帰って来たノラ猫
ずっと前に何度か見かけてそれっきりになってたノラ猫がふらりと玄関先に現れた何十日ぶりだろうどこに行ってたんだいどこで寝てたんだい僕が驚いて聴いているのに僕の足に頭をこすりつけ長いシッポを巻き付け甘えて鳴くばかりそっかお腹を空かしているんだ待っておいで何かあげるよと言う間もなくするりと僕の股をくぐり抜け開けてる隙間から駆けあがったそして部屋のあちこちを嗅ぎまわるノラ猫まるで自分の家のように鼻を近づけて嗅ぎまわったそれから僕に変わりはなかったかと言うように僕を見上げるノラ猫すすけたように汚れているそれにちょっとやせたみたいほんとにどこに行ってたんだい僕が言うのを聴いているのか耳を片方向けているでも君はごはんに夢中だ食器を揺らすほどにして食べているそのこっちに向けてる耳の先に治りかけてる傷を見つけたそっか君も苦労して...帰って来たノラ猫
2019/04/03 13:54