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カメのひとりごと https://iamkameko.hatenablog.jp/

ストレスが多い現代人におくるほのぼのエッセイ「カメのひとりごと」 ニホンイシガメのカメ子が、人間社会をおもしろおかしく語っています。 きっとほのぼのとした気持ちになり、ストレスが解消されると思います。

「カメのひとりごと」という本を出版しました。 本の内容は ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会を おもしろおかしく書いたもので、ストレスが多い現代人におくる ほのぼのエッセイです。 是非、読んでくださいね! どうぞよろしくお願い致します。

カメ子
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2018/08/07

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  • 第184話 未来からの訪問者 (若返りシールPart2)

    白いモヤの向こう側から、突然、謎の黒い影が現れた。 奥さんは、「あなたは、いったい誰?」と大きな声で叫んだ。 奥さんは、強い恐怖心を感じたが、それは、どこか見覚えのある姿をしていた。 そして、その黒い影が徐々に近づき、ついに奥さんの目の前で立ち止まった。 すると、突然、謎の黒い影にスポットライトがあたり、その正体があらわになった。 なんとその謎の黒い影の正体は、カメであった。 そして、奥さんは、そのカメに尋ねてみた。 奥さん:あなたは、いったい誰なの? すると、そのカメからビックリするような発言が飛び出してきたのである。 謎のカメ:あなたとは、昨日お会いしましたが、お忘れのようですので、もう一…

  • 第183話 未来からの訪問者 (若返りシールPart1)

    ある日の午後、主人と奥さんが外出先から戻ってきて、何か二人で話しをしている。 いつものように吾輩は、水槽の中から聞き耳を立て、二人の会話を聞くことにした。 奥さん:今日、整形外科へ足の診察に行ってきたの。 そうしたら、先生からびっくり仰天するようなお褒めの言葉を頂いたのよ! 先生:左膝と左足のむくみが完全になくなっているじゃないか。体重は、それほど軽くなっているとは思えないが、魔訶不思議じゃ。この調子で精進していきなさい。 と、言われたのよ! すごく腕が良くて名医だけれど、本当に口が悪い先生よね! その時、私にとって今日は特別な日じゃないかと思った。立ち上がるとき足が痛いので、毎朝、椅子につか…

  • 第182話未来からの訪問者 (入れ替わりシールPart2)

    吾輩はしばらくの間、白いモヤに覆われていた。 すると、その向こう側から突然黒い影が現れたのである。 「いったい何だろう?」と一瞬、恐怖を感じたが、それは、見覚えがある形をしていた。 そして、その黒い影が徐々に近づいて来て、ついに吾輩の前で立ち止まったのである。 すると、突然、謎の影にスポットライトがあたり、その正体が顕わになったのだ。 その影の正体は、以前見た夢の中に出てきた西暦3000年に生まれる予定になっている我が子孫※1であった。 吾輩は彼に向かって言った。 カメ子:これは、これは、我が子孫ではないか。 いったいどうしたんだい? すると、子孫からびっくり仰天するような発言が飛び出してきた…

  • 第181話 未来からの訪問者(入れ替わりシール part1)

    白いモヤの向こう側に、どこか見覚えのある光景が広がっていた。「一体何だろう?」と思っていると、目が覚めた。 その光景は、我が家のリビングの白い天井であった。 吾輩が朝起きて、まず、最初に目に入るのは、水槽の水色の壁のはずなのになぁ~これっていったいどういうこと? 今日は、なんだか変だぞ! それに、朝目覚めた時、いつもは体が甲羅に覆われて窮屈さを感じるのに、今日は、まったく感じない。 (横向きで自分の背中を見ると)あれっ、甲羅がないじゃないか。今日は、やっぱり変だ。 そこで、吾輩は、上半身だけ起き上がってみた。(よく考えてみると、カメが上半身だけ上げることはできない) なんと吾輩は、毛布に包まれ…

  • 180話 鬼の空念仏

    ある日、外出先から帰宅した主人が、いきなり奥さんに向かって大きな声で話しているのが聞こえた。 吾輩はその声を聞き、また何か事件が勃発しそうな嫌な予感がしてきた。 それで、いつものように二人の会話を盗み聞きすることにした。 主人は、奥さんに向かってこう言った。 主人:今日は、3年ぶりに映画館に行って、映画を見て来たよ。 その映画にとても感動して、涙と鼻水まで出てしまった。 すると、奥さんは、とてもびっくりしたようすで話し始めた。 奥さん:ええ、うそ~ あなたが涙を流すとは、信じられない。 まさに鬼の目にも涙だわ。 だってそうでしょ。あの有名な元プロ野球選手が、「男は人前で、むやみに泣く姿を見せる…

  • 第179話 大手術Part2

    *手術後のユッカの写真です。 ついにその日がやってきた。 吾輩は、潔く手術を受ける覚悟を決めていた。 しかし、主人は、何か他の大きな物をバスケットの中に入れ、ベランダに運んでいるようである。 吾輩が、「主人はいったい何を運んでいるのかなぁ?」と思っていると、今度は奥さんがベランダに出て行った。 そして、しばらくして主人は家の中に戻ってきた。 吾輩は、「あっ、これは、もしかして、ベランダで運命の○○○が始まるのではないか?」と思った。 もし、そうだとすると、主人が重々しく持っていたバスケットの中には、もしかして、カメ輔が入っていたのかもしれない。 吾輩は、心の中で「カメ輔、がんばれ」とつぶやいた…

  • 第179話 大手術Part2

    *手術後のユッカの写真です。 ついにその日がやってきた。 吾輩は、潔く手術を受ける覚悟を決めていた。 しかし、主人は、何か他の大きな物をバスケットの中に入れ、ベランダに運んでいるようである。 吾輩が、「主人はいったい何を運んでいるのかなぁ?」と思っていると、今度は奥さんがベランダに出て行った。 そして、しばらくして主人は家の中に戻ってきた。 吾輩は、「あっ、これは、もしかして、ベランダで運命の○○○が始まるのではないか?」と思った。 もし、そうだとすると、主人が重々しく持っていたバスケットの中には、もしかして、カメ輔が入っていたのかもしれない。 吾輩は、心の中で「カメ輔、がんばれ」とつぶやいた…

  • 第178話 大手術 Part1

    ある日の夜のことである。吾輩が、そろそろ床に就こうとしていたとき、主人と奥さんが何かひそひそ話をしているのが聞こえた。 吾輩は毎晩暇なので、いつものように二人の会話を盗み聞きすることにした。 すると、二人は、とんでもない話をしていたのである。 奥さん:ねえ、今から大事な話をするから良く聞いてね。 〇〇〇の右側の部分がひどく痛んでいるので、そのままにしておくと死んでしまうかもしれない。明日にでもその部分を切り取らなくてはいけないかもしれないわ。 すると、主人はびっくりしたようすで、こう言った。 主人:えっ、体の一部を切り取るの? 奥さんは、その質問に答えた。 奥さん:体の一部を切り取るのは、本人…

  • 第177話「知らぬが仏」「言わぬが花」Part2

    あれから3日後、いつものように吾輩とカメ輔がベランダで遊んでいると、突如、得体のしれない黒い物体が上空を旋回しているのが見えた。 黒い物体は、上空から我が家に向かって飛来し、ベランダに降り立った。 その得体のしれない黒い物体とはカラスであった。危険を感じた吾輩は、とっさに首を引っ込め、その場にうずくまった。 そして、以前我が家のベランダに現れ、吾輩を恫喝(どうかつ)したカラスと、3日前スポーツパークにいたカラスのことを思い出した。 しばらくしても何も起こらないので、恐る恐る頭を甲羅の外にそっと出してみた。 すると、吾輩の目の前には、真っ黒なカラスがいてこちらを凝視していた。 そこで、吾輩は、勇…

  • 第176話「知らぬが仏」「言わぬが花」Part1

    ある日の午後主人が、いつもの散歩から戻って来た。 そして、水槽の中にいる吾輩に近づき、突然、話し掛けてきた。 主人:カメ子、近くのスポーツパークで散歩をしていたら、野球のバックネット近くの水溜まりで水遊びをしているカラスを見つけたよ。翼を広げ、とても気持ち良さそうに行水をしていた。こんな光景はめったにお目にかかれないと思い、ダメ元で近づきスマホのシャッターを押した。 すると、そのカラスは、ワシに気が付いていながら逃げなかった。そしてさらに接近すると、カラスはワシに眼(がん)を付けて向かってきた。 最後に翼を広げ、突進して来たと思ったら、急に右上空に旋回して飛び立って行った。 そしてワシはその時…

  • 第175話 痛い。痛い。助けて!Part2

    カメ子:あれから5時間が経つのに奥さんと主人は、整形外科に行ったまま、帰ってこない。 患者さんが多いのかなぁ?奥さんの怪我は、大丈夫かなぁ? まあ、奥さんのことだから、転んでもただでは起きないとは思うけど・・・。 まさか、緊急手術になって、入院なんてことになっていたらどうしょう。 主人と吾輩とカメ輔のご飯はいったいどうなるのだろう? これは、男3人にとっての死活問題だから、とても心配になってきた。 そうこう考えていると、玄関の開く音がした。 奥さん:カメ子、ただいま。心配かけてごめんね! 整形外科で診察してもらったよ! カメ子:どういたしまして。怪我の具合はどうだった? 奥さん:幸い骨折はして…

  • 第174話 痛い。痛い。助けて!

    ある日の午後、突然リビングルームに「痛い。痛い。助けて」という女性の大きな叫び声がした。 吾輩は、お昼ご飯を食べた後、岩の上でウトウトしていたので、いったい何が起こったのか?よくわからなかったが、どうやらその声の持ち主は、奥さんのようである。 そこで、吾輩はダメもとで、その声のする方に向かって話しかけてみた。 カメ子:奥さん、いったい、どうしたの? 奥さん:クロゼットの上の棚を片付けていて、脚立から落ちたのよ。 凄い、奇跡が起こった。 奥さんが、吾輩のしゃべっている言葉を理解しているではないか。 カメ子:大丈夫。痛みが治まるまでじっとして、動かない方がいいよ! 奥さん:カメ子、ありがとう。動こ…

  • 第173話 ご報告

    皆様に可愛がっていただいた「カメのひとりごと」の本は、出版社との書籍販売期間満了のため、2023年7月15日(土)をもちまして終了させていただきます。 書籍の販売が終了するのは、とても寂しい思いでいっぱいですが、これからの社会では、電子書籍の販売が主流になりつつあるようで、一歩前進するために決めました。 今後「カメのひとりごと」はAmazonのkindle、楽天ブックスのkobo、新しく契約した20社へと販路を拡大し、電子書籍の販売のみに変更いたしますので、本で読みたい方は、お早めに注文してください。 本来なら、もっと早く読者の皆様にご報告しなければいけなかったのですが、諸般の事情によりたいへ…

  • 第172話 男捨離

    ある日の午後のことである。奥さんが、段ボール箱とゴミ袋を持ち、部屋の中を行ったりきたりしている。 とても忙しそうだが、いったい何をしているのであろうか? 気になった吾輩はいつものように聞き耳をたて、奥さんと主人のようすを観察してみることにした。 すると、あんなに慌ただしく動き回っていた奥さんが、急に物静かになり、突然呟き始めたのである。 奥さん:ずっと着ていない洋服、食器、本、昔好きで集めた雑貨などがたくさんあって、クロゼットと納戸のドアが閉まらなくなっちゃった。 この際、思い切って捨てることにしよう。 でも、まだ、新品同様で使える物ばかりだから捨てるのはもったいない。 それで、私より年配の方…

  • 第171話この告げ口野郎

    *リビングを徘徊するカメ子です。 ある日の午後、主人が久しぶりに吾輩とカメ輔をベランダに出してくれた。 主人は、最近暇を持て余している様子であるが、以前のようにかまってくれない。 早速カメ輔は、吾輩の目の前を素通りし、ある方向に向かって進んで行った。 その行く先を見ると、袋の中に何かが入っている荷物が山積みになっていた。 カメ輔は、そこに向かって突き進んで行ったが、吾輩は、何か嫌な予感がしてきた。 山積みになった荷物が置いてある場所に到着したカメ輔は、次は、荷物と荷物の間の隙間に入ろうとしていたのである。 その時、吾輩は一瞬ヤバイと思った。隙間の向こう側にはいったい何があるの? 何も考えていな…

  • 第170話 火事です火事です

    「火事です、火事です。火事です、火事です。すぐ避難してください」 ある日の深夜に大きな音で鳴り響く、けたたましい火災警報器の音。 どうやら、すぐ、近くのお宅が火事のようである。 吾輩とカメ輔は、この火災警報器の大きな音にびっくりして、飛び起きた。 カメ輔:カメ子兄ちゃん、なんだかよくわからないけど僕、怖いよ~。火事って何? いったいどうなっちゃうの? カメ子:カメ輔、落ち着け!僕もどうなっているか?よくわからないが、いざとなれば、きっと奥さんが助けてくれるから大丈夫だよ! と自分を落ち着かせるようにカメ輔に叫んだ。 この火災警報器の大きな音にびっくりして、主人と奥さんも飛び起きた様子である。 …

  • 第169話 植物はしゃべる?

    1月某日の早朝、主人が突然、寝床から起き上がり、横で寝ている奥さんに向かってしゃべりを始めた。 主人:おい、起きろ!不思議な夢を見たぞ。 カメ子が西暦30世紀の自分の子孫とテレパシーで交信している夢※1で、今から30世紀までの地球で起こった出来事などを話している夢だったよ。 夢の中では、2112年に人間は、動植物がテレパシ-で共通言語を使っていることを発見し、その後2162年に全ての動植物と会話することに成功したのだ。 さらに、2814年には、人間がタイムマシンの開発に成功した。しかし、その後、いろいろな問題が発生し急遽中止になったそうだよ。そこで、登場したのが、あのスタートレックに出てくるフ…

  • 第168話 相性 part2

    *久しぶりにカメ輔の登場です。 1月某日、主人と奥さんが外出中で、今、家にいるのは吾輩とカメ輔だけである。 吾輩は、隣の水槽にいるカメ輔に顎をカリカリと鳴らし、テレパシーを送ったりして、例のことについて聞いてみた。 カメ子:おい、カメ輔。主人のことを一体どう思っているのか? すると、カメ輔は、突拍子もない質問に目をクリクリさせ、驚いた様子だったが、思っていたとおり返事は何もなかった。 そこで、吾輩は意を決し、ずばり核心を突くことにした。 カメ子:もしかして、おまえは、主人のことが嫌いなのか? 水槽の上から主人が「カメ輔、カメ輔」と呼びかけても、お前は近づいて行かないし、先日行った公園で主人から…

  • 第167話 相性 Part1

    1月某日、主人が外出先から戻ってくると、吾輩の水槽に向かって一目散に駆け寄って来た。 吾輩が急いで主人に駆け寄ると、主人からいきなり仰天発言が飛び出してきたのである。 主人:おい、カメ子よく聞け。刎頸の友の鳩吉夫婦が、初めて会った公園にいたぞ! それを聞いた吾輩はびっくり仰天し、鳩吉との出会い※1を思い出してみたのである。 カメ子:えっ、あの鳩吉に会ったの?あの頃が懐かしいなぁ。 鳩吉にもう一度会えるかもしれない。と思うと、急にうれしくなり、無意識のうちにカメ子ダンスを踊り始めていたのである。 すると、突然二人の会話に奥さんが加わってきた。 奥さん:カメ子に人間の言葉が理解できるわけないじゃな…

  • 第166話 家事手伝い

    主人は、最近どういう訳か家事に目覚めたようで、暇さえあれば、 奥さんに「何か手伝うことない?」と聞いている。 猫の手も借りたい程忙しいこの時期に、果たして奥さんが、主人にどのような態度を とるのか?吾輩は、興味津々でその様子をうかがうことにした。 それと同時に、何か嫌な予感もしていた。 奥さんは、昨年の師走はとても忙しそうでいつもと違い、とてもイライラしている様子であった。 そして、そのイライラはついに大爆発し、主人を直撃することになった。 吾輩の嫌な予感が的中した。 ある日のこと、主人が着替えた衣類を洗濯機の中に入れようとしていた。 すると、それを見ていた奥さんから、突然怒号が飛び出してきた…

  • 第165話 律儀と薄情

    久々に登場の「カメ輔」です。 12月某日、吾輩は朝から何か良いことが起こりそうな気がしていた。ちょうど、そう思っていたときに、主人が急に吾輩に話しかけてきた。 主人:カメ子、今から良いところに連れて行ってあげるからな、楽しみにしていろよ! やった~!吾輩は、心の中で叫んだ。このことがきっと吾輩の感じていた良いことなのかもしれないなぁ。と思った。 早速、主人は、吾輩をバスケットに入れ外に出た。 しばらくすると、見慣れた光景が吾輩の目の前に拡がって来た。主人は、さっそく吾輩を公園の一角の地面の上に置いた。そして、主人は吾輩のいる場所から2m程離れた所で剣道の蹲踞(そんきょ)の姿勢で、吾輩の様子をじ…

  • 第164話 鬼の居ぬ間に洗濯

    最近、奥さんは朝早く外出して夜遅くまで帰ってこない。 とうとう我が家にも物価高の影響が出て、奥さんもパートで働き始めたのだろうか? 我が家の家計は、果たして大丈夫なのだろうか? 吾輩とカメ輔が、また里子に出されたらどうしょう?とても心配だ。 そういえば、最近、吾輩が大好きなピューレ状の餌も全く食べさせてくれなくなった。吾輩は居候の身なので、あまり、わがままは言えない。今は我慢、我慢。 奥さんは、吾輩とカメ輔には何も言ってくれないので、我が家の今の状況がよくわからない。 仕方がないので、情報収集のためいつものように、主人と奥さんの会話を盗み聞きしてみるか! 奥さん:ああ、疲れた。もう嫌になってき…

  • 第163話 脱走未遂

    今日、吾輩はあることを決心し、実行することにした。 そして、しばらくすると、突然、家中に「キャー」というけたたましい叫び声が鳴り響いたのである。 なんだ?なんだ?いったい、何が起こったのだ! 吾輩が、何のことやらわからないでいると、主人が吾輩に近づいて来て言ったのである。 主人:おい、おい、カメ子。また、水槽の縁によじ登ぼって、脱走するつもりかよ。 と、言い、笑いながら水槽の中に戻したのである。 吾輩は、「あっ、バレた」と思わず心の中で叫んだ。 感の鋭い読者の皆様は、もう、お分かりだとは思いますが、叫び声の持ち主は奥さんであり、吾輩が決めたのは、脱走することだったのです。 さて、話を先に進める…

  • 第162話 悪魔のささやき

    吾輩は、夢にみていたご先祖様との会見が実現し、なんだか心がウキウキして、今日は、何か良いことが起こりそうな気がしてきた。 すると、主人がおもしろいことを言いながら吾輩に近づいてきたのである。 主人:おい、カメ子。ワシとにらめっこをしないか? 主人から見れば吾輩は、暇そうに見えるかもしれないが、水槽の中の散歩や首のこりをほぐすための運動をしなければいけないので、忙しいのだ。主人が散歩に連れて行ってくれたら、こんなことをしなくても済むのになぁ。主人とにらめっこをする暇なんてないよ。吾輩が、ブツブツとひとりごと言っていると、突然、奥さんが2人の会話の中に入り、呆れ顔で言ったのである。 奥さん:あなた…

  • 第161話 お彼岸Part2

    今回の話は、いよいよ佳境に入ります。 読者の皆様 どうぞ、お楽しみください。 棟梁:さあ、このブドウを食べてみなさい。ほろ酔い気分で良い気持ちになるよ。 (カメ子:えっ、その正体はブドウだったのか) 吾輩は、棟梁に勧められるがままブドウをかじった。するとどうだ。口の中に、甘いブドウの汁が溢れ出してきたのである。「なるほど、それで棟梁が「乾杯」と言ったのだなぁ」と思った。でも、このブドウ、以前食べたことがあるブドウの味とちょっと違って酸っぱい味がするぞ。 しばらくして、吾輩は、棟梁が言っていたようにほろ酔い気分になってきた※1。一方、カメ達は、各自で持ってきた食べ物を自由に食べ始めていた。さっそ…

  • 第160話 お彼岸Part1

    吾輩が昼寝をしていると、辺り一面が白いモヤに覆われて、何も見えなくなってきた。 そして、次第にモヤが消えていき、その向こう側には、いつもの光景が広がっている。いったい、ここはどこだろう? よく周りを見渡すと、目の前には幅が約30m位の川が流れていて、両岸とその後ろ側に雑木林が生い茂っている。 空には、10数羽のカラスが「カーカー」と鳴きながら、飛んでいる。そして、横を見ると、石の上で甲羅干しをしているたくさんのカメ達が、こちらをジロジロと見ているのである。吾輩は、びっくり仰天して、「あなた達はいったい誰なの?」と聞いてしまった。 すると、その中の一匹が、「突然目の前に現れ、お前こそいったい誰だ…

  • 第159話蝉しぐれPart2

    *この写真は、好奇心旺盛なカメ子がセミを覗いているところです。 ついに、ユッカ姉さんの話は、佳境を迎えた。 さあ、第159話の始まり、始まりだよ。 セミ:私は、地上に出てから今日で3日目、残りの命が、あと4日間しかないの。 それに比べ、「カメは万年。鶴は千年」と言われていて良いわね。長生き出来るあなたが、とても羨ましいわ。失敗しても、何度でもチャレンジできるわね。 私は残り4日間で、あることをやらなくていけないのよ。 それは、私の子孫をつくること。だから、絶対に失敗は許されないの。今、私は、素敵な彼氏からのラブコールを待っている最中で、これから、あの蝉時雨(せみしぐれ)の大合唱が始まるわよ。 …

  • 第158話 蝉しぐれPart1

    8月某日、僕(カメ輔)は、いつものようにベランダを探検していた。 ふと、ユッカ姉さんを見上げると、葉っぱの一部が上下に揺れていたのである。 僕が「何だろう?」と凝視すると、そこには、僕が今まで見たことがない生き物がいた。 ユッカ姉さんも、僕には何も言ってくれないし、僕の敷地に無断で侵入して来た不届き者は、言語道断だ。と思った。そして、僕はこの怒りを我慢できずに、ユッカ姉さんにぶつけてしまった。 ところが、ユッカ姉さんからは、何の返事もなかった。 いったいどうなっているのだろう?と思い、業を煮やした僕は、直接その得体の知れない生き物に話しかけることにした。すると、その生き物からびっくりするような…

  • 第157話 落日

    8月某日吾輩は、主人が水槽の掃除を行っている間、いつものようにベランダを探索していた。 すると突然、吾輩の目の前にトングで挟まれたカメ輔が現れた。 この光景は、いつかどこかで見たことがあるような光景だった。 そして、主人は、カメ輔を吾輩の目の前に置き、睨めっこさせるように置いたのである。 「首を天空に伸ばしたカメ輔を見ると、しばらく見ないうちに随分大きくなったなぁ」と思った。 吾輩は、一瞬ハッとし、カメ輔に対して恐怖心を抱き、無意識に身を低く構え、口を大きく開き、カメ輔を睨むやいなや、突如右方向に向かって逃げたのである。 すると、それを見ていた主人は、慌ててトングで吾輩を掴み、水槽に入れたので…

  • 第156話 テレパシー Part2

    吾輩が予感していた良い出来事は、スイカだけで終わりではなかった。 スイカを食べた後主人が、吾輩の目の前に得体のしれないチューブ状の物を差し出し、ハサミで、そのチューブを切った。 すると、その切り口からは、ニョロニョロとしたゼリー状の柔らかい物が飛び出し、究極のいい匂いがしてきた。その匂いは、吾輩が大好物のエビの匂いであった。 そして、それが吾輩の目の前まで近づいてくると、無意識のうちに飛びつき、むさぼるように食べた。 「この世には、こんなに美味しい食べ物があったのだなぁ」と思い、チュ-ブに入った エビ風味の食べ物を完食してしまった。 そして、その様子を見ていた主人が言った。 主人:おい、カメ子…

  • 第155話 テレパシー Part1

    ある日の朝、吾輩はいつものように水が入った水槽で寝ていると、主人がやって来た。 そして、それぞれの水槽を覗き込みこう言った。 主人:おい、カメ子、カメ輔、元気か? そして、吾輩とカメ輔の様子に変わりがないことを確認した後、いつものようにマメ(カメの配合飼料)を水中にばら撒いたのである。 ところが、吾輩は朝が弱いのと、昨日は夜遅くまで主人と奥さんがピーチクパーチク喋っていて眠れなかったこともあり、食欲が全くなかったので、マメをじっと見つめているだけだった。 それを見ていた主人は、突然、奇怪な行動をとり、水中にバラ撒いたマメを箸でかき回し始めた。すると、マメはまるで生きているかのように、吾輩の目の…

  • 第154話 おしゃべりトマト Part2

    この写真に写っているのは、カメ子です。カメ輔との違いがわかるかなぁ? さあ、第153話の続きが始まるよ! トマト:私達植物は、昼間、空気中のCO2を取り込んで、地球温暖化を防ぎ、そして、O2を出してあなた達動物に綺麗な空気を提供しているのよ。 僕は、このことが何のことだか、さっぱりわからなかったが、植物が地球上の全ての生き物に対して、貢献し、役に立っていることだけは理解できた。 そして、さらにトマトの衝撃発言は続いたのである。 トマト:この前、あなたは私の寿命について聞いたわよね。実は、私の寿命は、あと2ヶ月ぐらいなの。その時が来るまで、自分の分身(トマトの実)を奥さんと主人に捧げるのよ。もし…

  • 第153話 おしゃべりトマト

    6月某日、僕(カメ輔)は、いつものようにベランダを探検していた。 ふと、向こう側を見ると、プランタに植えられている植物があり、その植物には、黄色い花がたくさん咲いていて、いくつかの実が成っていた。 その時、僕はあることを思い出した。 カメ輔:あれ、待てよ。奥さんが主人に「トマトと胡瓜とサニーレタスが大きくなったわよ」と言っていたが、もしかしたら、このことかも知れない。 でも、僕達には、何の連絡も来ていない。ここは、カメ子兄ちゃんと僕のベランダなんだぞ! そこで、僕は、一瞬ムカッとして「一言文句を言ってやろう」と思い、彼らの前まで突き進んだ。そして、こう言った。 カメ輔:見たことのない新顔だね。…

  • 第152話 未来からの訪問者(Part2)

    カメ子の子孫は、しばらく経ってから、再びみんながあっと驚くような凄い話を始めた。 (早速、前話から気になっていた“あれ”が登場するようです) 吾輩は、かなり難解な部分があるかもしれないので、聞き耳を立てて聞くことにした。 カメ子の子孫:私の話をびっくりしないで聞いていてくださいよ! 西暦2814年頃、人類史上初のタイムマシンが開発されたのです。それは、人類にとってたいへん大きな出来事でした。とある科学者グループ(特別秘密条項に指定されているため匿名とする)が、これまで長年の間、タイムマシンの開発研究に取り組んでいたのです。そして、ひょんなことから「これだったら実現可能かもしれない?」というアイ…

  • 第151話 未来からの訪問者(Part1)

    白いモヤの向こうから、突然黒い影が現れた。 いったい何者だろう?と一瞬、恐怖を感じたが、それは、見覚えがある、親しみのある形をしていた。 そして、その黒い影が徐々に近づいて来て、ついに吾輩の前で立ち止まった。 すると、突然、謎の生物にスポットライトがあたり、その正体が顕わになった。 その謎の生物の正体は、カメであった。吾輩はそのカメに向かって尋ねてみた。 カメ子:あなたは、いったい誰なの? すると、そのカメからビックリするような発言が飛び出してきたのである。 黒い影:私は、あなたの子孫のカメ子と申します。 30世紀の未来からやって来ました。尊敬するあなたのカメ子というお名前を勝手に拝借させて頂…

  • 第150話 フィアンセ

    5月のある日、吾輩とカメ輔がベランダで遊んでいると、右上空から、見覚えのある鳥2羽が飛来し、吾輩の目の前に降りてきた。 とその時、その様子を見ていた主人が奥さんに、話し始めたのである。 主人:おい、見たか?鳩が2羽ベランダに飛んで来たぞ。しかも、カメ子と向かい合って何かを話している。 もしかしたら、あれは、鳩吉かもしれない。そして、一緒に飛んで来たもう1羽は鳩吉の○○○○○かなぁ? もし、あの鳩が鳩吉だとしたら、以前に比べちょっと痩せて疲れているようだなぁ。 そこで、吾輩は、恐る恐る尋ねてみた。 カメ子:やあ、君は鳩吉かい? すると、鳩がうなずいた。 それを見て、吾輩は一瞬ホッとし、そして言っ…

  • 第149話 Present

    5月のある日、吾輩はいつものように隙間時間(本当は、ずっと暇なのだが)を利用して、主人と奥さんの話しを盗み聞きすることにした。 奥さんは、吾輩をチラッと見た後、主人に訳の分からぬ話をしようとしていた。 奥さん:ああ~今日は、「母の日」※1だわ。やっぱり、今年もカメ子、カメ輔からは、何もプレゼントがなかったわね。 すると、主人は即座に答えた。 主人:それは、無理だよ。カメ子とカメ輔は、そんなこと微塵も考えてないよ。 吾輩は、その会話を聴き、一瞬ムカッとしたが、すぐ反撃を開始した。 吾輩:ご主人様、何おもしろいこと言っているの? 吾輩だって、母の日ぐらいは知っているよ。母の日というのは、子供がお母…

  • 第148話 鼻鉄砲

    吾輩は、相変わらず暇だったので、主人と奥さんの話を盗み聞きすることにした。 でも、今日の主人は、何か悩み事がありそうな表情をし、パソコンで仕事をしているようである。 そして、奥さんにこう言った。 主人:ワシは大きな間違えをしてしまったみたいだ。 最近、カメ子とカメ輔にパンを与えすぎてしまった。 パンはカメにとって「与えない方が良い食べ物」に入っていたよ。 これまで、極力、添加物や塩分、それに脂肪分の少ないものを選んだつもりだったんだが、どうも、パンは、カメの許容範囲をはるかに超えているようで、栄養価も低いらしい。 実は、この前、カメ子にパンを与えたとき、初めはクンクンと匂いを嗅ぎ、2~3切れ食…

  • 第147話 リアリスト

    昨日、吾輩はカメ輔と一緒にベランダで遊んでいた。 すると、突然上空から謎の鳥が飛来し、吾輩の近くに降り立った。 色からして、あのにっくきカラスではないようだ。 いったい何の鳥だろう?と思ったが、それは、いつかどこかで見たことがある鳥だった。 でも、その鳥がいったい何の鳥なのか?は思い出せない。 すると、その中の1羽が吾輩の方にやって来て、言った。 鳥:おいおい。俺だよ。スズメのスズ吉だよ。忘れちゃったのかい? 以前、俺は「あんたは良いよな。何の苦労もなしに、人間から食べ物がもらえて」※1と言ってからかったなぁ。ごめんよ。 その言葉に対し、吾輩は、(しばらく間をおいて)「あっ、そうだ。思い出した…

  • 第146話 桜吹雪

    🌸桜吹雪の中を探検しているカメ輔です。 今日は、朝からなんだかウキウキしている。 えっ、いったいどうしてかって? それは、昨夜、主人と奥さんの話しを聞いたからだ。 話しの内容は、吾輩とカメ輔を近くの公園に連れて行ってくれるという内容だった。 そして、とうとうその時がやってきた。 お昼過ぎ主人が、吾輩とカメ輔を別々のバスケットに入れて車に乗せ、 奥さんが車に乗り込むと、すぐに発車した。 バスケットの中で少しガタガタ揺れたが、10分ぐらいで目的地の公園に到着した。 そして、車から降ろされ、透明なバスケットの中から見える風景は、いつかどこかで見たことがあるような景色だった。 そこは、広いグラウンドで…

  • 第145話 冬眠明け前線

    3月某日、主人が奥さんに何か話しかけている。 今日も暇をもてあましている吾輩にとって、いつものように二人の会話を聞くことは、楽しみのひとつになってきた。 今回は何の話しかなぁ?楽しみだなぁ。 早速、主人が何かを悟ったかのような顔をして話し始めた。 主人:我が家のカメ達の冬眠※1明けは、3月の中旬頃だったみたいだなぁ。 それは、カメ輔のある行動で確信したよ。 すると、奥さんが、すかさず答えた。 奥さん:へぇ~どうして、冬眠明けがその頃だってわかるの? それに、カメ輔の「ある行動」っていったい何なの? それは、カメ子だとダメなの? すると、主人は、奥さんの質問に対して、「待ってました」と言わんばか…

  • 第144話 怒りの抗議

    今回は僕(カメ輔)がナビゲータになって話を進めることにするよ! 主人が夕方帰宅し、「ただいま、今帰ったよ」と言うと、早速、カメ子兄ちゃんの水槽に向かって進んで行った。 そして、水槽を覗き込み、カメ子兄ちゃんの姿を見て驚いた。 「カメ子、なんでそんな恰好をしているの?」と言うと、キッチンで夕食の準備していた奥さんが答えた。 奥さん:ああ~、カメ子が水槽の壁にへばりついて立っていることでしょ。 カメ子は朝からずっと立っているのよ。こんなこと、今まで一度もなかったのに、いったいどうしたのかしら? すると、主人が「へえ~そんなこともあるんだなぁ。カメ子は小さい頃から、足が大きく、太ももも太くてしっかり…

  • 第143話 ウクライナ侵攻

    3月のある日、吾輩とカメ輔がベランダで遊んでいると、突然、ユッカがカメ輔に話しかけてきた。 吾輩は、2人の会話をそっと聞くことにした。 ユッカ:ロシアがウクライナに侵攻したらしいよ。両国は兄弟の国らしく、私のような植物には考えられないことだわ。だって、植物は他の生き物とは争わないし、私達は、それぞれ自分の使命をもってこの世に生まれ、使命が達成されれば死んでいくの。 私のような観葉植物は、人間の手で作られ、人間に癒しを与えることが使命なのよ。 この地球上の生き物の頂点に君臨し、最も強く、理性のある人間が同じ人間を殺すなんて、どこかの国の殿がご乱心したのかもしれないね。 すると、日頃、おとなしいカ…

  • 第142話 自我のめざめ

    (カメ輔の写真だよ!) 今日も主人 と奥さんが、面白い話をしているようである。 いつものように、奥さんが話して、主人が聞き役だけどね!吾輩は、いつものことだが、今日も何もすることがないので、二人の話をじっくり聴くことにした。 奥さんの話は、こんな内容から始まった。 奥さん:私は昔、走るのが遅かったので、かけっこが苦手だった。 だから、運動会の1週間前から憂欝な気持ちになって落ち込んでいたのよ。 運動会を観に来た両親も、がっかりしていたわ。 でも、私は負けず嫌いなので、小学2年のときに、どうしたら、勝てるか考えて奥の手を使ったの。 それは、私のすぐ前を走っている人の髪の毛を引っ張ることだった。 …

  • 第141話 定年退職

    2月のある日奥さんは、YouTubeに熱中している主人に何か話しかけていた。 しかし、主人は、「う~んう~ん」と、相変わらず、空返事で答えていたのである。その様子を見ていた吾輩は、今日もおもしろい話を聴いてみたいと思い、耳を傾けることにした。今回も何かが起こりそうな予感がしてきた。 奥さん:友達の旦那さんが、もうすぐ定年退職なので、次の仕事を探すためにハローワークに行くことになったのよ。でも、ハローワークに行くのが恥ずかしくて、尻込みしていたみたいなの。だから、友達も一緒に付いて行ったのよ。一家の大黒柱として、情けないわね。 (カメ子:吾輩は、ハローワークって何だかわからないが、そんなことで女…

  • 第140話 Olympics

    ある日の午後、奥さんは、ふみ机の前に座りパソコンで何か調べものをしているようである。 そんな奥さんに向かって、主人が何か話しかけようとしている。吾輩は、そんなことをして大丈夫なの?2人の間に何かが起こりそうな気がしてなんだか心配になってきた。 そして、その心配を余所(よそ)に、とうとう主人が、奥さんに話しかけた。 吾輩は、今日も何もすることがないので、2人の話を聴くことにした。 主人:オリンピックが始まったね。もし、カメたちのオリンピックがあったら、どんな競技が面白いかなぁ?今から、ワシのアイディアを話すから聞いてくれよ。 すると、奥さんは、主人をチラッと見たが、何も返答はしなかった。 吾輩は…

  • 第139話 地震アラート

    令和4年1月22日午前1時8分、吾輩は大きな揺れを感じて目が覚めた。 深夜まで、主人のYouTube視聴に付き合っていたが、そろそろ眠くなってきたので、ちょうどうたた寝をしていたときだった。 すると、突然、部屋全体が左右に揺れ始め、水槽の水も大きく波打ちだした。こんなにひどい揺れを感じたのは、生まれて始めてのことだった 吾輩は、びっくりして眠気も吹き飛び、とっさに首を引っ込めた。 そして、主人は、寝ている奥さんに向かって、「地震だ、起きろ、これは大きいぞ」と大きな声で叫んだ。 この声は、部屋中に響き渡たり、これを聞いて吾輩は、地震だとわかった。 吾輩もそうだったが、みんな、地震が発生した時に「…

  • 第138話 Compassion

    ある日の午後、奥さんがスマホで誰かと会話をしていた。 今日の吾輩は、これといってすることもないので、奥さんが誰かと話しているのを聴くことにした。 すると、奥さんは、会話の途中でクスクスと笑い、また、ある時は大笑いをしていたのである。 そして、その話しの内容はこうだった。 ある日、奥さんの友達の知り合い(Aさん)が、歯科治療のため歯医者に行った。 その日、Aさんは、ウイッグを付けていた。Aさんが診察台に乗り、うがいを済ませた後、頭を診察台に付けて、治療が始まるのを待っていた。 すると、担当の歯科衛生士さんから「もう少し診察台の上の方に上がっていただけますか?」と言われた。 Aさんは、歯科衛生士さ…

  • 第137話 航行の自由作戦

    今日は、冬にしては温かくとても穏やかな天気だったので、奥さんが吾輩とカメ輔をベランダに出し、水槽の掃除をしてくれた。そして、どういうわけか、奥さんは、すぐ部屋の中に入っていったのである。 吾輩も、ベランダにいるのだからカメ輔のお守りをする必要はないと思い、カメ輔を自由にさせていた。(でも、こんな時に限って、何かが起こるんだよね) あまりの温かさで気持ちがよくなり、しばらくの間、吾輩はベランダでうたた寝をしていた。 すると、誰かがテレパシーを使って、何かを話している声がどこからともなく聞こえてきた。吾輩はその声が聞える方向に視線を向けた。 すると、そこにはカメ輔がいて、カメ輔の向こう側で、ゴミ袋…

  • 第136話 怪我の功名

    今回も僕、カメ輔がナビゲータで話を始めるよ! なぜか、主人は、最近僕を虐めて楽しんでいるように見える。 前回でお話したとおり、僕が階段から落ちても助けてはくれなかったからなぁ。 そして、今度もまた何か嫌なことが起こりそうな予感がしてきた。 冬にしてはとても暖かいある日の午後、主人は、僕とカメ子兄ちゃんをベランダに出し、甲羅を洗ってくれた後、水槽も洗浄してくれた。 その後、僕は水槽に戻され、主人が水を入れてくれることを心待ちにしていた。 しかし、待てど暮らせど、水を入れてくれないのである。 いったい、どうしたのだろう? 主人が、ボケて水を入れるのを忘れてしまったのか? それとも、意図的に水を入れ…

  • 第135話 階段落ちPart2

    さあ、前話の続きを始めるよ! 読者の皆様、準備はいいかえ? 第135話「階段落ちPart2」のはじまり、はじまり。 僕は、突然、記憶が飛び、頭の中が真っ白になってしまった。 しばらくして、意識が回復すると、頭と顔に、今までに経験したことがないほどの痛みを感じた。 僕は、ある程度の痛みは覚悟していたが、これほどのものとは思ってもみなかった。 そして、とうとう僕が心配していたことが起こった。 目の前に見える光景が、斜めに見える。 どうやら、甲羅がひっくり返ってしまっているようなのだ。 僕は、顔半分を思いっきりコンクリートの地面で強打し、おまけに砂まみれで、ボコボコになっていた。 それに、誠にお恥ず…

  • 第134話 階段落ちPart1

    読者の皆様へ 明けましておめでとうございます。 今年も頑張りますので、応援してくださいね! どうぞよろしくお願い致します。 2022年が皆様にとって良い年になりますように 今回の話も、僕、カメ輔がナビゲータだよ! さあ、お話の始まりだよ。 主人が突然、カメ子兄ちゃんと僕をバスケットに入れて、ある所に連れて行った。 ある所というのは奥さんの実家の庭で、そこは僕にとって、まだ、未踏の地であった。 さっそく、主人は、僕とカメ子兄ちゃんをバスケットから取り出し、いつものように向かい合わせにして地面の上に置いた。僕は、今回も主人が、カメ子兄ちゃんに、「しっかり、カメ輔のお守りをしてくれよ」と言ったんだろ…

  • 第133話 黄泉がえり

    前回の話※1には、もう少し続きがあるので、今回も僕、カメ輔がナビゲーターとして話しを進めていくよ。 奥さんは、ユッカ姉さんを部屋の中に入れ、あることをしゃべり始めた。 奥さん:ユッカと初めて出会ったのは、私の誕生日だったのよ。月日が経つのは早いもので、あれから、もう、20年が経ってしまったのかなぁ? 私の母親が、誕生日にお花をプレゼントしてくれるというので、一緒にお花屋さんに行ったのよ。そして、そこで、素敵な観葉植物を見つけた。それがドレセナだったのよ。 ところが、彼女は、少し葉っぱの色が悪かったので、お店の人がおまけで、別の観葉植物もプレゼントしてくれたの。 それが、ドレセナよりちょっと見劣…

  • 第132話 命の恩人

    今回の話は、僕、カメ輔がナビゲーターとなって進めていきたいと思うが、読者の皆様、いいかぇ。(大分の方言で、いいですか?という意味) 最近、朝晩めっきり冷え込むようになり、日中でも寒い日が続いていますが、読者の皆様、いかがお過ごしですか? ある日の午後、奥さんが僕をベランダに出し、歯ブラシで身体をゴシゴシ洗い、その後、水槽の掃除も行ってくれた。 僕は、その間、ベランダで一人、束の間の休息を楽しんでいた。と、その時、どこからともなく女性の声が聞こえてきたのである。 その声は、どこか聞き覚えのある声で、「あんた、どこ見てんのよ?」と言っているように聞こえた。 しかし、キョロキョロ周りを見渡してもどこ…

  • 第131話 お見合い

    主人は、吾輩をチラチラ見ながら、奥さんと何かを話している。たぶん、また、吾輩の噂話をしているのだろう。 聞きたいような、聞きたくないような気持ちだが、やっぱり聞くことにしよう。 主人:ワシ(主人)の知人が先日亡くなったんだよ。その人は、カメ子にとって、最初で最後の見合いの話※1を持って来てくれたあの人だよ。ああ~あれから、7年ぐらい経つかなぁ?あの時のことを思い出すと、「カメ子に悪いことをしてしまった」と今でも後悔している。ワシと知人の連絡が上手くいかず、見合い話がご破算になってしまったことだ。 ある日、知人は、近くの川で野生の雌のイシガメを見つけ、カメ子のことを気にかけてくれ、連絡をしてくれ…

  • 第130話 血液B型part2

    普段、吾輩はモデルの仕事が終わった直後、バスケットに入れられ、水槽の中に戻されるのであるが、今回は少し違っていた。奥さんは、しばらくの間、吾輩を床に置いたまま自由に遊ばせてくれたのである。 吾輩は、「これは撮影が上手くいったご褒美かもしれないなぁ」と思った。 吾輩は、今まで心に秘めていた未知の世界を探検してみたいという気持ちがムラムラと湧いてきた。 すると突然、吾輩の右側から「こっち、こっちにおいで」と呼ぶ声が聞こえてきたのである。 吾輩は、声が聞こえる壁の方に向かって進んで行き、見上げた。 そこには、大きな写真のパネル(100×50cm位)が3枚飾られていたので、吾輩は、それを覗いてみた。 …

  • 第129話 血液B型Part1

    10月30日の午前、吾輩は、久しぶりに奥さんから甲羅をゴシゴシ洗ってもらった。今日のゴシゴシは、何か気合いの入ったゴシゴシで、「今日は何かあるぞ!」と直感した。そして、その日の午後、奥さんは、吾輩をいつもの小さなバスケットを入れ、謎の部屋に連れて行った。吾輩の予感が的中したようである。 奥さんは、吾輩を未だ訪れたことがない?謎の部屋の床に降ろした。その部屋には、大きなポスタ-が貼ってあり、その印象的なポスタ-が吾輩の目飛び込んできた。 吾輩は、このシチュエ-ションは、「はっきり覚えてはいないが、以前にも見たことがある」と思った。 すると、突然、奥さんが、吾輩に向かって話しかけてきたのである。 …

  • 第128話 プロポーズ

    吾輩は、苦節9年、ようやく水槽の壁を越えることができるようになり、自宅のリビングルームを見渡すことができるようになった。※1 そして、最初に吾輩の目に飛び込んできたのは、しかめっ面をしてパソコンと睨めっこをしている主人の姿であった。眉間にしわを寄せ、今日は、一段と凄みがある。 しばらく主人の様子を見ていると、突然、悲鳴に近い声で、「なにっ」という声が発せられた。 そして、主人は、「出た。出た。そうだったのか」と、意味不明なことを言うと突然、吾輩のいる水槽に近づいて来たのである。 「おい、カメ子。お前と俺は良き友達だよなぁ。それに、お前はカメ子という、紛らわしい名前ではあるが、れっきとした男だぞ…

  • 第127話 前科一犯

    10月某日、吾輩とカメ輔のための朝食タイムが始まった。朝食といっても、主人が市販のマメ(配合飼料)を吾輩とカメ輔の水槽の中にバラ撒いているだけである。 もちろん、その順番は、先輩の吾輩からである。 主人は、今日も、いつものように、隣の水槽にいるカメ輔の食事の様子を実況生中継しているので、耳を澄まして聞くことにした。 すると、カメ輔は、主人がいるところに近寄り、水槽の壁をよじ登ろうとしている。 しかも、首を長く伸ばして、「頂戴、頂戴」をしているようである。こんなことは、今までになかった光景だ。 これまで、カメ輔は、そんなことは決してしなかった。 いや、できなかった。 カメ輔は、水槽の壁を登らない…

  • 第126話 カメの恩返し

    今日、主人と奥さんは、早めに就寝することにした。 吾輩は、心地良く熟睡ができると期待していたのであるが、どうも寝つきが悪い。 また、何か変なことが起こるような予感がしてきた。 すると、白いモヤの向こう側に、どこか見覚えがあるような黒いシルエットが浮かび上がってきた。そして、しばらくするとその黒いシルエットの方から声が聞こえてきた。 黒いシルエット:カメ子。久しぶりだなぁ。しばらく見ないうちに随分立派になったなぁ~ 吾輩は、どこの誰だかわからぬ者から呼び捨てにされ、一瞬ムカッとした。でも、その声はどこかで聞いたことがあるような声であった。 そして、吾輩が「この人、誰?」と、頭を傾げていると、再び…

  • 第125話 しあわせ未満

    コロナ禍で、我が家も御多分に漏れず陰鬱な日々が続いている。 家族で外食することもなくなったし、吾輩がお供することもなくなった。 ああ、情けない。 でも、今日は、何か素敵な出来事が起こる予感がする。 そして、その予感がみごと的中した。 主人は、ある休日の午前中、いつものようにベランダで水槽の水替えと掃除を行うことにした。 まず、吾輩を水槽から取り出し、ベランダの床の上に置いてその間に、水槽の掃除をしていた。 それが終わると、久しぶりに吾輩の甲羅の掃除をしてくれた。 ペットボトルに水を入れ、その水を甲羅に少しずつかけながら、かけた部分を歯ブラシでゴシゴシと擦り、甲羅全体を洗うのである。 これは、久…

  • 第124話 ペットロス症候群

    主人が、奥さんと何やら話しをしている。 今日は何の話しをしているのかなぁ? 吾輩はとても暇なので、盗み聞きすることにしよう。 主人:SNSを見ると、ペットロス症候群※1で悩んでいる飼い主さんが多いなぁ。 奥さん:へえ~そうなの。私も昔、お祭りで買った、ちっちゃい金魚2匹を玄関の金魚鉢で飼っていたことがあるわ! とても賢くて、家に帰ると、いつも出迎えてくれたのよ! 名前はデブちゃんで、すぐ死んじゃうのかと思っていたら、5年間も生きたの。 ところが、1匹が死んだら、直ぐにもう1匹も死んでしまったわ。 でも、その時も可哀そうだとは思わなかった。 (ある意味、奥さんは強いのかもしれない) 主人:ワシも…

  • ■ - カメのひとりごと

  • 第123話 趣味

    今回は、奥さんの趣味について語りたいと思う。 奥さんは、とても好奇心旺盛な人なので趣味も多いが、飽きっぽい性格なので、長続きはしない。 今、一番お気に入りの趣味は、写真撮影をすることである。 奥さんが写真撮影を始めたのは、一昨年の 11月頃。 最初は、ブログの挿入写真をスマホで撮っていたが、撮れた写真に満足せず、一眼レフカメラに挑戦しようと思ったそうだ。 しかし、この一眼レフというカメラは手ごわく、撮れば撮るほど奥が深くなり、撮影の操作方法が難しかったらしい。 普通の人なら、ここで挫折してしまうかもしれないが、負けず嫌いの奥さんは、 これぐらいのことで諦めるはずがない。 そこで、どうしたらいい…

  • ■ - カメのひとりごと

  • 第122話 食わず嫌い Part2

    主人:さあ~今日はお前達にご褒美をやるからなぁ。 まだ、お前達が今まで食べたことのない食べ物だぞ! 吾輩は、嬉しくなって「キュッキュッ」と喉を鳴らした。 そして、あの栄光の時代が、脳裏をよぎった。 焼き魚のホッケから始まり、ビーフジャーキー、鮭の「ときしらず」やマグロの炙り、牛肉のステーキ、豚ロース肉のしゃぶしゃぶ、魚肉ソーセージ、防腐剤の入っていないパン、刺身用ブリトロ、刺身用のマグロ等が食べられたこと。 あれは、吾輩の黄金期だった。 (第12話 至福の時 それは「食べる」こと:現在は、ブログには未掲載です) 今でも思い出すと、思わずよだれが出そうになる。 そうこうしていると、主人が、箸で何…

  • 第121話 食わず嫌い Part1

    主人は最近、毎日朝一番に、吾輩とカメ輔に朝食をくれる。 食事管理を怠ったため、ぶくぶく太った吾輩の姿とヒューヒュー喉をならしているカメ輔の姿を見て、主人は反省したのであろう。 吾輩とカメ輔にとって、これは、たいへんありがたい事だと思う。 話は変わるが、今日は何だか良いことが起こりそうな予感がしてきた。 さっそく主人が吾輩の水槽に近づいて来て、マメ(カメ用配合飼料)の入った袋を持ち シャッ、シャッ、シャッと音をたてて振りながら「カメ子~、カメ子~」と、普段より1オクターブ高い声を出して吾輩の名前を叫んでいる。 吾輩は、音が聞こえてくる方向に首だけ向けると、主人が、袋からマメを取り出し、吾輩の目の…

  • 第120話 定期健康診断

    今年も、あの嫌な時がやってきた。 そう、主人の職場の定期健康診断だ。 主人は、定期健康診断の2~3週間前から奥さんに「定期健康診断が終わるまで、絶対に間食はせんぞ!スーパーでおやつは買わんようにしてな」と言うのである。 そして、どういう訳か?毎日、朝食前に、トイレを済ませてから体重を測り、 「あ~ダメか。目標まで〇kgオーバーだ。情けない」とため息をつくのである。 (吾輩の方が情けない。自業自得だよ) そして、定期健康診断が終わり、帰宅した主人は、いつも「さあ、今日は晩酌をするぞ!そして、最後の締めはラーメンだ」と言うのである。 さらに、主人は、定期健康診断終了後10日頃から、再び、ソワソワし…

  • 第119話 蓄膿症Part2

    水槽の上の方から声が聞こえてきたので、見上げると、困っているような顔をした主人が見えた。 「どうしたのかな?」と思っていると、主人がポツリポツリと話しだしたのである。 読者の皆様、いよいよここから「主人のひとりごと」が始まるよ! 主人:ああ~また、カメ輔が首を上に伸ばし「ヒユーヒユー」と悲しそうに泣いている。昔、カメ輔が幼かった頃、ワシは、カメ輔のためにと思い、水槽の水を深めに入れていた。 そのことが原因で、呼吸がしやすい口呼吸ばかりするようになり、次第に鼻呼吸を忘れてしまったようだ。 その「主人のひとりごと」を聞き、落ち込んだ様子の主人を見て、奥さんは、遂に口撃を開始した。 奥さん:カメ輔が…

  • 第118話 あの世からの訪問者 Part2

    さあ、前回に引き続き、「あの世からの訪問者Part2」のおもしろい話しが始まるよ! 爺ちゃん:良いことを聞いたので、お前が喜ぶ話しをしてあげよう。 孫(奥さん)は、いつも、お前とカメ輔が、疲れた心を癒してくれ、モデルとしても頑張っていると褒めているぞ! でも、困ったことに、主人は、「家の事を何ひとつ手伝ってくれない」と愚痴をこぼしている。 そして、さらに爺ちゃんから何気ない一言が追加された。 爺ちゃん:どうか、お前から、そのことを主人に伝えてくれないか? 吾輩は、褒められたので、有頂天になってしまい、何も考えず、 爺ちゃんの願い事に思わず「うん」と言ってしまったが、 追加された爺ちゃんの発言が…

  • ■ - カメのひとりごと

  • 第117話 あの世からの訪問者 Part1

    その日は、なぜか朝から奥さんの爺ちゃんのことが頭に浮かび、夜になって床に入ってもなかなか寝付けなかった。 しばらくして、白いモヤの向こう側に、人らしき黒いシルエットが現れ、吾輩の方に近づいてきた。 吾輩が、身構えると、その黒いシルエットが話し掛けてきたのである。 黒いシルエット:おいおい、カメ子。ワシじゃ。久し振りだなぁ。もう、忘れたのか?お前の家の奥さんの爺ちゃんだよ。以前登場した時は、※1お前の前世がワシだったなぁ。 それにしても、いろいろ大活躍しているらしいな。 孫から度々(たびたび)聞いているぞ。 すると、吾輩は、「この爺ちゃん。いったい何を言っているの?」 「奥さんの爺ちゃんだよ」と…

  • 第116話 俺は大人だ Part2

    僕は、甲羅の中に引っ込めていた首を伸ばし、辺りを見渡した。 そして、スマホをじっと見つめていたが、僕は、まだ、動かなった。 「動かざること岩のごとし」だ。 子供じゃあるまいし、二度と同じ失敗はしないよ。 そして、スマホとにらめっこが、2分間ほど続いたかな? 奥さんが僕に向かって言葉を発し、遂に、事態が動いた。 奥さん:カメ輔、お疲れさま。さあ、少し休憩しょう。 もう少ししたら、第2ラウンドを始めるからね。 この後、主人と奥さんとの間で、ハッとするような言葉が交わされることになった。 主人:さすがだね。前と違って、カメ輔は成長したね。 すると、すかさず、奥さんが言い返した。 奥さん:そうかなぁ?…

  • 第115話 俺は大人だ Part1

    今日は、「こどもの日※1」だそうだ。 人間の社会には、いろいろお祝いの日があって良いなぁ。 だって、カメの社会には、お祝いの日なんてないよ。 僕なんか、祝ってくれる親もいないよ。 即「唯我独尊」で生きていかなくちゃいけないんだ。 あっ、そうそう、ご報告が遅れましたが、今回も前回に引き続き、僕、カメ輔が担当することになりましたので、読者の皆様、どうぞよろしくお願い致します。 現在、僕にとって「旬」にあたる時期なのか、今風に言う「モテ期」到来という時期なのかなぁ。 昨夜、主人が僕の傍にそっと近寄り、「明日、お前を撮影するので、心の準備をしておけよ」と小さな声で囁いた。 その時、僕は「【こどもの日】…

  • 第114話 朋あり遠方より来る Part2

    さあ、今回のお話は「朋あり遠方より来る」の最終章だよ! 前回の話では、ユッカ姉さんが、僕の触れて欲しくないところに、ドンドン踏み込んできた話で、僕が、耐えきれず、反撃を開始しようと思ったときも、ユッカ姉さんのおしゃべりが続いたんだよなぁ。 ところが、今回は、僕の知らない真実がどんどん出てきて、話しは意外な方向に進むことになるんだよ! さあ、お話しを始めるよ! 準備は、いいかぇ? ユッカ*1:あなたの良さは、皆がわかっているからね。嫌なことを言われても、我慢しなさいよ! そこで、あなたの知らないことを、ちょっとだけ、教えてあげるわね! 実はね、カメ子兄ちゃんと今は亡きカメ吉がここに来る前に、私に…

  • 第113話 朋あり遠方より来る

    僕、カメ輔。今回のブログは、僕が担当することになったので、皆様よろしくお願い致します。どうして、今回は、僕が担当することになったかというと、今日は、僕にとって、特別な日になる予感がしたからなんだ。 さてと、お話を始めるか。 主人は 、ベランダで僕の水槽の掃除を始めた。 その間、僕は、久しぶりにベランダの探検をしていた。 まず、首を長く伸ばし、辺りを見渡して、右側に進むことに決めた。 進行方向の前方には、植木鉢が見えた。その植木鉢には、小さな植物が植えてあった。「あれっ、以前見たことがあるぞ?」とも思ったが、花もない地味な植物だったので、無視してさらに進むことにした。 すると、どこからか、かすか…

  • 第112話 春の甲子園

    今日、吾輩とカメ輔は、春の甲子園選抜高等学校野球大会の決勝戦、明豊対東海大相模の試合を観戦するために奥さんの実家に来ている。 時刻は、4月1日(木)の12時30分で、今、まさにその戦が始まろうとしているところである。 残念ながら、主人は仕事でこの場にはいないが、野球がとても好きなので、お昼休みにきっとどこかで観戦しているに違いない。 吾輩は奥さんの膝の上、カメ輔は母親の膝の上で、テレビの画面をじっとみつめている。 だが、明豊が先攻なので、吾輩は、とても嫌な予感がしてきた。 このことが、後になって、たいへんな結果を及ぼすことになろうとは・・・。 そして、普段は、あまりスポーツには興味を示さない奥…

  • 第111話 刎頸(ふんけい)の友 Part3

    * これが、鳩吉の写真です。 「ああ~とうとう行ってしまったか!」 鳩吉が東の空へ飛び立ち、吾輩の心には、ポッカリと穴が開いてしまったようだった。 と、その時、主人から意外な言葉が発せられたのである。 主人:カメ子、お前、鳩吉とずっと話をしていたが、いったい何を話していたんだい? あっ、そうか。相手がカメだったら、顎の関節を鳴らせば、会話ができるが、鳩が相手だったら、「何をしてるの?」だよな。あの時、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、もしかして、お前は鳩吉のことを忘れていて、会話が出来なかったのか? 吾輩は、「やっぱり人間には、わからないだろうなぁ?」と思った。 鳩吉とはたっぷり会話が出…

  • 第110話 刎頸(ふんけい)の友 Part2

    主人は、吾輩を透明な水槽の中に入れ、 元居た場所まで戻った。 そして、吾輩を地面の上にそっと置き、 一人残し、近くにある石造りのベンチに座った。 しばらくすると、奥さんが撮影場所から戻って来て、 主人に何か食べ物を渡して、「このコッペパンをちぎって、 あなたの前に撒いて」と言った。 主人は、いつものように奥さんから言われるがまま 「はいよ!」と返事をし、自分が居る前に食べ物を バラ撒いたのである。 すると、それを待っていたかのように、右上空から、 謎の飛行物体が地表に降りてきた。 吾輩には、それが、羽が生えた生き物のように見えた。 そして、主人が、その生き物に向かって、 「おおっ、鳩吉じゃない…

  • 第109話 刎頸(ふんけい)の友 Part1

    今日は、とても良い日になりそうな気がする。 なぜ?って、主人と奥さんが、吾輩とカメ輔を遊びに連れて行ってくれるからだ。 果たして、どこに連れて行ってくれるのか?とても楽しみだ。 そして、その時がやって来た。 朝の10時頃に主人が、吾輩とカメ輔を透明な水槽に入れて車に乗せた。 その後から、奥さんが車に乗り込み全員が揃ったところで、 さあ、ドライブの始まりだ。 ところが、車に乗るとすぐに、カメ輔の大暴れが始まった。 水槽の壁をよじ登り、外に飛び出したのである。 ああ~また、カメ輔がしでかした。 まったく、もう、おかげで、カメ輔のおもり役の吾輩が、 主人から「躾がなっとらん」と、怒られることになるん…

  • 第108話 銀幕デビュー

    *カメ子の着物姿の動画が見たい方は、Instagramのhino0719を検索してくださいね! 令和3年3月3日は、記念すべきカメ輔の銀幕デビューの日である。 ついに、この日がやって来た。 吾輩は、カメ輔の親になったような気持ちで、果たして上手く撮影ができるだろうか?と、とても心配をしていた。 (カメ輔は、このことを自覚しているのかな?) その日の午前中、既に、吾輩とカメ輔は、甲羅の掃除を終え、そして、その瞬間がやって来た。 まず、トップバッターは吾輩だ。 奥さんは、吾輩をバスケットに入れ、いつもの撮影場所に連れて行った。 そこには、ひな壇があり、男雛と女雛が置いていて、 その周りには、綺麗な…

  • 第107話 一転攻勢

    2月のある日、突然、奥さんの右目の瞼が腫れてしまった。 吾輩が、いつものように、主人と奥さんの話しを盗み聞きしていると、今日、奥さんは眼科に行って診察してもらったようだ。 ところが、奥さんと主人の話しが、意外な展開になっていったのである。 医師の診断では、「瞼が腫れた原因は、SNSやパソコンのやり過ぎからくる眼精疲労ではない。何が原因だかよくわからない」と言うことだった。 主人が、「じゃあ、何が原因だ?日頃しないアイラインをして、瞼がかぶれたんじゃないのか?」と言った。 吾輩も「たぶん、そうだろうなぁ」と思ったが、奥さんからの返事はなかった。 吾輩は、「そんなに、誰だかわからなくなるような、厚…

  • 第106話 黒幕

    *動画をご覧になりたい方は、 Insutagramのhino0719を 検索して下さい。 吾輩は、令和3年2月2日になるのを心待ちに待っていた。 その日は、吾輩が、世界の晴れ舞台で ヒーローになれるかもしれない、 とても大切な日だった。 そして、とうとう、その時がやって来た。 主人は、仕事が終わり帰宅すると、吾輩がいる水槽に近づいてきたのである。 吾輩は、うれしさのあまり、いつもの調子で、主人に近づき、 水槽の壁にもたれかかって、バタバタと音をたてた。 それを見た主人は、「そうか、カメ子は、ワシを労ってくれているんだなぁ。 ありがとう」と言った。 吾輩は、「ちょっと、主人は、勘違いしているんじ…

  • 第105話 筋斗雲(きんとうん)

    1月某日、お昼過ぎのことである。 吾輩は、今日は、何か良いことが起こりそうな気がしていた。すると、主人が、トングで吾輩を水槽から取り出し、バスケットの中に入れたのである。 「おや、今日は、甲羅を掃除しないのかな?」と思っていると、吾輩とカメ輔を入れたバスケット2個を両手にぶら下げ、外に出たのである。 すると、目の前には、見覚えのある景色が広がっていた。 「あっ、この前の公園だ」と思っていると、早速、主人は、吾輩とカメ輔をバスケットから取り出し、地面の上に置いたのである。 そして、吾輩とカメ輔を向かい合わせに置いたのだ。 これには、何か深い意味があるのかな?と思っていると、主人が、「おい、カメ子…

  • 第104 Zoom

    *26日(火)からは、OBS公式YouTubeで配信されます。 1月某日、吾輩が水槽の中で、目をキョロキョロさせていると、どころからともなく たくさんの女性の声が聞こえてきた。 あれ、この声は、奥さんのじゃないぞ! 珍しく、我が家にお客さんがいらっしゃったのかな? 久しぶりに、奥さんや主人以外の人と話がしたくなったよ。 吾輩は、水槽の壁にもたれかかり、バタバタと音をたてて、お願いしたのである。 すると、その音にびっくりした主人が、吾輩のところに飛んで来て、吾輩をわしづかみにし、訪問者の声が聞こえる方に向けたのである。 吾輩は、「主人にしては、気が利くなぁ」と思い、たくさんの女性の声が聞こえる方…

  • 第103話 晴れ着だ!晴れ着だ!ワッショイショイ!!

    読者の皆様へ 明けましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願い致します。 新年のご挨拶がたいへん遅くなってしまい、申し訳ございません。 本日の投稿は、2021年1月4日の出来事をご報告したいと思います。 吾輩は、前回の第102話(祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ!!)で、「甲羅の上に付けられている物はいったい何か?」と疑問に思っていた。 すると、たくさんの読者の方々からご連絡を頂き、そして、その内容を聞いてびっくりした。「それは、サンタクロースの衣装だった。我が家は、仏教徒だから、サンタクロースは来るはずがない」と、ずっと思っていたからさ。 しばらくして、吾輩は、そのことについてよ…

  • 第102話 祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ‼

    12月某日、奥さんは、いつものように吾輩をベランダに連れだし、甲羅の掃除を始めた。吾輩は、どうしても甲羅をゴシゴシされるのが苦手なのである。だって、くすぐったいじぁないか。 吾輩は、くすぐったいのをじっと我慢し、甲羅の掃除が終わるのを待っていた。 でも、今日は、特に念入りにやっている様子で、なかなか終わらない。 吾輩は、「もしかして、奥さんが、また、何か企てているのかな ?」と思った。 そして、その予感がみごと的中したのである。 奥さんは、吾輩をバスケットに入れ部屋の隅に連れて行った。そこは、未踏の地であった。吾輩は、「この場面は、昔、遭遇したことがあるぞ。(もう忘れたの?30日ほど前だよ)も…

  • 第101話 はやぶさ2

    あけましておめでとうございます 読者の皆様が応援してくださったおかげで、昨年は、私にとって思い出に残る良い年になりました。どうもありがとうございました。 そこで、私からお年玉として、抽選で3名様に「カメのひとりごと」の本をプレゼントします。 今年も頑張りますので、応援して下さいね! どうぞよろしくお願い致します。樋下由美子 本が欲しい方は、 希望商品番号2、住所、氏名、年齢、Instagramのアカウントがある方はアカウント名を明記の上、ハガキまたはメールで下記の宛先まで応募して下さい。 (ハガキ) 〒871-0162 中津市永添2636-24 株式会社ADP 「FREE 1月号プレゼント」係…

  • 第100話 公園デビュー

    今日は、カメ輔にとって記念すべき日になるとは、誰も知らなかった。 奥さんが外出した後、主人は、吾輩とカメ輔を水槽から出し、小さいバスケットに入れた。吾輩は、日頃、主人と奥さんの会話で、何をするのか、だいたいわかるが、今回ばかりは全くわからなかった。そして、バスケットの中で揺られながら、「今日は、どこに連れて行ってくれるのだろうか?」と半分期待をしつつ、車のある方向を眺めていた。 ところがどうだ、主人は、駐車場の方には行かず、あらぬ方向に進んで行ったのだ。 そして、その場所に着くと、吾輩とカメ輔を地面の上に置いた。吾輩は、久しぶりに地面を踏みしめた後、周りを見渡した。そこは、どこか見覚えのある場…

  • 第99話 時事放談

    主人は、朝から奥さんと職場の忘年会のことについて、話しをしている。 「今年は新型コロナが流行っているので、忘年会ができるかなぁ?5人以上のグループだったらできないんじゃないかなぁ~」 吾輩は、こんな状況になっているのにもかかわらず、忘年会に出席したい主人の気持ちがよくわからない。 そんなに、お酒が飲みたいのかなぁ?お酒を飲むと気持ちが良くなるというが、吾輩は一度も飲んだことがないので、よくわからない。でも、一生に一度くらいは飲んでみたい気もする。お酒を飲むと、人間は豹変することがあり、笑ったり、泣いたり、時には、「表に出ろ」と喧嘩をする人もいるらしい。 主人は、お酒を飲むと、口をポカンと開け、…

  • 第98話 かくれんぼ

    吾輩は、あの時以来、お世話になっている主人を「餌くれおじさん」や「用なしおじさん」とは、決して思わないように決めた。 あの時とは、奥さんと主人がグルになって吾輩を説教した時のことだ。 (第95話 蜘蛛の糸 Part2をご覧ください。) そして、そう考えを改めた吾輩を見せつける機会がやってきた。 吾輩は、ある晴れた日の午後、水槽の岩の上で、うとうととうたた寝をしていた。 すると、突然、水槽の上に、主人が「ニョキッ」と顔を出したのである。 その時、吾輩は、主人を横目でチラ見し、説教された内容を思い出して、主人の方をまっすぐ向くように首をねじったのだ。 すると、主人は、その場から姿を消した。「いった…

  • 第97話 Happy Halloween

    主人は、なぜか今朝から機嫌が良い。 今日は、夕方から久しぶりに職場の飲み会があるらしい。 「コロナ禍で自粛しなければいけないときだが、まあ、たまには良いではないか」と のんきなことを言っている。 一方、奥さんは部屋の隅で、何やらゴソゴソと作っている。もしかして、今度も吾輩の身に何かかが起こるのかも?嫌な予感がしてきた。そして、それが現実になったのである。吾輩とカメ輔をベランダに出し、甲羅の掃除をしているときに「カメ子ちゃん。カメ子ちゃん」と呼んだ後、「今日も素晴らしい演技をしてね」と言ったのだ。 吾輩は、「あ~また、あの時のように、吾輩をダシにして何かをしようとしているのか」と思った。(あの時…

  • 第96話 スター誕生

    吾輩は、ついに、令和2年9月24日、テレビに初出演することになった。 まさしく、「スター誕生」としての第一歩を踏み出そうとしている? テレビ放映を明日に控え、奥さん、主人、そして実家の母親までもが、親戚、友達、知人に対しての電話攻勢を開始したのである。「立っている者は親でも使え」というが、奥さんは、まさに、それを実践している。(おーこわ、おーこわ) でも、奥さんは、吾輩に「あなたも電話してね」とは言わなかった。(ざんねん) 電話の内容は、「明日、夕方の6時15分からOBS大分放送 イブニングニュースで、カメ子ちゃんがテレビに初出演することになったの。もし、良かったら見てね」といった内容だ。しば…

  • 第95話 蜘蛛の糸(Part2)

    我が家では、主人が一番早く、その次に奥さん、吾輩、カメ輔の順に目覚める。 「よっしゃ、ついにその時が来たな」と思い、吾輩は意を決し、主人のいる方向に近づいて行った。 水槽の上に見える主人の姿が、段々と大きくなってきた。そして、主人は、吾輩にようやく気付いたようだ。 「今がチャンスだ。(顎を擦り合わせて)カリッ、カリッ、カリッ、~」吾輩は、主人に対して言いたいことをカメ語で、思いの丈(たけ)ぶつけた。すると、主人は、吾輩の姿を見て「えっ」と驚いた後、いつもの、おっとりした調子で喋ったのだ。 主人:おい、カメ子。いったい、どうしたんだ。こっちをじっと見つめているなんて、珍しいじゃないか。いつもは疑…

  • 第94話 蜘蛛の糸(Part1)

    10月のある日曜日の午後、主人と奥さんは、いつものように会話を始めた。 今日は時間に追われている様子もなく、暇なひとときを二人で満喫しているようであった。 吾輩のスケジュールも、運良く今日は、空白であった。 (いつも、空白じゃないの?) さて、二人の間で、どんな話題が飛び出してくるのかなぁ?楽しみだ! 吾輩に火の粉がかからないように祈るしかない。 今回は、主人の方から口火を切って吠えたのである。 主人:おい、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」※1っていう小説があるだろ。 しばらくの間、主人は、奥さんに小説のあらすじを話しだした。吾輩は、初めて聞く話で、お釈迦様だの、蜘蛛だの知らない言葉がいろいろ出てきて…

  • 第93話 運命が変わる日( Part4)

    謎の女性の撮影が終わると、記者のBさんが「今度は、カメ子さんの映像を撮りましょう」と言った。 カメ子:なにー!そんなの聞いてないよ。だって、打ち合わせも何もないじゃん。何をしゃべって良いのかわからないよ。(カメ語を話したって、人間はわからないとは思うけど。) そう言って、Bさんと謎の女性が、吾輩のいる水槽に近づいて来たのである。そして、Bさんが「カメ子さんが餌を食べるところを撮影しましょう」と言うと、謎の女性は主人に「餌を取って、そこにあるから」と指示をし、ピンセットで主人が持ってきた食べ物を掴み、吾輩の顔の近くまで持ってきた。 「う~ん。良い匂い」これは昨日、我が家で食べた鳥のササミの匂いだ…

  • 第92話 運命が変わる日(Part3)

    部屋の中に入ってきた2人の男性が 「〇〇〇放送です。今日は、どうぞよろしく お願いします。」と言った。 吾輩は「なに、〇〇〇放送だと! あの有名なテレビ局か? これは、とんでもないことになったぞ! いったい、何でこんな所に来たのかなぁ?」 と思った。 吾輩の育ての親のAさん、謎の女性、主人は、 早速、テレビ局の方に近づき挨拶を始めた。 そして、謎の女性とAさんが、テーブルを挟ん でテレビ局の記者Bさんと向かい合う形で ソファーに座り、何やら打ち合わせを始めたの だった。 謎の女性:どんな質問をされるのでしょうか? (記者Bさんが座っているソファーの後ろで カンペを持ち、いたずらをして立たされて…

  • 第91話 運命が変わる日(Part 2)

    車のエンジン音が止まった。どうやら目的地 に到着したようである。 車の中から「育ての親の邸宅?」らしき家が 見えた。 さっそく、誰なのかよくわからない謎の女性 が、車を飛び降りて家の中へ入って行った。 そして、主人は、吾輩が入ったバスケットを 持ち車外に出た。 バスケットの中から見る景色は、感無量で あった。 黄色く実り、頭(こうべ)を垂れた稲穂が 眼下に広がっている。 主人は、前方にある小さな池に向かって 進んで行った。 そして、主人は、「カメ子。ここは、 カメ輔が生まれた場所だぞ。よく観ておけ よ」と言ったのだ。 吾輩は、「よく観ておけよ」と言ったって、 吾輩はここからすぐ近くの温泉施設で…

  • 第90話 運命が変わる日(Part1)

    吾輩の運命が大きく左右するかもしれない時が、刻々と迫ってきている。 今日がその当日で、奥さんと主人(今日は奥さんが主人公である)は、朝から落ち着かずソワソワしている。 奥さんは、明け方まで「大事な仕事」の準備に追われ、ほとんど寝ていないようだった。 「大事な仕事」って何かなぁ?実は、吾輩は、こっそり奥さんから教えてもらっていた。そして、吾輩も重要な任務を仰せつかったのだ。カメ輔は、任に堪えられないということで教えてもらえなかったらしい(それもそうであろう)それぐらい、極秘中の極秘なのだ。世間に漏れると大騒動になるらしい(大げさな) 奥さんは、その日の朝「覚えられない。どうしょう」と叫んでいる。…

  • 第89話 角(つの)

    二ホンイシガメの赤ちゃん (姫路市立動物園のブログから 引用) 今日は、主人と奥さんが朝から外出し、 夕方、家に帰ってきた。 月に1度、いつも2人で、ある場所へ 行っているようだが、我がカメ達には どこへ行っているのか教えてくれない。 どうして、教えてくれないのだろう? 吾輩も、家族の一員だぞ! ところが、今日の2人はいつもの様子と 違っていた。 いつもは、疲れた顔をして帰ってくるの だが、今日は2人とも少し興奮気味なの か、顔を赤らめて部屋に入ってきたので ある。 そして、主人は、一番先に吾輩がいる 水槽に近づいて来るなり開口一番に 言った。 主人:おい、カメ子。お前の行って みたい所に行っ…

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