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いけちゃんの悪戯 https://www.chan1ke.com/

主に読んだ本やら、観た映画やら日々の出来事から考えたこと/思ったことを綴るブログです。海外文学をよく読みますが、国内文学も好き。あと、音楽もジャンル問わずよく聞き、映画も大好き。

いけちゃん
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2019/04/05

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  • 孤独と孤独感について/村上春樹『トニー滝谷』

    つい先日、突然村上春樹の小説が読みたくなって、その日の内に書店で購入した『レキシントンの幽霊』がとても面白かったです。特に本書に収録されている7つの短編の1つである『トニー滝谷』が印象に残っているので、今回はそのレビューです。 レキシントンの幽霊 (文春文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1999/10/08 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 39回 この商品を含むブログ (247件) を見る 『トニー滝谷』のあらすじはこうだ。 「トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった」という一文から始まる。彼はハーフでもクォーターでもない。彼の両親はれっきと…

  • 【続】本当の「歴史」の話をしよう。/ C・ ギンズブルグ『ベナンダンティ ー 16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼 』

    前回のエントリの続きになるのだけど、C・ギンズブルグの『チーズとうじ虫』が面白くて、続けて読んだ著者の処女作『ベナンダンティ ー 16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼』のノートです。 ベナンダンティ―16ー17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼 作者: カルロ・ギンズブルグ,竹山博英 出版社/メーカー: せりか書房 発売日: 1986/02 メディア: 単行本 クリック: 7回 この商品を含むブログ (7件) を見る 前回取り上げた『チーズとうじ虫』はメノッキオという一人の粉挽屋の裁判記録を扱ったものであったのだけど、本作は16-17世紀にかけて悪魔崇拝の嫌疑で告発された人々の異端審問記録を分…

  • 本当の「歴史」の話をしよう。/ C・ギンズブルグ『チーズとうじ 16世紀の一粉挽屋の世界像』

    以前には、歴史家は「国王たちの事跡」しか知ろうとしないといって責められたものである。 この印象的な一文から始まるのは、イタリアの歴史家カルロ・ギンズブルグによる『チーズとうじ虫 ー 16世紀の一粉挽屋の世界像』である。 チーズとうじ虫―― 16世紀の一粉挽屋の世界像 (始まりの本) 作者: カルロ・ギンズブルグ,上村忠男(解説),杉山光信 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2012/06/09 メディア: 単行本 クリック: 18回 この商品を含むブログ (14件) を見る ミクロストリア、あるいは微視の歴史学とは? ギンズブルグは1939年にトリノに生まれる。彼は「ミクロストリア」の…

  • サン=テグジュペリ『夜間飛行』/ 何かを捨てなければ前に進めない

    「いつか読むだろう」と、ずっと放置されていたサン=テグジュペリの『夜間飛行』。恥ずかしながらようやく読めたので、今回はそれについて書いていきます。 ちなみに『夜間飛行』はいくつかの訳者・出版社から出ているけど、僕が今回読んだのは新潮社から出ている堀口大學訳のもの。 夜間飛行 (新潮文庫) 作者: サン=テグジュペリ,堀口大學 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1956/02/22 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 75回 この商品を含むブログ (209件) を見る 著者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは1900年フランスのリヨン生まれ。言わずもがな『星の王子様』もしくは『人…

  • 2019年上半期に読んで印象に残った本ベスト5

    2019年もあっという間に半年が過ぎてしまいました。最近はなかなか本を読み進めることができていないのだけど、区切りが良いのでとりあえず上半期に読んで印象に残った本をまとめてみる。今年は小説だけでなく、エッセイをたくさん読み始めた年なので例年よりも本棚に収まる本のジャンルもバラエティ豊かになった。とはいえ、印象に残るものもあれば、今の自分にはピンと来なかったものもあったわけだが選書の幅が広がることは、自分の見ている世界の幅が広がることとリンクしていると思うので結果として大満足です。それでは、いってみよう! 5位 ブッツァーティ『神を見た犬』 まず5位はイタリアの鬼才ディーノ・ブッツァーティのこの…

  • 「何者」にもならなくていい、と最近思うようになったことについて

    少し前の話だが、朝井リョウ原作の『何者』が話題になった。これは就活中の大学生が、就職という一つの選択を迫られるなかで自分とは何か、自分は何者になれるのだろうかという不安にあえぐ姿が描かれていると思う。 ただ、自分が何者なのか。もしくは果たして自分は何者かになれるのだろうかという問いに苛まれるのは大学生だけではなくて、就活を終えた社会人においてもだろう。 「何者」かにならなければならないのか? 僕もたまに自分は将来どうなっているんだろうとか、何者かになっているのだろうかと考えたこともある。が、「何者かになる」ということ自体がナンセンスなのではないかと最近思うようになってきた。 そう考えるようにな…

  • 自分の世界を広げる方法

    前回のエントリでセネカの「運命を無視すること」について少し触れたのだけど、それについて、もう少し書いておこうと思う。運命を無視するとあるが、逆に「運命を無視しない」状態とは一体どういう状態だろうか。僕はそれは端的に述べると周囲に流されることだと思っている。 ただここで厄介なのは、僕自身含め多くの人が、自分は周りに流されていないと考えている点ではないだろうか。果たして、私はやりたいことを自分で選んでやっている、全ては私の自由意思のままにあるのだと断じて言えるだろうか。去年のいつだったかは忘れたがダン・アリエリーの『予想通りに不合理』という本を読んだ。大変申し訳ないが、内容自体もけっこう忘れてしま…

  • 自由のために、運命を無視することについて

    人は誰しもこの世に生を受けたならば、幸せに生きたいという願望があるはずだ。もちろん、幸せのカタチというものは人それぞれ千差万別なものであり、「これこそが唯一無二の幸福だ!」と言えるものは僕にはちょっと思い浮かばない。と、それと同時に唯一無二の不幸というものも存在しないのだろうけど、幸福であることよりも不幸であることの方がポンポンと頭に浮かびやすいと思うのは、僕自身の実感だ。 もっというと、人は幸せを求めるけれど、自分にとって一体なにが幸せなのか? という問いが生活の中に茫漠と横たわっている。自分にとっての幸福を暗中模索し続けることが世の常でもあると言えよう。実際、僕も日々この暗中模索の最中にい…

  • エッセイと生活と。

    今年に入ってからというもの、例年に比べてエッセイをよく読むようになった。それは辺境探検家・作家の高野秀行さんの作品であったり、村上春樹の旅行記とかだったりするんだけど、物語と違ってエッセイはその人本人の実体験から生まれた言葉たちなので、読んでいて知的好奇心が刺激されること多いです。それはまだ見ぬ世界の広さに胸をワクワクさせてくれる一方で、逆に自分の見ている世界の狭さにガッカリさせることの両面を孕んでいると思うんだけど、いずれにしろエッセイは知的好奇心を刺激する代物のようだ。 そんな誰かの体験記というか、生活の断片であるエッセイなるジャンルを少しずつ少しずつ開拓している最中なのですが、最近は特に…

  • 【感想】映画『愛がなんだ』を観て。

    私を捉えて離さないものは、たぶん恋ではない。きっと愛でもないのだろう。私の抱えている執着の正体が、いったいなんなのかわからない。けれどそんなことは、もうとっくにどうでもよくなっている。 先日、東京に行ったついでに今泉力哉監督『愛がなんだ』を観てきました。広告や予告をみてとても気になっていた作品だったのですが、如何せん僕の住んでいる場所が場所なので(北海道のど真ん中!)なかなか映画館まで足を運ぶのが億劫だったり。ようやく観ることができました。 アラサー女子の片思い映画 本作は角田光代さん原作小説の映画化で、今回映画館まで観にいくにあたり、ちゃっかり原作も目を通しています。結論として、原作と映画版…

  • 19世紀末は芸術パラダイスだったのか 「クリムト展」に見る生活とデザイン精神

    先日、少し用事があって東京に行ってきたのですが、そのついでと言ってはなんですが東京都美術館で絶賛開催中の「クリムト展 − ウィーンと日本1900」にようやく行くことができました。 このクリムト展、かなり人気の企画展でして美術館自体は朝9:30からオープンですが僕が行った朝10時ごろにはすでに30分待ちという。まあ、行ったのが日曜日だったということもあるのですが、日本におけるクリムトの認知率というのはなかなか侮れないなぁと驚きました。さすがクリムト。 さて、19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト。僕が留学中に訪れた美術館(もしくはギャラリー)でもクリムトの作品は存在感を放っている。し…

  • 生きることはバラで飾らねばならない|人生に趣味は必要か?

    先日、同じ社内の人と話していて気になったことがあったんだけど、それは「趣味がない」ということである。僕ではない。その同じ会社の人が「趣味がなくて困っている」というのだ。僕が「どうして趣味がなくて困ってるんですか?」と返すと、「だって、仕事が終わって家に帰ったら暇じゃないですか」と、その人。 なるほど、この会話は個人的にかなり興味深かったのである。ちなみに、自慢ではないが僕は仕事が終わって家に帰って「暇だ」と感じたことがほとんどない。だいたい自由な時間は、溜まっている本を読んだり、気になる映画を観てみたり、料理をしたり、休みの日も何かしらやりたいことをやり続けている。今年は家庭菜園や果実酒を作る…

  • 感性はどこからやってくる?

    ある小説を久しぶりに読み返してみると、以前読んだときとは異なる感じ方をするものだ。毎年夏休みになるとテレビの金曜ロードショーとかでジブリ作品が再放送されるが、それらを観る度に感じ方が変わるのとどこか似ている。使い古された表現だけど、読書(もしくは映画鑑賞や絵を見ることでも)という営みは、自分を映し出す鏡の前に立つことなのだと思う。そして、映し出されるのは自分の内側・目に見えない部分だ。 何かを読み返してみて、感じ方や受け取り方が変わる原因は大きく二つあると思うんだけど、一つは「知識」、もう一つは「感性」である。知識は、その作品の歴史的背景とか作家の情報をあらかじめ把握しておくことに近い。例えば…

  • 村上春樹『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』を読んだら、無性にアイラ島へ行きたくなった話

    英語で「pilgrimage(ピルグリメイジ)」という言葉がある。日本語にすると「巡礼の旅、聖地巡礼」という意味になる。巡礼者はもちろん「pilgrimager(ピルグリメイジャー)である。この「pilgrimage」という語感だが、なかなかどうして、魅力的な響きを持っていると感じるのは僕だけだろうか。 旅や旅行の目的はさまざまあるだろうけど、自分の好きなもの、興味あるものにテーマを絞って聖地巡礼に旅立つことも、なかなか胸おどる営みである。 話変わって、僕は村上春樹の本をそこそこ読みます。と言っても有名どころで読んでない作品はけっこうあって(『1Q84』とか『騎士団長殺し』とか。)、むしろ村上…

  • 見える傷、見えない傷。あるいは、竹内万里子『沈黙とイメージ ー写真をめぐるエッセイ』

    実際に写真を見るという行為は、夜空の星をまなざすことに、どこか似ている。 上の引用は写真評論家である竹内万里子さんのエッセイ『沈黙とイメージ ー写真をめぐるエッセイ』から。この竹内さんというお方は、前回のエントリでもほんの少しだけ触れたのだけど、ジョナサン・ドーゴヴニク『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を翻訳した人です。そこから竹内さんがエッセイを出しているということを知り、今回買って読んでみた訳なのですが、このエッセイがめちゃくちゃ良かったです。 沈黙とイメージ -写真をめぐるエッセイ- 作者: 竹内万里子,姫野希美 出版社/メーカー: 株式会社 赤々舎 発売日: 2018/06/27 …

  • 【カンボジア/2】無限のわからなさのままにどう向き合うか

    カンボジア旅行途中報告です。シェムリアップからバンに揺られること5時間、首都プノンペンに到着しました。どうでもいいですが、実は海外を飛行機や列車以外の方法で長時間移動するという経験がなく、けっこうギリギリまで飛行機を使うか迷っていたのですが、勇気をだしてバンで移動です。結果、大きなトラブルもなく(どこで降りればいいのか全くわかんなかったけど)目的地まで着けたのでこれからも気が向けば利用しようと思う。飛行機とかと比べて安いしね。 ということでプノンペンに上陸したワケですが、今回の旅行の一番の目的地、僕がもっとも行きたかった場所がそこにはあります。それはトゥールスレン虐殺収容所とキリング・フィール…

  • 【カンボジア/1】クメールとの邂逅を果たす

    ここ数日の日記です。 仕事がひと段落し、ようやく長期休暇に突入しました。すなわち以前から公言していたカンボジア/ベトナム旅行の始まりということです。仕事が終わってすぐ空港へ。およそ2年ぶりの海外渡航です。 2019/04/05 . フライト中に考える / 太宰治『葉桜と魔笛』 とはいえ、僕の住んでいるところから最初の目的地であるカンボジア・シェムリアップまでは飛行機で片道7時間くらいかかります。あと20日くらいの連休なので(ホントにありがたい)、移動時間やその他空いた時間のお供として文庫本をスーツケースに詰め込む。まずは行きの飛行機で読んでいた『太宰治全集2』についてのメモから。(海外に行くの…

  • あなたは小説の世界に行ってみたいか?

    小説を読んでいると、ふとあるシーンに心を奪われる時がある。ちょうど今読みすすめているのはレイモンド・チャンドラーの『水底の女』なんだけど、作品中の光景とかをイメージすればするほどチャンドラーの生きた時代の風景に魅了されてやまない。 白い排気ガスがリアエンドから煙となってあがった。小さな格好のよい、ブルーのコンバーティブルだった。幌は畳まれ、レイヴァリーの艶のある黒髪の頭がその上に突きだしていた。彼はとても幅の広い白いつるのついた、洒落たサングラスをかけていた。コンバーティブルはブロックを素早く駆け抜け、踊るように角を曲がっていった。 なんて事のない(といったらメチャクチャ失礼...!)シーンだ…

  • 言うことを聞きたくない人

    言うことを聞きたくない人というのが、仕事とか生活をしていたら必ず現れる。 ちなみに僕自身は人の言うことを(良くも悪くも)聞くように育ってきた自負がある。きっとそれは小学生とかもっと幼い頃の家庭環境とかそのとき一緒にいた友達とか先生の影響が今でも色濃く残っているからなんだろうけど、高校を卒業して、大学生になってからも「いけちゃんの良いところは素直なところだよね」とか「あなたは人の意見をちゃんと聞けますね」といろんな人から言われるものだから、まあ概ね当たっているんだと思う。 ちなみに人の言うことを聞くことが良いことだとは、これっぽっちも思っていない。むしろ人の言うことを聞きすぎて損しちゃったなって…

  • 美しき絶望の世界 ヴォネガット初期2作に寄せて

    これまでのエントリにも少しずつ言及していたことなんだけど、今年に入ってからカート・ヴォネガットの作品に手を出している。 読もうと思ったきっかけは、だいぶ昔(たぶん大学時代)に買ったヴォネガットのエッセイ『国のない男』を積ん読本の群れから見つけ出したこと。あと、同じく積ん読本に埋もれていた『タイタンの妖女』が予想以上に面白かったから。So it goes. そういうものだ。 ちなみに上に述べた『タイタンの妖女』は本当に素晴らしかった。詳しい感想をまだ書くことができていないのだけど、今年2019年に入ってから読んだ本で最も印象に残っている一冊は今のところコレである。 諦めること、受け入れること そ…

  • カンボジアへ行くことに決めました

    3月も中旬に近づき、あっという間に4月が訪れそうです。 僕の働く会社は少し特殊で毎年4月と11月にそれぞれ2週間ほどの長期休暇が設けられている。今週は来たる4月のバカンスに向けてちょこちょこと準備作業をしていた。 前回のエントリにも書いていたことなんだけれど、今年のやりたいことの一つに「行ったことのないところに行ってみる」ということがある。今回はその話の進捗報告になってしまうのだが、自分にとって意義のある出来事になりそうなので記録しておく。 結論から言うと、カンボジアに行きます。 「なぜカンボジアなのか」と言うと大した理由はないんだけど、とりあえずお金がないのでコスパの良い東南アジアをチョイス…

  • 【感想文】武者小路実篤『友情』-生きるスタンスについてのメモ-

    波は運命で、人間がそれにうまくのれると何んでも思ったように気持ちよくゆくが、一つのり損なうといくらあせっても、あわてても、思ったように進むことが出来ない。賢い人だけ次の波を待つ。そして運命は波のように、自分たちを規則正しく、訪れてくれるのだが、自分たちはそれを千に一つも生かすことが出来ないのだ。 世の中には、一目見ただけで心が震える文章が存在する。上の引用は、武者小路実篤の『友情』から。今年に入ってからカズオ・イシグロやらカート・ヴォネガットやら高野秀行さんの読み漁っていただけに、久々の国内小説は身に沁みた。海外小説ももちろん大好きだし、今年もたくさん読もうと思っているのだけど、やっぱり日本語…

  • ブータン人に学ぶ幸福のすヽめ

    みなさん、いま幸せですか。 これだけ切り取るとなんかヤバイ宗教の勧誘のような感じが満載であるが、果たして自分の人生は幸せなのだろうか。もしくは、幸せという感覚についてどれだけアンテナを張って暮らしているのだろうか。 今回は、私の大好きな辺境探検家・ノンフィクション作家の高野秀行さんの『未来国家ブータン』の感想文です。 未来国家ブータン (集英社文庫) 作者: 高野秀行 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/06/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る そもそもブータンってどんな国? 《ブータン》という国の名前を耳にすると、多くの人が「なんかアジアの小国の一つら…

  • ネガティブな時はだいたいヒマな時

    ここ4日間、兄の結婚式のため会社から4連休をもらって過ごしていた。私の地元は福岡なんだけれども、兄も福岡の人と結婚したので北海道から式に参列すべく多めの連休をもらえた訳である。 式や披露宴はとても良かったのだが、私はもともと親戚づきあいをドライにしてきたので、いざ冠婚葬祭などで親戚たちと集まると結構気を遣ってしまう。今回の結婚式もそうだったけど、個人的にかなり疲弊してしまった(結婚式自体はとても良かったですよ!)。 そんなことがあってか、ここ最近はあまり体を動かすことができなかった。が、体は疲れていても頭はグルグル回転していて、色々やらなきゃいけないこととか、やりたいこととかが頭を巡っているう…

  • ノンフィクションは、想像と現実の狭間を埋めるか

    先日、札幌に行ったついでにふらりと立ち寄った本屋で見つけて、帰りの特急のなかでずっと読んでいたのが、ノンフィクションライター・探検家の高野秀行さん著の『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』である。 去年あたりから、前評判良ろしく高野さんの本を読んでみたいなぁと思っていたんだけれど、実際に読んでみるとめちゃめちゃ面白かった。2019年前半は、カート・ヴォネガットブームかと考えていたが、同時進行で高野秀行ブームも訪れそうな予感がビンビンしている。 この『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』では、探検家の高野さんが東南アジアや南米、トルコ、日本内などの辺境や村へ赴き、現地で実際に提供されている「辺境…

  • 慰めのない毎日に。またはカズオ・イシグロ『充たされざる者』

    2019年に入り、カズオ・イシグロばっかりを読み耽っていました。今日はその中から特に印象に残った、個人的にもっとも好きになった一冊について。つまるところ『充たされざる者』について何か書けたらなと思います。 充たされざる者 (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオイシグロ,古賀林幸 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2007/05/01 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 123回 この商品を含むブログ (36件) を見る と、とにかく、長い! この小説とにかく長いです。書店で何気なく手にとって「パラパラー」っとする気概を削ぐくらい長いです。おおよそ900ページほどですが、本書以前の…

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