かよし学級の先生からうかがったことです。 新年度は、なかよしの子供たちは、交流学級にいることが多いそうです。 担任する4人の子供たちの様子を見るために、それぞれの学級を巡回しているということです。 その先生が、「それぞれの学級の雰囲気が大変違うものですね。この差はどこからき...
教育随想 428回 長期不登校児 その(4) 子ともたちの温もりが応援歌
前回に続きます。 彼女は放課後の教室に出入りするようになりました。 こうして、5月の半ばになりました。 私は、そろそろ彼女は友だちのいる学校に顔を出したいのではと考えました。 教室に掲示している友だちの絵や習字、係の活動の様子がわかる教室を立ち止まって見入るようになったから...
教育随想427回 長期不登校児(3) 先生の思いは引っ込めて ゆっくりと 実が熟すまで
前回に続きます。 友だちのいない教室から始めます。 5月の連休が明けると、私は、次の段階に進めました。 彼女に、放課後、教室に遊びに来ないかを打診しました。 彼女は少しためらいました。 「放課後、教室には誰もいないからどうかな」と勧めました。 彼女は承諾しました。 母親に付...
教育随想 426回 長期不登校児 その(2) 子どものまわりを うろうろする私
前回に続きます。 お互いに姿を見せ合わない先生と子どもの関係から始めました。 子どもにとって先生が訪ねてくるだけで圧力をかけることになります。 今までの先生がそうであったように、自分を学校に連れ戻そうとする意図でやってくることを知っているからです。 彼女は、内心、先生が来た...
教育随想 425回 長期不登校児 姿を見せ合わない出会いから
前回、子どもと先生の距離感をお話しました。 今回は、不登校の子どもを取り上げます。 現在では、かつてほど登校させようとする指導を強く行わないようにしているようです。 それは、学校以外に不登校の子どもたちを指導する施設が増えていることもあります。 さらに、勉強だけなら自宅でも...
子どもと関われと言われたら、先生は自分から距離をつめていくことが多いです。 母親が子どもにべったりだと、距離をつめすぎていることになります。 母親のエネルギーが強すぎて子どもの主体性と自由を奪います。 職場でのつきあいも同僚との距離感が大切です。 お互いが自分の気持ちを自然...
誠実とは「言動にうそ、ごまかしがなく、常に良心の命ずるままに行動する様子」 (新明解国語辞典より) 先生の誠実さがどのようなことを言うのかが書かれています。 これを読むと、私は、正反対の先生であったということがわかります。 子どもの前で、その子によかれ良かれと思ってついたう...
「豊かな心」という文言は、多くの学校において掲げられている言葉です。 学校要覧に目を通すと、しばしばこの言葉が目に入ります。 これは、めざす子どもに対する目標です。 あいまいな言葉です。 私は、子どもよりも先生自身が、指導者として育てなければならない心だと思います。 私は一...
その教材に対して、どれだけの研究をしたか。 一般的には、教材研究をするとき、子どもたちの姿を念頭において研究することが多いです。 子どもたちにとってわかりやすい、わかりにくいという視点。 子どもたちに興味関心があるかどうかという視点。 子どもたちにうまく教えられるかという視...
教育随想 420回 授業者は 教えることを通して子どもの学びを育てる
授業のよしあしは、指導者がどれだけ教えたかで決まるのではなく、子どもがどれだけ学んだか、学び取ったかによって決まります。 授業案の基礎にあるものは、以下の三点です。 ①指導者がどういう考えにたって授業に望むのか ②教材についてどれだけ研究つくしたか。 ③子どもの力がどれだけ...
年齢を重ねると、教科書を見ただけで大まかな授業計画が浮かびます。 今までの経験に照らして計画できます。 先生は、自分の知識や考えをもとにして、教え込んでいきます。 子どもは学ぶものというよりも教え込むものというほうが強いようです。 授業経験を重ねると、適当にごまかしてしまう...
先生になってから3年間が過ぎると、教育の仕事に慣れが出てきます。 新任のころは、迷いだらけの授業も、年月とともに、見様見真似でこなせるようになります。 さらに、いろいろな先生、雑誌から教育技術だけが知識として少しずつ豊かになります。 授業の一時間をそれなりにこなせるようにな...
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かよし学級の先生からうかがったことです。 新年度は、なかよしの子供たちは、交流学級にいることが多いそうです。 担任する4人の子供たちの様子を見るために、それぞれの学級を巡回しているということです。 その先生が、「それぞれの学級の雰囲気が大変違うものですね。この差はどこからき...
散策のとき、近所の学校の横を通ります。 運動場が緑道に面しています。 体育の授業が行われています。 先生が子供たちに助言、指示を出しています。 先生は、子供たちを集めることなく指示を出しています。 その時の目は全体の子供を把握していません。 言葉が空中をさまよっています。 ...
授業は子供に知識を伝えるもの。 授業は文化遺産を伝えるもの。 今までの文化を子供たちに伝えるもの。 そのための年間学習指導計画。 授業はもう一つの側面がある。 学ぶ意欲、学習意欲を育てる。 子供に学びに対するエンジンを取り付ける。 学ぶ意欲は、教材の面白さ、わかりやすさと難...
子供たちが目に入る順に学習します。 教科書をもらったら、まず、目にするのは教科書の表紙です。 表紙は子供たちの気持をひきつけるための工夫がなされています。 授業の始まり。 子供たちは目次をとばして単元教材のページを開いています。 「教科書の表紙から勉強しましょう」(子供たち...
新学期が始まりゆっくりと授業を進めます。 年間学習指導計画に縛られて、最初からアクセルをふかして授業を実施します。 計画にしたがって、学習指導目標を遂行しようとします。 果たして、どれだけの子供たちがついてこれるでしょうか。 どれだけの子供たちを失望させることでしょうか。 ...
新学期には、学級のきまり、時間割、係活動等、多様な掲示がなされています。 それぞれの掲示物には賞味期限があります。 一学期掲示されたものが一年間はられていることがありませんか。 学年末には、掲示物の色がくすみ腐りかけていることがあります。 白くまぶしかった画用紙は、学年末に...
各教科の教科書を一読する先生は少なくなりました。 授業が大切だと思われるなら、子供たちとの媒体としての教材に目を通す必要があります。 今は、指導書に加えてネット情報に支えられながら授業準備をします。 その時においては、指導方法ばかりに目がいっています。 教材の意義、本質につ...
新しい学級の担任が決まります。 専科の先生は自分の受け持つ学年、学級がわかります。 その時に必ず、前担任、担当者との引き継ぎがあります。 事務的なこと、行事に関すること。 そのなかに子どもたちの情報のやりとりがあります。 私は、子どもについての情報に耳を傾けます。 しかし、...
レストランに行くことがありますね。 入店した瞬間、すでにレストランの風が吹いています。 張りつめた風、わくわくする風、なんとなくけだるい風・・・・。 すっきりとさわやかな風が吹いているレストラン。この風はどこから吹いてくるのだろうかと考えます。 見えるものは、ごみ一つ落ちて...
護者クレームがさらに多くなっているようです。 自分の子どもの雰囲気にあっていないから担任を代えてくれ。 厳しすぎるから自分の子どもが不登校になろうとしている。 そのために、赴任して2年間で今年転任が決まった先生がいるそうです。 マスコミも学校のトラブルに対しては、批判的に報...
学校行事、教育活動において、無駄、無意味だから止めよう。 運動会、入場の駆け足は無駄だから、直接演技の場に集合させる。 駆け足で入場する意義は考えない。 とにかく時間のむだだという。 今までの学校行事のあり方を検討するのは大切です。 しかし、合理的判断として決定しているとこ...
子どもたちを指導していると、指導に疲れてしまうことがある。 これだけ一生懸命説明しているのに。 あれだけ指示をだしておいたのに。 指導者の血圧が上がっても、子どもは平然としている。 いらいら、悔しい、どうしてどうしてと自問自答するばかり。 出力はあっても入力がない状態。 教...
最近、特に、ニュースや情報番組、バラエティ番組を視聴するのを好まない。 「異常な暑さです。不要不急の外出を控えてください。」 それにもかかわらず高校野球は実施されている。 コロナの時も必要以上に日常生活を自粛するように指示している。 自粛するように伝えながら、感染者は何人ト...
教室で目立つ子供たち。 発言力があり、授業者が困っていると親衛隊のごとく発言する子。 教えてもすぐに理解して自分のものにできる優秀な子ども。 運動能力の高い子は誰からも注目されるスター的存在。 指導者も彼らを使って模範演技をさせることもある便利な子。 すぐに先生になついて人...
元来、学校の存在意義は、社会で必要とされていることを子どもたちに教え込むために開設されたものです。 学校生活のほとんどは、大人が編み出したことを半ば強制的な方法で教え込みます。 それは、決して子どもにとって「おもしろい」「楽しい」とばかりは言えない場です。 かつては、学校は...
言葉は便利であることには変わりない。 少なくとも作業・伝言などの要件を伝えるためには有効である。 言葉は道具であり手段であり目的ではない。 要件を伝えたり指図をしたりする場合において有効である。 しかし、気持ち、心の奥にあるものを伝えるには限界がある。 言葉は心の湖を掬い取...
講師の先生を採用試験に合格させるために指導しています。 指導しているのか、指示しているのかどうなのでしょうか。 指示ならば、教材の学び方、内容理解を促します。 ほとんどは、指示ですね。 指導とは、合格に導くためにどのような手だてをうつか。 導くから指導です。 導けないなら指...
体育で水泳の技能についての指導があります。 どの先生でもされていることです。 その中でも水そのものに恐怖感を持っている子を取り扱います。 子どもとプールサイドで水かけ遊びをします。 次に、プールサイドにすわって、足をつけた状態で水かけ遊びをします。 プールのなかの先生に水を...
社会、地域、学校は、人間一人ひとりの違いで小さな世界を作っています。 差をとりあげるとすぐに「差別だ」と声をあげる人がいます。 生まれた時から、誰一人として同じ人間はいません。 初めから容姿、能力、感情に差があるのです。 それは、だれもがわかっていることです。 差があること...
先生方の会話のなかで 「常識では考えられない、あの子の行動は」 「子どもの様子を見守っていたが、まさかこうなるとは思えない」 このようなことを口にしているのをしばしば聞いてきました。 常識では考えられない行動、その常識とは誰の常識でしょうか。 あなたの常識ですか、同僚の中で...
授業を始める時、いろいろな指示をだしますね。 先生によって違うと思いまずか、いくつか挙げてみます。 「はい、立ちなさい」起立➡礼 「今から算数の勉強を始めます」 「今日は、○○の勉強をします」 「教科書の何ペーシを開けなさい」 「ノートを開いて書く準備をしなさい」 子どもた...
授業者は、これくらいなら子どもたちは理解するだろうと考えます。 ところが、子どもたちは「わからない」という顔をします。 先生は「もっとよく考えなさい」「もっとよく読みなさい」と子どもを責め立てます。 考えてわからないから、子どもたちは悲鳴を上げているのです。 指導の仕方、順...
授業は、教材・児童・授業者の三つの関数がお互いに影響し合っています。 それぞれについてお話します。 教材は、子どもと先生をダイレクトにつなぐものです。 授業者は教材を通して、子どもたちも教材に向かうことで学びます。 教材研究で考えることは 〇一人の大人として、この教材から何...
前回と同様に「教育力」(斉藤孝)からの言葉を引用します。 「先生の教育力を見たいのなら、先生の言っていることよりも、教室の前のほうに立って生徒の顔を見ていたらわかる。生徒がどれだけ集中しているのかということで、その先生の教育力がわかる。一応、授業の形をとっていても、生徒の頭...
「教師に求められるものを大きく分ければ、専門的力量と人格的力量」になろう。この二つは教師にとって不可欠なものである。」(「教育力」斎藤孝より) 現場の先生を知る限りにおいてわかることは、専門的力量が今一つというところである。 悲しいかな、先生は、指導書に沿って授業を進める限...
新年度、授業を開始する時、話し合い滑動を取り入れることがあります。 子どもたちの実態がまだわからない時には、独り学習に徹します。 先生を中心とした一斉学習をします。 子どもの前で、一時間、講義をすることができますか。 先生のお話だけで、子どもを退屈させないように話すことがで...
どの学年を受け持っても、その教科において、低学年からどのような学習をたどってきたかを把握しておく必要があります。 場合によっては、前学年の内容を復習してから学習に入ることもあります。 6年国語の教科書の最初の単元に「言葉の準備運動」があります。 これは、3年生から継続された...
「考えるときに使おう」中学年の国語の教科書に掲載されています。 その中では、「分ける」「くらべる」の方法を学ぶようになっています。 分類と比較。 どの教科でも使えることです。 分類は、いろいろな資料、意見などを分けることで分かりやすくなります。 比較は、相対的に比べることで...
一年間、これから勉強する内容を概観できるようにします。 そこには、期待感が生まれます。 そして、子どもたちの好き嫌いを先生は把握することができます。 これは、どの教科でも実施します。 国語を例にとります。 「今日の勉強は、ぱらぱら勉強です」(ページをぱらぱらめくるから) ...
「今日から国語の授業を始めます」 子どもたちの机上を見ます。 「教科書のページをすでに開いていますね」(意欲的な子) 「A君は、教科書を閉じたままですね」 A君はあわててページを開こうとする。 「A君は教科書の表紙を見ていましたね。いいですねえ」 「みんなは、どうして表紙を...
新学期が始まり一週間ぐらいは、多くの子どもたちはおとなしいです。 新しい先生に気に入られたいという思いがあります。 周りの子どもたちとの親密度が浅いということもあります。 今年こそはがんばりたいから、最初からまじめにいこうと考える子もいます。 そのような子どもたちも時間がた...
学級づくりは、一人一人の子の学習意欲を中核として、集団生活の働きを高め、学習効果の発展をはかることです。 学級づくりは、仲間づくりとも言い換えることができますが、それは、あくまで、学習意欲を増幅させる授業をとおして実現可能なものです。 子どもたちが勉強にやる気を持ち始めると...
指導にあたって、できるだけ多くの情報を集めます。 事前に集めておく情報は 〇病歴、けが、アレルギ―体質の有無 〇昨年までの健康診断表を閲覧。 〇指導要録の閲覧・・・子どもと出会って一週間を経過してから。 ➡まずは、先生の子どもに対する印象を大切にする。 〇昨年度までの学習成...
道の駅に小学生を乗せた観光バスが入っていました。 低学年ぐらいの子どもたちです。 トイレ休憩のために道の駅に駐車しているのでしょう。 私が車から降りると、私に向かって数人の子どもたちが窓越しに手を振っています。 顔をくちゃくちゃにしながら私に向かって合図を送っています。 私...
新学年に先だって、子どもの名前を覚えられる先生がおられます。 始業式の日にさりげなく子どもを見て、その子の名前を呼びます。 子どもたちは「えっ、ぼくのこと、知っているの?」と驚きの表情を見せます。 そして、「私は」「ぼくの名前を知っているの?」とせがむようになります。 サプ...
担任になると、子どもの前に立つだけで、子どもたちは先生の話を聞きます。 先生の指示にそれなりに従います。 子どもとの交際歴は初日のわずか1日だけなのに。 お互いの親密度は0に近いです。 もちろん、担任が代わったというだけで寄ってくる子どもたちはいます。 しかし、子どもたちに...
いよいよ、新年度、に入学、進級した子どもたちを迎え入れる時がきました。 先生は、気分もリセットして新しい子どもたちと出会います。 子どもたちも「今年こそは・・・・」と学習や生活において気分を新にして登校します。 さて、子どもたちが登校したとき、何をもって「進級したなあ」とい...
「よい子であれば好かれる」「勉強ができたら愛される」「完璧に物事をこなせば非難されることはない」と、ひたすら思って生きている子どもがいます。 もっと、自分の本当の思いをだせばいいのにと思います。 何でも大人の言われたとおりやってみようとする子がいます。 表情は硬いです。 ど...
子どもは、無意識のうちに、家庭においても学校においても、自分の安全を得ようとしています。 家庭においては、衣食住の保障、精神的なゆとりを得るために、無意識のうちにある行動をとろうとします。 子どもにとって家庭は最後の砦です。 親から見放されることが一番つらいですね。 私は、...
先生として自分は成長したと自負することがあります。 これだけ頑張ったのだからそれなりに成長しているはずだと思うことがあります。 「教育は人間だ」と思いながら、その「人間」を子どもたちにすり替えていることがあります。 その人間とは「自分自身」であることは明らかです。 先生が、...