似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して歌う風・・・714千葉甫
階段を半ば下って立ち止まる聞こえてきたのは初蝉の声歌う風・・・228千葉甫
コンピューター閉じて眼をやる窓の空いつか来ている月と眼が合う歌う風・・・227千葉甫
突然の間近で響いた雷鳴の後は音無く雨続く午後歌う風・・・226千葉甫
声出せば少しは楽に上れるか掛け声をする一段ごとに歌う風・・・225千葉甫
甦る夏の挿話はことごとく遠くへ去って行った日のもの歌う風・・・224千葉甫
片隅の雲もすっかり消え失せてすっからかんの灼けている空歌う風・・・223千葉甫
想いから出て来て立てる聞き耳にもう聞えない先ほどの声歌う風・・・222千葉甫
見下ろした舗道に映る灯があって夜は更けつついつからか雨歌う風・・・221千葉甫
窓の空流れていた雲いつしかにすっかり消えて西陽の時間歌う風・・・220千葉甫
壁面を駆け上がった蜘蛛すぐさまに駆け下りてくる意図あるように歌う風・・・219千葉甫
青空の雲を見ていた眼を閉じて漂って行く雲と一緒に歌う風・・・218千葉甫
留守電に声の入るのを待っていた電話は切れて残る耳鳴り歌う風・・・217千葉甫
ひそやかな今日の終りに降る雨の音の聞こえる窓辺に寄れば歌う風・・・216千葉甫
ことごとに時計へ眼がゆく時間には縛られないでいる身なれども歌う風・・・215千葉甫
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似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して歌う風・・・714千葉甫
ぎこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴ってごこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴って歌う風・・・713千葉甫
一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から歌う風・・・712千葉甫
ここからは見えないところの桜から漂って来た花びら一つここからはみえないところの桜から漂って来た花びら一つ歌う風・・・711千葉甫
?呼ばれたように覚えて彼は立ち止まり、あたりを見回した。見覚えのない住宅街の通りだった。人影は無い。なぜ、ここを歩いているのだろう?それに、ここへ来た記憶もなかった。再び、声を聞いて振り返った。塀の上に座った猫が彼を見つめていた。見覚えのある猫だった。少年時代に居た飼い猫のトムを思わせた。「トム?」呼んでみた。「あぁ」猫が答えた。そのときドアが開いて出てきた人に眼をやった彼は、衝撃に身が凍りついた。その人は逝ってほぼ三年になる彼の父親と瓜二つだった。その人も、顔に驚きの色を浮かべて、「一夫か!もう、こちら彼岸へ来たのか。えらく早いじゃないか!」掌奇譚Homecoming千葉甫
鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか歌う風・・・710千葉甫
薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる歌う風・・・709千葉甫
過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める歌う風・・・708千葉甫
ポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれどもポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれども歌う風・・・707千葉甫
来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき歌う風・・・706千葉甫
ソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆくソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆく歌う風・・・705千葉甫
春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人歌う風・・・704千葉甫
眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音歌う風・・・703千葉甫
夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人歌う風・・・702千葉甫
行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす歌う風・・・701千葉甫
麗らかな陽ざしであるが会う風は冬の名残の感触を持つ麗らかな陽ざしであるが会う風は冬の名残の感触を持つ歌う風・・・700千葉甫
五年目の来るコンピューター未使用の内蔵ソフトの沢山あって五年目の来るコンピューター未使用の内蔵ソフトの沢山あって歌う風・・・699千葉甫
僅かな間うとうとの来ただけなのに三十分が消え失せている僅かな間うとうとの来ただけなのに三十分が消え失せている歌う風・・・698千葉甫
プログラムされている声に従ってキー押していく今夜は冷えるプログラムされている声に従ってキー押していく今夜は冷える歌う風・・・697千葉甫
相談の相手無いままとつとつとインターネットで答えを探す相談の相手無いままとつとつとインターネットで答えを探す歌う風・・・696千葉甫
太陽は表の窓から裏窓へ移ってことも無く今日の行く太陽は表の窓から裏窓へ移ってことも無く今日の行く歌う風・・・535千葉甫
側溝の隙から生えている草に鮮やかな黄の花を見る今朝は側溝の隙から生えている草に鮮やかな黄の花を見る今朝は歌う風・・・534千葉甫
卓上に今日も突っ立つ固すぎてキャップの開かないペットボトルは卓上に今日も突っ立つ固すぎてキャップの開かないペットボトルは歌う風…533千葉甫
声出して自らに問い声出して答えて徐々に記憶の戻る声出して自らに問い声出して答えて徐々に記憶の戻る歌う風…532千葉甫
購うことを忘れた一つがあったのをふと思い出す半日経って購うことを忘れた一つがあったのをふと思い出す半日経って歌う風・・・531千葉甫
十年間ハンドルネームで親しんだ人のふっつり絶えてそのまま十年間ハンドルネームで親しんだ人のふっつり絶えてそのまま歌う風・・・530千葉甫
過ぎて行く時間静かな昼下がり鏡を覗いている猫の居て過ぎて行く時間静かな昼下がり鏡を覗いている猫の居て歌う風・・・529千葉甫
売られては建て替えられる家々に包囲されつつわが家がある売られては建て替えられる家々に包囲されつつわが家がある歌う風・・・528
ここからは見えぬ夜空でホバリングの音の続いているヘリコプターここからは見えぬ夜空でホバリングの音の続いているヘリコプター歌う風・・・527千葉甫
今日もまた高層ビルの屋上にある反射光同じ時刻に今日もまた高層ビルの屋上にある反射光同じ時刻に歌う風・・・526千葉甫
雨の日は滑りの悪くなる障子私と共に家も老いつつ雨の日は滑りの悪くなる障子私と共に家も老いつつ歌う風・・・525千葉甫
振動をした雷鳴に読んでいたロンドン消えてわが四畳半振動をした雷鳴に読んでいたロンドン消えてわが四畳半歌う風・・・524千葉甫
朝食はパンに牛乳味噌汁の香で覚めた日々遥かになって朝食はパンに牛乳味噌汁の香で覚めた日々遥かになって歌う風・・・523
父母は夢ではいつも健在で今では私のほうが年上父母は夢ではいつも健在で今では私のほうが年上歌う風・・・522千葉甫
クリックと同時に悟るまた同じ誤りをしてしまったことをクリックと同時に悟るまた同じ誤りをしてしまったことを歌う風・・・521千葉甫
カーテンが風にまくられ暮れ際の陽ざしの伸びる部屋の端までカーテンが風にまくられ暮れ際の陽ざしの伸びる部屋の端まで歌う風・・・520千葉甫
真夜中の階段上るワンテンポ遅れて背後の階段軋む真夜中の階段上るワンテンポ遅れて背後の階段軋む歌う風・・・519千葉甫
あと五分瞼閉ざしておく筈が三十分の寝過ごしとなるあと五分瞼閉ざしておく筈が三十分の寝過ごしとなる歌う風・・・518千葉甫
暮れ際の陽の差していて机上には伏せられている一冊の本暮れ際の陽の差していて机上には伏せられている一冊の本歌う風・・・517千葉甫
コンピューターのシャット・ダウンをする前にこの夜も聴くこの人の歌コンピューターのシャット・ダウンをする前にこの夜も聴くこの人の歌歌う風・・・516千葉甫