裸婦像 - 絵とことば
無題 - 絵とことば
私は千円札を五枚握りしめていた。 おぼろげではあるが、そこには知った仲間の幾人かが、いた。 何かの祝いごとのためであったろうが、今は想い出せない。 中央のテーブルには蓋の開いた缶ケースが置いてあり、 誰がいくら出したかは、みんな敢えてそこから目を背けているし、 どんどん投げ入れられるお金が一緒くたになって、分からないような塩梅になっているらしかった。 気持ちであるから、いくらでもよいと云っている。 あっ、そう、などと握りしめていた札を放り投げようとしたのであるが、 もちろん私にとっての精一杯、どころかフンパツしたお金に変わりなかったが、ためらった。たじろいだ。 そこには、万札などが、惜しみなく…
絶筆 - 絵とことば
抽象画 - 絵とことば
「何故に会いたいときに会えないの。 今日会えなければ、 わたしは死んでしまうかもしれないのに。」 俺は泣いてしまうだろう 潮騒とともに 引き寄せられた薄い桃色の貝が 浜辺に顔を出す ひんやり濡れた足許の さらさらの砂の上から 両の手の平におさめて 「可愛いやつ。」 と俺は微笑む 世界は止まり お前がいないことに 俺は泣いてしまうだろう 「可愛いやつ。」 お前は儚く小さな貝そのもの 永遠は時に 潮騒とともに 引き寄せられた薄い桃色の貝が 浜辺に顔を出す
油絵。30号キャンバス。
残り滓がつべこべ云わせてと云っているのさ。 どうせ死ぬるなら、道端に痰を吐き捨てたって誰も文句は云わないだろう。 神さまのバチもあたらないだろう。 おっと向こうから、がっちりした体躯の青年がやって来る。 奴に何か云ってやろう。 失うものは何もない。 この身ひとつ。 相手は誰でもいいのさ。 おれのルールは、ただひとつ。 相手を選ばないこと。 上背だって、おれの二倍はあるんじゃないかっていう大男だ。 腕っ節だってきっとあるのだろう。 もっぱら負け戦と分かっていても、 やらないといけない時がある、って誰か云ってた気がする。 へっくしょい。 ええい、おれは選ばない。 動悸がするのは、おれが逃げ腰だから…
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