5ヶ月と12日前、高校を卒業した。大学一年生の8月末。茹だる暑さに殺されながら生きている。 ボタンだけが金色で、他の全ては黒で染まった学ランに身体を滑らせる。ボタンは上まで締める。首が少し苦しい。 Suicaで改札を通り7時43分の電車に乗り込む。少し揺られて、光をテラテラと反射する多摩川を越える。乗り換えだ。 エスカレーターでさえも急ぐサラリーマンを追い越し、電車に乗り込む。ドア脇の「狛犬ポジション」を陣取れたのは悪くない。1500円で買ったイヤホンで、自分しか知らない曲を聴くのに没頭する。 トンネルを抜ける。次は中央線に文字通り"詰め込まれる"。捨てられるゴミってこんな気持ちなんだろうか。…
縁があって十日間を湖のキャンプ場で過ごした。あてがわれたのは4畳のバンガローだった。俺の主な仕事はボートとカヌーの貸し出し。状況に応じて雑用。 起床は5時。これは日が昇る時間。 6時に朝食。ひとつ2円の卵は割る時に中身が飛び出す。 9時にお茶。毎日変わるお茶受けが嬉しい。 12時に昼食。アナログテレビで甲子園を見ながら。まだあったのか。 17時に夕食。もう一踏ん張り。 18時に売店の締め作業。仕事終わり。 18時半に風呂。汗を洗い落とす。 19時くらいからスマホをいじる。事務所が圏外だから、湖畔まで行って石に座って溜まったラインや何やらの返信に勤しむ。 就寝は21時。これは眠くなる時間。 だい…
最近「エモい」という言葉を目にすることが多い。インスタグラムやツイッターなど見かける場所は様々だ。しかしこの言葉は見かける場所の多さより持ちうる意味の種類の多さが問題なのだ。例を挙げて説明していこう。 まず最初に俺が「エモい」に疑問を覚えたのは高校の卒業式の日に見かけた数々の投稿であった。卒業式の後、クラス会を終えて嬉しさと少しの寂しさを感じながら帰宅した俺は同じような気持ちを抱えているであろう仲間たちと感情を共有すべくツイッターを開いた。そこで俺を待ち受けていたのは次のような投稿たちだった。『卒業式だった!エモかった〜!!』『3年間通った校舎ともこれでお別れ…エモエモのエモ…』。衝撃で言葉が…
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