人類祠計画
3015年、その時、人類は漸く永きに渡る戦いの歴史から解放された。 2000年代から騒がれていた「祠の破壊とそれに伴う呪詛の活性化問題」であるが、当初は愚かな若者による愚行として扱われており、数名の若者の人知れぬ行方不明事故や、酷くても山間の集落の壊滅という事態で収束することが出来ていた。 転機が訪れたのは2500年代初頭、特にきっかけのわからない呪詛の拡散と壊滅的な被害が確認され始めたのだ。当初は呪術的テロリズムなどと騒がれていたが、国家による捜査が始まるとその実態が分かってきた。 実際のところ起こっていたことは、「インフラの劣化」であった。 要は、後継者不足や長年にわたる儀式の継承に伴い儀…
2024/10/16 20:31