学校の怪談 その弐 漂流教室 これも中一の一学期、若葉新緑のころだった。 その朝もいつもと何らかわりなく、弁当を持って家を出た。 テレビでは連続テレビ小説「あしたこそ」をやっていた。 心なしか通学路はひとけがなくてひっそりしている。 一瞬日曜日かと錯覚しドキッとしたが、それなら朝の連続テレビ小説をやっているはずがない。 注記: 私達も失敗をしたくてしている訳では無い。キチンとテストの時の失敗を糧にこうやって テレビ小説が放送していた事を思い出して、自分の行動が不適切でない事を確認している。 しかし、本人(美代子)はまだ気付かない。 校門のところでやっと向こうから歩いてくる人間に遭遇し、ホッとする。 それは中年の家庭科教師だった。 「おはようございます」、 彼女に挨拶してから先に校門をくぐったが、入り口周辺には誰もいない。 そればかりで..