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天樹老人美食エッセイ
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2018/02/27

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  • 病児に鰈(カレイ)の煮付け; 地獄絵と宗教的感受性

    私は子供の時、しょっちゅう病気した。生まれた時は丈夫だったのだが、3歳の時、疫痢(えきり)という怖い病気になって死にかけ(同時に疫痢になった他の子は、実際死んだ)、以来弱い子になってしまったのだ。風邪の時は、じっと寝たきり。食べさせてはもらえるが、本を読むことは禁止である。お腹をこわした時は、食べられないが、本は読ましてもらえる。どっちがいいか?よく考えたものである。風邪の時の食事は、決まって「鰈の煮付け」だった。今レシピを見ると「水に砂糖、酒、醤油、味醂(みりん)」で煮汁を作るとあるが、昔の大阪の商家の病児向きのは、も少し薄味で、カレイも大きな切り身でなく、小型の魚まる一匹。背中(褐色肌の方)に一筋包丁の切れ目を入れ(煮汁がしみ込むように)、裏は白い肌。白い側の方が、アッサリして美味しいと感じた。今思えば、親...病児に鰈(カレイ)の煮付け;地獄絵と宗教的感受性

  • どら焼き専門店「志ち乃」; お金と自由と車を得た専業主婦

    私は、生来、また学者という職業上、しょっちゅう考えに耽る(ふける)のが癖だから、運転は危ないと判断し、一生、ハンドルを握ったことがない。でも、アメリカで暮らすことになったので、車無しの生活は出来ない、となった。それで、家内正子に「国際免許を取ったら、アメリカへ連れて行く」と誘ったら、「行く、行く。免許とるわ!」と二つ返事。だいぶ苦労したが、どうやら国際免許が取れて、アメリカへ渡った。でも、サクラメントで暮らした間、スーパーとバス停が家の前なので、結局車は持たなかったのである。(彼女はサクラメントでも路上講習を受けて、Ncw,youcangoanywhereyouwant.と許可はもらったのだが。)帰国後、夫(私)が筑波大学に移ったので、付いて筑波研究学園都市に来た。ここでもしばらくは便利な官舎住まいで、車を持た...どら焼き専門店「志ち乃」;お金と自由と車を得た専業主婦

  • 超高級焼酎「百年の孤独」; 省庁の出城

    今年2018年、国会の(証人喚問しようとの)追求を逃れて、佐川宣寿前国税庁長官(前理財局長)が「潜伏」していたと言うので、「KKRホテル東京」(財務省傘下〈さんか〉の国家公務員共済組合連合会が経営)が有名になった。一応「ホテル」とは名乗っているが、チェックインしようとすると、「共済組合員証」(公務員であることの証明)の提示を求められる。共済組合員には料金の割引があるから…と言う、もっともな理由ではあるが、「胡乱(うろん。怪しい)な者は入れない仕組みだ。「週刊××」の記者なんかは、もっとも「胡乱なる者」であろう。(佐川さん、守られてる〜!)自治省(今の総務省)傘下にも同様の「ホテル」がある。千代田区平河町という枢要(すうよう)の地にありながら、和座敷も持っている(高層だのに、この座敷は庭も持っている!)。私が、こ...超高級焼酎「百年の孤独」;省庁の出城

  • 冬のアイスクリーム; 雪ん子百合

    次女百合は、小さい時から雪が降ると☃️☃️大喜びの雪ん子だった。ロシアへ行って(最初は大学生で冬休み)、そのすごい寒さが気に入ってしまい、毎年冬にロシアへ行って楽しむ。(夏は、もちろん暑い日本から涼しいロシアへ逃避する。)ロシア語は完璧に話せるが、東洋人の顔をしているから、ロシア(西部のサンクトペテルブルクなど)では、「貴女はヤクートから来たのか?」と言われる。ヤクート(Якут。今の名はサハСаха)は、シベリア東部で世界最寒地ベルホヤンスク(Верхоянск市。平均気温は1月にマイナス46.3℃‼️)のある地方である。モンゴル系のヤクート族(言語はトルコ語系)が住んでいるから、百合の容貌から推測したのだろうが、寒さや雪を喜ぶ雪ん子ぶりも、推測の原因かもしれない。ロシア🇷🇺人の大好物は、アイスクリームである...冬のアイスクリーム;雪ん子百合

  • アイスクリーム; 戦時下の心安らぐ時

    1941年昭和16年私7歳の12月8日に大東亜戦争(太平洋戦争)が、真珠湾攻撃で始まった。戦線は東アジア・西太平洋一帯に広がり、私の父(私より30歳年上の陸軍中尉)は、召集されて、3度目の出征(しゅっせい)。インドネシアのハルマヘラ島へ送られた。残った母は私より24歳上の、まだ30代前半の奥様(大阪船場〈せんば〉の問屋の御寮人さん〈ごりょんさん〉)で、4人の子持ち(昭和16年開戦時現在で、9歳、7歳(私)、5歳、3歳という頼りない存在)。それで、主人のいない店を、大勢の店員、女中を指揮して、守って行ったのである。その心労たるや、大変だったろうと、今思えば、ただただ頭が下がる。戦争のため、物資も不足して、よく回らず、食料さえだんだん減って来る。ついには、昭和20年3月13日の大阪大空襲で全焼、命も危ない瀬戸際へ追...アイスクリーム;戦時下の心安らぐ時

  • 霧筑波大吟醸本生; 美味い良い酒を覚えた方が…

    「私はクリスチャンです」と言うと、「ではお酒は飲まないんですね?」とよく言われる。でもイエス・キリストの最期の晩餐では、キリストは、「皆、この杯から飲みなさい。これは…私の血、契約の血である。」と弟子たちに飲ませた。「ぶどうの実から作ったもの」と聖書(マタイによる福音書26:27~29)に書いてあるから、ワインであることは間違いない。ワインを飲まなくては、キリスト教は成り立たないのだ。日本にキリスト教が来たのは、1540年で、ザビエルが旧教(カトリック)を伝えたから、「キリスト教は禁酒主義」なんてことは、全くなかった。明治になってから、新教(プロテスタント)が伝わり、その一派「メソジスト」(生活方法methodを厳しくするMethodist)が、やけにやかましく「禁酒」を唱え、近代日本人に強い印象を与えたのであ...霧筑波大吟醸本生;美味い良い酒を覚えた方が…

  • フランス料理「リヨン・ド・リヨン」(つくば市); ワイン選び成功

    有料老人ホーム「サンテーヌ土浦」が、土浦市の乙戸沼(おっとぬま)公園の花見とつくば市の「リヨン・ド・リヨン」のランチ(食費は私費負担)へ車で連れて行ってくれると言うので、前日は、まるで遠足前の子供のように、ウキウキして、ワインは何にしようかなどと考えて楽しんだ。2018年4月5日晴れ。20人ほど2台の車で出かける。暑かったこの春、桜は満開過ぎてあらかた散っているが、まだ八重桜、牡丹桜は見事。乙戸沼には残り鴨もたくさん愛嬌を振りまいている。太幹に突き立つ一枝桜咲く加藤国彦残り鴨三角波を引きて寄る大樟に少し離れて花かしづく大桜半ば切り株なれど咲く足心もとなき夫婦遅桜フランスの美食の町「リヨン」に心酔して主人が「リヨン・ド・リヨン」と言う店をつくば市に開いた。リヨンはフランスの中南部である。ならば、その近くのブルゴー...フランス料理「リヨン・ド・リヨン」(つくば市);ワイン選び成功

  • 土浦の花凛(かりん); 街の中華家庭料理のシェフ、意外の腕利き

    2018年3月23日ふらりと花凛という小さな中華に入る。地方都市のこととて、駐車スペースは4台分ほどあるが、店内はせまく、18人も客を入れればいっぱい。この店を夫婦2人でやっている。主人がシェフで奥さんか配膳と会計。試しに「大餃子(ギョーザ)セット」を取ったら、これが旨い!ニンニクを入れてないのに、細かく刻んだニラでいい味を出している。ギョーザも卵スープも油を上手に使って、旨い味を出している。棒棒鶏(バンバンジー)の前菜と杏仁豆腐(あんにんどうふ)のデザートのついたセットで650円。生中(なまちゅう。生ビール中ジョッキ)550円。一度にシェフのファンになり、娘(筑波大学教授)がロシア人夫婦(セリョージャとタマーラ〈東京藝術大学客員教授〉)をもてなすのに勧めた。この3人も3月24日早速行って大満足(まさか「大餃子...土浦の花凛(かりん);街の中華家庭料理のシェフ、意外の腕利き

  • 貴船の川床(ゆか)料理; 贅沢な行政から生まれた緊縮「計量行政学」

    1962年昭和37年は、高度成長時代(1955~1973年)のただ中で、大阪府庁の行政も随分(ずいぶん)ゆとりがあった。私は28歳、自治省からそこへ派遣され、やはり自治省から派遣の大植金平企画課長の下で、「大阪地方計画」というものを作っていた。大阪府知事の左藤義詮の下に、副知事、その下に知事室長、その下に企画長木代一男(きしろ・かずお)といて、その下が大植企画課長である。大植課長は、ややこしい計画作りを随時上に報告すべき役割だが、木代企画長は、個室で何もせず大メシを食うだけの人なので、「あれは、キカクチョウじゃなく、胃拡張だ。説明するのは、時間の無駄だ」と、飛ばされていた。計画作りの真剣な討論は、外部の学者の「専門調査会」と若手職員(のちに副知事になった東大経済学部卒の浦西良介氏や私たち)がしていて、その結果を...貴船の川床(ゆか)料理;贅沢な行政から生まれた緊縮「計量行政学」

  • えぞ(蝦夷)料理; 天才(小室直樹)を日本はどう遇したか?

    『エイチ教授こばなし集』にこんな話がある。〈昼飯〉安い昼飯を探して「えぞ料理」屋へ来たサラリーマン4人。3人は「サケどんぶり」を頼み、1人は「カレイ定食」を注文する。「サケが先に来て、3人が食べ始めても、「カレイ」がなかなか来ないので、じれて、「カレイはまだ焼けないのか」と怒ったが、店の女が、「なにしろ分厚いので」と答えると、ニコニコ。「えぞ料理ユック新宿店」は、西新宿副都心「新宿住友三角ビル」50階にあり、眺望素晴らしく、「焼き魚2点焼き890円」なんかが食べられる。私が隣の新宿三井ビルのNIRA(総合研究開発機構)で主任研究員を務めていた頃よく行った店である。御察しの通り、贅沢(ぜいたく)ではない、サラリーマン向きの店。アメリカから帰って、万能の天才学者・評論家として売り出し始めた小室直樹博士(博士号は東大...えぞ(蝦夷)料理;天才(小室直樹)を日本はどう遇したか?

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