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  • 卑劣な脅迫

    バカ殿様 由紀さおり 年齢詐称 先日の親類の葬儀前。  実は、私自身に非常に悪質で卑劣な脅迫にあっていた。  私の性格からしたら、テレビで連日やっているあおり運転のヤローみたいな奴だったら、「んな奴、拳骨でいったったらエエねん!」と、およそ元格闘家らしからぬ思考になる。 と...

  • 素意や!

    去る21日、嫁方の親族の葬儀で姫路に行った。 前日、めったに着ない白いカッターシャツを出してみると、しわくちゃだった。  嫁もいろいろ準備が大変そうだったので、シャツをアイロン掛け。 翌日は私服で行き、ホールで着替えようと思い、シャツを荷物の横に畳んで置いて、嫁より先に就寝...

  • 謎のウルトラマン

    先日、郵便局に行った時の話。 入り口近くの窓口で、郵便物の発送を待っていた私。 そこは小さい郵便局で、私が待っていた場所のすぐ側に出入口があった。 “無”になって待っていた。 すると、入り口の自動ドアではないドアが勢いよく開き、マスクにニット帽の男が駆け込むように入ってきた...

  • 私をたどる物語 <完>

    お互い手を出し合ったままゴング。 それぞれ、自分のコーナーに戻った。  緊張の糸が切れたからか、私はコーナー近くで、くずれるように倒れそうになった。  会長に支えられて、なんとかコーナーポストの椅子に座った。 こんなに限界まで、出し尽くしたのは初めてだった。  「ありがとう...

  • 私をたどる物語 <19>

    そして、迎えた試合当日。  実践の勘、スタミナなど、リングに上がるにあたっての総合的な材料を整える事が出来た。 いや~3ヶ月しか調整期間がなかったから・・・と、言い訳できないくらい仕上がった。  自画自賛するわけではないけれど、あ~やっぱり俺はプロだったんだなぁ~と思えた。...

  • 私をたどる物語 <18>

    私は、この試合が決まってやらなければいけないと思っていた。  T君が自殺した現場に手を合わせに行く事。  自殺する事はよくない。  自分だけ死んで、楽になるかもしれない。  残された人たちの悲しみ、無念さ。 そういう事を考えれば、自殺は卑怯だとも思う。 しかし、人間というの...

  • 私をたどる物語 <17>

    私は何か因縁をつけに来たと思っていた。 すると、リーダーらしき入れ墨をいれた男が言葉を発した。  「プロの方ですか?」  私の動きを見て、そう思ったのだろうか?  「はい、ブランクはありますけどね。」  「試合、近いんですか?」  「3ヶ月後です。」  「頑張って下さい!お...

  • 私をたどる物語 <16>

    そして、最初で最後のつもりで上がった7年振りのカムバック。 それで、私のボクサー人生は終わり・・・のはずだった。  T君の死・・・。  最後の試合から一年間、結婚や自分の治療院を開院するため、体をまったく動かしてなかった。  3ヶ月という短い期間で、再びリングに上がらなけれ...

  • 私をたどる物語 <15> <神様からのギフト>

    数年前に抱いていた「わだかまり」。 でも、心のどこかで、あれは何かの間違いで、私の勘違いだったんだ・・・と思いたかった。 しかし、それを確かめる勇気はなかった。  Kさんとの思い出は思い出として、心にしまっておこうと思った。 そして、あるきっかけから始めたFacebook。...

  • 私をたどる物語 <14>

    KさんとはSジムで、階級も同じ、デビュー戦も同じ時期、ファイトスタイルも同じファイタータイプ。  新人王戦も違うブロックで、同階級にエントリーしていた。 そのせいか、よく火のでるような打ち合いをして、スパーしていた。  私が憧れていた、カリスマボクサーだったIさん。  私は...

  • 私をたどる物語 <13>

    「オヤジの右が当たれば・・・」  「右喰ろたらもたんやろ・・・」  「どれだけもつかな・・・」  周りの人間たちが呟く言葉が耳に入ってくる。 そういえば、Aさんが私に話してくれていた言葉を思い出した。  「腕に自信のある奴がワシらの集まりに来ても、オヤジの右喰らって立ってら...

  • 私をたどる物語 <12>

    数日後、Aさんの事務所に行った。  「おー、コブシさん!」 にこやかに出迎えてくれたAさん。  最初の対応の時と顔つきが違っていた。 (いやいや、気を付けなければ・・・) まだ私の中では、何か騙されるんじゃないかと警戒していた。  近くのファミレスみたいなところで夕食をとる...

  • 私をたどる物語 <11>

    両親との約束、4年間は私の好きにしていい。  私の全力疾走は終わった・・・。  親に抗う理由もなく、家業の養成所に入った私。  規定の過程を経て、養成所を無事卒業。  卒業後、普通なら一職員として、16歳の頃に世話になったDグループ会社に勤める予定だった。 ところが、ある縁...

  • 私をたどる物語 <10>

    翌日、正式にジムに引退の挨拶に行った。 ジムが一番活気づく夜の7時。  「お願いしまーーすっ!」 ジムに着き、いつもしていたように大きな声で挨拶をした。  「ちわーーすっ!」 いつもの面々たちが元気よく返してくれる。  「おーーっ、コブシ!」  「久しぶりです、コブシさん!...

  • 私をたどる物語 <9>

    減量、試合、思いっきり飲み食いする。 このサイクルで3年間過ごしてきた私。 おそらく試合が出来ない体。 でも、これは夢なんじゃないか?  頬をつねるなんて甘いと思った私。  何度も何度も何度も、結構強く自分の頬を張った。 ヤッター!これで試合せずに済む! あんなに毎試合毎試...

  • 私をたどる物語 <8>

    マネージャーも、勢いにのった私に、攻めのマッチメイクをしてきた。  元日本ランカーのY選手。  名前は聞いた事があった。  戦績は私と同じ、6勝(3KO)3敗。  私と同じ戦績で、日本ランクまで入った事がある。 すなわち、強い相手とやってきている証である。 これは、相当気合...

  • 私をたどる物語 <7>

    ただの6回戦。 しかし、私にとっては自分が男でいられるかどうかの大一番。  試合当日。  後楽園ホールとは比べ物にならない小さな会場。  入っても1000人くらいだろうか。 メインの選手の故郷らしい場所。  別にタイトルマッチでもないので、客の入りも今一つ。  俺はここで終...

  • 私をたどる物語 <6>

    「勝者~青コーナー!」  判定が出た瞬間、頭をうなだれる私。 リングサイドに立っていたマネージャーと私のトレーナーの二人が、優しくうなだれた私の頭を撫でてくれた。 この試合のビデオは、今でもたまに見てしまう。 ビデオを撮っていた私の後輩も、本当は黙って撮らなければいけないの...

  • 私をたどる物語 <5>

    しかし、目の事はトレーナーに話していなかった。 なんとなく、網膜剥離の前兆のような気がして、もし、そうなったら引退しなければいけなかったからだ。  私はガードがあまりうまくない。 というか、わざと打たすところがあった。 パンチが当たっているのに、グイグイ前に出てこられると、...

  • 私をたどる物語 <4>

    今までの相手とは比べ物にならないくらいスピードのあるジャブを矢継ぎ早に打ってきた。 いろんな角度から数発打たれ、そのスピードに面食らっていた私。  次の瞬間。  気が付いた時には、右のストレートが私の顎を打ち抜いていた。 それもピンポイントに顎の先端の急所にヒットした。 は...

  • 私をたどる物語 <3>

    試合会場は名古屋。  相手は名古屋で期待されていた無敗のホープ。  私みたいな叩き上げは、ブランク明けといえど、ハードなマッチメイクになる。 しかし、そこで生き残ってこそ、上にいける。  自分でもそれは理解していた。  会長の孫なんかは、大事に慎重なマッチメイクで、訳のわか...

  • 私をたどる物語 <2>

    私の現役時代・・・ Мさんとの約束通り、20歳になる目前の19歳で、東京後楽園ホールでデビュー。  人気のある日本チャンピオンの前座。  相手は、その日本チャンピオンが所属しているジムの選手。 アマチュアで数戦のキャリアのある相手。 だいたいメインの選手が所属するジムの興行...

  • 私をたどる物語 <1>

    今から16年前の話。  「コブシか・・Tがな・・Tが自殺したんじゃ・・・。」  会長の声は力なく、いつもの勢いはなかった。 それがショックの大きさを物語っていた。  T君が自殺?何故?  T君は私よりも7つほど下だった。  私が7年振りにカムバックするため、T君が所属してい...

  • 200%夢の話 <2>

    【まだまだ、夢の中・・・】  試合は昼の1時半開始だった。  会場に入る前に、初めて用意されていた白衣をスーツの上に着た。  白衣を着るのは、実は2度目だった。  小学生の頃、学芸会で「みこみなし病院」という手術している患者の腹から、バケツや本などありえない物を出すという、...

  • 200%夢の話 <1>

    10年ほど前、あるボクシングジムの会長から久しぶりの電話。  「コブシ君、ちょっと頼みがあるんだ・・・」 その会長に私は大変な恩義があった。 だから、自分にできる事だったら何でも引き受けようと思った。 ただし、モチロン犯罪行為を除いて。  「リングドクターがな・・・」  数...

  • 我が家の『サンタ事件』

    今年のクリスマス・・・ 我が家の歴史に残る『サンタ事件』がおこった。 娘も小6。  いろんな情報が溢れている現代。 友達やネットで調べる等で、サンタなんか“いない”事など、容易にわかるだろう。 昨年の時点でも、友達から「サンタって親なんよ!」って言われて若干、疑惑があった。...

  • あおり運転

    先日、家族で外食をしようと車で移動していた。 すると、前方に不審な動きをする車がいた。 その車は、3車線の真ん中を軽く蛇行しながら走っていた。 スピードも速くなったり、遅くなったりと、周囲の車も、避けるように近付いていなかった。  最初は高齢者の方が運転しているのかと思った...

  • オッサンの昔話 <完>

    「あのな、コブシちゃん・・・ナツコのことなんやけど・・・。」 マスターは苦虫を噛んだような表情で続けた。  「実は・・・俺の子、妊娠して、もうちょっとしたら、店をしばらく休むねん・・・。だから・・・コブシちゃん、ボクシングやんなよ!」  「へ・・・?」 マスターの子ってこと...

  • オッサンの昔話 <2>

    私は興味なさそうなフリをして、その紙を受け取った。 “店もうちょっとで終わるから、どっか行こ!” ナツコさんの顔を見た。  今まで見てきた中で、最高に可愛い笑顔だった。 クールに決めようとしていた私だったけれど、我慢出来ずにニヤケ顔になっていた。  店の会計を済まし、店の外...

  • オッサンの昔話 <1>

    今から30年くらい前の話。  16歳でいろいろあり、家を出され、ある施設に預けられた私。  労働基準法?知ったこっちゃねぇ! 今じゃ考えられないんだけれど、朝早くから夜9時10時まで働かされていた。  休みなんてほとんどなく、あっても事務所の電話番という軟禁されたような休み...

  • 1人ベストキッド

    高校3年の頃。 高校2年の始めに、本格的にプロボクサーになるため夜遊びを止めた私。  近くにボクシングジムがなかったのと、格闘技好きな友人が一緒にやろう!と、学校の近くにあるフルコンタクト系の空手道場に入門。  私も強くなるために貪欲だったから、他の格闘技をするのも何かの役...

  • 心の隙間 <2>

    Kさんに言われてから、バイトしてても、視線を感じて見ると、Kさんが見てたり。 タイプではないとはいうものの、とんでもないデブやブスでもないので、私も意識するようになってきた。 しかし、私と同時期に入っていた、族上がりのTさんとKさんはできているという話も耳に入っていた。 そ...

  • 心の隙間 <1>

    今から10数年前の話。  日中の本業が安定せず、夜中、運送会社でアルバイトしていた頃の話。  次々と入ってくるトラックから荷物を下ろし、その中身を検品して、またトラックに積むという倉庫内での仕事だった。  私の住んでいる地域では、高めの時給1200円だった。 その代わり、時...

  • VS キチ〇イ 〈2〉

    私たちは恐る恐る交番に入った。  Nが口から泡を飛ばす勢いで熱心に自分の受けた被害を警官に訴えていた。 それを、呆れたような顔をして二人の警官は聞いていた。  「もう、常連でね~。」  一人の警官が、中に入った私たちにそう言った。  聞けば、近所の住民と揉めては交番に駆け込...

  • VS キチ〇イ <1>

    「コブシちゃん、助けてあげて!」  今から20年ほど前、妻と付き合っていた頃の話。  妻の親友のシングルマザーのHちゃん。  女手ひとつで、2人の子供を頑張って育てていた。 しかし、ある男に悩んでいた。 その男は、Nというアパートの1階に住んでいるHちゃんの向かいにある一軒...

  • 意味不 <2>

    マンションの部屋に入る。 つい何時間前は、赤の他人だった関係なのに、その人たちの部屋に入る非日常。  通常だったら、ありえない展開。 お互いだいぶ酒も入っていたから、麻痺していた。  部屋に入り、乾杯して飲み始めた。  子供たちも、相変わらず仲良く遊んでいた。  1時間くら...

  • 意味不 <1>

    今、高1の子供が3歳くらいの話。  翌日休みだったので、晩御飯を妻と子供と3人で、居酒屋に行った。 すると、隣にも同じような年頃の夫婦と子供の客がいた。  最初は別に話してなかったんだけれど、子供同士が遊ぶようになり、その夫婦とも話しをするようになった。  子供が同い年で、...

  • 私のお口の中の入道雲

    先日、妻と2週間振りの営み。  子供たちが寝静まってからなんて危険過ぎる。 なので、だいたい、私が休みで、子供たちが学校に行った後、即ち午前中にするのが通例だった。  子供たちが学校に行き、阿吽の呼吸で私からシャワーに行った。  立ちながらボディソープを手に取り、シャワーを...

  • そこはいらんやろ!

    仕事で朝早く、朝食を取れなかった私。  車に乗りながら、おにぎりでも食べようとコンビニへ。  数あるおにぎりから、炒飯のおにぎりが目に入った。 それを手に取り、足早に車に乗った。  運転しながら、袋から取りだし、片手でたべながら運転していた。  二口目を食べようとした時、前...

  • 霊能力開眼!

    「霊能者」  古いところで言えば、宜保愛子さん。  否定はしないけど、実際には、ホンマか~?と、思っていた。  「俺の知り合いに、めっちゃ凄い霊能者がおんねん。一回行かへん?」 10数年前、ある事で悩んでいた私にツレが言ってくれた。 その時に、霊能者といわれる人に会った時の...

  • 2ちゃんねる

    「2ちゃんねる」・・・所謂、あの「2ちゃんねる」である。(笑) あるスレッドで私の実名が載っていた事がある。 そのスレは、私が所属していたジムのスレッド。  確かに、会長は背中から腕にかけて立派な彫り物が入った、現役なのか元か知らないけど、ヤクザだった。 そのせいか、少々・...

  • バック恐怖症

    オラーイ!オラーイ!オラーイ! ドンっ! あれ以来、私は車のバックが・・・いや、今回の話はそのバックの話ではない。  昔のプロボクサー時代の話。  前にも書いたように、私は勝つ為に試合1ヶ月前から禁欲生活に入る 現役の最期らへんに、私は以前の「性病」のログに書いた女性と同棲...

  • 何もしてないのに-5キロ <完>

    「コブシちゃん、話があるんだけど・・・。」  毎晩の恒例行事となっていた一戦が終わった後、神妙な面持ちでMちゃんが話し始めた。  「実はね・・・もう、生理が来なきゃいけないのに、こないの・・・。」  「えっ・・・。」 なんか、ドラマとかで聞いたセリフが、自分に向けられている...

  • 何もしてないのに-5キロ <2>

    深夜の駅・・・。 ポツンと立っている女の子。  田舎の駅なので、Mちゃんの存在はすぐにわかった。  「あ、俺・・・コブシやけど・・・。」  振り向いたMちゃん。  緊張のご対面。 (めっちゃ可愛い!) ブサイクだった時の事も想定していた私の心配など、ぶっ飛ばすくらいの可愛さ...

  • 何もしてないのに-5キロ <1>

    私が20歳の頃の話。  19歳でプロになり、デビュー戦を1RKOし、そのままの勢いで新人王トーナメントへ。  連勝を重ね、準決勝戦で初黒星。 その頃の私は、連戦のダメージで、パンチを打つ度に腰に激痛が走るという最悪の状態。  腰の治療の為、半年間ブランクを作った。 そして、...

  • 酒癖 <2>

    Mの酒癖。  絡み方が、シャレにならないらしい。  私が付き人をしていたKさんの父、先代の付き人をしていたOBのRさん(いかつい方)を本気で怒らせて、新年会の席で、どつかれたらしい。  「アイツ、ホンマあかんで!」 その話を、Rさんから聞いていた。  私も、最初はMの事が苦...

  • 酒癖 <1>

    私の持論。  「酒癖が悪い奴は、性根がそういう奴」 かなり偏見があるかもしれない。  「理性のタガを取っ払う、なりたい自分になるための道具」 TVか本でか忘れたけれど、酒とは・・・と、どこかのお偉い先生が言っていた。 だよな~!と、変に納得した。 よく、女性にワイセツな行為...

  • 新聞拡張員のSさん <完>

    近所のファミレスに行った。  Sさんの年齢は58歳。  離婚してから、妻や子供に対する贖罪の念を忘れる事はなかったそうだ。 そのせいか、3歳の息子の事を、かわいがってくれた。  食事の後、ゲームセンターに寄った。  Sさんは、息子の為にUFOキャッチャーで、何百円も使い、ぬ...

  • 新聞拡張員のSさん <1>

    “新聞拡張員” 新聞購読契約の勧誘をし、その契約によって報酬を得る。 いきなり家に来て、あの手この手で新聞を購読してもらおうとする。  中には強引に、恫喝まがいに契約をとる人間もいる事から、「新聞ヤクザ」とも言われるらしい。  私は、この手の営業をする輩が大嫌いだ。  人間...

  • 一番効いたブロー

    私は今まで、どんな攻撃を受けても、倒された経験はない。 そんなタフな私が、今までで一番効いた攻撃。 それは、数年程前の出来事。  長く勤めていた仕事先の代表と、ケンカ別れして仕事辞めてしまった時の事。  突然辞めさせられたので、次の仕事先も確保できなかった。  子供もまだ小...

  • 神様からのギフト

    かつて、その荒々しいファイト振りから“○○の虎”と呼ばれていたKさんというボクサー。 Kさんとは、関東のSジムで階級も同じ、デビュー戦も同じ時期、ファイトスタイルも同じファイタータイプ。  新人王戦も違うブロックで、同階級にエントリーしていた。 そのせいか、よく火のでるよう...

  • コブシ仏

    いつものように、会社の前の道路を掃き掃除していた時。  一匹の獰猛そうなスズメ蜂がいた。  普段なら、走って逃げただろう。 しかし、私は逃げなかった。  何故なら、そのスズメ蜂は瀕死の状態だったからた゛。  今にも死にそうに、少し丸まりかけて、足をゆっくり動かしていた。  ...

  • 今でも後悔している事

    私が19歳の頃の話。 プロボクサーとしてデビューし、デビュー戦を1RKOで勝った。 そのままの勢いで、新人王トーナメントにすぐエントリー。 そこから3連勝し、準決勝まで駒を進めた。  私は出来が悪かったんだけれど、何故か大学に入学していた。 しかし、大学には、単位をギリギリ...

  • とある日曜日の出来事

    私は暑い時好になると、毎朝、出勤する時にコンビニで、機械で作る180円のアイスコーヒーを買う。 いつものコンビニに入り、入り口のアイスボックスから氷が入ったカップを取る。 レジまでの数歩の間に、氷って固まっているカップを握り潰し、おサイフケータイでお支払いする。 この一連の...

  • 家庭内ハニートラップ

    ある日の夕食での出来事。  家族で夕食を取りながら、録画したバラエティー番組を見ていた時の話。 こち亀というマンガの中での出来事を実証してみようという企画をしていた。  素っ裸のグラビアタレントに、サランラップをぐるぐる巻きにして、何メートル巻けば見えなくなるか?という実験...

  • わが生涯に一片の悔い無し by ラオウ <2>

    「おーい!皮被ってるんやったら、剥いてから、た~ぷり塗れよ!あ、それと、尿道にも塗り込むんやぞっ!」  16歳の私は、まだ、仮性包茎だった。 トイレに入って、ズボンを脱いで、皮を剥いた。 その薬をたっぷり指にとり、まだ敏感だった亀頭に塗った。 そこまでは、「うっ・・・うっ・...

  • わが生涯に一片の悔い無し by ラオウ <1>

    私は16歳で、ある施設に預けられた。 そこの先輩のDさん。  Dさんは、19歳で、私と同じく16歳でこの施設に来たらしい。 この施設で、16歳という年齢で預けられるのは、そうそうなかった。  Dさんは、相当悪かったらしく、中学生の頃からヤクザの事務所に出入りしていた。 ヤク...

  • 名誉ある撤退 〈2〉

    「ガチャ!!」  嫁が、勢いよく居間の扉を開けた。  「アンタっ、何してん?」  「お、おぉ・・・ど、ど、どしたん?」 そこには、捨てられた仔犬のような目をして、パンいちでソファーに正座し、テレビ画面には、NHKの囲碁の打ち手解説。  言っておくが、季節は冬。 パンいちで、...

  • 名誉ある撤退〈1〉

    「名誉ある撤退」  私は自分で自分を慰める行為を、こう呼んでいる。  何故なら、今は40代だから性欲も衰えて、そうでもないんだけれど、結婚したての30代の頃は、3日に1回してもいいくらいだった。 しかし、子供も1人いたし、私ばかりにもカマっていられない。  嫁とは、初めて出...

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