「旅行+知恵=人生のときめき」をテーマに世界各地のあらゆる旅行を企画し、実践してきた旅行のプロ「日本遺産・世界遺産ナビゲーター」講師による「旅行から人生が変わる」旅の体験談です。
世に格安ツアーを求める人は多いのですが、旅先での出会いを大切にし、学びや気付きを増やす方法を知って想い出に残る旅をすれば、それが究極の格安ツアーになるのです。 すなわち、旅行を価値あるものにするには、積極的に出会いを求め、知恵を身につけ、ときめきを増やすことです。 「芭蕉さんの旅講座」では「旅行+知恵=人生のときめき」をテーマに世界各地を巡った旅行のプロが自らの体験を語っています。
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「塩の町」赤穂の隠れた名所「有年(うね)の古代遺跡群」赤穂市の日本遺産「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」の写真展を見学した後、かねてより関心のあった古代遺跡の宝庫「有年(うね)地区」を訪ねてきました。今年は兎年ということもあり、まずは兎にゆかりのある神社に参拝してきました。それは小池百合子東京都知事のお母様の実家「小川邸」ゆかりの赤穂市有年(うね)に鎮座する有年八幡(うねはちまん)神社です。有年(うね)地区は、ほとんどが山林ですが、千種川を挟ん
交易によって栄華を誇ったタイのアユタヤ王朝 日本人 山田長政が活躍した「平和の都」アユタヤアユタヤは、バンコクから車で約2時間、およそ80km北に位置する古都で、現在は、当時の遺跡が歴史公園として保存され、世界遺産にも登録されています。バンコクから気軽に訪ねることができ、日中は象に乗って遺跡を見学できるほか、夜には遺跡が美しくライトアップされるので観光客に人気のスポットです。アユタヤ遺跡群は、チャオプラヤー川とその支流であるパーサック川
神田祭で知られる縁結び・商売繁昌・除災厄除け・勝負ごとの神田神社昭和56年、私が近畿日本ツーリストに入社した当時、本社は秋葉原に近い神田にあったので、本社を訪ねた帰りには、私はしばしば神田神社(神田明神)へ参拝していました。私は三重県の出身で、西宮在住であったため、伊勢の神宮や西宮神社(西宮えびす)と御縁のある神田明神には親しみを抱いていたのです。そもそも神田という場所は、伊勢神宮に納める農作物の御田(おみた)があった「神の田」であり、神田神社も古くは「神
日本遺産の地を旅する~「村上海賊」が活動した瀬戸内海の芸予諸島瀬戸内海は島が多く、潮流が速い海の難所愛媛県今治市と広島県尾道市の間に広がる芸予(げいよ)諸島は、風光明媚な瀬戸内海に位置し、サイクリストを魅了する「瀬戸内しまなみ海道」で有名ですが、戦国時代には「日本最大の海賊」と賞された村上海賊の拠点でもありました。村上海賊は、理不尽に船を襲って金品を奪う無法者のパイレーツとは異なり、掟に従って海の平和を守っていました。この村上海賊が育んだ日本固有の海の
日本遺産の地を旅する~鳥取県の三徳山三佛寺の投入堂と三朝温泉パワースポットを巡る「健康五浴」の旅鳥取県東伯郡三朝町の「三徳山・三朝温泉」は、平成27年に「六根清浄と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉~」として、文化庁の日本遺産第一号に選ばれました。物質的に豊かになった今日の令和の世では、人は精神的に病んで空虚さを味わっているようにも感じます。よって、最近ではその空虚さを埋めるとともに元気をいただく神社仏閣などの「パワースポット」を巡
日本遺産の地を旅する~大谷石文化が息づくまち宇都宮「大谷石」で文化を築いた宇都宮の魅力は餃子だけではありません宇都宮の中心街から北西約8㎞に位置する「石のまち」大谷は、2018年5月に「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮」というストーリーとして日本遺産に登録されました。 大谷資料館の巨大地下空間宇都宮と言えば、「餃子のまち」として知られていますが、これは宇都宮に置かれた陸軍第14師団の人たちによるものです。この宇都宮陸軍第14師団は、現在、私
日本遺産の地を旅する~戦国城下町・岐阜のおもてなし文化岐阜の自然景観を背景に行われた饗応「信長公のおもてなし」「ホスピタリティ」という言葉は日本語では「おもてなし」と訳されますが、厳密に言えば意味は少し異なります。ホスピタリティの語源は、異国から訪れた人を教会等の施設が保護したことから、客人を保護するといった異人歓待がベースとなっています。一方、「おもてなし」は諸説ありますが、聖徳太子が制定した憲法十七条の第1条「和を以て尊しと成す」の「以て、成す」というところから「
日本遺産の地を旅する~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」伊勢原市の大山は「石尊信仰」の霊地日本遺産のまち伊勢原にある大山は、神奈川県の西部、丹沢山地の東麓に位置しており、標高 1,252mで関東一円から山容を望むことができ、古くから山岳信仰の地として崇められています。大山は、山頂の石を神として敬う「石尊信仰」に仏教の「不動尊信仰」が加わった霊地で、4~5世紀には大陸から平塚や大磯に渡来した人々が、眼前の威厳ある大山を見て「アーブリ、アーブリ(我が祖先の霊
日本遺産の地を旅する~『珠玉と歩む物語』小松に生きる豊かな石の文化石川県小松市と言えば、建設機械メーカーのコマツ(株式会社小松製作所)の企業城下町で、歌舞伎の「勧進帳」の舞台となった安宅の関などを思い浮かべますが、碧玉や九谷焼などの石の資源を活用した豊かな石の文化も息づいており、平成28年、「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」というストーリーが日本遺産に認定されました。有名な1300年の歴史を持つ白山信仰の古刹「那谷寺(なたでら)
1200年の歴史をもつモロッコ文化の中心「世界一の迷宮都市」フェズ旧市街モロッコ最古のイスラム都市「フェズ旧市街」サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会では、強豪のドイツやスペインに逆転勝ちした日本代表も注目されましたが、私はモロッコの快進撃にわくわくしました。アフリカのモロッコはアフリカ勢初の決勝進出への期待を集め、モロッコのサポーターたちも、かつて植民地として支配したフランスを倒すことを願いました。しかし、連覇を狙う強豪フラン
日本遺産を旅する 「百景図」で知られる森鴎外の故郷、津和野を訪ねる 風光明媚な石見地域「山陰の小京都」津和野山陰本線を出雲市から浜田市、そして益田市に向かって走る列車の車窓に映る風景は素晴らしいの一語につきます。この石見地域一帯の海岸は山が海に押し出していて砂浜、奇岩、岬と風景は目まぐるしく展開します。しかし、益田平野に入ると風景は一変し、高津川畔から望む山々の色は日本海の景色とは違った穏やかな解放感を感じさせてくれます。益田市は柿本人麻呂と雪舟を偲ぶ
日本遺産を旅する 伊勢神宮の天照大神に仕えた皇女斎王のみやこ 平安時代へタイムスリップ 三重県明和町の「幻の宮」斎宮を訪ねる旅伊勢の神宮には何度もお参りしていても、神宮にゆかりのある「斎宮(さいくう)」を知っている人は少ないようです。「斎宮」は源氏物語にも登場し、約660年もの間続いた歴史があるものの、その実態はまだまだ謎が多く、また、斎王(さいおう)についてもあまり知られてはいません。斎王とは、その昔、天皇の代わりに神宮の神様に仕えるために選ばれた未
「塩の町」赤穂の隠れた名所「有年(うね)の古代遺跡群」赤穂市の日本遺産「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」の写真展を見学した後、かねてより関心のあった古代遺跡の宝庫「有年(うね)地区」を訪ねてきました。今年は兎年ということもあり、まずは兎にゆかりのある神社に参拝してきました。それは小池百合子東京都知事のお母様の実家「小川邸」ゆかりの赤穂市有年(うね)に鎮座する有年八幡(うねはちまん)神社です。有年(うね)地区は、ほとんどが山林ですが、千種川を挟ん
交易によって栄華を誇ったタイのアユタヤ王朝 日本人 山田長政が活躍した「平和の都」アユタヤアユタヤは、バンコクから車で約2時間、およそ80km北に位置する古都で、現在は、当時の遺跡が歴史公園として保存され、世界遺産にも登録されています。バンコクから気軽に訪ねることができ、日中は象に乗って遺跡を見学できるほか、夜には遺跡が美しくライトアップされるので観光客に人気のスポットです。アユタヤ遺跡群は、チャオプラヤー川とその支流であるパーサック川
神田祭で知られる縁結び・商売繁昌・除災厄除け・勝負ごとの神田神社昭和56年、私が近畿日本ツーリストに入社した当時、本社は秋葉原に近い神田にあったので、本社を訪ねた帰りには、私はしばしば神田神社(神田明神)へ参拝していました。私は三重県の出身で、西宮在住であったため、伊勢の神宮や西宮神社(西宮えびす)と御縁のある神田明神には親しみを抱いていたのです。そもそも神田という場所は、伊勢神宮に納める農作物の御田(おみた)があった「神の田」であり、神田神社も古くは「神
日本遺産の地を旅する~「村上海賊」が活動した瀬戸内海の芸予諸島瀬戸内海は島が多く、潮流が速い海の難所愛媛県今治市と広島県尾道市の間に広がる芸予(げいよ)諸島は、風光明媚な瀬戸内海に位置し、サイクリストを魅了する「瀬戸内しまなみ海道」で有名ですが、戦国時代には「日本最大の海賊」と賞された村上海賊の拠点でもありました。村上海賊は、理不尽に船を襲って金品を奪う無法者のパイレーツとは異なり、掟に従って海の平和を守っていました。この村上海賊が育んだ日本固有の海の
日本遺産の地を旅する~鳥取県の三徳山三佛寺の投入堂と三朝温泉パワースポットを巡る「健康五浴」の旅鳥取県東伯郡三朝町の「三徳山・三朝温泉」は、平成27年に「六根清浄と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉~」として、文化庁の日本遺産第一号に選ばれました。物質的に豊かになった今日の令和の世では、人は精神的に病んで空虚さを味わっているようにも感じます。よって、最近ではその空虚さを埋めるとともに元気をいただく神社仏閣などの「パワースポット」を巡
日本遺産の地を旅する~大谷石文化が息づくまち宇都宮「大谷石」で文化を築いた宇都宮の魅力は餃子だけではありません宇都宮の中心街から北西約8㎞に位置する「石のまち」大谷は、2018年5月に「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮」というストーリーとして日本遺産に登録されました。 大谷資料館の巨大地下空間宇都宮と言えば、「餃子のまち」として知られていますが、これは宇都宮に置かれた陸軍第14師団の人たちによるものです。この宇都宮陸軍第14師団は、現在、私
日本遺産の地を旅する~戦国城下町・岐阜のおもてなし文化岐阜の自然景観を背景に行われた饗応「信長公のおもてなし」「ホスピタリティ」という言葉は日本語では「おもてなし」と訳されますが、厳密に言えば意味は少し異なります。ホスピタリティの語源は、異国から訪れた人を教会等の施設が保護したことから、客人を保護するといった異人歓待がベースとなっています。一方、「おもてなし」は諸説ありますが、聖徳太子が制定した憲法十七条の第1条「和を以て尊しと成す」の「以て、成す」というところから「
日本遺産の地を旅する~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」伊勢原市の大山は「石尊信仰」の霊地日本遺産のまち伊勢原にある大山は、神奈川県の西部、丹沢山地の東麓に位置しており、標高 1,252mで関東一円から山容を望むことができ、古くから山岳信仰の地として崇められています。大山は、山頂の石を神として敬う「石尊信仰」に仏教の「不動尊信仰」が加わった霊地で、4~5世紀には大陸から平塚や大磯に渡来した人々が、眼前の威厳ある大山を見て「アーブリ、アーブリ(我が祖先の霊
日本遺産の地を旅する~『珠玉と歩む物語』小松に生きる豊かな石の文化石川県小松市と言えば、建設機械メーカーのコマツ(株式会社小松製作所)の企業城下町で、歌舞伎の「勧進帳」の舞台となった安宅の関などを思い浮かべますが、碧玉や九谷焼などの石の資源を活用した豊かな石の文化も息づいており、平成28年、「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」というストーリーが日本遺産に認定されました。有名な1300年の歴史を持つ白山信仰の古刹「那谷寺(なたでら)
1200年の歴史をもつモロッコ文化の中心「世界一の迷宮都市」フェズ旧市街モロッコ最古のイスラム都市「フェズ旧市街」サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会では、強豪のドイツやスペインに逆転勝ちした日本代表も注目されましたが、私はモロッコの快進撃にわくわくしました。アフリカのモロッコはアフリカ勢初の決勝進出への期待を集め、モロッコのサポーターたちも、かつて植民地として支配したフランスを倒すことを願いました。しかし、連覇を狙う強豪フラン
日本遺産を旅する 「百景図」で知られる森鴎外の故郷、津和野を訪ねる 風光明媚な石見地域「山陰の小京都」津和野山陰本線を出雲市から浜田市、そして益田市に向かって走る列車の車窓に映る風景は素晴らしいの一語につきます。この石見地域一帯の海岸は山が海に押し出していて砂浜、奇岩、岬と風景は目まぐるしく展開します。しかし、益田平野に入ると風景は一変し、高津川畔から望む山々の色は日本海の景色とは違った穏やかな解放感を感じさせてくれます。益田市は柿本人麻呂と雪舟を偲ぶ
日本遺産を旅する 伊勢神宮の天照大神に仕えた皇女斎王のみやこ 平安時代へタイムスリップ 三重県明和町の「幻の宮」斎宮を訪ねる旅伊勢の神宮には何度もお参りしていても、神宮にゆかりのある「斎宮(さいくう)」を知っている人は少ないようです。「斎宮」は源氏物語にも登場し、約660年もの間続いた歴史があるものの、その実態はまだまだ謎が多く、また、斎王(さいおう)についてもあまり知られてはいません。斎王とは、その昔、天皇の代わりに神宮の神様に仕えるために選ばれた未
農耕民族と遊牧民族の境界線として人類が造った最大の建造物「万里の長城」月からも見えると言われた長大な防御壁「万里の長城」2022年11月8日の夜、日本全国で皆既月食が見られましたが、私は望遠鏡で皆既となった「赤銅色の月」を観察しながら、かつて中国の「万里の長城」が月から見える唯一の構造物と言われていたことを思い出しました。北京郊外にある万里の長城は、「巨大龍」とも呼ばれ、人類が造った最大の建造物で、2003年に中国初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗し
益田市から石見海岸ローカル線の旅2022年9月16日から実施された島根県益田市における日本遺産ガイド研修は11月25日の修了証書授与式で無事に終了しました。最終日は受講生に自己紹介を兼ねた益田の魅力を語っていただきましたが、私は「人はその住んでいる自然から影響を受ける。」(田畑修一郎「出雲・石見」)の言葉を再認識することができました。作者の田畑修一郎は益田出身の作家で、「鳥羽家の子供」などで石見人の純朴さを広く世に紹介し、石見一帯の風景の素晴らしさを今
日本遺産を旅する 石見の火山が伝える悠久の歴史縄文時代へタイムスリップ「縄文の森」と世界遺産「銀の山」と出逢える旅へ最近では土偶や火焔型土器をはじめとする縄文文化に関心を寄せる方が増えていますが、遺物は石器や土器が中心で樹木や人骨は希少です。実際、縄文時代の集落跡などは大半が地下に埋もれており、身近には感じにくいかもしれません。しかし、狩猟・採集を中心に自然と共存していた縄文時代、日本列島には巨大な木々が生い茂る森林が広がっていました。島根県大田市の「三瓶小豆原(
日本の歴史ある古窯「美濃」「瀬戸」「常滑」「伊賀」「信楽」の焼き物めぐり世界に誇る日本古来の技術を継承した歴史ある5つのやきもの産地「美濃」「瀬戸」「常滑」「伊賀」「信楽」を3日間で巡ってきました。やきもの産地を巡れば、“ 焼き物”を通して、人間の根源的な営み、人と自然との関わり、ものづくりの根源について考えると同時に、千年という時をかけて育まれてきた産地にある「火と人、土と人、水と人が出会った風景」に触れることができます。*関連記事 平成芭蕉の日本遺産
日本遺産を旅する 石見地域で伝承される躍動的な神楽石見地方の世界遺産「石見銀山」と日本遺産「石見神楽」島根県西部の石見地域には世界遺産の「石見銀山」や国の天然記念物「石見畳ヶ浦」などの観光地があり、私もテーマ旅行の下見調査で訪れた際には温泉津(ゆのつ)温泉の薬師湯に浸かって「いも代官」の顕彰碑を訪ねたりしていました。「いも代官」とは、農民を餓死から救うために力を尽した石見の大森代官、井戸平左衛門を指しますが、彼は薩摩から取りよせた甘藷(サツマイモ)を普
日本遺産を旅する きっと恋する六古窯の歴史ある焼き物めぐり日本六古窯と焼き物の種類2019年8月には閑谷学校の屋根瓦にも使われている備前焼の里をご紹介させていただきましたが、備前焼は六古窯の1つです。六古窯には、堅牢で堂々とした「備前焼」の他、質朴で釉流れの美しい「丹波焼」、明るく健康的な「信楽焼」、豪快で無骨な「常滑焼」や「越前焼」、そして唯一釉薬(ゆうやく)が掛けられた優雅さと逞しさを兼ね備える「瀬戸焼」がありますが、いずれも日本らしい焼き物として多くの人々の心を