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くろーんもーのクロ歴史 https://cd-mo.hatenablog.com/

2018年に35歳を過ぎてクローン病と診断されたおっさんの備忘録的ブログです。病状や治療のことを書き綴ります。 現在の治療はヒュミラを中心に行っています。

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2018/11/19

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  • ヒュミラとレミケード、使ってみた感想 その2(2/2)

    <<その1からの続き>> ・生活する上での利点、欠点 普段の生活をするうえでは2剤に違いは感じないが、長期間自宅から離れる場合には2つの薬の差が顕著に出てくる。その差、主にヒュミラの弱点についてを長々と書いていく。レミケードの大きな利点は、8週間に一度しか薬剤を入れなくて良い点だ。ヒュミラも通院ペースは8週ごとで良いが、2週ごとに注射をしなくてはならず、薬液は冷蔵庫での保存が必要である。ヒュミラの「冷蔵が必要」という部分は持ち運ぶにも厄介で、薬局で渡されたヒュミラバッグの説明書にも"医療機関から自宅まで "、"短時間補助するためのバッグです "、"長時間の移動や車内に放置しないでください "の…

  • ヒュミラとレミケード、使ってみた感想 その1(1/2)

    ヒュミラを使用して1年半以上が経ち、いつの間にかレミケードを使用していた期間を超えていたので、それぞれの使用感を覚えているうちにその比較を書いておこうと思う。生物学的製剤のスイッチに関する記事がよく検索されているようなので、この記事も切り替え時の判断の足しとなれば良いなと思って書いている。ただ、この記事に限らず私の記事はどれもそうだが「あくまで個人の感想です」レベルの話なので読む人はご注意を。クローン病は症状の個人差が激しい病気なので、よく似た症状の患者の情報でも全く当てにならないことはあり得る。 それぞれの薬剤での治療期間は、レミケード:1年3ヶ月(最後の4ヶ月間は倍量で投与)ヒュミラ:1年…

  • このブログへ到達した検索ワードについて

    (他の無料のブログでも同様だろうが)はてなブログでは、自分のブログへどのような検索ワードで到達したのかわかるのだが、この検索ワードを見ていると他の人の疑問に思っていることがわかって面白い。自分と同じ疑問を持っている人や、思いも寄らなかった言葉(内容)で検索して辿り着いている人、リウマチなど他の病気の人(この場合は生物学的製剤の名前や二次無効関連のワードとセット)もいて、別の角度から考えるのに良いので、たまにではあるが、興味深く眺めている。 そんななかで、ちょっと気になる+他のページでは書いてなさそうな内容が2つあったので、この記事でその2つについて書いておこうと思った。何かの役に立つことがある…

  • ヒュミラ 43〜45回目 その2(2/2)

    <<その1からの続き>> 一通りの問診が終わって「状態が落ち着いていていいね」と言われて、「薬が効いていて本当にありがたいです」、「うん。ありがたいねー。このまま行ってくれるといいねぇ」とやりとりをする。 今回も体調に変化はないので、これまで通りの治療を継続するということになり、薬の量を確認しながら、処方してもらう。 最後に、「(この体調なら)(新型コロナの)ワクチンは打っても大丈夫ですよね?」と確認した。主治医の答えは「うん。クローン病だから打ってはいけないということはありません」という科学者らしいものだった。明確な肯定では無いのでこの回答がイヤな人もいるかもしれないが、私にはこういう言い回…

  • ヒュミラ 43〜45回目 その1 (1/2)

    前回の診察から7週間空けて6月30日に診察を受けに行った。今回から予約の時間を少し遅らせて9:30にしているので、家を出るのも以前より30分遅い。前日の雨はあがっていたが、所々地面が濡れているので「タイヤがグチャグチャになるのはイヤだ」と思い、エレンタール運搬用のキャリーカートは持って行かないことにした。今回から乗る電車は、横浜到着が9時を過ぎるのでかなり空いているのではないかと期待したが、思ったほどではなかった。最寄り駅も変わらず混んでいたし、車内も立っている人が多かった。ただ、乗客が多いながらも降車駅での乗り降りはだいぶスムーズで、「ドアのそばにいないと降りそびれる」という恐怖は無くなった…

  • 受給者証更新の準備

    5月の末頃横浜市から特定医療費助成の更新の案内が届いた。横浜市のHPには一足早く更新のお知らせが掲載されていたので、書類を待っていた。早速、臨床調査個人票を書いてもらうために病院へ向かった。午前の少し遅い時間に行ったのだが、病院の受付は人がいっぱいだった。多くは内視鏡検査を受ける人のようだが、私と同じように個人票を書いてもらいに来ている人も何人かいた。 先着の患者さんの対応が終わるのを待ってから、更新用に臨床調査個人票を書いて欲しい旨を伝えると、個人票の自分で記入する箇所を記したシートを渡され、「2〜3週間かかりますが、できあがった書類は取りに来ますか、郵送しますか?」と聞かれる。6月末に診察…

  • ヒュミラ 38〜42回目 その2 (2/2)

    <<その1からの続き>> 問診が終わり治療方針も決まったので、次回の診察日や薬の量を決めることになったが、次回は7週間後に診察してもらうことにした。これまでは注射の当日に血液検査をしてもらっていたので、過去の検査結果と比べるのには条件を合わせた方が良いだろうということと、元のサイクルに戻した方が待ち時間が短くなるのではないか(:この日は本来5/5だった人も来ているので患者数が多く待ち時間が長いハズであり、その1週ズレた人達は通院間隔を短くしてまで元の周期に戻さないだろうから、前の週の方が多少空いているだろう)と考えてのことだ。 また、今更ながらに予約時間も変えてもらった。惰性で朝一の診察にして…

  • ヒュミラ 38〜42回目 その1 (1/2)

    5月の連休期間は病院がお休みなので、今回はいつもより診察の間隔を1週延ばして9週間後の5/13(水)に診察を受けに行った。注射の本数を調整すれば問題なく診察日を前後させられるのがヒュミラの良いところだ。レミケードでの治療時なら、9週目は長く感じただろう。いつものように混み合う電車に乗って病院へ向かい、8:40過ぎに病院へ着く。受付が他の患者さんの対応で埋まっていたので、アルコールで手を洗浄し検温してもらうためにサーマルカメラの前で待った。これまでは受付のそばでアルコール消毒と体温を確認され、確認済みの紙切れをもらって待合に行くルールだったのだが、この日は「(カメラで測って)熱はありませんでした…

  • ヒュミラ 34〜37回目

    また文章を書くのをサボっているので、最近の診察の記事の前に、ずっと上げていなかった2ヶ月前の診察の記事を時機外れだが上げておく。3/10(水)に8週ごとの定期的な診察で病院に行った。まだ春休みには早いので電車は混んでいる。横浜へ近づくにつれギュウギュウ詰めにされながら病院へ向かった。受付で検温とアルコールの消毒をして待合室へ移動する。8:45頃だが、前回より待っている人が多いように感じた。何度やっても採血のタイミングは全く読めないのだが、この日はいつもより遅く、9:15頃まで待たされた。その間にも待合には人がやってきて混雑してくる。前回とは違って、内視鏡の説明や予約を(少人数で距離を取りながら…

  • IBD患者の新型コロナウイルスワクチンについて

    新型コロナウイルスに対するワクチンの供給は世界的に滞って予定より後ろ倒しになってきている。昨日(2/25)の報道では、私は一般より早い方(:「65歳未満の基礎疾患を有する(免疫を下げる治療を受けている)方」の区分)ではあるが、5月以降になりそうな雰囲気だ。日本は欧米に比べると接種が遅れているが、感染者数がずっと少ないことも考えると、欧米の結果をよく見てから対応ができるので悪いことばかりでは無いと思っている。 このワクチンのIBD患者用のQ&A*1を、厚労省の補助金によるIBD研究班と日本炎症性腸疾患学会が連名で掲載した。Q&Aは厚労省補助金によるIBD研究班の新型コロナ特別チームのHP*2で閲…

  • IBD患者の新型コロナウイルス感染症について(Japan IBD COVID-19 taskforceまとめ第15報)

    全国的に新型コロナウイルスの新規陽性者数が減少を続けており、ワクチンの先行接種も始まり、第3波も収まりが見えてきたのかなという時期にこんな文章をまとめる。毎度のことだが、筆が遅いのでタイムリーな記事は書けないなぁと思う。 相変わらず、生物学的製剤やIBD関係と新型コロナウイルス関連のタームを合わせた検索が一定数あるようなので、情報のアップデートと合わせて、今までの記事のタイトルの整理や、「新型コロナウイルス関連」のカテゴリーを独立させた。いつまでも残しておきたいカテゴリーでも無いので、この騒動が収まったら削除して「情報・知識」の中に吸収してしまいたい。さて、これも毎回書いている内容だが、IBD…

  • ヒュミラ 30〜33回目 その2(2/2)

    <<その1からの続き>>診察室に入ると、いつものように「元気ですか?」と声をかけられる。調子は良いので「ええ、元気です!」と即答する。「○○さん(私の名前)はいつも元気が良くていいねー。元気なことは良いことだ」と笑われて診察がはじまった。 いつもの通りこの8週間に異常が無かったかや腹痛の有無、体重を聞かれ、「異常なし、腹痛なし、体重は64.5(前回から-0.5kg; 正月も休まず歩いた成果)」といった内容を答える。カルテには体重のあとに「毎日歩いている(だから微減)」というようなことも書かれた。良い状態なので担当医は「うん、うん」と、にこやかにうなずきながら話を聞いていた。 体調に問題が無かっ…

  • ヒュミラ 30〜33回目 その1(1/2)

    ずいぶん久しぶりにブログを書く。まとまりなくいくつかの記事を並行して書いていたのだが、文章も頭の中も煮詰まらないうちに、年末にイレギュラーな対応をしなくてはならなくなって、忙しさもあって書きかけの記事を推敲するのも、頭の中身をアウトプットすることすら億劫になってしまった。 何も書いていない期間も以前の通り良い状態が続いていたが、細かい感触の欠損や記録をサボることが癖になると良くない(加えて、妻に「書け」と催促される)ので、再開して適当な間隔で書いていこうと思う。 1/13(水)に8週ごとの定期的な通院に向かった。関東の4県には緊急事態宣言が出ていたが、通勤時間帯の混み具合は2ヶ月前と変わらない…

  • ヒュミラ 22〜25回目 免疫調整剤は継続、久しぶりの腹痛 その2(2/2)

    <<その1からの続き>> 会計をして薬局に行くと、病院の待合室とは違って他に誰もいなかった。早速処方箋やお薬手帳などを渡して用意されるのを待った。 他に待っている人がいないのですぐに薬が用意されていくのだが、なかなかエレンタールの箱が出てこない。「動ける人が少ないのかな?」と思っていると、処方箋を持って薬剤師のおばちゃんが出てきたので用意された薬の確認をすることになった。「薬の確認をしながらエレンタールが運ばれてくるのを待つのかな?エレンタールは4箱キッカリだから数を間違えようもないし」と思いながら処方された薬の確認をすると、エレンタールだけが処方されていないようだ。 「今日はエレンタール1つ…

  • ヒュミラ 22〜25回目 免疫調整剤は継続、久しぶりの腹痛 その1(1/2)

    9/23(水)8週ごとの定期的な通院のため病院へ向かった。 8:45頃に病院へ着き、手指の消毒と検温をして待合室へ向かった。前日まで連休だったこともあり、待合室が混むのが早い。診察開始時間の9:00頃には多くの席が埋まっていた。そして、今回も採血が遅い。後から来た何人かに追い抜かれて、受付を済ませてから20分経った頃に呼ばれて採血をした。 結果が出るまで診察されないので、そこからさらに15分くらい待つと診察室に呼ばれた診察室に入って挨拶をし、座ると、担当医に謝られる。「ごめんねー。今回も採血が遅くなって。毎回採血はするから早めにするように言っておくから」とのこと。 これまでの症状と腹痛の有無や…

  • 漢方薬についての私見 その2

    <<その1の続き>> バラつきはなんとかならないのか? クローン病の性質は変えられないので、「効果のバラつきを無くそう」というのはいかにも科学的な考え方だ。 だが、これが難しい。生薬は、天然物であるので成分に揺らぎが出る。極端なことを言えば、同じ産地の隣の株でも個体差が出てくる可能性がある。化学的に合成した薬剤と違って品質の管理が難しい。 また、複数の有効成分が複雑に混ざり合って作用していることも効果を掴みにくくしている要因で、産地や個体差で各成分が変動するのなら効果の揺れも酷いことになるだろうなと想像がつく。特に、有効成分が複合的に作用しているというのはかなりやっかいな状態である。 多変数の…

  • 漢方薬についての私見 その1

    最近書いた記事に、私が大ファンであるクローン病患者さん(まだブログを書く気も無い頃、たまたま見つけた彼のブログがわかりやすく、内容も優れていて、妻と読みあさった)からコメントをいただいた。「漢方薬について何か知らんか(※ 意訳)」というリクエストで、喜び勇んで記事を書こうと思ったのだが、「うーん・・。知識が無ぇ・・」 全く調べてないわけでもないが、紹介できるほどちゃんと整理・理解できているものがない。 見識、・・などと呼べるモノでは無いが、私が考えていることはあるので、それでご勘弁いただこうと思う。 ブログのプロフィールにも書いているが、私は医学者でも医療従事者でもないただのクローン病患者に過…

  • プロテインシェイカーと夏のエレンタール

    今年も夏は暑い。週末から暑さが落ち着き、"平年並み"の気温になるそうだが、それでもまだしばらく暑い日が続く。 夏は汗をかくので水分摂取量が増え、エレンタールを飲むのは楽になる。だが、気温が高いので、水道水がぬるくエレンタールもぬるくなる。そしてぬるいエレンタールはマズい。 ということで、暑い時期は冷たいエレンタールを作って飲むことにしている。冷水にエレンタールは溶けにくいが、プロテインシェイカーを使うと溶けにくさが解消されて暑い時期にも快適に飲むことが出来る。 プロテインシェイカーを使い始めたのは1年半くらい前で、きっかけは付属ボトルの溶けがイマイチだったからだ。 エレンタールの飲み始めの頃は…

  • 医療の報道があてにならない

    完全にただの愚痴で、アホなことが書いてあるだけなので『痴れ言』のカテゴリー。クローン病に役立つことなんて書いてありませんのでご注意ください。 安倍首相が辞意を表明して、潰瘍性大腸炎についてのニュースがグッと増えたが、中身は「こんな程度なの?」という内容が並んだ。 すでに病名は分かっており、完治することはなく、再燃の可能性もある(= 急に記事が必要になる可能性だってある)病気なのに、7年間まったく記事の準備をしていなかったのだろうか。辞任前の健康不安がささやかれていた時期の記事には特にひどいものがあって、5-ASA製剤をステロイドと言っていたり・・。 ようやく出始めた専門家の解説でも、生物学的製…

  • IBD患者の新型コロナウイルス感染症について

    第2波の患者数がピークアウトしようとしている時期になり、情報としては時機を外しているような気もするが、今でも古い記事にときどきアクセスがあるので、たまにはデータのアップデートをしなくては、という気で記事を書いている。第1波が下火になった後も、厚労省補助金によるIBD研究班の新型コロナ特別チームはIBD患者の新型コロナウイルス感染についてのまとめをHP*1上で更新し続けている。 基本的な傾向は変わらない 以前私が書いた「Japan IBD COVID-19 taskforce第3報」のまとめの記事から3ヶ月以上が経っているが、報告数が増えているだけで、最新の第9報(8/1版)でも基本的な傾向は変…

  • これまで受けてきた治療

    クローン病の診断後から2年間でステロイド、レミケード、ヒュミラ、免疫調整剤と主に4種類の治療を経験してきたが、受けた治療の数が多くなると当時の感覚や状態についての記憶が入り交じって、忘れて、自分でもよく分からなくなっていく。 それぞれの時点での気持ちや状況は、過去のブログに都度残しているが、記事が増えるにつれ散らかっていくので、何かのタイミングでまとめをしておこうと思う。 まずは、免疫調整剤の併用が始まった現時点(2020年8月)までの治療の経過をまとめておく。 0. 5-ASA製剤とエレンタール(2018年3月〜 )、鉄剤(2018年4月〜 ) 2018年3月にクローン病の治療を開始した時点…

  • ヒュミラ 21回目、免疫調整剤の効果あり 併用を継続 その2

    <<その1からの続き>>財布を持って会計に向かうと、今月2回目の通院ということもあり、久しぶりに「今月は限度額に達していますのでお支払いはありません」と言われて、支払いをせずに薬局へ向かうことになった。医療費助成様々である。とてもありがたい。薬局に着くと他にお客はおらず、処方箋などを渡して、すぐに準備をしてもらう。待っていると奥から「ヒュミラ4つ」という声が聞こえてくる。「あー、先生また間違えて、全部の薬8週間分出したなー。次回、薬の出す量を少なくしてもらって調整しよう」と思っていると、先に用意の出来たヒュミラバッグを渡された。中身を見ると、ちゃんと4回分のヒュミラが入っているので、入力ミスを…

  • ヒュミラ 21回目、免疫調整剤の効果あり 併用を継続 その1

    7/29(水)、免疫調整剤の効果や副作用を検査するために病院へ向かった。 この日は、前回長く待たされたことを根に持ち、いつもより遅めの8:45過ぎに病院へ着いた。入口で発熱の確認や手指の消毒をして待合室で待っていると、この日はすぐに血液検査に呼ばれ採血することになった。 採血は早かったが、診察まではやはり時間がかかり、30分近く待たされた。2週間前はこの時間になると待合室が混んできていたが、新型コロナウイルスの再流行のためか、来院のタイミングに波があるのか、この日は比較的空いていて椅子に空きが目立った。 9:15頃に名前を呼ばれて診察室に入った。挨拶をして部屋に入ると、この日も「元気ですか?」…

  • ヒュミラ 17〜20回目、免疫調整剤の併用を開始

    7/15(水)に8週ごとの診察のために病院へと向かう。もう電車は以前のように混んでいて、横浜周辺の駅は乗り降りするのも大変な状態になっている。 診察前の血液検査があるので、予約時間の9時より30分近く前に病院へ着き、待合室で待つ。まだ診察室も検査室も開いてないので待合には2〜3人が座っているだけだ。 この日は、着いてからの待ち時間が長かった。診察券は通って、検査の連絡は行っているハズなのに一向に呼ばれず、後から来た人が何人も検査に呼ばれて検尿や採血をされている。予約をした9時を過ぎてもまだ呼ばれず、9:15頃になってようやく採血をされた。 当然、検査結果が出るまで診察に呼ばれることはないので、…

  • クローン病の教科書

    徐々に通勤が再開して、なんとなくいろんな事が億劫に感じる。在宅ワーク中も通勤と同じくらいの距離を歩いていたし、調子も良いのだが、好きなところを歩くのと職場へ行かされるのではやっぱり気分が違うようだ。 妻に「新しい記事が上がってない(読みたい)」とせっつかれるので、以前から書こうと思いながらやっていなかった内容を書くことにした。 ずいぶん前の記事で、よくまとまったクローン病の教科書がないというようなことを書いたが、 私の好きな教科書*1で、他には載っていない内容がいくつも書かれ、内容も平易なものがあるので、それについて書いてみる。 メディカ出版のホームページで目次が見られるが、構成に特別なところ…

  • 今年の特定医療費助成の更新は不要に

    先日、横浜市から郵便が届いた。封筒を開けなくても表に「更新申請所在中」とあるので受給者証の更新書類が来たのだと分かった。5月はじめの時点で、横浜市のHPに「今年度の更新に臨床個人調査票は不要」というアナウンスが載せられていたので、「今年は書類記入だけで楽だなー。高額かつ長期は付けられるか計算してみないとなー」と思いながら封筒を開けた。 中身を取り出すと、妙に薄い。宛先の他には1枚しか入っていない。書類が薄い(ペラ1枚)ときは大概良くない知らせの時だ。「今年度は予算不足で受給できませんとかじゃないよな?」などと混乱しながら中身を確認すると、「今年度に限り更新手続きは不要」、「有効期限の1年延長」…

  • ヒュミラ 13〜16回目、免疫調整剤の併用を検討 その2(2/2)

    <<その1からの続き>>遺伝子検査用の採血があるので、診察室を出ると待合室に戻った。普段の待合室は、この時間には三人掛けの椅子がどれもほとんど埋っているほど人がいるが、この日は三人掛けの真ん中を空けてもまだ空きがある程度にしか人がおらず、「空いているな」という印象だった。 2回目の採血はほとんど待つこと無く呼ばれ、「何回もごめんなさいね」と言われながら、朝と同じ技師さんに血を採ってもらった。この日は長袖で行ったので良かったが、半袖だと両腕に絆創膏をしているちょっとヘンな人だ。 採血したばかりの右腕を押さえながら受付に向かい、会計をして、処方箋などを受け取る。普段は処方箋が封筒に入っているのだが…

  • ヒュミラ 13〜16回目、免疫調整剤の併用を検討 その1(1/2)

    5/20(水)に8週間ごとの診察を受けに病院へ向かった。 先日歩いたときとあまり変わらない、人通りの少ない道を歩き、最寄り駅に着いた。ホームで待っている人数は、普段よりは少ないが、それでも(期待していたほど)ガラガラというほどでは無かった。目的の病院は横浜駅に近い駅が最寄り駅なので、近づくごとに人が乗ってきて、降りるときには人混みをかき分けていくのだが、この日は立っている人がそれほど多くなく、苦労せずに降りることができた。病院に入ると、通路に看板が立ててあり、「熱を測ってから行け」とのこと。私より先に入った人たちが受付の側に並んで、サーモグラフィのようなもので表面温度を確認されている。私も列に…

  • ヒュミラ 9〜12回目 その2(2/2)

    <<その1の続き>> 別の記事を書いているうちに上げるタイミングを失っていた9〜12回目の続きを忘れる前に上げておく。私の場合、ヒュミラの副作用はインタビューフォーム*1に載っているようなものは特に出ないのだが、注射後に眠くなることがある。眠気があるときは1時間も眠ればスッキリするのだが、この日は注射後に早めの昼食を摂って電車で移動したので休むことは無く、車内でウトウトとしてしまった。 読書をしていて眠くなったので軽く眠ったが、今思えばアレは注射後によくある眠気だったと思う。この眠気は再現性が完全にあるわけではなく、全く起こらないこともあり、また、コントロールできないほど強いわけでもない(この…

  • 在宅勤務を延長も久しぶりに出勤

    緊急事態宣言の延長を受け、在宅勤務が6日以降も続いている。そんななか5/11(月)は予定があって一月ぶりに出勤した。4/8以降全く出勤しておらず、勤め先までの様子がどうなっているかもわからないので周りを見ながら出勤することにした。 家を出た直後から様子が違う。朝の道が空いている。ほとんど人に会わない。交差点でも人、車共に少ない。ちょうど電車が到着したタイミングだったが、駅の改札が混まない。 電車に乗っても驚くほどの乗客の少なさ。隣と充分に距離を開けて座ることが出来た。「これほど空いているのなら来週通院するのがとても楽そうだ」などと思いながら過ごした。目的地の駅に着いてからも相変わらず人通りは少…

  • 治療法ごとの重症化リスク 続報

    先週の記事で書いた、IBD研究班の新型コロナ特別チームの5/2付けの現況のまとめ(Japan IBD COVID-19 taskforce 第3報)がHP*1に掲載されている。 第2報とあまり変わらない部分 感染数の年代分布は、第1報では若年者(20代)が多かったが、時間を経るごとに壮年(30〜40代)の患者数も増えている(Japan IBD COVID-19 taskforce 第3報、3ページ)。ただ、入院患者の年齢分布や重症化率は既報の傾向とほぼ変わらないので、壮年で特別何かが起きているわけではなさそうである。また、高齢ほどリスクが高い状況も変わらずだ。 疾患別に見てみると、依然として潰…

  • IBD治療方法ごとの新型コロナウイルス感染後の重症化率など

    かねてから予告されていた、厚労省補助金によるIBD研究班の新型コロナウイルス特別チームのHP*1が公開されている。公開資料は以前の記事でも書いた2種類に加えて、特別チームの設立趣旨や、4/19、4/24発表の、世界のIBD患者のデータが上がっている。 新型コロナウイルスに感染したクローン病患者は4/20時点で400人超(Japan IBD COVID-19 taskforce 第2報(4/24版))と、統計的にはそれなりの数が集まってきている。 以前の記事と変わらない内容 以前の記事でも引用した、「IBD病患者が新型コロナウイルスに特別罹りやすいという報告は無い」というスタンスは変わっておらず…

  • 新型コロナウイルス感染症の治療に使われるかもしれない生物学的製剤

    先週、「重症化した新型コロナウイルス感染症の治療にリウマチ薬が効果か」というニュースを何度も耳にした(例えばNHKのNews Web*1, *2)。関節リウマチの治療と言えば、近年の主力は生物学的製剤。ニュースで流れてくる薬の一般名もトシリズマブ。○○マブと言われて生物学的製剤!(レミケード=インフリキシマブ、ヒュミラ=アダリムマブ)とすぐにピンとくるようになったのはクローン病患者としてのキャリアを積んだ(?)よなぁと思う。 数ある抗体製剤のなかでも、なぜトシリズマブなのか?と思い、手元にある生物学的製剤の特集号で調べてみた。関節リウマチの治療には10種類以上の生物学的製剤が使われていて、その…

  • クローン病の新型コロナウイルス感染のリスクについて

    新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言の対象が全国に拡大された。小康状態を保っている地域でも、大都市圏への往復や迷惑な流入で感染拡大が起きる可能性があり、感染対策は重要だ。新型コロナウイルス感染症の重症化リスクがある人としては、高齢者、基礎疾患(糖尿病、高血圧、心疾患)がある場合、免疫を抑える治療をしている場合などとメディアで伝えられていて、免疫調整剤はもちろん、生物学的製剤を使用しているクローン病患者も"免疫を抑えている"のではないかと気にして過ごしているのでは無いだろうか?その答えになるようなものとして、厚労省の補助金で活動している炎症性腸疾患の研究班HP*1に、炎症性腸疾患患者と…

  • できることをするだけ

    3日前から在宅勤務へとシフト。先月末から対応(基本方針)が通知され、在宅で仕事ができるようにコンピュータ周りやデータ類、仕事のスペースを確保してきていたので大きな混乱はないが、大型のディスプレイが無いのが不便である。携帯電話は支給されていないが、通話し放題の契約なので問い合わせの電話が来ても気にならないし、必要ならweb会議をすれば良いので最低限の意思疎通も図れている。緊急事態宣言が出されても、特別変わることは無く、これまで通りできることをするだけである。昨年のインフルエンザで痛い目にあったので、今年は感染症対策を強化して臨んだ。正しい手順での手洗いもマスクの着用も帰宅時に口をゆすぐことも、不…

  • ヒュミラ 9〜12回目 その1(1/2)

    3/25(水)に8週ごとの診察を受けに病院に向かった。朝8時頃の電車に乗ったが、車内は普段より少しだけ空いている感じがしたが、満員電車であることは変わりなし。 病院に着く頃に便意を覚えたので受け付け前にトイレに行き、ウォシュレットで念入りに洗ってからトイレを出た。受付を済ませて待合室で待つと、8:50くらいに呼ばれて採血を行った。着いた頃にはまばらだった待合室の人数も9時ころには増えてくる。これもいつも通りの感じ。総合病院でもないので新型コロナウイルスによる患者数の増減はあまり関係ないのだろうか。9:10頃に名前を呼ばれ、診察室に向かった。挨拶をして椅子に座ると「元気ですか?」と声をかけられる…

  • 診断後二年目のまとめ

    2020年の3月でクローン病と診断されて2年が経つ。2年目も転院や検査、レミケードの倍量投与にヒュミラへのスイッチと様々な出来事があった。今年も1年間の病気の経過をまとめてみる。 4月30日に7回目のレミケードの点滴を受けた。低調な調子が続いた6回目に続き、7回目も効果はイマイチ。点滴後の早い段階から出血が起きるようになり、調子の良い期間が短くなっている感じがする。点滴中のかゆみや点滴後の発熱もあり、アレルギーの症状が必ず現れるようになっていた。そんな調子の中で、5月に引っ越しをし、転院もした。 転院先では専門の病院に再紹介をされるなどドタバタがあった。紹介された先の肛門科は受付で一悶着あった…

  • アヤしい治療とアタラしい治療

    この稿は特に根拠のない、自分の思い込みが多く書かれている。読まれる方は注意されたし。昨今の新型コロナウイルスでもそうだが、クローン病やガンについて調べていると怪しい治療が目に留まることがある。難病や命に関わる病気には、その弱みにつけ込むような輩が群がってくるのだろう。怪しい治療がある一方、新しい治療も初期の頃は目新しく、ややもすれば怪しくも見える。やがて一般的になっていく「新しい」治療と「怪しい」治療の違いはなんだろうかと考えてみた。 真偽が定かではない治療方法が、新しい治療になるのか、怪しい治療のままなのか。その差はどこから来るのだろうか。違いの一つは統計データを積み上げているか、しっかりと…

  • 実は根拠の薄い脂肪の制限 その3(3/3)

    <<その2からの続き>> なぜ脂肪制限をしているのか? 根拠が薄いのが分かっているのに、お前はなぜやっているんだ?と思うかもしれない。 私が脂肪の制限をしている理由は3つある。 調子が良くなるから、藁にもすがる、カロリー制限の3つがそれだ。 「脂肪の摂取を控えると症状がマシになる」というのは多くのクローン病患者が感じていることではないだろうか。 私も下痢がよくなる(というより、脂肪を取り過ぎると下痢になる)と感じている。 実は、下痢が治まるのも当然で、 脂肪(食物繊維も)を控えるというのはクローン病に限ったことではなく、下痢の時の一般的な対処法なのだ。 日本臨床内科医会のハンドブック*1(4ペ…

  • 実は根拠の薄い脂肪の制限 その2(2/3)

    <<その1からの続き>> 厚生省研究費による調査班のその他の報告 福田ほか(1998)以外にも、90年代の終わり頃までは、厚生省の研究費による調査班で脂肪に関する検討が複数行われている。 馬場ほか(1998)*1は、栄養療法の効果が、抗原性の無いアミノ酸によるものか、超低脂肪によるものかを明らかにするという目的のもと、 活動期の患者を「エレンタール単独」、「大豆油13.5g添加」「大豆油27.0g添加」の3群に分け、4週間後の寛解導入率などを調べている。 21例と症例数が少なく、期間も短いが、実験計画としては前述の福田ほか(1998)よりもまともである。 3群を、 エレンタール1800 kca…

  • 実は根拠の薄い脂肪の制限 その1(1/3)

    クローン病と言えば脂質の制限。脂肪や食物繊維の摂取を制限する食事療法はいろいろなところで耳にする。この食事療法を強く推している医師もいる(例えばMedicalNoteの記事*1) 私も、(狭窄がないので)食物繊維は緩くしか制限していないが、脂質の摂取量は一日20g程度に制限して生活している。 だが、この脂質の制限はちゃんとした根拠がない治療法である。 摂取量の目安が資料毎に異なる 食事療法をやり始めた当初からヘンだと思っていたのは、一日の脂肪摂取量の数値が統一されていないことだ。パンフレットやHPで書かれている一日の摂取量の目安は、20g、30g、40gと幅がある。20〜40gのように幅を持っ…

  • ヒュミラ 6〜8回目 その2(2/2)

    <<その1からの続き>>肛門の診察をしてもらえるのでホッとしながらベッドに横になろうとするが、お尻の診察は久しぶり(この病院では2回目)で勝手を忘れており、ちょっと戸惑っていた。すると、先生が「おーい。○○さーん。お尻診るよー」と看護師さんを呼んでくれ、やってきた看護師さんに促され、いつもの体勢を思い出す。準備を終えて私のそばにやってきた先生に「キレイな肛門だねー」と言われ、「見た目には異常はないのか」と少し安心した。お尻にベチョリとしたものを塗られ、肛門を診られる。担当医は「ちょっと(肛門が)狭いんだったね」と言いながら肛門をグリグリし、「これまで切れてるって言われたことあったっけ?」と、転…

  • ヒュミラ 6〜8回目 その1(1/2)

    6〜8回目の間の体調のメモ。 6回目、12/18 11:30頃、右の腹部へ打つ。12/19(木)の夜に座薬注入。12/20(金)の午後くらいには便の状態は良くなる。20日の夜に飲み会があったため、12/21(土)の夜だけは下痢気味だが、その後回復。12/24(火)の夜にも飲酒する機会があったが、便の状態は悪くならず、良い状態が次回注射日の朝まで継続した。12/28夜、座薬の注入。 7回目、1/1 10:40頃、左の上腕部にしてもらう。注射の痛みはないが、押しつけが強く、それが痛い。注射前から良い状態が続いており、1/1は速いペースで1時間以上歩きっぱなしだったが排便を催さず。1/1、1/2とも…

  • フレーバーがなかったら

    出先で「エレンタールは持ってきたのにフレーバーを忘れた」という経験が2度ある。一度目の時は買い物に行く時間的・距離的余裕が無かったことと、多分に興味本位で、エレンタール1包分を何も味付けせずに飲んでみた。 味は、・・・マズイ。 喉が渇いていたので半分くらいまでは快調に飲むことができたが、その後は水をチェイサーにして無理矢理流し込むことになった。 まずいにはまずいが、以前一度だけ飲んだコンソメ味はくどくて途中で捨てたので、飲みきれる分だけフレーバーなしの方がマシだろうか。それでも、もう一度飲もうとは思わないが。 二度目は宿泊先に着いた際に気づいた。フレーバーなしで飲む不味さを経験しているので「帰…

  • 書籍とインターネット、勉強するなら・・

    「痴れ言・放言」のカテゴリーなのでクローン病とは関係の無い、主観のみのいい加減な記事です。ご注意を。かつては、知識と言えば書籍からと相場が決まっていたが、2000年代に入ってからはweb上のコンテンツも充実してきた。 そして、webの発達に伴って情報収集がとてつもなく楽になった。 「クローン病」と検索するだけで無数のページが表示される。 それでも、私はちゃんと勉強しようと思ったら書籍を探して読むようにしている。これは私が20世紀生まれの人間だから、だけではない。Web上の情報は、文章が短くわかりやすくまとめられていて、 図や写真、動画も豊富で、効果的にはめ込まれていることが多く、概要をつかむの…

  • ヒュミラ 2〜5回目 その2(2/2)

    <<その1からの続き>>診察室を出て「食事後にお腹が鳴ることが多くなったのも少し気になることだけど、言いそびれたな。」ということを思い出したが、痛みや違和感は全くないので、狭窄があるとしても(急を要するほど)ひどくなっているわけでもないだろうから、「敢えて戻るほどではないか。次回言おう」と思いながら受付へ向かった。 待合スペースを抜けて階段へ向かっていると、後ろから名前を呼ばれている。振り返ると看護師さんが追いかけてきていた。「まさか、確認したら次回の予約埋まってたんじゃないだろうな」などと思いながら近づくと、「すいませーん。診察終わったときに渡しそびれちゃって」と、使用済みヒュミラを入れる袋…

  • ヒュミラ 2〜5回目 その1(1/2)

    10/23(水)以降の調子のまとめ。2回目のヒュミラを打って以降、10/28の夜までは好調。10/28の夜、父の危篤の知らせを受けると下痢気味となる。 微妙な調子が続き、3回目のヒュミラ注射後も劇的な回復はなし。3回目の後半(11/16(土)前後)から肛門部からと思われる出血が時々起こるようになる。 11/20(水)ヒュミラ4回目。7:30頃、右上腕部に打ってもらう。週末に入るくらいで便の状態,排便回数は良くなってくるが、週が明けた26日(火)に肛門部からの多めの出血があり焦る。その後は出血量は少なくなるが、2日に一回くらいの頻度で出血することは変わらず。便の状態は12/1(日)までは良い状態…

  • 生物学的製剤の種類により抗体の出来やすさが異なる

    自分がヒュミラを使うようになったのもあって、二次無効の出やすさが薬によって異なるのかが気になっていたが、 この答えに近いものが川畑(2018)*1に載っていた。川畑(2018)は、エタネルセプトについて解説している論文だが、その文中で抗TNF-α製剤の抗体の出現率を、先行研究を元に記載している。先行研究の詳細が記載されていなかったので、使用期間などは不明ではあるが、抗体の出現率はそれぞれ、 インフリキシマブ(レミケード)8〜62%、アダリムマブ(ヒュミラ)0〜51%、ゴリムマブ(シンポニー)2〜10%、セルトリズマブペゴル(シムジア)2.8〜37%、エタネルセプト(エンブレル)0〜13% ※ …

  • 父の葬儀 その3(3/3)

    <<その2からの続き>>翌日は葬儀場近くのコンビニで朝食のおにぎりを買って食べ、式までに部屋を空にするために荷物を自家用車に積み込んだ。 10時過ぎに担当者がやってきて簡単な式の説明を受け、届いた弔電の読み上げ順と内容を省略する分を決めた。供花・供物代金の支払いについても確認されたので、私が一括で支払っておき、後で親族から回収することにした。この日も何度かトイレに行ってしっかり準備をし、お寺さんに挨拶とお食事代を渡したりして11時頃から葬儀の受付を開始した。 開式直前に家族から、式中の挨拶に父の闘病の様子を入れて欲しいとのリクエストがあったので、挨拶では用意した原稿に多少のアドリブを入れて対応…

  • 父の葬儀 その2(2/3)

    <<その1からの続き>>通夜の当日は朝の10時から自宅で葬儀社の担当者と打合せをした。内容は全体的な流れの確認と、供花・供物、食事の個数の確認だった。供花については設置する順番(通常は個人に関係が近い方から、兄弟、子、親戚・・・のようになる)の確認もされた。親族以外の関係者から葬儀社に直接発注された供花についても知らされ、それも合わせて順をつける。葬儀場へ宿泊する人の人数確認もこの段階で行った。 打合せが終わると仏間に棺を運び込み、自宅を出棺する準備をしてもらった。棺に遺体を納め、我々も手伝って、家の前に止めた霊柩車に運び込む。葬儀場では出棺時に霊柩車のホーンを鳴らせない(たしかに、毎日のよう…

  • 父の葬儀 その1

    10/28に父が亡くなり、その後に通夜・葬儀を行った。「症状がひどくないときで良かったな」と思うことがいくつかあったので、書き残しておく。 危篤の連絡が来たのは10/28の夜22時過ぎ。そろそろ眠ろうかというときだった。電話の音に気づいた妻に「携帯鳴ってるよ!」と言われ慌てて飛びつく。かかってきた時間と実家からという表示を見てイヤな予感がした。危篤であること(家族を呼んでくれと言われたとのこと)と、病院の名前を聞くと電話を切り、急いで出かける準備をした。電話を聞いて一緒に行こうとした妻を押しとどめ、私の出発準備の手伝いと自宅での後方支援を頼み、出かける準備を始めるが、急激なストレスの増加でトイ…

  • レミケードの一次無効について

    二次無効があるのに一次無効の記事がないのも気持ち悪いと思い、一応まとめてみる。一次無効とは、"初回投与から治療反応性が見られない"症状(遠藤ほか2012*1)のことである。 最初の3回の投与で効果が見られない場合にはこの一次無効であるとされ、他の治療法を考慮することがレミケードの添付文書にも書かれている(レミケード添付文書2ページ*2)。 クローン病での一次無効の頻度は、25〜40%程度(遠藤ほか2012)、12.4%(本谷ほか2012*3)、約20%(日比・久松 2013*4)約2-3割(久松 2017*5)などとされている。 関節リウマチでの発症確率がいくつかの文献で12%前後(12.8%…

  • ヒュミラ2回目

    ヒュミラの初回投与から2週間が経った10/23(水)に効果の検証と今後の治療方針を決めるために診察に向かった。いつも通り9:00の予約だが、この日はやや遅めの到着で、8:50分過ぎに受付に到着し診察券などを提出して待つ。早い時間にもかかわらず混雑している待合室で10分ほど待つと検査室に呼ばれ、いつも通り採血される。血液検査の結果が出るまでさらに15分ほど待った。9:15頃に名前を呼ばれて診察室入ると、担当医から「どうですか?」と声をかけられる。これに「かなり効いてますよ!」と勢いよく答え、2週間の経過を話す。便の状態、出血ともに1週目の土曜以降良くなっていること、そこから2週目の月曜(診察の前…

  • レミケードからヒュミラへの変更 その2

    その1からの続き 待合室で15分ほど待っていると、看護師さんが来て点滴室へ連れて行かれる。血圧を測ったか聞かれたので、「ヒュミラの時もいるんですか?」と聞くと「今回は初めてなので」ということだった。急いで血圧を測って渡すと、降りてきたエレベータに乗って点滴室に向かう。通されたのは前回と同じ場所で、「相変わらず狭いなー」と思いながら荷物を置き、準備をする。 点滴の準備をしながら「ヒュミラは打ったことありますか?」と聞かれたので、「初めてです」と答えると「じゃあ点滴の前に練習をしましょう」と言われ、促されてベッドに座る。看護師さんは、針のついてないダミーのペン型ヒュミラを取り出して、「キャップを取…

  • レミケードからヒュミラへの変更 その1

    10/9が10回目のレミケードの予定日だったので病院に向かった。予約した9時よりも15分ほど早く病院に着き、受付で診察券など一式を出して待合スペースで待っていると、5分ほどで採血に呼ばれた。いつも通り診察前の採血をしてもらい、再び待合スペースで待ち、9時5分頃に診察室へ呼ばれた。今日までの様子を聞かれるかと思っていたら、着席して開口一番、「また出ちゃったんだって?副作用」と前回の点滴時の副作用の話から始まった。「呼吸がだいぶ苦しくなる?」と副作用の症状について聞かれたので、胸が圧迫されるような息苦しさが出てくることと、呼吸が苦しくなるのは前回の方が前々回(倍量初回)よりもひどいと感じたこと、前…

  • ラグビーワールドカップを観戦

    9/21(土)にラグビーワールドカップのニュージーランド対南アフリカ戦を見に行った。横浜会場では、プール戦(予選)の段階からラグビーに詳しくない私でも分かるような好カードが組まれている。(ラグビー好きの)妻がチケットを確保してくれたので、試合の日を楽しみにしていた。妻はとても楽しみだったようで、防寒・雨対策(:当日は晴れたが、試合前日までは雨の予報で、気温も低いことが予想されていた)を事前にして、電車の時間や会場周辺も調べて準備万端待っていた。チケットには、飲食物の持ち込み不可や手荷物検査に時間がかかる可能性があるなどの注意事項がかかれていたので、早めに会場へ着くようにした。それでも、普段は昼…

  • レミケードで狭窄は起こるのか?

    レミケード治療中の消化管の狭窄の話はよく耳にする。レミケード治療をすると、狭窄が起きやすくなるようにも感じられてしまうが、本当だろうか? 基本的には「レミケードが狭窄を進行させることはない」というのが一般的な認識のようだ。 辻川ほか(2010)*1では、”潰瘍の治癒にともない狭窄が増悪するとの意見もある”としながらも、海外での引用文献を挙げて有意な狭窄症例の増加は認められないとしている。 増田ほか(2013)*2でも、上とは別の引用文献を挙げて、狭窄の進行にレミケードは関与しないという意見が多いと述べている。 樋口ほか(2010)*3では、”狭窄に関連する因子として、重症度・罹患期間・回腸病変…

  • 私が病気のことを学ぶ理由

    クローン病になってからは、本屋で医学書なども覗くようになり、病気に関連する言葉を検索することも増えた。購入する論文雑誌や教科書類は比較的安価な物が多いが、それでも1冊5,000円前後する。他の趣味に比べ出費が明らかに多いので、購入を検討する度、妻にお伺いを立てるのだが、「自分の病気のことなんだから気にするな」と言うだけで口を出してくることは一度も無く、詳しく確認されたこともない。 ちょくちょくこのブログを読んでいる妻に向けて、なんで知識を仕入れているのか?の理由(言い訳)を書いておく。 モチベーションは大きく分けて2つある。一つはただの知識欲。単純に私は勉強をすることが好きなのだ。新しいことを…

  • レミケード9回目(倍量投与2回目)その2(2/2)

    その1からの続き専用の点滴室があると思っていたのだが、連れてこられたのは以前大腸内視鏡検査を受けた時の前処置室だった。看護師さんの後について、検査を受けるであろう人達の間を縫って奥へ行くと、カーテンと壁で仕切られたスペースにベッドがあった。このスペースを見た第一印象は「狭い」。ベッドも狭く、三方を壁(一面の半分は磨りガラス)で区切られているので圧迫感がある。それでも、壁面に作り付けのナースコールや酸素の栓が出ているので正規の点滴スペースなのだろう。 看護師さんに促され、荷物をおろし、本を出して横になる。ベッドと点滴の位置から、今回は右腕にしてもらうことにした。看護師さんは「本を読むなら・・」と…

  • レミケード9回目(倍量投与2回目)その1(1/2)

    8/14に2度目のレミケード(インフリキシマブBS)の倍量投与を受けた。 台風が接近しており、天気が不安定だったので電車の遅延も考えて少しだけ早めに家を出た。家を出るときには曇っていて、涼しいのがありがたかったぐらいだったが、病院の最寄り駅から外に出ると雨がザーザー。一緒に降りたサラリーマン風の兄ちゃんはビショビショになりながら傘を求めてコンビニに駆けていく。「(もっと酷くなるであろう)台風が最接近する日でなくて良かったな」と考えながらカバンから携帯用の傘を取り出し病院に向かった。 予約した8:30の少し前に受付に付き、予約票に診察券と保険証、特定疾患の受給者証を出した。しばらく待つと「まず血…

  • レミケードの使い方の変化:変わっていく治療法 その2(2/2)

    その1からの続き ・Top-downとStep-up レミケードの登場で、クローン病の治療の方針にTop-down療法という考え方が生まれてきた。レミケードには従来の内科的治療法にはない「粘膜治癒が可能」、「外瘻の閉鎖効果」という大きな特徴がある。この特徴を活かして、発症後、他の治療よりも先にレミケード(:もっとも強力な薬)を使うことで消化管へのダメージを抑え、不可逆的な腸管合併症を起こさないようにしてQOLを維持しようというのがTop-down的な治療である。 Top-down療法に関する日本語の報告は2010年前後から増えており、その多くが短期的にはTop-downの方がStep-upより…

  • レミケードの使い方の変化:変わっていく治療法 その1(1/2)

    レミケードがクローン病の治療に大きなインパクトを与え、強力な治療の選択肢であることは以前も今も変わらない評価であるが、その使われ方や治療戦略はこの20年足らずの間に変化している。レミケードのことを調べていると時々目にするエピソディック投与やTop-down治療の現在について調べてみた。・投与間隔の違い:エピソディック投与と維持投与 レミケードについてあまりよく知らなかった時期は、「状態が良くても定期的に投薬を行わなければいけない」ことに抵抗があった。症状が出ていないのに体内に薬剤を入れ続けることが良くないことのように思えて、「炎症物質(サイトカイン)を中和する薬なら、症状が出たときにのみ入れる…

  • 更新と医療費の払い戻しの手続き

    2〜3週間かかると言われた臨床個人調査票だが、その週の週末にはレターパックが返ってきた。返送が早すぎるので「別の人のを間違って送ってないか?」と思いながら中身を確認したが、私の書類で間違いなく、中身の記入もちゃんとされており、内容も最近の検査結果と違っているところはない。書類作成を依頼したのが、他の人たちよりも遅い時期だったので空いていた(?)のだろうか。 予定よりも早く個人票が届いてしまったので、他の書類も急いで用意して更新の手続きに向かった。横浜市は特定医療費請求書・更新ともに郵送での手続きも受け付けているが、転入後初めての更新なので書類の確認をしてもらいたくて直接区役所に行くことにした。…

  • 更新と医療費の払い戻しの準備

    先日、転入の申請をしていた特定疾患の医療費助成の受給者証が届いた。5月の半ばに転入の手続きをしたので、予定より早い2ヶ月くらいで手元に届いたことになる。 この受給者証が郵送される前の週に、更新について問い合わせをしていた。 当初予定の、8月の受給者証到着を待っていては更新が遅れ、9月中の発行には到底間に合わない。大金を持って病院に行くことや払い戻しの作業が面倒なので、可能なら10月初旬には新しい受給者証が手元にあって欲しかった。そのため、受給者証が手元に無くても更新の手続きができないかや、事前に準備できることはないか(臨床調査個人票をDLして、先に書いてもらっておいても大丈夫か?)などを確認し…

  • レミケード8回目(倍量投与初回)その3(3/3)

    その1、その2の続き ステロイドの点滴を受けると点滴後に現れた症状は速やかに収まっていった。呼吸は楽になり、不快感も消える。発疹は、かゆみがなくなり小さくなっていった。途中、様子を見に来た看護師さんもそれを確認して「良かった。効いてるね」と言っていた。 点滴をしながら今回はじめて副作用が出た理由を考えてみたが、・倍量投与をしている・レミケード(先行医薬品)からバイオシミラー(後続品)になった・投与速度が上がった(:今までは通常量を2時間かけて入れていた)・投与前に抗ヒスタミン剤を飲んでないと、前回と異なる点が多くてよく分からない。二次無効の症状も出ているので、抗インフリキシマブ抗体が悪さしてい…

  • レミケード8回目(倍量投与初回)その2(2/3)

    その1の続き点滴が再開されてからは読書をしていたが、10分程度で右の胸がかゆくなる。「点滴の開始時に出るかゆみか?」と思っていると、しばらくしてへその下もかゆくなった。 胸のかゆみは(いつもと違い)掻いても治まらない。「今回はかゆみがしつこいな」と思い、3度目に胸を掻こうとしたら、ポコッと膨らんでいる感触がある。 自分では見えない位置なので、横に座っている妻に見てもらうと「虫刺されのように膨らんでいる」と言われた。今までに無いことだが、他に異常は無く、この程度で呼ぶべきか少し逡巡したが、結局ナースコールを押した。 しばらく待つと、看護師さんがやってきたので、服をめくって胸と腹部を見せた。点滴を…

  • レミケード8回目(倍量投与初回)その1(1/3)

    6/19に8回目のレミケードの点滴を受けた。今回は初めての倍量での点滴を受ける。妻が「(転院先の)病院の中や点滴をしている様子を見てみたい」と言うので一緒に病院に向かった。予約の9:30に病院へ行き、受付を済ませる。待合室で45分程度待つと診察室へ呼ばれたが、全く同じタイミングで検査からも声がかかった。声をかけてきた検査技師さんに「たった今、放送で診察室へ呼ばれたんだけど・・」と言うと、「えっ!?では確認してきます」と診察室へ確認に向かってくれた。 すぐに戻ってくると思って検査室の前で待ったが、なかなか戻ってこない。「なんかトラブルがあったのか?」と心配したが、数分で戻り、「先に血液検査をして…

  • カプセル内視鏡 本検査 その2(2/2)

    その1からの続き。 診察室を出ると8:45になっており「これなら8:30の予約でも良かったんじゃ?」と思いながら待合室をウロウロする。が、混み始めた待合室を歩き回るのは、あちこちからの不審者を見るような視線が痛い。調子が悪い人のそばを歩き回るのもよろしくないと思い、人が居ない場所を求めて院内をウロウロする。 最初は「階段を上り下りしていれば人もあまり来ないし、運動にもなる」と思ったのだが、何度か往復しているとうっすら汗をかいてくる。カプセル内視鏡の撮影中は汗をかくような運動は禁止されている(パッドが外れたら一大事である)ので、階段は断念した。最終的には、モビプレップを飲んでは歩いている内視鏡検…

  • カプセル内視鏡 本検査 その1(1/2)

    パテンシーカプセル(ダミーのカプセル)が形状を保ったまま回収できたことで腸内にカプセルが通るだけの余地があることが確認できた。次は撮影用のカプセルを飲んで腸内を撮影することになる。 最初は誤解していたのだが、カプセル内視鏡で小腸から大腸まですべてを見られるわけではなく、見る箇所により「小腸カプセル内視鏡」、「大腸カプセル内視鏡」という別々の検査になる。撮影枚数がかなり多い(メドトロニック社のHPによると約5万枚)ため、すべてを撮影するにはカプセル内のバッテリー容量が足りないようだ(日本消化器内視鏡学会HP "カプセル内視鏡で消化管すべてを観察できますか?")。 また、大量の画像をつなぎ合わせて…

  • 転院後2回目の診察と今後の方針 その2(2/2)

    その1からの続き。今後の方針が決まると、現在の体調を問診しながら、いつ点滴をしようかという話になった。担当医が急に、「今日この後やろうか? おーい、○○さーん(看護師さんの名前)、今日バイオシミラーできる?」と言い始めたので、「せっかちすぎる!」と思い、慌てて「これからやるんですか?」と確認した。何しろ昼食も食べていないし、今から倍量で始めたらいつ終わるかも予想がつかない。 私の様子を見てか、「あれ?本当はいつやるんだっけ?」と確認されて、「6/25が8週目なので本来はその日です」と答えた。すると、「じゃあ急ぐことはないか。 ○○さーん、さっきのやっぱいいや。今日のバイオシミラーはやらないです…

  • 転院後2回目の診察と今後の方針 その1(1/2)

    パテンシーカプセルによる開通性評価検査と診察で、3日連続で病院に行く。似たような時間帯に何度も乗ったので、電車の混み具合や階段に近い車両も把握でき、通院にはもう何の不安もなくなり、到着時間も分かるようになってきた。 予定の10:30より少し早く着いて受付で手続きを済ませる。待合室で座って時計を見ると、予約時間まで5分ほど余裕があったのでトイレに行った。トイレで用を足していると、外で名前を呼ばれているのが聞こえた。「え!?」っと思って、腕時計を見るとやはり5分近く余裕がある。早く順番が回ってきたのかと急いで戻ると、保険証を返されただけだった。 気を取り直して待合室の椅子に座り、自分の順番が回って…

  • カプセル内視鏡 開通性評価検査 その2(2/2)

    その1の続きカプセルの回収はどうしてもキタナイ内容になってしまうので、読まれる人はご注意を。大腸内視鏡検査以降はやや下痢気味だったのだが、この日は幸いなことに前日からの回復傾向が続いており、日中の排便はなかった。カプセルを飲んだ後の食事には何の制限もないのだが、調子の良さを維持したいので、夕食も消化の良いものを選んで食べ過ぎないように注意した。 最初の便意は夕食後1時間くらいしてからやってきた。調子が良かったので切迫感は無かったが、回収手順を確認したりでモタつくことが考えられたので、余裕があるうちにトイレに行くことにした。手順をしっかり確認しながら便座にシートを引っかけ、張り具合などを確認して…

  • カプセル内視鏡 開通性評価検査 その1(1/2)

    狭窄が疑われる患者は、カプセル内視鏡検査を行う前段階として、パテンシーカプセル(ダミーのカプセル)による腸管の開通性評価検査を受けることになっている。 前の週の大腸内視鏡検査の結果や自覚症状から、現時点での狭窄の可能性は低そうとはいえ、私はクローン病の患者であるので、カプセル内視鏡で検査を受けるなら、この開通性評価検査は避けて通ることができない。 検査は前日の夕食から準備に入る。夕食に消化の良い物を摂り、22時以降は食べ物だけでなく水分も摂らないようにする。カプセルを飲んだ後も2時間は飲食禁止なので、22時以降は12時間以上何も口にすることができないということだ。 朝起きて水を飲めないというの…

  • 大腸内視鏡検査2019/06 その2(2/2)

    飲み終わったことを申告すると、排便回数や最後の便の状態を確認されて、検査室近くの待合スペースに移される。こちらのスペースにも近くに多数のトイレが並んでおり、ここでは出た便の状態をチェックされる。 着いて早々に便意を催したので排便して確認をしてもらうと、「あと2〜3回だね」と言われた。自分でも、まだカスが僅かに浮いているように感じていたので、この言葉を「あと2〜3回排便した後に、もう一回見せる」と思い込んで、排便を待った。 それほど時間を置かずにまた排便があったが、その後が出ない。いくらお腹をさすっても、歩いても、便器に座っても出ない。困ったのでチェックをしてくれる看護師さんに確認すると、先ほど…

  • 大腸内視鏡検査2019/06 その1(1/2)

    転院後初めての診察で、急遽決まった大腸内視鏡検査。いろんな病院のホームページを見比べると分かるが、検査前の処置が病院によって多少異なる。転院先の病院では自宅でモビプレッップを飲んで来院する方法も選択できたが、万が一のトラブルの心配や、そもそもアレを飲んで鉄道での移動など絶対にしたくないので、迷わず院内での腸管洗浄を選択した。 検査の前日から食事の制限が始まる。以前の病院では検査食が出されたが、今回は任意だったので検査食を無しにしてみた。 検査前日の食事は繊維質や脂の多い物を摂らないようにという注意は、普段の食事で気を付けている事ではあるが、「控える」のと「全く摂らない」では勝手が違う。腸がキレ…

  • 7回目と8回目の折り返しと転院後最初の診察 その2(2/2)

    その1からの続き目的の病院に車で送ってもらい、受付まで案内してもらう。受付にはすでに話が通っており、新旧2通の紹介状と保険証を渡すと、再度問診票を書くよう言われる。午前中と同じような内容の問診票を書くと、受付へ渡し、二階の待合室で待つよう言われる。 階段を上がって待合室に行くと、午後の診療が始まってそれほど経っていないのに結構な人が待っていた。診療室が3つあるのですぐに呼ばれるかと思ったが、なかなか呼ばれない。初めての病院なので待ち時間の感覚も掴めておらず、読書も手に着かない状態でそわそわしながら待った。 45分ほど待って名前が呼ばれ、診察室に入った。こちらでも紹介状や問診票を元にしながらの丁…

  • 7回目と8回目の折り返しと転院後最初の診察 その1(1/2)

    4/30(火)のレミケード後の体調は、1週目は、最初の2,3日はわずかに出血があったが、その後は出血もなくなり、便の状態も良い状態に回復。排便の回数も一日2,3回以内に落ち着く。 2週目も同様の調子で、土曜の夜に飲酒をしたので日曜は下痢気味だったが、月曜にはまた良い状態に戻った。 3週目は火曜と水曜の夜わずかに出血があった。木曜朝は良い状態。日曜に下痢になり出血がある。月曜も軟らかめで排便が多く(5〜6回)、夜にそれまでより少し多めの出血があった。 4週目の火曜は回復してよい状態に戻ったが、週末は良くなかった。金曜は午前までは良い状態で排便の回数も少なかったが、夜に多めの出血。土曜も日中に長く…

  • 転院とその関連する手続き

    新年度に生活の拠点を移すことになったので、病院の転院と特定疾患の医療費助成の引っ越し(?)を行った。それを時系列でまとめる。まずは、1月のレミケードを受けに行った際に、引っ越しをすることと「(その病院で)治療をしてもらうのは4月下旬のレミケードまで」と伝え、これまでの治療のことをまとめて欲しいことや転院に必要な手続きを聞いた。 担当医は少し残念そうに「そう・・ですか。」と返事をして、「それでは時期が来たら紹介状の方をそろえてお渡しさせてもらいます」と快く承諾してくれた。転院を伝えてからも診療に対する態度は変わることは無く、(いつもどおりぶっきらぼうだが)真摯に対応してくれた。転院の意思を伝えて…

  • なんで論文を読むのか

    妻が読んで喜ぶ以外だれのためにもならないような内容なので「痴れ言・放言」のカテゴリーを新設して分離する。クローン病の情報のない、私の日常についてのいいかげんな日記なので読まれる人は注意されたし。先日、付き合いの長い友人らと食事をしたとき、クローン病についての論文を読んでいることを私"らしい"と言われた。「フツウは論文までは読まないよ」と。 普段の私の様子から論文を読んでいても違和感はないのだろうが、されど喜んで論文を読んでいるわけでもない。自分の病気に関して情報が少ないのだ。 病名を聞いて、まず始めたことは、診察時にもらったパンフレットを読むことだった。それで病気の概要が分かると、似たようなパ…

  • レミケードの二次無効への対策は? その3(3/3)

    その1、その2からの続きの内容 3. 他の生物学的製剤への切り替え これは文字通り、レミケードの使用を止めて他の生物学的製剤へ変更するという方法である。 選択できる生物学的製剤が少ない日本では、まずヒュミラへのスイッチが一般的なようである。金井ほか(2012)*1では、ECCO(The European Crohn’s and Colitis Organisation)のガイドラインの一部を本文中で引用し、 薬剤のスイッチを行う前の治療戦略として投与間隔の短縮や投与量の増量を行うのが適切である.また,薬剤のスイッチも有効な治療ではあるが,将来的な治療オプションを減らしてしまうため,忍容性がない…

  • レミケード7回目

    レミケードの6回目は効果が不安定で、状態をつかみにくかった。 点滴直後は出血も止まり良い状態だったが、1週目の木曜の午前中に大きく出血し、そこからは状態が不安定になった。 体感としては、「点滴後4週目からスタート」のような感じだった。年末年始に点滴の間隔が1週間余分に空いて、9週目は特に調子が悪かった事を思い出し、「4月は大丈夫なのか?」と不安になったが、やや低調な状態から大きく下がることは無く、振り返ってみると4月も3月もあまり状態は変わらなかった。2週目には便が軟らかくなりだし、金曜は排便回数が多く5,6回、土曜には少し多めの出血もあった。 3週目の週末頃には出血が2日に1回程度になる。こ…

  • レミケードの二次無効への対策は? その2(2/3)

    前の記事「2. 既存の治療法との併用」の続き2-2. 血球成分吸着除去療法との併用 血球成分除去(CAP; cytapheresis)とは血中から白血球や顆粒球などの免疫に関わる細胞を除去することでクローン病の症状を抑える方法で、大腸病変を有する患者に有効とされており、寛解導入効果に対して一定の評価を得ている(日比 2016*1)。副作用の少ない治療法(鈴木 2012*2)であるが、治療例が少なく一般化しているとは言いがたいのが弱点である。田中ほか(2016)*3では、二次無効に対してGMA(単球除去療法)が有効であった報告を列挙している。そのうちには、レミケードと免疫調整薬の併用で対処できな…

  • レミケードの二次無効への対策は? その1(1/3)

    以前の記事でも書いたが、二次無効の原因が『レミケードの血中トラフ濃度の低下』であると考えられている。そのため、その対処はレミケードの血中濃度を下げないようにすることに焦点が当てられている。 レミケードの血中濃度を維持する具体的な方法としては、レミケードの増量(倍量投与、投与期間の短縮)と、他の治療法とレミケードの併用が挙げられる。 一度にすべてを書くと長くなりすぎるので3分割するが、本稿と次稿ではレミケードの血中濃度を維持する(主にTNF-α亢進に対する)ための対処法を、その3ではレミケードが機能しない(抗レミケード抗体が出現、TNF-αが関与しない)場合の対処を記載する。 1. レミケードの…

  • 診断から一年間のまとめ

    2018年の3/19に最初の診察を受けてから1年になる。最初の一年は、診断までの検査や治療の開始、レミケード治療への方針転換などいろいろなことがあった。その一年の動向を振り返ってみる。2018年3月、年度末に入って飲酒の機会が増え、それにともない肛門からの出血量も増え、下痢が長引いたため、痔を疑って近くの消化器・肛門科を訪れたのが始まりだった。 初回の診察で出血は痔瘻からであることはわかったが、肛門部の様子から別の病気に由来する痔瘻の可能性が疑われたので、大腸内視鏡検査を受けることを勧められる。 その週の週末に内視鏡検査を受けることになり、下剤モビプレップに苦戦しながら腸内をキレイにした。検査…

  • レミケード6回目

    5回目の後半、5週から8週目までの体調は今までとは少し違い、良くなったり悪くなったりがあった。5週目は前の週より出血の頻度が増え、2日に一回は出血するようになった。週末には毎日一回くらいの頻度になる。2/11は朝夕に出血があり、夜は出血量が多めだった。 便の状態は、朝良くて夜軟らかいという状態が続く。朝の調子が良いのは毎朝おにぎり(具はいろいろ)な事が関係しているのだろうか? 6週目も日に一回程度の出血。13日の夜多めの出血があった。便の状態は相変わらず朝良くて夜軟らかい。 6週目の週末に、炭水化物と良く火の通った野菜中心の脂肪が極めて少ない食事を摂ったおかげか7週目は便の状態が良い状態が続く…

  • 二次無効の原因は? その2(2/2)

    以下の3点は、本来の二次無効(レミケードの効果が弱まっていく)の原因ではないが、二次無効と同様にレミケードが効かなくなる原因についてである。 4. 抗TNF-α製剤の腸管からの漏出 田中ほか(2016)*1では、広範な病変がある場合には腸管からのレミケードの漏出も考慮すべきとしている。重症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした研究として、レミケードへの臨床的反応と腸管から漏出したレミケード濃度に相関があった例(レミケードの効果が無い症例は腸管外で検出されるレミケード濃度が高かった)を引用し、病変の憎悪によってレミケードが漏れ出ることで血中濃度低下が起こる可能性を指摘している。 5. 器質的病変 繰り返…

  • 二次無効の原因は? その1(1/2)

    以前の記事に、二次無効がほとんどすべての患者に現れる可能性があるということを書いた。では、その二次無効の原因はなんだろうか。本稿と次稿ではそれらを列挙する。 本稿では、レミケードを無効化する、本来の意味での二次無効(レミケードの効果を増強できれば対応できるかもしれない)の要因についてを、次稿では二次無効と同じ症状が出るが、レミケードが無効化されているわけではない(レミケードの効果増強以外の対処が必要になる)場合について記述する。 二次無効の機構について決定的な報告はないが、いくつかの文献でその機序が考えられている。それらに共通するのは、『レミケードの血中トラフ濃度の低下』が原因であるとしている…

  • レミケードはいつまで効くのか? その2(2/2)

    「レミケードはいつまで効くのか? その1」から続きの内容なので、「二次無効ってなんだ?」という人は下記の「その1」からどうぞ。 cd-mo.hatenablog.com ・二次無効の兆候を捉えることはできるのか? レミケード後に体調が悪くなったとして、それが二次無効によるものなのか、他の要因によるものなのかが見分けられないと、対処が遅れたりいたずらに危機感を募らせることにもなり、よろしくない。また、二次無効が起きる兆候がつかめるだけでも次の対応をするための時間的・精神的な猶予が生まれる。二次無効を定量的に調べる方法や発症する前兆を捉えられないだろうか。結論から先に述べると、現時点では有効な方法…

  • レミケードはいつまで効くのか? その1(1/2)

    前回のレミケードの点滴から4週間を過ぎて、体調は下り坂に入っている。なんだかレミケードを点滴するたびに「薬の効果が薄れるのでは」と怯えてるような気がするが、それは二次無効という症例があるからだ。 ・二次無効とは 二次無効とは、金井ほか(2012)*1に 5mg/kg,8週間隔の維持療法中に効果が減弱する,いわゆる"二次無効"症例が存在し, とあるように、治療開始時は効いていたレミケードが、投与回数を重ねるうちに効果が弱まり、効いている時間が短くなっていく状態のことである。 "初回投与から治療反応性が見られない" 症状(遠藤ほか2012*2)を一次無効と呼び、それに対しての『二次』である。 この…

  • レミケード5回目と6回目の折り返し

    2/4で4週間の折り返しなので、最初の4週間の体調をまとめておく。最初はいつにも増して順調だった。点滴後、速やかにレミケードの効果が実感できた。点滴の翌日には出血が止まり、2〜3日の間には便の調子も安定した。排便の頻度も点滴の翌日から1〜2回/日に減り、点滴後は下痢どころか不定形の便が出ることもほとんどなかった。 点滴前は落ちていた体力も急激に回復し、点滴の3日後には歩き回っても疲れを感じることは無くなり、調子が良いときにほぼ戻ったと感じた。「今までで一番良い状態かもしれない」と思いながら生活していたが、2週目の後半につまずいた。インフルエンザに感染し、下痢になったのだ。インフルエンザの症状が…

  • インフルエンザに感染

    スポーツ観戦で人が多いところへ行ったからか、インフルエンザに感染してしまった。1/15(火)の夕方に寒気を感じ、帰宅時には「熱があるなー。38℃超えてるかも」と発熱の自覚があった。帰宅して早速熱を計ると予想外に高く39.3℃。さっさと食事をとって市販の風邪薬を服用して眠った。翌朝も39.6℃。仕事を休む連絡を入れると、病院を探す。近所に内科と消化器科をもつ医院があったので、予約が可能か確認すると「予約制ではないので来院して待て」とのこと。身支度をして、マスクをし、病院に向かった。 街中の個人経営の医院なので、病院の待合室は小さめですでに待っている15人くらいでギュウギュウ詰めだった。常連さんら…

  • レミケード5回目

    まずは、前回のレミケード点滴後の5〜8週の体調について。後半の体調はやっぱり下り坂になる。今回は年末年始のお休みで点滴までの期間が1週間長くなったこともあり、点滴前の状態はこれまでよりも悪いように感じた。12月16日からの週(6週目)は前の週より出血の回数が増え2日に一度位の頻度になる。便の状態も形を保っているが、柔らかくなってきており、一日のトイレの回数も3〜4回に増えた。22から24の休みは買い物などで長く歩いたこともあって帰宅後37℃台前半の熱が出た。翌朝には平熱に戻っており、移動中や帰宅時にいつもより疲れも感じていたので、調子が悪いときに疲労がたまると一時的に発熱するようだ。 27日は…

  • エレンタールの副作用

    エレンタールによる治療はクローン病治療の中でも安全な部類だが、副作用が現れることはある。 自分が経験した副作用とその対処についてのお話。

  • 無脂肪乳

    牛乳が無いとコーヒーが飲めない私だが、その牛乳が乳脂肪のせいで腸に悪い。でも、(牛乳を入れた)コーヒーは飲みたい。 ということでたどり着いたのが無脂肪牛乳だった。というお話。

  • レミケード 4回目と5回目の間

    レミケード点滴から4週間が経って折り返しの時期なので、ここまでの体調の変化を記録しておく。というお話。 概ね良い状態だが、途中、すこし調子が落ち込んだ。

  • 保険の見直し

    「クローン病になると保険に入りづらくなる」は本当なのか? 現在加入している保険に保障内容が拡充した新商品が出るということを耳にして、クローン病患者として新規加入してみることにした。 →ダメだった。というお話。

  • 体重の変化

    クローン病と診断されてから体重計に毎日乗るようになったのだが、体重の増減に一定の周期があるように感じた。それについて調べたお話。

  • レミケード4回目

    8週間間隔になったレミケード。その後半は調子がやや下り調子だったこともあり、薬が効くのか?という不安を抱えながらの点滴を受ける。 点滴はいつになく早く終わったが、次の通院が2ヶ月後となり大量のエレンタールが・・というお話。

  • レミケード3回目

    2回目点滴以降のレミケードの効果と3回目点滴の様子、その点滴後の効果に付いてのお話。

  • レミケード2回目

    初回投与から2週間後の2回目のレミケード点滴のお話。 この時は特に問題も起こらず、平和に終わった様子を書いた。

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