問題 以下の命題A, B それぞれに対し、その真偽を述べよ。また、真ならば証明を与え、偽ならば判例を与えよ。命題A: が正の整数ならば、 が成り立つ。 命題B: 整数 が をみたすならば、 が成り立つ。 解答(命題A) 問題の式を整理すると、 となります。これを証明しにかかります。 解き方は想像以上にシンプルで、グラフをかくだけ。 こんな3次不等式を式変形だけで解く術なんて知らない人が大多数でしょう。 しかし、グラフをかいて常に0以上かどうかくらいなら、微積の力を借りれば確かめられそうです。 とおくと、増減表は次のようになる。 あたかも は0以上の実数かのようにかきましたが、本当は自然数です。…
JMOというのは、「日本数学オリンピック」のことです。 毎年開催されていて、だいたい10問ちょっとの問題が出されます。 後半の問題は正直なところ自分も解けないような問題が並んでいたりするのですが、今回は序盤にある問題を1つ紹介します。 問題 を で割った余りを求めよ。 解答 であることと、「数字が大きければ小さいもので具体例を出す」の法則、この2つを使えば解ける問題です。 具体例を出してみる 2018乗はさすがに大きすぎるので、小さいものからやっていきます。もう少しやってみます。余りが1000と、とてもきれいな数字になりました。 もう少しやってみます。上の式途中で出てきた はどちらも整数です。…
問題 を0以上の整数とし、数列 を次のように定める。 また、素数 を1つとり、 を で割った余りを とする。ただし、0を で割った余りは0とする。(1) 自然数 に対し、 は を で割った余りと一致することを示せ。(2) , の場合に、10以下のすべての自然数 に対して、 を求めよ。(3) ある2つの相異なる自然数 に対して、 が成り立ったとする。このとき、 が成り立つことを示せ。 解答(1) を で割った商を とおくと、 (ただし) ここで、 を で割ったときの余りを , 商を とすると ()、この式を使うと、 また、 で, , であるから、 以上より、 は を で割った余りと一致する。 解…
問題 を自然数(すなわち1以上の整数) の定数とする。白球と赤球があわせて1個以上入っている袋Uに対して、次の操作(*)を考える。(*) 袋Uから球を1個取り出し、 (i) 取り出した球が白球のときは、袋Uの中身が白球 個、赤球1個となるようにする。 (ii) 取り出した球が赤球のときは、その球を袋Uへ戻すことなく、袋Uの中身はそのままにする。はじめに袋Uの中に、白球が 個、赤球が1個入っているとする。この袋Uに対して操作(*)を繰り返し行う。 たとえば、1回目の操作で白球が出たとすると、袋Uの中身は白球 個、赤球1個となり、さらに2回目の操作で赤球が出たとすると、袋Uの中身は白球 個のみとな…
数列の範囲ではいろいろな漸化式の問題がありますが、漸化式について「これだけは知っていてほしい!」と思う知識をまとめてみました。どれか一つでも解けなかったら、しっかりと覚えて帰っていってください! 等差数列の漸化式 例題 解答 等比数列の漸化式 例題 解答 階差数列の漸化式 例題 解答 隣接2項間の漸化式 例題 解答 隣接3項間の漸化式 例題 解答 逆数を取るタイプの漸化式 例題 解答 指数 で割るタイプの漸化式 例題 解答 まとめ 等差数列の漸化式 例題 , のとき、一般項 を求めよ。 解答 数列 は、初項3, 公差5 の等差数列なので、その一般項は、 等比数列の漸化式 例題 , のとき、一般…
問題 において、 とする。辺 上に点 と異なる点 があり、 とする。また、辺 の中点を、線分 と との交点を とする。このとき、次の問に答えよ。 (1) 内積 と の面積 を求めよ。 (2) を と を用いて表せ。 (3) の面積 を求めよ。 解答(1) とりあえず図をかく 内積 を求める 定義より、 で余弦定理を使って、 題より、 なので、 したがって、 の値は、 ゆえに、内積 の値は、 の面積 を求める ここで、 なので、 より、 なので、ゆえに、 解答(2) (問題再掲)(2) を と を用いて表せ。 解答の方針 を使わないと解けない。 また、 と を使って表すので、 とおいてすすめるの…
問題 横一列に並んだ6枚の硬貨に対して、以下の操作LとRを考える。L :さいころを投げて、出た目と同じ枚数だけ左端から順に効果の表と裏を反転する。 R :さいころを投げて、出た目と同じ枚数だけ右端から順に効果の表と裏を反転する。たとえば、表表裏表裏表と並んだ状態で操作 L を行うときに、3の目が出た場合は、裏裏表表裏表となる。以下、「最初の状態」とは硬貨が6枚とも表であることとする。(1)最初の状態から操作 L を2回続けて行うとき、表が1枚となる確率を求めよ。 (2)最初の状態から L, R の順に操作を行うとき、表の枚数の期待値を求めよ。 (3)最初の状態から L, R, L の順に操作を…
問題 を自然数とし、放物線 を とする。このとき、次の問に答えよ。 (1)放物線上の点 における接線の傾きをとする。 を満たす をすべて求めよ。 (2)関数 の最大値を とする。 を満たす をすべて求めよ。 (3)放物線 と直線 で囲まれた図形の面積を とする。 を満たすnをすべて求めよ。 (4) とする。放物線 の の部分と 軸および直線 で囲まれた図形の面積を とする。 を満たす をすべて求めよ。 解答(1) の両辺を で微分して、これを使って、放物線 の における接線の傾きは、よって、題より、 を満たすnの値を求めると、 解答(2) は上に凸である放物線だから、頂点の座標が最大値Mとなる…
問題 A,Bの2チームが試合をくり返し行い、先に3勝したチームを優勝とする。1回の試合でAチームが勝つ確率は、Bチームが勝つ確率は で、引き分けはないものとする。このとき、次の問に答えよ。 (1)優勝が決まるまでにBチームが少なくとも1勝する確率を求めよ。 (2)3試合目または4試合目で優勝が決まる確率を求めよ。 (3)1試合目でAチームが勝ち、Aチームが優勝する確率を求めよ。 解答(1) 「少なくとも」は、(全体)-(残り)で解く 見出しにも書きましたが、大事なのでもう一度。 「少なくとも」と書かれていたら、(全体)-(残り)で解きます。 (少なくともBが1勝する確率)=(全体)-(Bが1度…
早稲田大学 2017 人間科学学部 第1問 (場合の数・確率)
問題 (1)A、B、C、D の 4 人が集まり、2 対 2 の組に分かれて遊ぶことになった。組み分けは A、B、C、D の順に硬貨を投げて決める。表が出たら赤組、裏が出たら白組とする。いずれかの組が 2 人とも決まった時点で残りの人の組も確定するから、全員が硬貨を投げるとは限らない。いま,A は硬貨を投げ終えたものとする。ここで、B、C、D のそれぞれが A と同じ組になる確率を考えよう。次の 1~5 のうち、正しい記述はどれか。 1: A が赤組か白組かにより、B、C、D のうち誰が A と同じ組になる確率が大きいかは異なる. 2: A と同じ組になる確率は、B が C、D より大きい。 3…
問題 直線 が円 と放物線 の両方に接している。このとき、以下の問いに答えよ。 (1) とを求めよ。 (2)直線 と放物線 およびy軸とで囲まれた図形の面積を求めよ。 解答 はじめにグラフをかく(問題(1)) 放物線とか円とか、そういうグラフをかけそうなものが出てきたら、真っ先にグラフをかいてしまいましょう。 (PCのこと疎くて手書きのものになってしまいすみません...) 直線 が放物線 に接していることから...(問題(1)) 直線 と放物線 の接点を とおいて、tを使ったままでいいので接線の方程式を出してみます。 より、 接点の座標はなので、接線の傾きは。 また、接線は点 を通るから、接線…
教科書にはのっていないですが、計算が少し楽になる新たな公式を2つ紹介します。 公式 証明 証明をする前に、底の変換公式をおさえておきましょう。底の変換公式 (1)式の証明 (2)式の証明 問題 公式だけ見ても何のことかさっぱりだと思うので、具体的に問題を解いてみましょう。 (1) を計算せよ。 (2) を計算せよ。 解答 (1) (2) まとめ logの新公式2つを紹介しました。 計算ミスを減らすコツは、ミスしそうな複雑な計算をなるべく計算しやすくすること。 この公式を使えるかどうかで、計算ミスの頻度も変わってくるはずです。ぜひ使ってみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました!…
問題 を満たす正の整数の組 をすべて求めよ。 解答 どこから手をつけるといいか分からなくなりそうですが、とりあえずいじれそうなところからいじります。 そして問題文より、 となります。 分かっていることを式で表す が3の何乗かは分かりませんが、だから、 の値はのどれか。 とりあえず3の倍数であることは間違いなさそうです。 ということで とおいて進めてみます(mは自然数)。何か進展があるかもしれません。もしかしたら何も意味のない式変形になるかもしれませんが、一旦やってみましょう。 より、は3の累乗(の形)で表せなければいけないことを頭に置いておきながら計算します。 計算パート...(とばして次の見…
問題 自然数nに対して、を13で割った余りをとおく。は0から12までの整数である。以下の問いに答えよ。(1) は を13で割った余りに等しいことを示せ。(2) を求めよ。(3)以下の3条件を満たす自然数Nを求めよ。 (i) Nは十進法で表記したとき6桁となる。 (ii) Nを十進法で表示して、最初と最後の桁の数字を取り除くと2016になる。 (iii) Nは13で割り切れる。 解答 (1)から順に解いていきましょう。 問題文を見て自力で式をたてる(問題(1)) とりあえず、問題文に書いてある情報から式を書いてしまいましょう。 を13で割った余りが と決まっているので、こちらで商は勝手にとでもお…
問題 が素数となるような整数nをすべて求めよ。 解答 具体例を出す 「素数といえばこの公式がある!」って思いつく式はなく、とっつきにくい問題かもしれません。答えに結びつくかは分かりませんが、とりあえずnに適当な数を代入して、具体例をいくつか出してみましょう。とおいて、具体例を5つ出しました。この5つの計算結果を見て、何か法則がないかを探します。5つともすべて3の倍数になっていますね。たまたまではなく、きっとどんなnを代入しても3の倍数になるのでしょう。今からそれを証明しにいきます。 が3の倍数であることの証明 「3の倍数であることを示せ」と言われると、これをしておけば間違いないという解法があり…
問題 数列{}が次のように帰納的に定められている。 (1) を求めよ。 (2)nが奇数の場合と偶数の場合それぞれについて、 を で表せ。 (3)を3で割ったときの余りを求めよ。 解答 ゴリ押しできるならゴリ押して解く(問題(1)) シュッとした綺麗な解答例はあるかもしれません(自分は見つけられませんでした)。 しかし、 くらいなら から順番に計算していくこともできそうです。 少し面倒ですが、計算ゴリ押しできるならゴリ押しで解いてしまいましょう。 , , , , , , , , , ゴリ押しできるならゴリ押して解く(問題(2)) 同じ見出しをつけてしまいましたが、この問題もただひたすらに計算する…
等差数列の一般項・和の公式、教科書には公式が載っています。 あなたがもしこれらを文字の羅列として記憶しているだけなら、この記事をぜひ読んでほしい。あれらは記憶しないでよい公式だからです。 あの公式たちを記憶しなくて済む方法を伝授します。 今から5分だけください。深く理解して忘れないようにしていきましょう。 等差数列 等差数列の一般項 突然ですが、「点(2, 5)を通り傾きが2である直線の方程式を求めよ」と言われたらどう解くでしょうか。きっと次のように解くのではないでしょうか。 傾きが2だから、 とおく。 を代入すると、 となり とわかる。 よって、 直線の方程式の解き方と等差数列の一般項は思考…
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