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2018/03/07

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  • [ペロゥタスの夜の徒花] 20

    (三) いったい何分が、いや何時間が経ったのだろうか?   突然、周囲が、どっという喚声でざわめき立った!   はっとして我にかえり、わたしはとっさに、…

  • 「ジャポンって、知っている?」 「ン、ン」 と少年は、立てた人差し指を横に振った。 「あなたが

    「ジャポンって、知っている?」「ン、ン」 と少年は、立てた人差し指を横に振った。「あなたが立っている、ちょうどその反対側にあるのよ」 少年は驚いたように、青緑…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 18

    もちろんわたしは自分で働き、自分で得た金銭で旅をしている。そのかぎりにおいて、人からとやかく言われる覚えはない。しかし、この少年をこのまま見捨てるのは、人間…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 16

    哀切の思いよりも、いまは・・・・妬ましい思いに駆られて少年を見つめながら、わたしは、自分がいまだ知らない体験を乗り越えてきた少年に対して、畏怖の念にも似た敬…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 15

    幸か不幸か、いまだかつてわたしは自分の身のまわりで、身近かな人の死にあったことがなかった。祖父は三才のときに死んだが、身近かな存在ではなかったし、まだ幼な…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 14

      フイに、冷ややかな石だたみの感触がわたしの背筋を這いのぼってきた。さっき街をぶらついたときに見た、庇(ひさし)というほどの屋根の出っぱりもない壁づくりの四…

  • ペロゥタスの夜の徒花 13

       少年に背を向けられ、ひとりぽっちになってみると、思いだしたように不安が波立ちはじめる。この先、ここにいる大勢のオトコたちと、どうやって空席を奪い合うのだ…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 1

       飽かず眺めつづけるわたしの視線を、少年は憮然として受けとめていたが、さすがに当惑したように目線を落として、またボソボソした声で言った。「どうしても描いて…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 12

      飽かず眺めつづけるわたしの視線を、少年は憮然として受けとめていたが、さすがに当惑したように目線を落として、またボソボソした声で言った。「どうしても描いてく…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 11

       振りむいた少年の顔は、椅子に座っている私の顔とほとんどおなじ高さにあって、透きとおるほど白く細っそりとして、綺麗な顔立ちだった。  少年はやがて、ズボン…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 10

    (三) 大勢の異人種のオトコたちの間で、わたしはたった、ひとりぽっちだった。だれも話しかけてくるものはいなかった。これまで通ってきたブラジルとは、まったく様…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 9

        それにしても‥‥こんな小さな街から、どうしてこんなに大勢のお客が途中乗車するのだろう。さっぱり分からない。悪い夢でも見ている気分だ。見わたせば店内は男…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 8

    とっぷりと暮れた夜の暗闇の下、見ず知らずの街をたった独り不安にまみれてうろついた末、ようやくたどり着いた「国際バスの停車場」は、中華料理店の通りに交差する…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 7

      おやまぁ、こんなところを『国際バス』が通過するのだろうか?   とても不安になったが、考えてみれば、こんなへんぴな街から国際バスに乗る人など、いないのかも…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 6

      「街道筋」でバスを降ろしてもらうと、あたりは人家の明かりひとつ見当たらない。コンクリートづくりのプラットフォームらしきものはあるが、わたしの背の丈ほどの雑…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 5

       ヒコーキはありません、という言葉だけがはっきりと聞こえた。   なんですって!と、今度はわたしの方が青くなった。 「ヒコーキはない? どうしよう!」 す…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] 4

               (二)   地図を開くまでは知らなかった「リオ・グランデ」は、ブラジル南部最大の都市ポルトアレグレの「となり町」である。隣町とはいえ50…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] ②

    広大な南米大陸の旅である。旅の途上、訪ねる街々をゆっくり堪能しようと思えばヒコーキに乗る方がいい。しかし‥‥バスの方が、移動の料金はずっと格安だし、それに・…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] ③

    ウルグァイとの国境も近くなったからか、街中には、壁面に白いコテの跡を残したスペイン風のレストランなどもあり、サンバに代わって、独特の歯切れのいいタンゴが聞こ…

  • [ペロゥタスの夜の徒花] ①

    (一)  ペロゥタスという名の街はわたしにとって、不案内な旅上の手違いから偶然たちよることになった、ほんのバスの乗りつぎ地点にすぎなかった。 それは、南…

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