空華ー日はまた昇る
住所
出身
ハンドル名
空華ー日はまた昇るさん
ブログタイトル
空華ー日はまた昇る
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/gogouan1231
ブログ紹介文
小説の創作が好きである。今回のは猫の語り手が吟遊詩人と「アンドロメダ銀河」を旅する話。散文詩 のよ
自由文
-
更新頻度(1年)

62回 / 357日(平均1.2回/週)

ブログ村参加:2018/05/12

空華ー日はまた昇るさんの人気ランキング

  • IN
  • OUT
  • PV
今日 09/19 09/18 09/17 09/16 09/15 09/14 全参加数
総合ランキング(IN) 35,544位 35,938位 35,956位 40,355位 40,306位 40,297位 40,463位 972,509サイト
INポイント 0 0 10 0 10 10 0 30/週
OUTポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
PVポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
ポエムブログ 152位 153位 153位 165位 169位 169位 170位 5,896サイト
散文詩 5位 5位 5位 6位 6位 6位 6位 163サイト
今日 09/19 09/18 09/17 09/16 09/15 09/14 全参加数
総合ランキング(OUT) 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 972,509サイト
INポイント 0 0 10 0 10 10 0 30/週
OUTポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
PVポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
ポエムブログ 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 5,896サイト
散文詩 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 163サイト
今日 09/19 09/18 09/17 09/16 09/15 09/14 全参加数
総合ランキング(PV) 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 972,509サイト
INポイント 0 0 10 0 10 10 0 30/週
OUTポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
PVポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
ポエムブログ 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 5,896サイト
散文詩 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 163サイト

空華ー日はまた昇るさんのブログ記事

1件〜30件

  • 故郷という名の童話 後編 5

    彼は飛行機に乗って自分の席につくと様々な思いが起こった。その中で長く心を占領したものに法華経にある火宅のたとえをめぐる思索があった。大きな屋敷の中で戯れている子供、これこそ衆生としての人間である。そして周りに火事が起こる。この火事から子供達を救うために仏はなんとかしてこの屋敷の外に連れ出そうとする。確か、そんな物語だった。安全神話を信じ、経済の繁栄に夢中になっていて、周囲の自然破壊、原発の増加、気象異変に気づかずにいた、玩具に夢中になっている法華経の中の子供達のようなものではなかったか。そして原発の事故が追いうちをかけ、放射能が風や雨と一緒に京佳まで運ばれてくる。あのような恐ろしい破局が来る前に打つべき手がなかったのであろうか。彼はそう自問自答した。『地下水の汚染』や『原発』を防ぐような場合には多くの人の力の応...故郷という名の童話後編5

  • 故郷という名の童話 後編 4

    悪夢柳目ラレンサは悪夢を見た。ラレンサは夢の中で、霊魂となって、薔薇に取り囲まれた京佳市を見た。町は放射能にやられ、廃墟となっていた。色とりどりの薔薇だけが燃えるように美しく、町を取り囲んでいるのが異様に思えるほど、沢山の汚れたビルと荒れた人家の中は、人がいない。ゴーストタウンになってしまったのだ。爆弾でやられた町というのではなく、建物はきちんと立っているが、人気がなく、周囲は草ぼうぼうで、あちこちに大きなゴミや小さなゴミが無数に散らかっている。沢山のカラスだけが飛び立ち、カーカー鳴くのさえ、何か不気味である。壊れた自転車が道端に転がり、草の中にはテレビだの椅子だのがころがっている。病院の中もからで、医師も看護師も患者もいない。工場にも人はいない。無人の市役所。放射能で枯れた水田、茶畑、黄色くなった広場には犬と...故郷という名の童話後編4

  • いのちの海の夢 【散文詩】

    私は奇妙な夢を見た。私は地下鉄に乗っている。その時、私は海の中にいるような気持ちになった。座っている人もいる。吊革につかまりながら立っている人もいる。その人達はみな色々な魚が衣服をつけているようだった。奇妙な錯覚だ。その時の私にとって地下鉄は深い海だった。その深さのためか、魚も眠る時があるせいか、ひどく静かである。背広を着た魚というのは妙なものだ。隣の魚とビジネスについて喋っているらしい。ゴトコドと変な音がかすかに聞こえる。私には遠い海の外で嵐が吹きまくっている激しい波の音のようにも聞こえる。突然、電車が駅にとまった。人々は駅に吐き出される魚の群れの様だった。同時に、衣服を着た魚の群れが入ってきた。この駅の構内は深い海の洞窟の中の宮殿の様だった。私の前に座った魚は眼鏡をかけた中年だ。彼は新聞を広げると熱心に読み...いのちの海の夢【散文詩】

  • 故郷という名の童話 後編 3

    3市長選が終わってから一週間ほどした五月下旬のことだった。この選挙で山里会に対抗する奥谷側が勝ったショックも手伝い、ラレンサは、AIロボットの研究を進めていた。朝倉香奈枝は地下水研究所をつくり、そこのスタッフと共にデータを集めるのに忙しかった。その結果、奈尾市の地下水汚染はある程度、広がっていることが分かった。奈尾市が汚染されれば、ラレンサのいる京佳市もあやうくなる。地下の構造からから、そうなるのだ。ラレンサは自宅に帰ると、ウネチア物語の続きを書き始めていた。書き始めた時には、学生時代に行ったイタリアのヴェニスを思い出した。ゴンドラに乗って、町の中を滑るように行く時のそよ風の心地よさを覚えている。歴史的にも由緒ある古い建物も、この水の中に浮かぶと、不思議と生き物のように思えるのだった。そんな思い出に浸っていた土...故郷という名の童話後編3

  • 映画「奇跡の丘」と東洋

    キリストの生涯が映像化されている。日本人の多くは十二月のクリスマスのお祝いぐらいにしか、キリストの名前を思い出すことがないのではあるまいか。しかし、欧米の文化を理解する上では、キリスト教をぬきにして語ることはできない。文学は勿論、経済に至るまで。そして、最近では、中国に数億人のキリスト教徒が生まれている。かって、太平天国の乱などというキリスト教徒の事件が歴史に大きく刻印されていることを思うと、何かしら不思議な気がする。そして、中東のイスラム国と欧米などのキリスト教国の対立。こうした風に俯瞰してみると、やはり、世界を見る時にキリスト教の知識は必要と言わざるを得ない。文学の上では、タイトルがキリストの言葉のものもある。ノーベル文学賞を取ったジイドの「狭き門」はキリストの「狭き門より入れ」からである。ドストエフスキー...映画「奇跡の丘」と東洋

  • 核兵器をなくそう

    広島平和宣言今世界では自国第一主義が台頭し、国家間の排他的、対立的な動きが緊張関係を高め、核兵器廃絶への動きも停滞しています。このような世界情勢を、皆さんはどう受け止めていますか。二度の世界大戦を経験した私たちの先輩が、決して戦争を起こさない理想の世界を目指し、国際的な協調体制の構築を誓ったことを、私たちは今一度思い出し、人類の存続に向け、理想の世界を目指す必要があるではないでしようか。特に、次代を担う戦争を知らない若い人にこのことを訴えたい。そして、そのためにも1945年8月6日を体験した被爆者の声を聴いてほしいのです。当時5歳だった女性は、こんな歌を詠んでいます。「おかっばの頭(づ)から流るる血しぶきに妹抱きて母は阿修羅に」。また、「男女の区別さえ出来ない人々が、衣類は焼けただれて裸同然。髪の毛も無く、目玉...核兵器をなくそう

  • 戦争と平和(映画と小説)

    「戦争と平和」、このトルストイの長い小説は若い頃、読んだことがある。今回、アメリカ映画の「戦争と平和」を見てみた。あの長い小説を読んだということで、映画の方は甘くみていたところがある。ところが、見てみると、中々よく出来ている。あそこでトルストイは何を語っているのか、大雑把な軸を言うと、ナポレオンがフランス革命の自由、平等、博愛の精神をヨーロッパに広めていく救世主として、ロシアの一部の若い人達にも共感されていたのが、やがて戦争となり、その悲惨な戦い、祖国を蹂躙されることに対する怒り、ということで、ナポレオンに対する怒り・憎しみということに変質していくのである。これはベートーベンの有名なエピソードでも知られるではないでしょうか。交響曲「英雄」は最初、ベートーベンがナポレオンを賛美していた気持ちの現われから作曲されて...戦争と平和(映画と小説)

  • 故郷という名の童話 後編 2

    2柳田ラレンサは地域の政治哲学のサークル山里会に所属していた。山岸が会長を勤める山里会の応援を得て、朝倉善介市長や山岸国会議員が誕生していた。そういうこともあって、柳田ラレンサは次のような話を久しぶりの朝倉善介の電話で聞いて、なるほどと納得する所も多いが、やはり驚きもあった。。朝倉市長は今回のIC工場のトリクロロエチレンの地下水汚染問題に精力的に取り組み、区切りがついたところで市長辞任をマスコミの前で表明したのだが、この辞任に関しては山里会には一切、相談なくおこなったので山岸国会議員がびっくりして電話してきたという話だ。朝倉善介と香奈枝の結婚はラレンサが譲ったことがあるのだけれども、これはラレンサ以外に知られていないで、この結婚は山岸議員の音頭が働いたと思っているものが多い。それは、山岸の娘の広子と香奈枝夫人が...故郷という名の童話後編2

  • 故郷という名の童話 後編 1

    1柳目ラレンサは鏡子を見るたびに、朝倉香奈枝夫人を思い出し、そして親友であった朝倉を思い出すのだった。そしてふとしたことから、鏡子と香奈枝が又いとこであり、遠い親戚関係にあったことを知り、何かうなずくものをラレンサは感ずるのだった。久しぶりに朝倉香奈枝と会うことになった。鏡子と知り合ってから、一年目ということになる。五月のゴールデンウイークだった。山岡市の駅前ビルの喫茶室でラレンサは朝倉香奈枝夫人と会った。三階にあり、前にもここで彼女と会ったことがあるので、お互いに分かりやすい場所ということでここが選ばれた。秘密裏で話したいことがあると言う彼女の方から電話があったのだ。夫の朝倉善介が原子力発電所の件で美川に二度目の出張に出ている時である。奈尾市に地下水汚染の問題があり、さらにはZラビリンスから工場を誘致するとい...故郷という名の童話後編1

  • 故郷という名の童話 7

    六月に入ったある朝方、ラレンサは永遠平和を願う猫の夢を見た。自分が銀河アンドロメダの鉄道に乗って、色々な惑星の国々を訪ねる夢だった。長い夢だったが、夢も覚めその旅も終わった。現実は永遠平和どころか、あちこちで火種がくすぶり、人の争いはたえない。彼は漢詩人の曹松を思い出した。【江南水郷の豊饒な山河もついに作戦図に入れられ、庶民はもはや柴を取ったり草を刈ったりする暮らしの営みさえできなくなってしまった。どうか、もう戦で身を立て侯に封ぜられたいなどと、豪語するのはやめておくれ。将軍一人の功名は、兵士万人の白骨の上に成り立つものだから。】漢詩人に限らず、世界の多くの詩人がこの千年の間には、生まれては詩を書きそして死んでいったことが本に書かれている。当たり前のようだが、自分という心の鏡に映るように、詩人たちの波乱に満ちた...故郷という名の童話7

  • 日はまた昇る【小説と映画】

    第一次世界大戦。パリの近くの西部戦線で、二百万の若者がたった四年間に死んだ。凄まじい、愚かな戦争。これによって、ヨーロッパのそれまでの輝かしい価値観が総崩れした。そして、総崩れは戦後長く続き、新しい価値観が模索されている。この価値観の総崩れによって生きる世代をロスト・ジェネレーションと呼ぶならば、欧米から入ってきた価値観が支配的になっている今の日本にもあるような気がするのは思い過ごしだろうか。大地震のように揺さぶられている、かってあった輝かしい価値観とは、ヨーロッパでは、キリスト教と科学。日本では仏教。そうした価値観が総崩れして、新しい価値観が模索されている。「日はまた昇る」というヘミングウェイの小説は大戦直後のパリが主要な舞台。そのせいか、価値観は総崩れした直後のせいで、模索すら行われていないように思われる。...日はまた昇る【小説と映画】

  • エッセイ【最近 思うこと】

    今の世相を見ていると、自分の目で社会を見たり、文章を見て的確に判断しようと努力している人と、そうでない人がいるような気がする。そうでない人は周囲の話や噂に飛びついてしまい、それが真実と断定してしまう傾向にあると思われるがいかがであろう。皆と仲良くやっていくことはとても大切であるが、「和して動ぜず」という言葉もある。自分のしっかりした目を持ちながら、人の声にも耳にも傾ける。ともかくこのことに関しても、格差があるという感想を持つ今日この頃である。さて、本論に入ろう。今日は文学というものを話題にしたいと思う。ご存知の通り、私はこのブログで二冊の小説と映画感想などを掲載してきた。そこで、一つの感想を言えば、多くの人に満足していただくような物語を書くのは大変難しいということである。文章がすらすら運ぶ時の喜びはたとえようも...エッセイ【最近思うこと】

  • 故郷という名の童話  6

    ダイヤモンドルームの控室。窓が開け放たれている。そよ風が入ってくる。ラレンサは、ヘッドホンをして、入口のソファーに座り、瞑想していた。やはり、耳にショパンの音楽が鳴っている。脳の神経細胞のからみあいから、この美しい音楽が生まれる、いや、それは半分で、半分は嘘なのではあるまいか、音楽と心が一つになった時、そこにいのちの美しい響きと聞こえる仏性がある。永遠のいのちが鳴っている。神経細胞だけをいくら調べ、分かっても、そこからこの音楽は出て来ない。そうだ、そこまで思うと、ヘッドホンをはずし、目がねをかけ、横に座っている助手のAIロボットジュリエットに話かける。「僕とルームに出るのは初めてだね。どんな気持ちだい」「楽しみですわ」と彼女は答えた。「ところで、あの小鳥の鳴き声は。しじゅうから、なのかな」「いいえ。キビタキよ。...故郷という名の童話6

  • 音楽【故郷という名の童話 5 】

    数日して価値観ルームで、柳目ラレンサは何人ものユースの中で、鏡子の瞳にはっとしました。鏡子の瞳は春風の吹く美しい夜、輝く満月が森に囲まれた青色の湖に映ったかのようでした。そうした鏡子は朝倉香奈枝にそっくりのような気がするのです。香奈枝とは大学時代の友人でした。外見的には、友人でしたけれど、ラレンサの心の中は、恋の炎に燃えていたのです。そこへ現われたのが、今市長をやっている朝倉でした。香奈枝は朝倉の妻になったのです。目の前の鏡子は何か寂しげで、かっての香奈枝の底抜けの明るさがないのです。それは、表情で分かります。鏡子「質問!コーチ、消費税は上げられるのですか」ラレンサは予期していない質問に驚いた。この日は別の話すテーマを持っていたから、なおさらだった。それでも、ラレンサは答えた。「税金はお金を沢山持っている、大企...音楽【故郷という名の童話5】

  • いのちに満ちた虚空【故郷という名の童話  4 】

    次の日の価値観ルームにはAIロボットがいないで、山本鏡子がいた。ラレンサは彼女を見ると、不思議なことに、何かはっとするものを感ずるのでした。真珠のような瞳というイメージだけでなく、そのイメージに関連して、昔の若い頃の色々のことが思い出されるのでした。ただ、その日は若い頃の学友である朝倉香奈枝にまつわる様々な出来事が絵巻物のように、広がるだけで、何かに焦点化することなく、前の日の続きを喋り始めたのでした。「神人に進化するという話でしたね。」ラレンサは鏡子が目で微笑するのを見た。「最近、ベストセラーになっている本に書いてあるらしいね、私はまだ読んでないんですよ。ただ、友人から、大枠の話を聞いていますけどね。人間は医療の発達によって寿命まで生きれるようになるだけでなく、やがて百五十才を目指し、さらには、不死と幸福を手...いのちに満ちた虚空【故郷という名の童話4】

  • 自然エネルギーとマグネシウム【故郷という名の童話  3 】

    所長は灰色の口髭のある中年の男だった。「柳目ラレンサさん。よく来てくれました。お手紙は拝見しました。なにしろ、お宅のお父様には、私が若い頃御指導していただいた恩義があります。それにお宅のお父様はわがロボット工業のロボット製造の基礎を築いた方としても、我が社では恩人として記憶されています。わが研修所の価値観デザインコーチとして本社からの採用通知も届いております。しかし、なんでまた、Zラビリンスをお辞めになったのですかな。Zラビリンスの課長までなられて将来を約束されたあなたが、そこを辞めるとは余程我が社にほれましたかな。わが社も数年前までは、Zラビリンスと比べるとそれほど、大きな会社では、なかったが、今や急成長している。」ラレンサは微笑して頷いた。「僕は学生時代から哲学とか文学とか人文系の学習に熱心だったんですよ。...自然エネルギーとマグネシウム【故郷という名の童話3】

  • 故郷という名の童話 2

    しばらく、見慣れた緑のきれいな銀杏並木を歩き、城跡のある公園をとおりぬけると、古鏡ロボット工業の研修所の正門前に立った。子供の頃見慣れた桜が巨木となって、どっしりと立っている。春の淡い陽光に照らされた掲示板の前を、OL風の若い女達がカラフルな服装で行き交う。ラレンサは受付で所長室の方角を聞いた。ラレンサはこの研修所で、出来れば自分の価値観を深めたいと思っていた。彼の心の奥にある価値観からAIロボットがどういう方向に向かうかというビジョンを示すつもりだった。ロボットの基礎論としての価値観それにデザインというのが彼に与えられた仕事内容だ。その理論をきわめたいために、ラレンサはZラビリンスを辞めたのだ。Zラビリンスでは、エネルギー問題の争いがあり、原発推進派のスタッフの影響力が強く、彼のような脱原発派は住みごごちは悪...故郷という名の童話2

  • 故郷という名の童話

    1柳目ラレンサは長いこと自分が吟遊詩人となって、長い旅の夢を見ていたことを思い出した。しかしあまりにもよく熟睡していたせいか、起きると夢の内容は覚えていない。どこの家からか、吹く横笛の音が、夜の闇の中で聞こえてくる家や樹木をなでるように、さわやかな音色は消えていき、再びそよ風にのってわが故郷の街角に響き渡るこの横笛の音を聞くと神仏を失った恋慕の情が起きるのだろうか。恋の炎のような激しい故郷への慕情が幼き頃のあの人を思うのだろうか。しかしあの人はもういない。それとも、忘れ去った夢の中の異世界の懐かしい人の面影が思い出されるようで、すぐに消えていくその悲しみかこんな長い夢を見ていたのは、きっと疲れていたのだ。ともかく、長く勤めていたZラビリンスを辞めるべきかどうか長いこと迷っていたことの疲労がたまったためだろう。柳...故郷という名の童話

  • ファウスト

    今回、テーマが「ファウスト」ですから、漫画と映画のファウストの両方を見てみました。原作のゲーテの「ファウスト」は学生時代に、何度も読んで好きでした。筋の大枠はゲーテのものですけど、細かい内容となると、漫画と原作がかなり違うのは良いとしても、映画を見た印象があまりにも違いすぎるということで、驚きました。映画の悪魔メフイストフェレスが金貸しというのは現代を皮肉ったのか。私でも現代の社会を金銭至上主義で、日本の伝統ある仏性論などの価値観を復活させたくなるのだから、監督がこういう設定をしたのはよく分かる。最初から、人間の解剖を見せ、人間の内臓を見せる所は、ゲーテの美しい詩文から受けるよりははるかにグロテスクである。このグロテスクな場面は現代を洞察した時に得る哲学の象徴かもしれない。現代はみかけは人工的な美しさで綺麗に着...ファウスト

  • グレート・ギャツビー

    私は最近アマゾンで電子出版した「永遠平和を願う猫の夢」で、金銭も大切だが、それ以上に尊いいのちに根差した優れた価値観が必要であるという立場を模索してきたつもりだ。「グレート・ギャツビー」という物語は金銭至上主義の原点がここにあったと思わせるものがある。プールつきの大邸宅に住む大金持ちになることが、既に結婚している女の心を自分のものにする道であると信じた男ギャツビー。だからこそ、この物語のニックは彼の最も軽蔑するものを一身に持った絢爛豪華な個性のある男という印象をギャツビーに持ったのではないか。この物語は文章芸術である。映画もよく出来ているが、場面、場面に表現される人・建物・庭園・町、そして人の心理にある不可思議な美しさを描いている文章の巧みさを映像で表現しようとするということは至難の業ではないか。それでも、次々...グレート・ギャツビー

  • 寅さんの愛

    寅さん愛【アガペーとしての愛はこの文の最後に書きました】寅さんの映画を見て、ふとドストエフスキーの作品と星の王子様とドンキホーテを思い出す。これはおそらく、私の心の癖なのだろうと思っていた。内容的にはまるで違うのだから。それでも、何故か、四つに共通点のようなものがあるような感じがふとすることがある。そういう感じになることはかなり以前からあったのだが、深く考えたことは全くなかった。ブログを書くということで、少し考えてみたいと思った。その共通点から何か見えてくるものがあるかもしれないと思ったからだ。ドストエフスキーのムイシュキン公爵と寅さんはまるで違う。当たり前である。それに、ドストエフスキーの作品はみな深刻な人生の問題を扱っている。ムイシュキン公爵のセリフ「人は何故このように傷つけあうのだろう」という嘆きの言葉に...寅さんの愛

  • カラマーゾフの兄弟

    主人公アリョーシャの父カラマーゾフは経済力はあったが、女にひどくだらしない男である。兄弟は二人いる。母は違うが、長兄のドミートリ―。母の同じ次兄のイワン。親父は一代で財産家になった人物だが、女にだらしないだけでなく、金銭面でも人間関係でも全てに不誠実な男である。最初の妻も次の妻も既に死んでいるが、この小説では、息子のドミートリ―と女を奪い合うという性的にふしだらな所がクローズアップされるし、それが物語をクライマックスに導く。そんな男でも、「神はいるのか」と息子のイワンやアリョーシャに問う。そういう時代であり、土地柄なのだろう。イワンは秀才で通した男。「神はいないと答える」アリーシャは修行僧の見習いで、皆に好かれる誠実な青年でまだ十八才。「神はいる」と父に答える。なにしろ、アリーシャの心服しているゾシマ長老という...カラマーゾフの兄弟

  • 映画「戦場にワルツを」

    最初の二十六匹の犬が獰猛な姿で町を駆け巡る映像を見て、私はダンテの地獄篇をふと思い出した。この映画にも、二十数年前のパレスチナ人虐殺という地獄の様子が出てくる。その記憶が途切れたイスラエルの映画監督アリ・フオルマンがその地獄の様子を徐々に思い出すという設定である。レバノン内戦で、アリ・フオルマンが難民キャンプでのパレスチナ人虐殺の現場近くにいて加担したような状況があった筈なのに、その記憶がすっかりないのだ。それに、気付いたのは、レバノン内戦の二十数年後、監督の友人がパレスチナ・ゲリラの捜索の最中に、犬二十六匹を殺したのだが、夢にその殺した犬が出てきて、困っているという話を聞いてからだった。この映画全体の印象はアニメーションであることもあるが、何か、幻想的な印象がつきまとうが、不思議なリアル感がある。実際の我々の...映画「戦場にワルツを」

  • 般若の街角

    般若の街角琥珀色の麦茶の湖面に突然幻の様に町が現れるそして、祭りの太鼓や笛の音、それに賑やかな人々の声がしばらく続くそして、再び静寂が訪れ、いつの間に町が消えているそして又、幻のごとくに赤と黄色い薔薇の花が咲く花瓶の小さな口から、かすみの様な霧が現れ、深い霧は薔薇を包む霧が晴れると、薔薇は南国の街角に変化するそこには人々の笑い、泣きざわめく音が森の梢のささやきの様に聞こえる私は故郷に帰ってきた人のようにこの町の部屋で呆然と時計の音を聞く音は波のごとく、カチッといって消え、又カチッというそういう風に音が聞こえる時は静寂そのものだ。その時の世界は何かをほしがっている時の自分とは違う静かな不思議な世界だ。テーブルの上のあらゆる物は様々な色をなして、まるで沈黙している生物のようだ。窓の外で、カラスが鳴く全てが変化し、色...般若の街角

  • 映画「街の灯」City Lights

    久しぶりに、映画「街の灯」を見て、ラストーシーンまでくると、ここの場面にこの物語すべてが集約されているという深い感動に私は襲われました。貧相な恰好をした浮浪者チャプリンは酔っぱらった大金持ちから、やっと手に入れた金を目の見えない花売り娘に「目の治療に」と言って渡す。チャプリンは彼女の貧しい家から、すぐに出ていこうとする。「行ってしまわれるのですか」と目の見えない娘は感激して言う。「戻っていらっしゃるわね」そして、チャプリンは町に出ると、お金のことを勘違いされて、刑事につかまり、監獄へ。そして時がたつ。娘は目が見えるようになり、花屋を賑やかな通りで始め、うまくいっているようだ。そこへ、車から降りたシルクハットをかぶった背のすらりとした貴公子が花を届けてくれと言い、去る。娘はあの人が帰ってきたのかという空想にひたる...映画「街の灯」CityLights

  • 童話のある町 3

    邸宅から出てきたのは初老の女で、直ぐに応接室に通された。壁には海と空と町が溶け合った様な風景画が掛かっていた。「弁護士さんは?」「今は事務所の方だと思いますけど。私は留守番を頼まれているだけですので」女は緑と黄色が重なった絹の中国服のようなものを着ていた。「もしご用事でしたら、うかがってお伝えしますが」「いつ頃お帰りのなるのですか」「さあ、直ぐ帰る時もありますし、一週間も帰らないこともありますからなんともいえませんわ」「困りましたな。ぜひお会いしたいのです。事務所の住所を教えてくれませんか。それから、出来れば電話を貸していただきたい」「電話はありません」その時、タイコや笛の音がにぎやかに聞こえてきた。「何ですか?」「市長の誕生日を祝っているお祭りです」「ほお」とぼくは感心した様な声を出した。「随分と人気のある市...童話のある町3

  • 童話のある町 2

    ぼくは定款をつくって公証人の所に行った。ジエム町の公証人役場は西洋の宮殿の様な立派な建物で、その前は大きな広場になっていた。そこにはいくつかの小さな城の様な喫茶店があって、戸外にも沢山の椅子が並べられ、客はさんさんと降り注ぐやわらかい太陽のもとで、ある者はおしゃべりを、ある者は読書を、ある者は孤独を楽しんでいる様だった。ぼくはその中の菊の花壇の近くのパラソルがすっかり空いているのを見て、太陽と木陰がどちらか良いか迷ったが結局本を読むにはパラソルの下が良いだろうと思ってそこの椅子の一つに座った。ぼくはしばらく黄色い大輪の菊があまりに美しいのでぼんやり見とれていた。そこに「セロさん。こんなところで何しているの?」とぼくに呼びかけた男の声があった。同じアパートの上の人で、大学生のアルモニア君だ。中々の美声年だ。それに...童話のある町2

  • 童話のある町

    童話のある町その特許事務所は幅百メートルの大通りの途中にある市役所から、アーケードのある商店街に入って、花屋と写真屋の間に挟まれた金色の看板をかけた赤いレンガ造りの古風な建物だった。ドアを開けると、鐘がちやりんと鳴って、奥の方の机で書類を読んでいる中年の男が緑のサングラスをかけたまま、ぼくの方に視線を向けた。上の方に赤色のインコが二羽入った鳥籠がある。その男はぼくに変な印象を与えた。真紅のシャツを着ることは別にかまわないが大きなダイヤのネックレスをしている。窓から入る太陽の光がダイヤに反射して輝いているのをぼくは見て、金回りのいいことを自慢しているのだろうかと思った。それに金色の蝶ネクタイをしている。ぼくは人の外見には寛大な方だったが、彼はぼくの簡単な説明を聞いて、太陽電池ですかとにやにや笑ったのにはさすがに嫌...童話のある町

  • 蘇東坡の悟り

    悟りの境地を示した宋の有名な詩人「蘇東坡」は、谷川は仏の説法と言っている渓声(けいせい)はすなわち是(こ)れ広(こう)長舌(ちょうぜつ)。山(さん)色(しょく)は清浄(せいじょう)身(しん)に非(あら)ざる無(な)し。夜来(やらい)八方(はちまん)四千(よんせん)の偈(げ)他日(たじつ)いかんぞ人(ひと)に挙(こ)似(じ)せん要は滝の音が仏の説法に聞こえるということであろうか。大自然そのものは仏の説法なのである。いや、全てがそうだ。街を行きかう空の雲も春の風の訪れも、満開の桜の花も、チューリップもすみれの花も、全てが仏の説法。仏が我々に顔を見せているのである。しかし、残念ながら、我々はそれに気がつかない。この場合、仏とは何か。本来、言葉で指し示すことが出来ない。形もない。色もない。目に見えない。しかし、我々をい...蘇東坡の悟り

  • エッセイ【世相と映画】

    エッセイ【世相と映画】「銀河アンドロメダの夢想」を書き終えて、つくづく世界を見渡し、平和が欲しいものだと思いました。エネルギー問題の解決も重要です。しかし、最近のニュースを見ていると、そういうものを解決していく力が人類にあるのかという危機感すら感じます。そこで、今日はちょっと日本の世相を見てみたいと思いました。親の子供の虐待は深刻であり、シヨックです。親が子供を守るというのは生物の世界では、当たり前のことが、ほんの一部だと思いたいのですが、子供の虐待が連日のように、報道される。子供の中のいじめの問題。私の若い頃に比べれば、ものが豊かになって、人間には快適な生活が保障されているように見えるのだけれど、一部に生きづらいという声もあちこちで聞かれ、自殺者も二万人という。私は憲法九条を守り、無駄な膨大な軍備を使わなけれ...エッセイ【世相と映画】