2.3回・・・ できればもっとしたい。...

  • REPLACEMENT 12

    REPLACEMENT 12結局 さやかさんは 忙しくて来られなかった 滋「もっとここにいる~。 さやかに会いたいし~ 」と駄々をこねる滋さんを宥めすかし 何とかお店を出ると ちょうど花沢さんが車を降りるところだった。あ「類 来たのかよ。 お前が来るなら もう少し中で待ってたのにな 」類「ううん ちょっと寄ってみただけ。 でも凄いな。 もうランチタイム 終わったはずなのに 」そう 先程ではないにしろ まだまだ外...

  • Happy Time 58

    Happy Time 58教えるほうがうまいのか 教えられるほうが努力したのかは わからないけど 勉強の成果は 確実に上がっていて 夏休みに入るころには すべての教科で高校2年生レベルまで上がっていた。約束は 高校卒業レベルだから あと少しの辛抱だ。悠「あたい ほんとは天才なのかもしれないよな。 」嬉しそうに言う剣菱に 腹が立つ。類「教えるほうがうまいんだろ。 」全く面白くない俺は 突き放すように言ってやる。...

  • REPLACEMENT 11

    REPLACEMENT 11待ち合わせの場所に着くと 美作さん一人滋「あれ? 類君は? 」あ「ああ なんだか仕事の都合で無理らしい。 時間が取れるようなら後で合流するそうだ。居場所だけ 連絡くれって言ってたぜ 」そうですか。 それは好都合ですわ。 花沢さんがいたら 美作さんに相談することは不可能。桜「では行きましょう。 結構すごいことになってるみたいですし。 予約は入れておきましたから 入ることはできると思いま...

  • REPLACEMENT 10

    REPLACEMENT 10桜子~私達は さやかさんを 家まで運ぶと ベッドに寝かせた。さやかさんは 額に汗を浮かべて すごく苦しそうで・・・。知らせを受けて 彼女の両親も帰宅し 雛「これはどういう事ですの!! この子は体調がよくないのに 表に連れ出すなんて!!!何を考えていらっしゃるんです!!!! 」 ヒステリックに叫ぶおば様その声で目が覚めたのかさ「おかあさ・・・ 」小さな声を出した さやかさん。その言葉に...

  • REPLACEMENT 9

    REPLACEMENT 9最近 準備におわれていたからか 久しぶりに外に出たような気がする。初夏のパリは気候も良くて あたしは思いっきり深呼吸をした。体の隅々の細胞まで活性化させてくれるようで。記憶がないことも 声が出ないことも 今の私には些末なことに思えた。町は活気にあふれ そこかしこから音楽が流れ 絵をかいてる人 観光客なのかあちらこちらで写真を撮り ショッピングを楽しんでる人も多い。そんな人たちの間を ...

  • REPLACEMENT 8

    REPLACEMENT 8「せんぱーい 」 「つくしー 」 遠くで声がする。 誰を呼んでるの? あたしの名前は 森沢さやか なんだけど なんとなく懐かしい気がするのはなぜ?目が覚めると そこはあたしの部屋。 心配そうにあたしの顔を覗き込むのは お父様 お母様 そして・・・滋「よかった 目が覚めて。 いきなり頭を抱えて気絶しちゃうから 心配したんだよ 」「ごめんね 」そう言いたいんだけど 声が出ない 一生懸命 ...

  • REPLACEMENT 7

    REPLACEMENT 73日後 レストランのオープン記念のパーティーが 森沢系列の 『HOTEL Linden』で成大に開かれた。壇上で 華やかなドレスに身を包み 挨拶をする彼女を見て 類『やっぱり 俺の思い過ごしだよな。 彼女が牧野かもしれないなんて・・・ 』つぶやきながら 会場を後にした。さやか~なんだか 気分が優れない。 挨拶も終わったし いいよね。お父様もお母様も たくさんの人に囲まれニコニコと談笑してるし あた...

  • REPLACEMENT 6

    REPLACEMENT 6その日は 珍しく 俺の親友も全員フランスに来てて どうせなら一緒に食事でもしないか という話になった。待ち合わせのレストランに着くと滋「類くーん こっちだよ 」大河原が大きく手を振っていた。司 あきら 総二郎 それに大河原に 三条。 俺はあきらの隣に座ると 類「司 おめでとう。 婚約したんだって? 」司と大河原の指には おそろいのリング。 きらきらとまぶしいほどの大河原の笑み 司は...

  • REPLACEMENT 5

    REPLACEMENT 5 そう 俺はあれから暫くの間 何もする気になれず 食事もとらずに 何日も部屋の中で蹲っていた。 そしてある日 立ち上がることもできなくなってしまい 無理やり入院させられた。やっと歩けるようになった頃 大河原と三条に言われた。桜「花沢さん 今のままだと死んでしまいます。 もっと自分を大切にしてください 」滋「そうだよ。 つくしがいなくなって 寂しいのはわかるけど 今の類君の状態見たら ...

  • REPLACEMENT 4

    REPLACEMENT 4彼女は パリにある 森沢グループ直営のホテルに泊まっていた。♪~ 呼び鈴を鳴らすとガチャ 鍵を開け 俺を部屋に招き入れてくれた。類「さすがだよね。 スイートに一人だなんて 」さ「何言ってんのよ。これはあたしのものじゃないわ。 両親のもの。あたしは 何も持ってないのよ。 所詮 親の庇護の下 自分で稼いだお金で生活したこともない ただのつまんない人間。井の中の蛙 お山の大将なのよ。 いい年...

  • REPLACEMENT 3

    REPLACEMENT 3雛「さやか 本当に一人で大丈夫? 」さ「大丈夫よ お母様。 」あたしは 今日 パリに新しくオープンするレストランの下見に行くため渡仏する。あの事故以来 お母様はあたしにべったりくっついて 離れようとしなかった。あれから2年以上も経ったのに 過保護にもほどがある。今回は お父様が説得してくれて やっとあたし一人でパリに行けることになった。搭乗手続きを終え 決められたシートに座ろうと 先...

  • Happy Time 57

    Happy Time 57結局 断れるはずもなく あきらと総二郎 そして道明寺のタマさんまでも 毎週日曜にここに来る事が決まった。あの司の母親も 剣菱の母親には 迫力で負けたらしい。椿さんは ビビッて涙を流したって司が言ってた。ただ あきらん家の母親とは妙に気が合ったらしく 勉強部屋を二人で飾りつけしたって あきらがこぼしてた。まあ 夢子さんぐらいだろうな。 あの母親と対抗できるのは。実は ああ見えて おこる...

  • Happy Time 56

    Happy Time 56部屋に通されると そこには 有閑倶楽部の面々が勢ぞろい。清「こんにちわ。 牧野さん その節はどうも 」軽く頭を下げた菊正宗 魅「花沢 お前 オイタしちまったみたいだな。 あんだけいったのにさ 」ニヤニヤ笑ってる。類「オイタじゃないもん。 つーん。 」剣菱だけだと思ったら こいつらまでなんでいるんだよ。男がいるって事だけで 面白くない俺。類「何の用事? わざわざ呼び出すなんてさ 用があ...

  • REPLACEMENT 2

    REPLACEMENT 2死者重軽傷者35名 幸い 牧野の家族は命に別状はなかったが バスの前方にいた牧野は見るも無残な姿で・・・彼女の姿を見た母親は その場で意識を失ったそうだ。う・・うん・・・。ここは・・・「せ、先生!!! 」気が付くと そこは 真っ白な部屋。 あたしの身体には たくさんのチューブがつけられ・・・「よ、よかったー 気がついたのね。 」目の前には 涙を流す女性。 その隣には うっすらと涙を浮...

  • Happy Time 55

    Happy Time 55それからというもの あたしの生活は一変した。講義が終わった後 月木は 美作邸でダンスとマナーのレッスンと双子ちゃんの家庭教師火金は 西門で茶道と着付け水土は 道明寺で語学やなぎなた (類はこの間楓社長から 経営学の勉強)日曜は 花沢で フランス語やドイツ語もうクタクタで 目が回る 死にそうだよぉ~~~。なんて思ってたら ある日 剣菱からあたし宛に 招待状が届いた。剣菱は 花沢にとって...

  • Happy Time 54

    Happy Time 54次の日 朝早く目が覚めた俺 ・・・っていうか 嬉しくって眠れなかっただけなんだけどさ両親とともに 結納のために 彼女の両親の住む町へ向かった。 彼女の両親の住む場所 長野県安曇野市。南アルプスと北アルプスに囲まれた 風光明媚な観光地。インターを降りしばらく走ると 周りは田んぼや畑ばかりになって 建物もまばらになってきた。さっきまで遠くに見えてた高い山に どんどん近づいて行く。広かった道...

  • REPLACEMENT 1

    REPLACEMENT 1つ「え~!! ねえ ママ本当? 本当に当たったの? 」マ「そりゃあもう あたしもびっくりしたわよ。 いきなり鐘がなってね。 こうやって カランカランって 」小躍りしながら 腕を振るママ。パ「すごい!! ママ すごい!!! 」進「やったー!! ハワイだ!! 」商店街の福引で ハワイ旅行が当たった。 家族4人でハワイに行けるなんて夢みたい。あ「牧野 良かったな。」総「まあ せいぜい楽しん...

  • Happy Time 53

    Happy Time 53京&紗枝京「あの時のみんなの顔見たかい? 慎はともかく 覚と龍一郎。くっく 目を丸くして 口をあんぐり開けて。 まさにハトが豆鉄砲食らったような顔だったな。紗「ええ。もう私 楓さんがあんなに取り乱したの初めて見ましたわ。 くすくすっ 真っ赤な顔して まるで小学生のように手を挙げてと思ったら・・・ ぶっ もうだめです あははは おかしくておかしくて 」テーブルを バンバン叩きながら 大笑...

  • Happy Time 52

    Happy Time 52こんなに大勢の前で言うのは 思いっきり恥ずかしい。 でも・・・さっきの言葉が 頭の中によみがえる。 『類はあなたのこと 本当に大好きだから 後はあなたの気持ちだけなの 』つ「はい。 愛してるのかどうかっていうのは まだよくわかりません。でも 類さんのことが 好き・・・ 大好きです。 はっきり言って 結婚とかそういうことは まだ自分でもよくわかってないのが本当です。でも今は ずっと一緒に...

  • Happy Time 51

    Happy Time 51そこには 道明寺夫妻( 覚・楓 ) 美作夫妻( 慎吾・夢子 ) 西門夫妻 ( 龍一郎・梓 )みんなニコニコしながらつくしを見てる。 紗「皆さんがね あなたにお話があるからとおっしゃるので 来ていただいたの。花沢としても あなたのことちゃんと紹介したいと思って 」紗枝の言葉に はっとしたように 道明寺覚覚「それはどういうことですか? 」花沢京は 満面の笑みを浮かべながら京「ええ こちら...

  • Happy Time 50

    Happy Time 50類~ 母さんは 挨拶だけって言ったけど 部屋に入ってから もうずいぶん時間が経ってる。一体何やってるんだろう。まさか 親の留守の間にここに泊まってたこと 叱られてるんじゃないよな。ちえだって 父さんも承知したことって言ってたし‥‥回想~ここにつくしを連れてきた夜 ち「坊ちゃま つくし様は とても素晴らしいお嬢様ですね。 使用人 一人一人に声をかけておいででしたよ。 みんな牧野様の事 気...

  • Happy Time 49

    Happy Time 49コンコン 紗「あなた 少しよろしいかしら。 つくしちゃんが ご挨拶したいそうなの 」「どうぞ 」 と返事があり あたしは おばさまと部屋に入った京「初めまして 類の父親の 花沢京です 」いきなり握手を求められ 反射的にその手を握ると つ「初めまして 牧野つくしです。 あの・・・ お留守の間に お世話になってしまって 申し訳ありません 」頭を下げながら言う。京「いやいや そんなこと お気...

  • Happy Time 48

    Happy Time 48結局 一日遅れで帰ってきたみんなと そのまま飛行機に乗って 帰国することになった。剣菱は 「もっとゆっくり遊びたい 」って言ったけど 総「俺 来週茶会あんだわ。 今回亭主やんなきゃなんねえから 準備しなきゃならねえんだ。 」野「あら そうでしたわ。 私 そのお茶席で 西門様の半東を任されておりました。すっかり忘れてました。 悠理 私 帰りますわ 」清「そうですね。 もうすぐ大学も試験...

  • Happy time 47

    Happy time 47   食事を終えると シャワーを浴びたいというつくし 類「一緒に入ろうか? 」 そんな俺の言葉に 真っ赤になって つ「ば、バカ! なに言ってるのよ 一緒になんて・・・ 一緒になんて 入るわけないでしょ!! 」 そんな彼女を 後ろから抱きしめながら  類「いいじゃん もうしたんだし。 いまさら恥ずかしがる事ない・・っ 」途端に 俺の鳩尾に 彼女の肘鉄が入った...

  • Happy time 46

    Happy time 46   ~類~ 牧野 痛くなくってあたりまえなのに だって まだしてないんだからさ 俺達。 でもね 昨夜 目を覚まさなかった罰だよ あれだけたくさんの印つけたのに 隣でぐうぐう寝ちゃっててさ 寂しかったんだ 俺。 寝顔 すごくかわいかったけど  でも 牧野が早とちりでよかった♪ これが初めてって知ったら どんな反応するんだろう くっくっく おかし...

  • Happy time 45

    Happy time 45  *注 今日の類君は 鬼畜ですえ~~?? って方は 回れ右してください--------------------------------------------- ~類~ 何度呼んでも頬を軽く叩いても 目を覚まさない彼女  仕方なく 昨日のようにお姫様抱っこして 部屋に運んだ。 昨日と違うのは 今日はお互い裸だってことだけ    ベッドにおろすと 冷たい水を 口移しで飲ませる。 「・・・ぅ・・う...

  • Happy time 44

    Happy time 44 ※ 注意今回 少し(?)変態気味な 類君です そういうのが イヤ!って方は 回れ右することを おススメします ----------------------------------------------------------------------------------- ~類~ 彼女が 脱衣場に入るのを見届けた後  う~~ん まだ早すぎるよね。いきなり入ってったらびっくりするだろうし そのまま出てきちゃうかも知れない・・・・  暫...

  • Happy time 43

    Happy time 43 広~~い別荘に たった二人残されたあたし達。なんだかドキドキして 花沢類の顔がまともに見られない。 そりゃ 今までだって 二人っきりになったことはあったけど それは部屋のなかだけ ってことで、 花沢邸には 他の人が沢山いた でも 今夜から こ~~んな広い邸に二人っきりって・・・・どうしよう・・・ どうしたらいい?  あ”~~!! わかんない!!!   類「牧野? 」...

  • Happy time 42

    Happy time 42   次の日  菊正宗の薬が効いたのか すっきりした顔で起きてきた牧野 類「牧野 頭痛くない? 」 つ「ん? 大丈夫 なんともない。 でも なんであたし ベッドで寝てたんだろ。 みんなと一緒にご飯食べてたはずなのに・・・ 」 不思議そうな顔して俺を見てる牧野に ひと安心。 本当の事は 言わないほうがいいよね。 類「ん。 牧野 途中で寝ちゃったから 俺がこ...

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