(前回からの続き) ロノプハの警告 ミルがその家に移るに際して、ロノプハはミルにこう助言しました(*1)。 「おお、王よ! 貴方(あなた)は定められた期間、完全に平静な状態で、この家に住まなければなりません。 ですから、万一ここで娯楽に興じた人々が、大騒ぎを始めたとし...
(前回からの続き) ワイメア渓谷に住むカフナ モクレイアの人々には、めったにない大漁を楽しんでもらうことにして、 私たちは、2人のカフナが住む地に移動しましょう(*1)。 そこはオアフ島のワイメア渓谷の南側で、2人のカフナは漁師でもありました。 港で網を打つ あ...
(前回からの続き) 人に似た丸太を持ち帰る ここでお話を、カネアウカイ神の信奉者に戻しましょう(*1)。 そうです、お祈りが務めだった、あの2人の老人です。 ある朝、彼らが海辺を歩いていると、一本の丸太が落ちていました。 その形がどこか人のように見えたので、家に持ち...
(新しいお話しの始め) 貧しい2人の老漁夫 その昔、迷信や呪術の闇の中で、ハワイの人々が、多くの神々を信じていた頃のことです(*1)。 ワイアルアのモクレイアという所に、2人の老人が住んでいました(N.1)。 彼らの務めは、カネアウカイ神に大漁を祈願することでした...
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(前回からの続き) ロノプハの警告 ミルがその家に移るに際して、ロノプハはミルにこう助言しました(*1)。 「おお、王よ! 貴方(あなた)は定められた期間、完全に平静な状態で、この家に住まなければなりません。 ですから、万一ここで娯楽に興じた人々が、大騒ぎを始めたとし...
(前回からの続き) ミル王の侍医になる ある時ミルは 、腕の立つヒーラーと伝えられる、ロノプハの評判を耳にしました(*1)。 「もしも彼の治療がなかったら、あの病いに苦しむ人たちは、死んでしまったに違いない。」 そこでミルは使者を出して、ロノプハに伝言を送りました。 ...
(前回からの続き) 別々に住んだほうが良い 彼らがそこに着く前に、カマカヌイアハイロノがロノプハに言いました(*1)。 「貴方のヒーリング診療所が成功するように、私達は別々に住んだほうが良いでしょう。 そうです、貴方は何処(どこ)か他(ほか)の地に住むのです。 そう...
(前回からの続き) ヒーリングを学びたい 彼がのんびりと旅をしていると、苦しそうに息をしながら、誰かが後ろから近づいて来ました(*1)。 振り返って見ると、あの首長がいました。 そこで彼は、首長に尋ねました。 「どうしたのですか? ロノさん。 あなたは何処へ行くので...
(前回からの続き) 首長ロノが倒れる カマカヌイアハイロノの所見を聞いた何人かが首長の元へ走り、あの不思議な言葉を伝えました(*1)。 「あの首長は重病人だ。」 これを聞いて、ロノは彼のオオ(掘り棒)を振り上げて言いました。 「私はここだ、ここにいる。病気の兆候など...
(前回からの続き) これまで言われているように、色々な島々を襲った病いは、カマカヌイアハイロノが施した治療により、あたかも伝染病が沈静化するように、治(おさ)まったのでした(*1)。 これは、タヒチから来た旅する人々を追いかけて、彼が行った医療活動の成果であり、 これにより...
(新しいお話しの始め) タヒチから人々がやって来た 正確な年代は知られていませんが、ミル王がハワイ島ワイピオ渓谷で、国を治めていた時のことでした(*1)。 あの何処(いずこ)とも知れぬ異国の地、タヒチから、沢山の人々が妻を連れてこの国にやって来ました。 それはそうと、...
(前回からの続き) 天国か地獄か? 「あの世における幸不幸について、彼らは幾つかのとても不明瞭でわかり難い、概念を持っています(*1)(*2)。 そして人の死後について、こう言います。 『まず最初に、亡霊はワケアが治める地に行く。 ここでワケアとは、彼らの最初の先祖...
(前回からの続き) このお話しに関連して、アレキサンダー教授は親切にも、以下の情報を提供して下さいました(N.1)(*1)(*2)。 死者の霊はどこへ行く? 「ワイピオ渓谷という場所は、この島の最初の王アケアとミルの居所として、ハワイの歌や伝承に頻繁に取り上げられていま...
(新しいお話しの始め) 入口はワイピオ渓谷にある ヒクとカウェルのお話では、ルア オ ミルの入り口はホルアロアの沖で、カイルアの南方約4kmほどの所にあります(*1)。 しかし地元の人々は、通常、こんな風に説明しています。 「ルア オ ミルの入り口は、あの素晴らし...
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(前回からの続き) 「悪」とは神への反抗だ ハワイ神話のカナロアは、ある時は堕天使として偉大な神々と対立し、またある時は悪霊やこの世の死者の霊になります。 これと比較するとヘブライの伝説は、悪の原理の存在について、より曖昧(あいまい)で不明確です。 創世記の蛇、ヨブ記...
(前回からの続き) 天地創造と神々 天地創造の説明に関連して、フォルナンダー判事はこう述べています(*1)(*2)。 「ヘブライの伝説では神々、すなわちエロヒムは、混沌と同時に、かつまた混沌から離れて存在した、と推察されます。 一方、ハワイの伝説では3大神、すなわちカ...
(前回からの続き) ハワイ バージョンの誕生は少し後 伝説ヒイアカ-イ-カ-ポリ-オ-ペレにコメントする中で、フォルナンダー判事は次のように述べています(*1)(*2)。 「 もしも、ヘブライの伝説ヨシュア、もしくはそのクシュ版を基にして、伝説ヒイアカが生まれるの...
(前回からの続き) 新約聖書の伝説から各地域の伝説が生まれた 他の伝承のコピーであるどころか、それらは実際には、独自のオリジナル版です(*1)(*2)。 すなわち、かつて広く知られた共通の伝説の、1つもしくはシリーズ物を基にして、独自に作られた伝説なのです。 さて、こ...
(前回からの続き) 第2の仮説 「 もう1方の仮説はこうです(*1)。 それは、はるか昔のある時期のことでした。 散り散りになった古代イスラエル人の一団が、直接、ハワイの島々にやって来ました。 もしくは、『ポリネシア人』が大移動を始める前の、マレーシアにやって来た...
(前回からの続き) 第1の仮説 「2つの仮説」、とフォルナンダー判事は言います(*1)(*2)。 「民間伝承のこの顕著な類似性を説明するには、まず2つの仮説を立てるのが良いでしょう。 その第1は16-17世紀、スペインがスパニッシュ メインとマニラの間で、ガレオン貿易...
(前回からの続き) 伝説は宣教師の渡来前からあった そしてディブル牧師は彼の歴史書の中で、これらのハワイの伝説について次のように述べています(*1)(*2)。 「これらハワイの伝説は、ハワイの人々から宣教師たちに、口頭で伝えられました。 そしてその時期は、聖書がハワ...
(前回からの続き) 鯨(くじら)に飲み込まれる フォルナンダー判事は、もう1つの伝説でも同じだ、とほのめかしています(*1)。 そうです。次の伝説の中にも、旧約聖書に似た箇所があるのです(N.1)。 「 オアフ島の預言者ナ-ウラ-ア-マイヘアは、オアフ島を出発してカウ...
(前回からの続き) このままでは日が暮れる 「 有名なハワイの伝説ヒイアカ-イ-カ-ポリ-オ-ペレの中に、次のような場面があります(*1)(*2)。 ヒイアカは、姉ペレが愛したロヒアウの体を、回復させ生き還らせるために、カウアイ島にやって来ました。 しかし、カララウ山...
(前回からの続き) クウラは魚の神 かつては、ある種の魚はタブーとされ、いついかなる時も捕まえることが出来ませんでした(*1)。 なぜなら、それらの魚はクウラのカプ、とされていたからです。 ここでいうクウラは、ハワイの水域の魚類を繁殖させた、魚の神様です。 ...
(新しいお話の始め) これからご紹介する色々な魚のお話しは、地元の漁師たちにより語られ、概ね(おおむね)信じられています(*1)(N.1)。 ここで取り上げるお話しのバージョンには、他とは異なる特有の部分が若干あるかも知れません。 しかし、このお話しの概要は人々によく...
(前回からの続き) 2人は仲睦(むつ)まじく過ごした この他にもカマプアアについては、数多くのことが知られています(*1)。 しかしそれらは、ここでご紹介したお話しとは関連がありません。 ですからここでは、次のことだけ触れておけば十分でしょう。 すなわち伝承による...
(前回からの続き) あの溝はカマプアアの背中の跡だ 前にお話ししたあの滑らかな溝は、この戦いの際に、カマプアアにより作られたものだ、と言われています(*1)。 というのは彼は一度ならず、今回と同じような窮地に、追い込まれているからです。 地元の古老たちは今でもなお、そ...
(前回からの続き) 王がカマプアアを追い詰める 王の攻撃が成功して、敵方は甚大な被害を受け、平原から追い払われました(*1)。 そしてあの滝に通じる渓谷、カリウワアに追い詰められてしまいました。 王はこの時、「これで確実にカマプアアを捕まえることが出来る。」 と思いま...
(前回からの続き) カマプアアが王の鶏を盗む あるときカマプアアは、鶏(にわとり)を何羽か盗みました(*1)。 その鶏は、当時オアフ島の王だった、オロパナが飼っていたものでした。 カネオヘに住んでいた王は、泥棒を捕らえようとして、何人かの家臣を送りました。 ...
(前回からの続き) 美しい自然に伝承が宿る 上に述べたように、このスポットは風光明媚な自然の魅力で有名です(*1)。 そしてここには、自然の魅力と同じくらい際立った特徴がある、とハワイの人々は主張します。 すなわちこのスポットは、古い伝承としっかり結び付いているのです...
(前回からの続き) ククイの老木と流れ もう一度ククイ、一本の老木、に目を向けてみましょう(*1)。 その幹は歳を重ねるにつれ、コケが生えて白くなっています。 幅の広い大枝が、流れのはるか向こう側まで伸びています。 この流れが、ククイの活気あふれる根に、栄養分...
(前回からの続き) 川そのものが美しい このスポットの美しさは、生い茂った緑や、素晴らしい断崖とゴツゴツした岩、だけではありません(*1)。 渓谷の川の流れ自身が美しいのです。 この滝つぼから出発すると、眼下に見える一番下流に着くまでの間に、 さまざまな魅力あふれ...
(前回からの続き) 自然を愛する人の小径(こみち) この滝に通じる小径は、自然探索を愛する人ならば、誰にとっても大変興味深いものです(*1)。 出発点は渓谷の一番奥、我々が馬から降りた所です。 徒歩で山に足を踏み入れると、一歩進むたびに新しく、独特の美しさが目の前に現...
(前回からの続き) 上流にはもっと大きな滝 地元の人々の話によると、この上流には滝が2つあります。 しかしその2つとも、下からは視界が妨げられて見えません。 なぜならば、川の流れの方向が急に変わっているからです。 2つの滝の垂直高さは共に、我々が見た滝よりも、はる...
(前回からの続き) もう一つの似た断崖に着く 現在の小川に戻ると、我々は再びあの滝に向かって進み始めました(*1)。 しかし、そう遠くまで行かないうちに、上でご紹介したものとは別の、もう一つの断崖に着きました。 それは小川の右側にあって、先ほどの断崖と色々な面で似てい...
(前回からの続き) 珍しい地形ワア(カヌー)の先へ 上流に向けて400mほど進むと、目の前に珍しい地形が現われます。 案内人はそれを指さしながら、こう説明します。 「これは地元の人々が、ワア(カヌー)と呼んでいるものです。」 それから右に曲がると、今度は水無川に沿...
(新しいお話の始め) カリウワアの美しさは島一番 オアフ島の風上側、ライエの数マイル東にあるのが、カリウワア渓谷そしてカリウワアの滝です(*1)(N.1)。 ここはこの島で最も美しくロマンティックなスポット、として注目されています。 また伝承の世界では、地元で関...
(前回からの続き) 王は待ち焦がれた魚で死んだ アイアイに籠を貸してあげた人の何人かは、魚の束を抱えて王のもとに戻って来ました(*1)。 あまりにも沢山の魚を見て、待ち焦がれていた王は、ひどく興奮しました。 手を伸ばして一匹つまみ上げると、それを食べようと口の中に放り...
新年おめでとうございます。 今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 🎍🎍🎍🎍🎍 🎍🎍🎍🎍🎍
(前回からの続き) 両親に魚を取ってもらうんだ そこでアイアイは、彼の友達にこう言いました(*1)。 「さあ、両親をここに連れて来て、魚を取ってもらうんだ。 籠を持って来てもらおう、獲物を家に持ち帰るんだからネ。 君の両親が一番最初だ、好きなものを選び取ってもらう...
(前回からの続き) 不漁の現場をこの目で見よう アイアイが、両親への呼びかけや友達への指示を、終えた時のことでした(*1)。 ハネオオの浜を、数人の人が魚捕り用の籠(かご)を持って、歩いているのが見えました。 彼らは海の中に籠をセットしたのですが、何一つ捕れなかったの...
(前回からの続き) 友達の両親も漁に加わっていた アイアイと友達になった男の子の両親も、この漁(りょう)のグループの中にいました(*1)。 彼らは王の命令に従ったものの、苦労しただけで何も得られませんでした。 アイアイは、毎日ハネオオに下りて行く彼らの姿を見て、どうし...
(前回からの続き) いつもの餌(えさ)がいない 人々は王の命令に従いました(*1)。 彼らは魚捕り用の籠(かご)を手に、海辺へ下りて行くと、 いつもの餌(ウエウエ)を見つけようと、あちこち探し回りました。 捕まえたら細かくすりつぶして、籠に入れるつもりだったからで...