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  • 書店にて

    書店で「◯◯で必ずできるようになる」「◯◯で勝てる方法」「◯◯力」などの自己啓発本の前に来ると、ギュッと掴まれたように胸が痛くなる。 人生を70年と考えると、ちょうど折り返しの歳になった。自分は年相応のビジネススキルを身に付けられているのか?それまで、ビジネススキルとは無縁の小説やエッセイばかり読んできた自分にとって、見て見ぬふりをしてきたようで、自己啓発本コーナーに勝手に変な圧迫感を感じてしまう。 「分かってる。考えないといけないよな、色々と」 自分に言い聞かせながら、通り過ぎる。自己啓発本の類が別に嫌いなわけじゃない。ただ、読んでしまうと、自分の出来てなさを露骨に感じてしまいそうで、少しこ…

  • 人はこうして歳をとる

    「十日えびす」が行われていると知ったきっかけは、車の中で聞いていたラジオだった。 宮崎県内でも色々な場所で行われている十日えびす。各所は商売繁盛、航海安全を祈願する参拝客で賑わうという。 車を走らせて向かったのは延岡市にある九州三大恵比須神社「今山恵比寿神社」。 神社に近づくと車も人も増え始め、臨時駐車場に停めることにした。 車を停めた場所は、岡富小学校。偶然にも幼い頃、延岡市に住んでいた時に1年だけ通った小学校だった。 保育園、幼稚園と延岡で過ごした自分は、小学校も順調に進級していくものと思っていた。しかし、小学1年が終わる時に両親の仕事の転勤で日向市へと住まいを移すことになったのだった。 …

  • バリのドタバタ⑥

    デンパサール空港からシンガポール空港までおよそ2時間30分のフライト。夜10時過ぎだったこともあり少し仮眠を取ったり、備え付けの機器で映画をみたりして過ごしていたら、あっという間だった。 「着陸体勢に入るのでシートベルトをしっかり締めてください。あと20分程で着陸します」 機内でアナウンスがあったので、乗り継ぎのことを考えて次のチケットを再確認していた時のこと。 【Bording time(搭乗時間) 0:20】 え? 機内の時間を確認すると、今現在が0:20。まだ飛行機は空の上だ。これから着陸におよそ20分かかるという。着陸して0:40。でも着陸後にすぐ動けるわけじゃないから多分10分くらい…

  • バリのドタバタ⑤

    帰りの便は母親が20:00発、自分が21:45発だった。 どちらかの便で一緒に帰れれば御の字なのだが、どうやらそうはいかないらしい。 「今日の便は満席で、今からの予約変更が難しそうです…」 現地のガイドが申し訳なさそうに説明してくれる。もちろん、この人が悪いわけではないのだが。 「…ちなみに『難しそう』とはどういう意味ですか?」 言葉尻で少し引っかかったので聞いてみた。すると、タイミングが悪いことにこの日が日曜日。休みということもあって、搭乗予定の航空会社となかなか連絡が繋がらないのだそうだ。 「ん〜…じゃあ、空港行きませんか?そこで話した方が早くないですか?」 昼ごはんを食べた後は少し観光を…

  • バリのドタバタ④

    「あれ?帰りの便が違う」 気付いたのは帰国当日の朝。バリのデンパサールからシンガポールまでの便が母親とズレていることが分かった。自分が一つ遅い便だったのだ。バリから日本まで直行便が無いため、シンガポールを経由して帰国することになっていた。 シンガポールから福岡が同じ便なので、てっきり帰りの行程は母親と全て同じだと思っていたのだ。 「まぁ、別にいいか。福岡に着くのは同じだし」 個人的にはそう思ったのだが、それに対して母親が納得しなかった。 「なんで!?あれだけ旅行会社にお願いしたのに!」 …え、なにそれ。すごくめんどくさい話な気がするんですけど。 今年で母親は61歳。英語のコミュニケーション力は…

  • バリのドタバタ③

    「母親の体調が悪いから、この病院へ行きたい」 嘔吐している母親を部屋に留まらせて、ホテルのフロントへ急ぎ拙い英語で伝えた。さっき処方してもらった薬箱に記載してあった病院の住所を指差して、とにかく「ここへ行きたい」と。 始めはポカン顔だったフロントだが、こちらの雰囲気を感じ取ってタクシーを手配してくれた。いったん部屋へ戻り、嘔吐し終わった母親を連れて再度ロビーへ向かう。 タクシーに乗った後も「もしまた嘔吐しだしたらどうしよう」と気が気でない状況が続いた。さっき病院からホテルへ帰ったばかりなのに、また病院へ舞い戻る。なんともやるせない。車窓から見た景色は10分前を逆再生しているかのようだ。何なんだ…

  • バリのドタバタ②

    「直接診ていないので、確定診断ではありませんが…」 電話口で話したインドネシア担当の日本人医師は、こう前置きした上で話をしてくれた。 その診断名は【スコンブロイド食中毒】 ---------------------------------------- スコンブロイド食中毒(scombroid food poispning)または略してスコンブロイドは、一般的に腐敗した魚を食べた結果として起こる食中毒である。症状には皮膚の発赤、頭痛、かゆみ、視覚異常、腹痛、下痢、などがあげられる。一般的に中毒の原因となる魚を食べてから10分~60分後に発症し、2日間程続く。稀に呼吸困難または不整脈を引き起こす…

  • バリのドタバタ①

    今思えば、親族一同集まった食事の席からおかしな事態は始まっていたのだと思う。 「ちょっと苦しいかもしれないです」 新婦が食事中に体調不良を訴えた。ただ、ウエディングドレスを着たままの食事だったので、ドレスの締め付けがきついのだろう、と推測された。新婦は少しの時間退席し、ドレスをゆるめて戻ってきたが体調は良くなっているようには思えなかった。 なぜか肩から背中にかけて赤い発疹が出ており、「アレルギーありましたっけ?」ウエディング会社からそんな話が出たが、新婦側の家族は皆一様に首を横に振るだけだった。 6月15日。シンガポール バリのウルワツで弟の結婚式が行われた。列席者は、弟夫婦と新婦側の家族3人…

  • 閉じていた扉をこじ開けられた話

    「トット(パパの意味)、ギター弾かないの?」 家の隅に置いてあるギターケースを指差して3歳の息子が言う。 「ん〜…壊れてるんだよね〜」 もう5年も開けていないギターケース。入っているギターは音楽経験者なら一度は聞いたことがある、そこそこ値が張るメーカーのものだ。 もちろん、ギターは壊れていない。壊れていたのは、かつて音楽をやっていた時の自分の気持ちだ。 オリジナル曲を携えて、一人でギターを抱えて、県内外のライブハウスで活動していたのは5年前までのことだ。それまでは仕事の合間を縫って最低でも月に一回はライブをする生活を送っていた。ただ、いつの頃からか音楽を楽しめなくなった。ノルマや集客などの現実…

  • 何があっても生き抜いてやる

    5月10日金曜日の朝、日向灘で震度5弱の地震発生。 息子を保育園に送って出社した直後だった。 揺れ始めた時「ヤバいなー。家族バラけてるんだよなー」という思いが頭をかすめた。 正直、揺れの体感としてはまだ大丈夫だった。まだ冷静を保ってられるくらいの揺れだった。 ただ、ひと通り収まって以降、今度は胸の中に「まだ大きいのが来るんじゃないか」という不安が影を落とし、それが拭えないでいる。 どこに行っても、何をしていても「ここで起きたらどこに逃げよう?」「みんなで逃げのびるにはどうしたら良い?」とつい考えてしまう。 M9とか、津波が16メートルとか、頼むから勘弁してくれよ。 家族ができて、こどもができて…

  • 子連れ出勤の推奨には反対だなぁと思った次第

    急遽息子が、自分が働く会社に来ることになった。理由は奥さんの体調不良。とりあえず、保育園帰りの息子を会社で預かることだけ決まった。 「すんません!ちょっと息子が来ます」 ありがたいことに、会社のメンバーの雰囲気はとてもWELCOMEだった。しばらくすると息子が到着。保育園から直接来たので体操服のまま。車からおろすとニコニコ笑顔だった。 結果からいうと、会社で息子を預かっている間、何も問題は無かった。 会社自体はこどもを喜んで受け入れてくれる環境だったし、息子も人見知りがやや発動したものの、デスクで一緒にいた約1時間はおとなしく過ごせて贔屓目無しにお利口さんだった。 ただ一つ。敢えて挙げるとした…

  • 親子散歩 in 動物園

    「こんにちは」 確かにそう聞こえた。息子と2人で声のする方に進んでみる。 「あれ?誰もいないね」 息子はキョロキョロと辺りを見回す。ふと顔を上げると一羽の鳥がいた。それで自分は合点がいった。 「あ〜この鳥が喋ったんだ」 息子に伝えてみたが不思議そうな顔をしたままだ。 「この鳥はオウムって言うんだよ」 見ると、白く大きめなオウムがこちらにジッと視線を送っていた。 最近は毎週末、動物園へ行くのが当たり前になっている。おかげで広い敷地内、大体どこに何の動物がいるかも分かるようになったし、もはや年間パスポートまで購入しているくらいだ。行くたびに新しい発見があり、息子が喜ぶ。それが自分の楽しみにもなりつ…

  • 一生モノの言葉

    「早く帰ってきなよ。こんな面白い仕事ないから!」 9歳年上の先輩はそう言ってニカっと笑った。気が付けば10年以上社会人をやっているが、あの時ほど印象強く残った言葉に出会ったことがない。 新卒で入社した会社から、地元の会社に転職する時のことだ。当時は県外の会社に勤めていたのだが、次の会社の入社前に一度転職先に挨拶をしに行った。その時、部長が各部を丁寧に案内してくれた。やりたいことをやれるという期待は当然あったが、正直なところ不安も多かった。それまでとは全く違う異業種への転職。地元へ戻るとはいえ、住む環境も生活もリセット。またゼロからの積み上げだ。 ひと通り案内が終了し、部長と会社の入り口付近で立…

  • バトル of トイレトレーニング

    「オムツはきたい」 寝る前に息子が目をこすりながら言う。 コイツ、オムツはいたらそのままオシッコする気だな。 魂胆が読めたので「だーめ、トイレ行くぞ」とトイレへと誘う。 「いや!トイレいや!」 「なんでよ。トイレ行かないまま寝たらオシッコ漏れるだろ?」 「だって、つかれるもん」 頑なにトイレを拒否する息子。このままだと絶対オネショになるからトイレに行かせたい父親。お互い一歩も譲らない小康状態が続く。 現在3歳の息子のトイレトレーニングを家で本腰入れてスタートさせた。保育園では今年から年少組なので、昼間は基本的にパンツで過ごしている。先生の話によれば、園ではきちんとトイレに行けているらしい。 た…

  • 市議選から一夜明けてふと思う

    先週土曜日の夕方。 息子と公園で遊んでいると、選挙カーが公園の周辺にやってきた。翌日が投票日ということもあり、いわゆる立候補者の「最後のお願い」ってやつだ。3歳の息子は、音声が発せられる車に興味津々で自分から手を振りながら選挙カーに近付いていった。すると、その候補者はわざわざ車をその場に停め、降りてきて息子に握手をしてくれた。息子を追っかけていった母親も当然のことながら一緒にチラシなどをもらったのだけど、「息子のために降りてきてくれて良い人だね〜」と感化されていた。 なるほど。これが選挙活動ってやつか。 遠目で眺めながら納得していたのだが、投票が行われた翌日の新聞を見て驚いた。なんと、その候補…

  • 100%的中するであろう、どうでも良い予言

    予言というものは情報量からなるものだ、と聞いたことがある。街の預言者と呼ばれた男は、その街一の情報屋だったという展開のゲームもあった。 極端な話、気象予報士も預言者の類に入るのだろう。何千・何万という気象データから1週間先、10日先の天気を導き出す。まさにその道のプロだから可能な芸当だ。 かくいう自分も、一つだけ他の誰よりも詳しいその道のプロといえる分野がある。 …息子だ。 生まれてきてまだ3年だが、四六時中ずっと一緒にいるからこそ分かる気配というか、雰囲気というか。ここ2〜3日で感じることがある。それがこちら。 息子は、間違いなくSINGにハマる。しかも、どハマりの域だ。もう暇があればずーっ…

  • 生きることを温度で感じる

    「お父さん、とうとう参ってしまいましたか」 やってきた祖母が布団で寝ている祖父に話しかける。6畳の和室には布団が一床敷かれていた。純白の布団に身を預けている祖父の様子を見ながら、祖母は独り言のように呟く。 「体揺らしたら起きてきそうだけどねぇ」 言い終わると、こちらに向かって軽く微笑んだ。病院を出る前に綺麗に整えられた祖父の顔。先程立てた線香から上がった白い煙がゆらりと揺れる。祖母の言葉に祖父が答えることは、もう無い。 祖父が他界したのは前日の夜。肺を病んでいて入院中は苦しむ姿も見たが、最後は薬で落ち着き眠るように息を引き取った。御年90歳。いつも明るくユニークな祖父だった。 緊急入院し「いよ…

  • 同性婚が認められても、僕らには変わらない日々が続くだけ

    「同性婚」が認められないのは何故なんだろう? 自分は同性愛者ではないが、認められない理由がよく分からなかった。 少し調べてみると、どうやら日本国憲法第24条第1項で「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると定められていることが理由らしい。 ポイントは「両性の」。これが「男性・女性の」という意味だろう、という話。だから「男性・男性」「女性・女性」は認められないということなのか。 …でもこれって、解釈の仕方次第なのでは? 「両性」を「2つの性」と捉えれば「男性・男性」でも「女性・女性」でも認められる気がするんだけどな。 ツイッターで見かけて、とても響いた言葉があった。2013年ニュージーランドで…

  • アスファルトは赤に、かき氷はメロンに

    今から約30年前。自分が幼稚園児の時だ。当時は宮崎県延岡市に住んでおり、岡富幼稚園に通っていた。 延岡では毎年4月に「延岡今山大師祭(お大師さん)」というイベントがある。九州春の三大祭りとしても数えられ、期間中は県の内外から20万人以上が訪れるという。街がお祭りムード一色になり、地元の園児たちも幼稚園で各々のお大師さんを描き、山下新天街という商店街で飾られる。ただ、全員の絵が飾られるわけではなく、各園で10枚も満たないくらいの絵が選ばれて掲出されていたと思う。 当時の記憶でとても鮮明に残っているものがある。 幼稚園でお大師さんの絵を描いていた時のことだ。友達3人と一緒に描いていたのだが、1人の…

  • 夜の街角スナップ

    時間を確認すると19時10分。カメラをリュックに入れてファスナーを閉める。カメラバッグのようなプロっぽいものは持っていない。カメラ本体も中古の安価品だ。リュックを背負って外に出ると、少し冷んやりした風が吹いていた。 朝に少し仕事があった関係で、息子は奥さんと一緒に昨日から実家に帰っており今日は家で一人。いつもの如くぽっかりと空いた時間をどうしようかと考えた結果、どうせなら二人がいないからこそ出来ることをやってみようと思い立った。それが「宮崎夜の街角スナップ」。Instagramなどを見ていると、夜に煌々と輝く東京タワーや、都会だからこそ見ることのできる夜景が綺麗に写されている。 いいなぁ。 憧…

  • 卒業してもヨロシク

    SNSは応援のために使われるべきツールだと思う。 FacebookやTwitter、Instagram。世の中にSNSが広まってからというもの、一度繋がったら関係が切れにくくなった。SNSが現れる前は「卒業したらサヨナラ」がほとんどだったと思う。現在は「卒業してもヨロシク」の世界。簡単に長く繋がれてしまう環境の中、ずっと仲良くしている人もいれば、卒業以来それっきりでSNSでかろうじて近況を知るという人もいる。一概に良いとは言えないのだが、SNSはその人の人生の歩みを教えてくれる。タイムラインに上がってくる投稿を見ていくと、絵に描いたような順風満帆な人生を歩んでいるいる人なんていないことが分かる…

  • 逃げてもどうせやってくる

    タイトルの「逃げてもどうせやってくる」というのは、決してマイナスな意味ではない。 人生で壁にぶつかった時、選択肢は2つある。乗り越えるか、いったん逃げるか。正直、どちらでもいいと思う。本来は乗り越えられる力があるのに、壁と向き合った時の自分の状況やコンディションでくじけてしまうこともあるだろうし、その逆でそれほど力はなくても勢いで突破できることもある。 なぜ「どっちでもいい」かというと。 乗り越えられなかった場合、どうせ同じ課題が姿や形を変えてまた現れてくるからだ。 人生って面白いもので、各個人で乗り越えるべき壁は決められているのではないかと思うくらいクリアするまで何度も何度も挑戦することにな…

  • フォトブックを記念に

    今年の2月に息子の誕生日に合わせて、1冊のフォトブックを作った。タイトルは「僕は今日も動物園へ行く!」。動物園が大好きな息子が雨などで動物園に行けなくても、フォトブックで行った気持ちになれるようにと考えて作った。 息子自身が主人公の絵本があったら嬉しいんじゃないかと思ったのと、夜寝る前に「何か話して」とよく言ってくるので読んであげる絵本代わりになるんじゃないかなと思ったからだ。 中身は様々な動物の写真と、その時のエピソードを交えて書いた。 photoback(https://www.photoback.jp/)という会社のサービスを利用して作ったのだが、このphotobackのインスタ公式アカ…

  • 小さな夢

    気付けば桜も葉桜になりつつある。今年は特に桜に無関心だったような気がする。それはきっと、息子が桜に興味が無かったからだ。それだけこどもありきの生活になってきているのだと思う。 ほぼ毎週末、息子と一緒に行く場所がある。宮崎市フェニックス自然動物園。いつからか動物園が大好きになり、今では年間パスポートを持つほどの常連となった。 ただ、これまで何度行っても会えていない動物がいる。アジア象の「みどり」。去年の夏から妊活のため神戸に行ってしまい、まだ戻っていない。息子と一緒に動物園に行き始めた時期とちょうど入れ違い。 「ぞうさんは?」 と毎回聞かれるが、妊活をこどもにどう説明したら良いか分からず、悩んだ…

  • 成長の兆し

    「いまね、むしさんがいた」 朝、保育園に向かう途中で急に息子が言った。 虫? 運転中なので視線は前を見たまま答える。ちょうど前の信号が赤になったので、ブレーキを踏んで息子の方に振り返った。 「うん、ちっさいの」 どうやら小さな羽虫が足にとまっていたらしい。辺りを見渡してみるが、既にそれらしき虫は見当たらない。個人的にあまり虫に良い印象を持っていないので、片手でブンブンと叩く素振りをしてみせた。 「今度出たら言ってね。パシッと叩くから」 すると不思議そうな顔をする息子。 「たたかなくていいよ」 ん?なんで? 思わず聞き返した。 「なかよくしたほうがいいんじゃない?」 予想の斜め上をいく回答に思わ…

  • 親子散歩

    こどもが大きくなってきてからというもの、週末は外に連れ出してやりたいと思うようになり、なにかイベントは無いかと検索することが増えた。 今週ヒットしたのは「UEMATSUグループ大感謝祭」。注目したのはキャラクターショーだ。日曜11時からドラえもんショーがあるらしい。3歳の息子を連れて行ってみた。 会場に着いたのは10時20分頃。少し早めだったのでスタンプラリーをして時間つぶし。会場内4箇所にあるポイントでスタンプを押して回ると、抽選会場でガラポン抽選会に参加できるらしい。 最初から当たることなんて全く期待していないので、流れるようにくじを引き、流れるように白い玉が出て、これまた流れるようにボッ…

  • 夜のドライブ

    「ねぇ、どこいく?」 夜7時。宮崎市の中心地は明日が日曜ということもあってか、とても混んでいた。車で進もうとするが、なかなか動かない。 右折レーンで曲がりきれないまま信号が赤に変わった。思わず「チッ」と舌打ちをしてしまう。 「そんなに怒らないで」 冷静なアドバイスに思わずハッとさせられる。 あ、ゴメン。 車内で流れているのは雰囲気の良いアコースティックの弾き語り。星野源のYELLOW MAGAZINEに付属されていたYELLOW DISCだ。 車に一緒に乗っているのは他の誰でもない。 …3歳の息子だ。 なんてことはない。仕事の飲み会が入っている奥さんを街中まで車で送った帰り。例のごとく息子が「…

  • ヒーロー

    気分が冴えない時でも、美味しいご飯を食べたら元気になれる。自分の勝手な持論なのだけど、いつ行っても美味しい料理を出してくれるお店がある。 宮崎市内にある「アンの家」。夫婦2人で切り盛りしているお店は、日替りのメニューが人気でご飯時には大勢のお客さんでにぎわっている。 「がくちょうせんせい、いるかなぁ」 晩ご飯を食べに行った時のこと。お店の駐車場に着くと、息子がポツリと呟いた。 そう、「がくちょうせんせい」。楽しいことが長く続きますようにという意味でつけられた「楽長先生」というのは、「アンの家」のマスターの愛称だ。先生と呼ばれるのには理由がある。普段はお店を経営しているマスターだが、月に一回近く…

  • テクテク

    街中に新しいプリン屋ができたらしい。 そんな話を聞いたので行ってみることにした。息子と2人で宮崎市の橘通りを歩く。土曜とはいえ通りを行き交う車の量は多いから、広い幅の歩道はあるものの息子は少し怖がっている。 「ねぇ、だっこ…」 気持ちは分からんでもないので抱えてみるが、今や体重は約13キロ。正直、抱えたまま長く歩ける自信はない。 …重い。 一刻も早く目的地へ着きたいと次第に早足になる中で、息子が指差しながら言った。 「あ、チューリップだ!」 ふと立ち止まり目をやると、歩道には等間隔に植えられた木がある。その下には小さな花壇があり、赤や黄色のチューリップが咲いていた。 「おりる!」 息子は手から…

  • 優しい夜を迎えるまでに⑥

    2018年1月。会社の事情で地元テレビ局の常駐を離れ、自分の所属する会社に戻ってきた。そこからは、CM制作やホームページ制作などに携わりながら現在に至っている。 会社に戻ってきてからは、年中週休1日の労働環境から一変。余程のことがない限り土日祝日は休みになった。息子も3歳になり一緒に遊びに行くことが増えた。週末は動物園へ行くのが定番となっている。 肝心の仕事はというと。 今がやりたいことのど真ん中かと問われると、本当は少し外れている。ただ、仕事とプライベートの間で揺れ動く中では、今がちょうど良いバランスだ。 新卒から12年。 就活に失敗して、ここまで来るのかかった時間だ。「もしあの時に戻れれば…

  • 優しい夜を迎えるまでに⑤

    「お前が転職するとは思わなかった」 僕を学生時代から知る人達は、だいたい口を揃えて同じことを言う。「一回就職したら、ずっと勤めあげそう」と。 それは多分、正解だ。 僕は本来そういう性格なのだ。だから、転職は清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟と勇気を持って臨んだ。それだけ、人生の方向転換にはパワーがいる。現状の流れに逆らって、違う方向に進もうとすることほど、力を使うことはない。逆らうだけでも消費するし、違う流れを見つけるのにも、そして運良く流れを見つけたとしても、そこにうまく乗れるかも分からない。 僕は全力で方向転換したが、それはようやく自分の描く社会人としてのスタートラインに立てたというだけ…

  • 優しい夜を迎えるまでに④

    2012年4月。 AKB48のフライングゲットが大流行し、サッカーでは「なでしこジャパン」が流行語大賞を取った頃。僕は営業部にいた。毎日ひっきりなしに鳴る携帯。その要件に応えるように県内各地を回る日々。革靴もかかとがすぐに擦り減ってダメになる。既存客とは別に、毎日欠かさず行っていた飛び込み営業も3年目を迎えた。この頃になると、思っていなくても面白がったり、笑ったりができるようになった。 結局、企画制作部にいたのは1年半だけだった。入社してしばらくはイベントやCM制作などの仕事を担当し、不慣れだったが毎日面白くて仕方なかった。先輩達にも恵まれ、環境としてはベストだった。だが、ようやく一通り仕事を…

  • 優しい夜を迎えるまでに③

    話は海外出張前に遡る。 出張にいく3日前に地元でUターン就職を斡旋している就活支援団体から連絡があった。「地元の広告代理店で制作部での募集があるので受けませんか?」という内容。コピーライター養成講座を受けながら、色々な転職サイトや団体に登録していたのだが、その登録情報を見て連絡をくれたらしい。嬉しい話だったが、3日後にはフィリピンへ飛ばねばならない。今回の出張では、1ヶ月くらいは現地で仕事をしないといけないことが予想された。受けたい気持ちは山々だが断るしかない。事情を説明すると「もし帰国した時に、その会社がまだ募集をやっていたら紹介しましょう」ということになった。 結果、出張は1ヶ月以上(約5…

  • 優しい夜を迎えるまでに②

    キャッチコピーの面白さに出会ってからは、どうにか仕事にできないかと考えるようになった。課題には常に全力で取り組み、何かきっかけを作れないかと必死だった。 その一方で、本業の仕事は忙しさを増すばかり。本来なら喜ぶべきことなのかもしれないが、ひょんなことからアジアへの海外出張にも行くことになった。駐在中の上司が日本で手術をしなくてはいけなくなったのだ。5年目の先輩と共に2人でカバーのためにフィリピンへ飛んだ。 当然、その間は講座へも通えず、現地の仕事に没頭した。海外出張と聞くとスマートな印象を持つが、その実は、地味にしんどくて泥くさいものだった。時差の関係もあり、平均の睡眠時間が2〜3時間。現地ス…

  • 優しい夜を迎えるまでに①

    真っ暗な部屋で1人目が覚めた。隣には息子、その向こうには奥さんが、穏やかな寝息を立てて寝ている。金曜の夜。 10年前の自分は、こんなに優しい夜が訪れる日が来るとは思いもしなかっただろう。 22歳の時、僕は一度人生を諦めた。 別に絶望したわけじゃない。自暴自棄になったわけでもない。ただ、意思を持たず流されようと決めただけだ。 普通科の高校から、普通に大学に進学した2003年。当時の僕は、大学の4年間で人生が終わるような生き方しかしてなかった。授業にはほぼ毎日出席したし、成績も悪くなかった。いたって真面目な学生だった。ただ、将来のことを一切何も考えてはいなかった。 考えてみれば、酷な話だ。それまで…

  • 出会いがしらに、春

    朝。横断歩道で信号待ちをしていると、ふいに春がきた。 目の前を桃色の花びらがふわりと風に乗って舞っている。どこからやってきたのかと周りを見渡すと、道路を挟んで向こう側の家の庭から綺麗に咲いた桜が見えた。 毎日通る道のはずなのに、これまで全く意識していなかったな。 桜を見ながらぼんやり歩いていたら、前からやってきた人とぶつかりかけた。 …春だ。 出会いの春。 我が家に新しい仲間が加わった。名前を「れっさーぱんだくん」という。先週の日曜日に息子と動物園に行った時に連れて帰ることを決めた。 名前、何にする? 息子に聞くと「う〜ん…」と悩んだ挙句、「れっさーぱんだくん!」と答えた。 レッサーパンダの「…

  • 宮崎で頻発する地震について

    今朝から宮崎で頻発している地震。 大きめな揺れは、朝の震度3とその後に起こった震度4。緊急地震速報が通知される前の、あの独特で嫌な音を1日に2回も耳にした。 宮崎に住む人であれば、誰しも「南海トラフ」の文字が頭をよぎったに違いない。 今後30年の間に大地震が来る確率が90%だの、4年以内が70%だの、色々と言われている中だと今回の揺れはその前兆じゃないかと考えてしまう。今まで遠い所の話だと聞いていたものが、グッと現実味を増して目の前に訪れた感じだ。 今日の地震を受けて改めて色々と確認した。 まず、津波ハザードマップ。家、会社、保育園。家族それぞれがいる場所がどういう状況になりえるのかをチェック…

  • パン屋のおじちゃん

    入り口のドアを開けると、チリチリンといつもの鈴の音。間もなく、自分達の来店に気付いたおじちゃんが奥からやってきた。 「お!坊、おはよう!」 いつも明るく元気な声で3歳の息子に声をかけてくれる。いつもは人見知りの息子だが、このお店のおじちゃんに声をかけられる時は照れながら片手を上げてそれに応える。 宮崎市内にある「FRUIT059」。休みの日の朝、たまに息子と一緒に買いに来ているパン屋さんだ。お店は、見たところおじちゃんとおばちゃんの2人でやっている感じ。店自体はさほど広くはないが、手作りのアンパンやクリームパン、惣菜パンなどが数多く並ぶ。前に出来立ての食パンを味見させてもらったことがあったが、…

  • 親子で「星野源スペシャル」

    夜22時。 画面に映ったその人を見て息子の顔がパッと明るくなった。映像に出てきたのは星野源さん。 本来なら3歳児は寝る時間だが、今日は特別に家族みんなでテレビを見ることにした。 息子が視線を送る先に映っているのは星野源さんのライブ。今日は「星野源スペシャル 〜POP VIRUS ライブ&インタビュー〜」の放送日だ。 番組は東京公演のライブ映像を交えながら、福岡公演2日後のインタビューから始まった。 その中で「あ、もう無理だ」「壊れちゃう壊れちゃう」「自分の陰の部分を表現したのがアイデアだった」という話がとても印象的だった。アイデアといえば、NHK朝ドラの主題歌。オープニングの映像では幸せな雰囲…

  • 肌とKIDS

    朝7時半。休日のこどもの朝は早い。平日は起こそうとしてもびくともしないのに、何故か休みの日には呆れるくらい早起きだ。 寝起き間もなく、3歳の息子が手を付けたのは星野源さんのDVD。アルバムpopvirusの特典スタジオライブ映像だ。メニュー画面が映るとすぐに「はだ(肌)がいい!」と曲をリクエストした。 歌が始まると、すかさず家でのワンマンライブがスタートする。息子は朝から全力で歌い出した。 …と、この間に。 こっちはこっちで準備をする。顔を洗い、着替え、いつでも出掛けられるように態勢を整える。 映像では、ニセ明さんが登場した。布施明さんのオマージュで星野源さんが演じているキャラクターだ。 「に…

  • 春のエール

    「知らない所に行きたい」 言葉だけ聞くと、どこかの疲れたサラリーマンのようだ。3歳の息子が急に言い出した。 知らない所? 最初はだいぶ戸惑ったが、要はいつも行く保育園とは別の場所に行きたいという意味らしい。 事情は分からないが、3歳児にも色々あるようだ。 どうしようか迷った挙句、宮崎市の総合文化公園に行くことにした。広くて気持ちがいいことと、もしかしたら桜が咲いているかもと思ったからだった。 公園に着くと、たくさんの家族連れが広場で遊んでいた。日差しは暖かいが、時折吹く風はやや肌寒い。桜の開花までもう少しといったところだった。 持ってきたボールをポンと軽く蹴り出すと、息子の中でスイッチが入った…

  • 星野源で彩られる日常

    「こんばんはー!ほしのげんでーす!」 今日も始まった3歳の息子のワンマンライブ。いつものように星野源さんのDVDを流しながらリビングで歌い始める。 ♪きみの〜こえを〜きかせ〜て〜… 本日も絶好調。歌う曲は「SUN」。 ただ、いつにも増して嬉しそうだ。それには理由があった。 新しいマイクを手に入れたのだ。 初期はブロックを積み重ねたもの。それがおもちゃのマイク1になって、ついにおもちゃのマイク2になった。ちなみに、ブロック以外全部100円。 100円にしては、おもちゃのマイク2は良く出来ている。遠目から見れば本物に見えなくもない。 そのマイクを使って息子は、もう星野源さんになりきっている。 「つ…

  • そうか、君がいるからか

    部屋の中に入ってきた風が、カーテンをふわりと揺らしている。さっき外に干した洗濯物も、それに合わせてくるりと向きを変える。ソファにゴロンと寝転びながら、ぼんやりとその様子を眺めていた。 休みの日の午後。テレビでは有名なアーティストのミュージックビデオが流れている。リモコンを手に取り無意識に番組表でEテレを選ぼうとしたが、ふと我に返った。部屋には一人だ。昨日、職場の飲み会が入っていたので、息子と奥さんは昨夜の内に実家に帰った。 朝起きてから今までの間でやったことといえば、部屋の掃除と洗濯。前日から体調がやや優れないのもあって部屋から外には出ていない。 あーつまんね…。 ソファの上で体をグッと伸ばし…

  • お湯の雨をかぶり

    「ねぇ、あたまあらうのいやだ!」3歳の息子から突然の宣言。「なんで嫌なの?」聞いてみるが、明確な理由は無いようだ。対話を試みるが、とにかく風呂で頭を洗うのが嫌らしい。頭からバシャっとお湯がかかるのが嫌なのか「洗おうよ」と呼びかけると容赦無く泣きわめく。こんなのはじめて。「頭が痛い」とか「ケガしてるから」とか、そんな様子はない。『分かった。とりあえずお風呂に入ろう』息子を風呂に促して、いつものように一緒に入った。嫌がる息子の頭をどうにか洗いたい。どうしようか。こんな時にこそ星野源さんの力を借りれないものだろうか。ザーッと水を吐き出すシャワーヘッドを眺めていると、ふと思いついたことがあり息子に聞い…

  • 5秒間に全てを注ぎ込め!CM完成「川南合衆国」

    3月6日と7日にブログ内でも報告していた仕事がついに完成!宮崎県川南町のPR動画!タイトルは「川南合衆国」-------------------------------------------------------川南町は戦後、全国から多くの移住者が押し寄せて独自の文化を築いていったという歴史がある。故に川南に住む人たちは多様性に富み、他の文化を受け入れてお互いを認めあえることが町としての特長。そんなこんなで、いつしか川南町は「あの」本場の合衆国のように「川南合衆国」と呼ばれるようになった。---------------------------------------------------…

  • 笑わない理由

    「は〜い、こっち向いてくださ〜い!」スタッフのお兄さんが、カメラを構える自分の後ろでチョコチョコと動き回る。ニパッと笑ったり、手を振ったり、とにかく少しでも息子の笑顔を引き出そうと必死だ。だが、息子は一切笑わない。緊張しているのだろうか。テレビで見る憧れのヒーローが周りに4人もいるのに。後ろには、写真撮影に並ぶ長蛇の列。自分達親子に与えられている時間もわずか。次のお客さんも控えている。結局、息子の笑顔を見ることなく仕方なしにシャッターを切った。親子2人で出かけたのは「TOYOTA クルマフェスin MIYAZAKI」というイベント。お目当は「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」…

  • おしりたんてい…からの星野源

    「…おしりたんていは?」出先から帰る途中の車の中で息子がこっちを見つめながら言った。やっぱり覚えてたか。。外出を嫌がる息子を連れ出すために母親が言った禁断の言葉。「おしりたんてい買ってあげるから!」本当はダメなの分かっているのだけど、今回はしょうがなかった…。その言葉を発してから1時間以上経っているので忘れていると思っていた。…というか、発した本人も忘れていた。でも、思い出された以上、嘘をつくわけにはいかない。家まで後5分というところを引き返してTSUTAYA書店へ。書店に入って少し歩くと、おしりたんていのコーナーができていた。少し前から子供たちの間で絶大なる人気を誇るおしりたんてい。パネルも…

  • 今日も今日とて星野源

    「さーいたまー!!」テレビの前でおもちゃのマイクを持ち、声を振り絞って叫ぶ。まるで自分が星野源さんになったかのように、映像の中の主人公を演じている3歳の息子。さながらワンマンライブのようだ。 生粋の宮崎育ちのくせに、最初に覚えた地名は「埼玉」。その理由は、さいたまスーパーアリーナで星野源さんがライブをしているDVDを本当に数え切れないくらい繰り返し見たから。曲の途中で「踊れ、埼玉ー!」など叫ぶ星野源さんを真似しているのだ。おそらく「さいたま」が何なのかは、まだ分かっていないだろう。先週日曜に行われたPOP VIRUSツアー福岡公演に参戦し、初めて生で星野源さんを見ることができた息子。帰ってきて…

  • 香月ワインを飲んでみた

    グラスを口に近づけると、存在感のある香ばしさが鼻を抜ける。飲んでみるとスッキリしていて飲みやすい味。色は普通の白ワインと比べるとややオレンジがかっている。個人的にはあまりワインに詳しくないので、味については深く語れないがこのワインが美味しいということだけは分かる。場所は宮崎市内にあるバー「bioバル」。一緒に行った知り合いは「今まで飲んだ白ワインの中で一番美味しいかも!」と絶賛していた。 そのワインは、「2018 Aya Blanc(白ワイン)」と「2018 Aya Rouge(赤ワイン)」。宮崎県綾町にある香月ワインズで作られている。香月ワインズは少量生産の手造りナチュラルワインに力を入れる…

  • 春の詩

    こどもって、なんでこんなに元気なのか。 身長120センチの3歳児は、人の流れに逆らいながら間を縫うようにジグザグに走っていく。楽しくて仕方ないという様子だ。…ちょっと、待て。言いながら追いかけていく34歳のオッサンの自分。スミマセン。スミマセン!謝りながら、歩いている人と体がぶつからないように必死に避けていく。「あかいはしがいい」息子は太鼓橋に向かって一直線。自分は息子に向かって一直線。これは、リレーか何かか。周りから見たら境内を走っていく親子はきっと滑稽に映っただろう。 旅の途中で訪れた3月上旬の太宰府天満宮は、すっかり春の装いだった。楼門には桃色の梅が彩りを添え、ふんわりと舞った花びらが池…

  • R-1事件

    ●△□&%#$〜〜!!突然、耳をつんざくようなノイズが聞こえた気がした。なんだ、なんの音だ?ふと目を開ける。あたりは真っ暗。今の今まで寝ていたので頭はぼんやりしている。「いやだ〜!!ぎゃ〜!!」「何が嫌なの?」今度は音の輪郭がはっきりした。どうやら、一人じゃないそして息子が泣いている。枕付近に置いてあったはずの携帯に手を伸ばす。時間を確認すると深夜1:30。なんだ?…眠い。何があった?…寝たい。程なくリビングの明かりがついた。…まぶしい。…眠い。「なんかのむ〜〜!!」ギャン泣きしながら訴える息子。「りんごジュース飲む?」母親の提案には一切応じず、嗚咽まじりで泣きじゃくる。「いや〜!!」起きて一…

  • 「感染」POP VIRUS

    日曜の夜9時を過ぎた福岡都市高速環状線は、車の数もまばらだった。道路を等間隔に照らすライトに導かれるようにアクセルを踏む。宮崎へはおよそ4時間くらい。帰りは深夜1時を過ぎるだろう。車内はいたって静か。ライブで興奮した3歳の息子は、アンコールの時に配られた金テープを肌身離さず持ったまま眠りについた。きっと明日から思い出の品として、方々に自慢してまわるはずだ。天神北ICから高速に乗り太宰府ICへ向かう途中、車窓から綺麗にライトアップされたマリンメッセ福岡が見えた。マリンメッセのキャパは約1万人。1万でも相当すごい数だと思うが、今日のヤフオク!ドームで行われたPOP VIRUSツアーは3万5千人を動…

  • ROAD to 星野源〜ライブいよいよ明日!〜

    今日宮崎から車で約4時間かけて福岡に到着。なかなか遠いよ。余程やる気無けりゃ、ここまで来ないよ。すべては息子が喜ぶ姿を見るため。ついに明日、星野源さん大ファンの3歳の息子が念願のライブに参戦!2人で福岡の天神を歩いていると、ふいに歌い出す息子。♪おとのな〜かで〜 きみをさ〜がしてる〜きざむ〜 い〜っぱく〜のえ〜いえ〜んを〜♪ よく聞くとPOP VIRUSの歌詞。横断歩道で前にいた家族連れが笑いながら振り返るくらい、まあまあ大きな声。親としては、面白いんだけど周りの迷惑にならないかとヒヤヒヤした。でも本人の気持ちの高ぶり具合はよく分かった。連れてきた甲斐があるってものだ。気になる席は、LINEチ…

  • ROAD to 星野源〜ライブまであと2日〜

    朝。いつものように保育園へ連れて行く車の中で息子が苛立ったように言う。「あかになってほしい!」どうやら信号のことなのだが、これには理由がある。最近、保育園へ行く時はもっぱら星野源PV集のDVDが車内で流れている。ただ、車が動いている時はどうしても安全上映像が流れずに音だけになってしまう。そこで少しでも見せてあげようと、赤信号で止まる度にサイドブレーキを引いて映像が映るようにしていたのだ。でも赤信号の時間なんて、長くてもせいぜい1〜2分程度。丸々一曲流すには時間が足りない。毎回良いところで発車することになり、途中で映像が切れる。その度に「あ〜…」とがっかりしている息子。「ほら、もうおわるよ。はや…

  • 最高かよ

    朝5時半。家を出ると東の空が明るく白んでいる。どうやら天気予報は当たったらしい。晴れなのは間違いない。ただ…。道路がまだ濡れている。水はけの良い道路でこの状況。前日の雨を浴び続けたグラウンドと芝がどんな状況か。嫌な想像が頭をよぎる。水が溜まっていたら、とんぼでかき出すしかない。その作業時間を確保しないと。現場までは車で50分くらいはかかる見込みだ。強めにアクセルを踏んで、車を走らせた。向かったのは川南町。古くから歴史がある給水塔が見えるグラウンドが今日の撮影地だ。現場に着くと状況が気になっていたのか、撮影スタッフも早めに来ていた。車を降りてグラウンドを確認する。え?まじ? 水が、はけてる。「……

  • 修行かよ

    15時過ぎには止むと言われていたはずの雨は勢いを増し、バチバチと音を立てて着ているカッパに降り注ぐ。強い風に煽られた横殴りの雨は、その場に立っているだけで体力を削ってくる。ほんとにこの雨は止むんだろうな?明日の天気は「晴れ」らしい。その晴れを見越して、大掛かりなCM撮影が控えている。今日はその仕込み。一番大切な日なのだが、どうやら天気はそっぽを向いているようだ。紐を結びつけたペグを地面に打ち付けていると、地面に降った雨が川のように流れを作って低い方へと流れていくのが見える。ここ最近にしてはかなり珍しいまとまった量の雨。なんで今日なのよ。カッパに長靴。雨天を想定しての格好だが、雨の量が多過ぎる。…

  • コピトレ!に挑戦

    最近気になっているもの。それがコレ。「コピトレ!」 公募ガイドという雑誌を読んでいる時に、偶然見つけた。コピーライターの渡辺潤平さんが毎号出すお題に対して、5本だけ考えたコピーを送ることができるという企画。自分自身、大学生くらいの頃からキャッチコピーが好きだ。社会人1年目に宣伝会議という会社主催の「コピーライター養成講座 名古屋教室」に通ったり、毎年行われる宣伝会議賞に応募してみたり。今の仕事もコピーとの距離が近かったりして、なんだかんだとコピーの多い人生を送っている。その中で「コピトレ」に興味を持ったのには理由がある。まずお題のラフさがちょうどいい。「●●の課題を解決しましょう」的なノリでは…

  • ROAD to 星野源〜ライブまであと5日〜

    ご飯を食べて、お風呂から上がると、その時間が始まる。「ほしのげん、みるー」テレビの前にイスを用意して観戦体勢は万全。オヤジがプロ野球でも見るかのように、最初はだらりとしながら見始めた。 お、今日は穏やかに見てるな〜この間に洗われた食器を拭いて、食器棚へ。そろそろ終わるかなというところで息子から呼ばれた。「まいく!」あ、はいはい。息子はアンパンマンのブロックを縦に4個くらい積み重ねたものをマイクという。それを作るのは、こちらの仕事らしい。歌の途中で、ガチャガチャと箱を開けてブロックを積み上げる。「はやく!」…はいはい。息子なりの歌いたいタイミングがあるらしい。マイクに見立てたブロックを渡すとテン…

  • 知らない世界へ

    「一緒にお歌をうたいましょう!」先生の声かけと共に目の前にいる園児たちが一斉に元気な声を響かせた。こんなにキラキラした眼差しと、まっすぐな歌声を真正面から浴びせられることなんて、あんまり経験しないことがないからか、その圧に驚いた。 隣にいる息子はニコニコしているような、恥ずかしがっているような。楽しそうにしているのは確かだ。少し前のことだが、息子が通う保育園で誕生会があった。月に一度、その月に誕生日を迎える子達が主役となってみんなに祝ってもらえる日。その時は保育園に親も呼ばれ、こどもにとっても親にとっても思い出深い一日になる。1歳から預けているので、今回の誕生会が2回目。親からすると息子の保育…

  • 一撃必殺

    道を歩けば、誰かが落とした花粉症の薬を見つけて春の訪れを感じる今日この頃。 自分も例に漏れず、花粉症持ち。この時期になると止まらないくしゃみと鼻水に常に悩まされてきた。時期が過ぎ去るまで、アレグラという抗アレルギー剤を飲んでしのぐ日々。どうにかしたいと思いながらも、舌下免疫療法は時間がかかりすぎる。かといって、レーザー療法はレーザーを鼻の粘膜に照射とか、怖すぎる。しっくりくる解決法が見つからないまま4年ほど経過。今年もしんどい時期が来たなと思っていたところに、新情報。花粉症に効く注射があるらしい。注射でどうにかなるくらいなら、どこへでも行ってやらあ!教えてもらったのは、延岡市の病院「丸山クリニ…

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