事実婚って、同居が必須なの?
「事実婚」とは、婚姻届を提出していないため、法律上の夫婦とは認められませんが、夫婦としての共同生活の実態において「夫婦」と認められるような関係のことです。 事実婚の成立要件として、学説・判例上は、以下の2点を挙げています。 今回は、(2)の同居に焦点をあててみます。 「同居をしていないと、事実婚と認められませんか?」 このようなご質問をいただくことがあります。 例えば、ご夫婦どちらかの仕事の関係で、数年間別居(単身赴任)している等、さまざまな事情があるかと思います。 確かに、先述のとおり、事実婚の成立要件として、共同生活の実体(同居と生計が同一であること)があります。 しっかりとお互いの認識が合っていて、それに合意しているのであれば、 「別居していても事実婚」ということで、問題はありません。 ただし、事実婚において、その「同居していない理由」が、対外的に見たときにわかりにくいことが難点と言えます。 ※対外的に事実婚であることの証明が必要な場面については、こちらをご覧ください。 そこで、事実婚夫婦として 「令和○年□月△日から事実上の夫婦関係であること」 「お二人の間に婚姻の意思があること」 「やむを得ず別居している間も交流を持ち、夫婦としてお互いの責任を果たすこと」 これらを明記した事実婚契約書を交わすことで 「いつから事実婚であるか」 「お二人の間に婚姻の意思が明確にあること」 「理由があって別居した場合の取り決め」 これらが明確になり、お二人が事実婚であることがはっきりします。 したがって、必ずしも「同居していなければ事実婚と認められない」というわけではありません。 ご参考になさってください。
2020/06/29 15:13