さて、大河ドラマの季節である。前々回の明智某は最初だけ。前回の渋沢某はついぞ見ず。の私だからたいそうなことは言えないのだけれど、言い訳をすれば、面白い面白くないは関係なくて子どもと一緒ではドラマは見れないのである。で、今回の『鎌倉殿の13人』 いまは単身赴任中だから見られる。ゆえに見る。 そういうわけで第一回の所感。 源頼朝水曜なんたらは一度も見たことがないが、大泉洋は好き。貴種のぼんぼんらしさと本心を読めなそうな、つかみどころの無さがよい。 北条政子小池栄子はもっとよい。 (最近の彼女はなんだか篠原涼子の後釜のような役回りだなあ、と思うのだがそれはまあともかく)手のつけられないヒステリーを起…
きょうも平和。なにも無し。 ◆本日の夕食 スーパーで買った198円のピザ。ピーマンとハムとチーズを足す。文句のつけようがないくらいうまい。ブロッコリーを買い忘れたのが失敗。安くてうまくて調理した気にもなって、とってもよろしい。 ◆本日の夜食 豆腐を焼く。揚げ出し豆腐が食いたい食いたい食いたい。と思えどもそんなものは冷蔵庫に無し。それっぽければいいか、と冷奴を焼いてみた。うまい。のだけどもすぐに冷めちゃうのが難。 ◆ひまつぶし 次男坊は妻とおばあちゃんちに行ってしまったが、お父さんだってたまにはひとりでプラレールをつくりたい。あんがい楽しい。
鮭のあらを買ってきて ◆お求めやすい198円 ハマチやカジキマグロのあらも売っていたが、それは私の手に負えない。鮭ならなんとかなりそうだ。 ◆ヒレを落とすのがたいへんで めちゃくちゃ硬い。では強引に切り落とせ。怪我してもおかしくないので要注意。 ◆じゃあ、きょうはあら汁ね 大根人蔘蒟蒻を。しかしである。私には、鍋いっぱいの湯にどの程度の具を入れたらいいのかわからない。味噌の量もわからない。けれどもまあいいのだ。てきとうだ。てきとう。てきとうに煮込んでもなんとかなる(はず)。玉ねぎは入れない。甘くなっちゃうから。ごぼうは入れたい。だが買い忘れた。ビールを飲みながら楽しくつくれ。 ◆お遊びついでに…
長男が、お父さんはお侍さん好きでしょ!こういうのはどう?と薦めてくれたので、見た。引っ越し大名! [DVD]星野源Amazon役者をしている星野源を見るのは初めてだ。可もなく不可もなし。テンポがよいので見ていてストレスを感じない。ただ、散漫な感じはする。いろいろ詰め込み過ぎかなあ。チャンバラしているAGCの人は余計だね。この映画の大名は松平を名乗っていて、かつ姫路から日田、さらに白河へ移封されているあたり、けっこうな大身のよう。モデルがあるのかしらん。江戸時代は、前時代と比べると(あるいは同時代の他国と比べても)格段に幸せな社会だったが、現代からみれば勝者のいない社会に映る。そこら辺の悲壮感が…
土曜日と日曜日の昼食にパスタをつくる。 ◆黄色のやつ 全卵と生クリームのカルボナーラ。生クリームを使ったのは、賞味期限が切れそうだから使いなさいと妻に厳命されたため。卵白を加えたせいか、あるいは火が強すぎたせいか、玉子がやや固まりかけなのが減点。私はカルボナーラをつくるのが下手。具材は鮭と玉ねぎとブロッコリー。 ◆緑色のやつ 冷蔵庫に入っていたバジルのドレッシングと和えてみた。サバ缶をイン。植木鉢で栽培している紫蘇もイン。バジルと紫蘇の組み合わせはどうか(センスの欠片もない)。でもまあうまいからよし。 味は不満無し。ただし面白みに欠けるね。えっ、そんなの入れちゃうの?というのをやってみたいが、…
近所のスーパーで鯛のアラを買う。鯛のアラ(1) イチキュッパ!お安いのはよいことである。198円なら失敗してもかまわない。勉強賃か遊び賃。 臭み取り 血合いを取り除くため水で洗う。臭みを消すため塩漬けにすること三十分強。この時点では何をつくるか決めていない。味噌汁かなあ、とぼんやり考えていた。 焼いてみようよ! と長男が言った。焼くのもありか。じゃあ焼こう。が、ガス台に備え付けのグリルは使い方がわからない。かつ、妻が怒りそうな気がする。よってアルミホイルを敷いてトースターに入れた。焼き上がったのを長男とふたりで食う。うまい。アラなのでかなり脂っぽいが、うまい。箸では捌けないので手を汚しながら食…
『大阪ガスグループは大ガスグループへ』と地下鉄の広告に書いてあった。 へえ〜とふ〜んの中間くらいの感じで眺めながら最初に浮かんだのは(グループの名称は変えるのに本体はそのままかいな。思い切りがよくないね)という余計なお世話でしかない感想で、それはまあいいとして、次に浮かんだのは(また『ダイ△△』か…)であった。またか、と表現するほど知らないけれどもね。 そういうわけで、以下、『ダイ△△』なみなさん。 ◆ダイハツ 大阪発動機さん大阪府池田市ダイハツ町の完成車メーカー。そういえば、ダイハツさんがどうしてトヨタと手を組んだのか、私は知らないなあ。私が車に興味を持ったときには既にそうなっていたね。 ◆…
平安時代の、優雅で心地よい「匂い」ではなく、不快な「臭い」に着目した本。主に、人や獣の糞尿と死骸について。 平安京のニオイ (歴史文化ライブラリー)作者:政彦, 安田発売日: 2007/01/01メディア: 単行本平安京の人口は十万程度とどこかで目にした記憶がある。で、十分に整備されていない都市に現代とはまるで異なる社会通念を持つ人が十万も集まると、はてさてどうなるのかな?を考えてみると、そりゃどえらいことになるよねえ…となるわけだ。うんちが風化するのに必要な時間なんて知りもしない。死んだ人間の腐臭はもちろん嗅いだことがない。そういう臭いを私は知らない。ほんとうに良い時代に生まれたものだね。 …
近ごろ私のスマホに収められた写真たちを。 ◆ゼリーをつくろう!次男坊とゼリーを楽しくつくれ。ゼラチンの素と果汁100%ジュースを買いに行く。そして、これだけのためにわざわざ容器を買う。どう考えてもおかしい。が、冷凍庫の製氷器を使おうとしたら妻が怒ったのでそうなった。ったく。ありあわせでなんとかする行為を、人は工夫と呼ぶのではないのかね? ◆水餃子をつくろう!長男と水餃子を楽しくつくれ。うまかった。私がやりがちな、「どうせだから白菜と長ネギとえのき茸も入れようぜ!」をしなかったのが勝因。余計なことをするなと長男に釘を刺されたのだ。 ◆これもつくろう!家族でこれも楽しくつくれ。「チーズタッカルビも…
四月に亡くなったとネットで知った。誰にでも、若い頃にハマったものの今はもう関心が失せた、とか、好きなことに変わりはないけれど新刊を手に取るほどでも、という作家がいる一方で、それでもこいつだけは別よ、的なごひいきがいるだろう。私にとってのそれは高島翁だった。 そうか。もういないのかと思いながら、図書館で手当たり次第借りてきた。いくつかは私の本棚にあったはずだ。どれが既読でどれが未読かも忘れた。でもまあいいや。何度読んでも楽しいから。とりあえず、文字どおりに手当たり次第借りてきた。帰省がお流れになった退屈な連休は、これらを読んで過ごそう。合掌
文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか (草思社文庫)作者:ひかり, 大塚発売日: 2016/12/02メディア: 文庫内容はおおよそ題名のとおり。「三世代同居で、子や孫に囲まれ、茶などすすって隠居暮らしをする老人」という、現代人の思い描きがちな老人像とはほど遠い姿が、そこにあることがわかります。昔話の時代において、老人とは何歳以上を指すのか。老人の地位と扱われようはどうか。老人と性、他について。 日本にはかつて、老人なんて単に長生きしただけの人でしょ?と見做す文化があったらしい。現代日本人である私たちは、祖先崇拝と年功序列と孝行と肉親の情と弱者への配慮をごちゃ混ぜにしたものを「敬老…
きょうは妻と次男坊が実家へ行ってしまったので、長男と留守番泊の日である。そして、長男の申し出により、晩飯に宅配ピザでも食べよう!となったのだが、すぐにふたりとも(めんどくせえからまた今度にすっか)と、お流れになった。 そうして近所のスーパーに買い出しへ。出来合いのピザを買った。このピザの正しい呼び方を知らないが、「出来合いのピザ」で通じると思う。冷凍ピザではない。冷凍されていなかったから。インスタントピザや即席ピザでも通じそうだが、なんとなく、そうは呼ばない気がする。 この類のピザを買うのは初めてである。 が、どういう味かは想像できる。きっと、十分においしいんだけど何かが足りないよね…といった…
の道具にされてしまって、賢い人の賢い考えは本質から外れたところでエネルギーを消費される。というのが正直な感想。もうすこし打算的な解決ができないのかなあ、と常々思うのだが、私は向こうの人ではないから良否については述べない。私の問題ではないから言わない。 冷たい檻 (中公文庫)作者:伊岡瞬発売日: 2020/04/22メディア: Kindle版前半は満点。後半まで読み進めて、(あれれ?前振りの量と残り頁数がつりあわないような…)と気がついた。けっきょくお終いまでつりあわなかった。ところが、よくいう『伏線』を回収しない、投げっぱなしジャーマン小説に対して猛烈に腹を立てる傾向にある私にしては、どういう…
いちご畑は、住所でいえば神戸なんだけどふつうそこを神戸とは呼ばないよね、という場所にあった。 ◆いちごはかわいい いちご畑で対応してくれたのは、いちご農家のおじさんと彼のご子息だった。私たち家族しかいないせいだろうか、小僧さんがつきっきりで私たちの面倒を見てくれた。 小僧さんは、とても明るく、元気がよく、物怖じをしない明朗快活な少年だ。快活さでは負けるが物怖じの無さなら勝るとも劣らない我が家の長男は、すぐに打ち解けていた。ふたりで一緒にビニールハウスの中に入って、「このいちごはどうだ、あっちはどうだ、つーかお前何年だ」と仲良く遊んでいた。次男坊も小僧さんを気に入ったらしい。 車から『鉄おも』を…
最近の長男は、弱虫ペダルというアニメに夢中だ。私はタイトルすら聞いたことがない。妻は知っていたようで「漫画が70冊くらいあったはずやで」と教えてくれた。左様か。では有名なのだろうね。でも私は知らなかった。アンテナが低い。そういうアニメを酒を飲みながら断片的に眺めている程度なので、感想は特に無い。あえていえば、(この人たち、チャリ漕ぎながら器用におしゃべりするなあ…)と感心するくらい。 一方、首を傾げてしまったのが、『総北高校』という作中の舞台である。千葉県にあるらしい。千葉のことはよく知らないが、総北という名称は通用するのだろうか。下総の北で総北か。下総の北半分は茨城だからこれはあり得ない。そ…
守備範囲が極端に狭い私が最近読んだ本を。 旗本御家人 (歴史新書y)作者:氏家 幹人発売日: 2011/10/06メディア: 新書サラリーマンとしての武士の実態を面白おかしく紹介してくれる。基礎史料は国会図書館所蔵の『醇堂業稿』という旗本の回顧録だとか。正直なところ私は、ひまつぶしに恰好の史料くらいの軽い気持ちで、『醇堂業稿』の複製物を、通勤電車でもまれながら、あるいは自宅のソファに横たわりながら、日々漫然と眺めたのである。あこがれるなあ、こういうの。私には老後を楽しむための「定年後にやりたいことリスト」というものがあって(「数十年後へ先送りリスト」ともいう)、そのうちのひとつが、くずし字の読…
五歳児のあれやこれや。先週の次男坊は、おおきくなったらデカ盛りハンターになりたいと言っていた。でも、その直後に「おとうさん、はんたあってどういうこと?」と尋ねるくらいだから、彼は何もわかっていない。聞いた私は、デカ盛りハンターが大食いファイターとどう違うかを考えていた。 昨日の次男坊は、おねだんいじょうニトリ!を繰り返し歌っていて、「おとうさん、いじょうってどういうこと?」ときいてきた。相変わらず何もわかっていない。ただ、「にとりってなに?」とは言わないところから察するに、固有名詞とそれ以外の区分けはしっかりできているようだ。ニトリが何屋か知っているのだろうか。そして、レゴでニトリを作ってくれ…
最近読んだ本をてきとうに。 本と鍵の季節 (集英社文芸単行本)作者:米澤穂信発売日: 2018/12/14メディア: Kindle版図書委員ふたりの連作推理短編。良い意味でお手軽。男子高校生の会話に違和感を覚えるけれど、それはまあ仕方がないか。助手役に語り手をさせると、どうしたってホームズとワトソンになっちゃうんだから。それにしても日常の謎風のミステリーはいい。何がいいって、館とか密室とか奇人変人探偵とか天才とか黒髪の美少女とか、そういうのが一切現れないいところがいい。 サムライとヤクザ―「男」の来た道 (ちくま文庫)作者:氏家 幹人発売日: 2013/03/01メディア: 文庫武士道と任侠道…
児童向けの歴史の本を読むのが割と好きです。 ◆わかりやすい? 眺めていると、これを買ってきた妻が 「どう?わかりやすい?」 と訊いてきました。「さあ、どうだろうね」 おもしろいかを訊いてほしいです。 まずは歴史について。 ◆国うみ? ここはけっこう重要な気がします。日本の創世記には、列島をつくった記述はあっても人間をつくった記録がありません。中東や中原の神は人をつくった。日本の神はつくらなかった。たまたまでしょうか?私はたまたまではないと思います。 ◆弟のスサノオ? 彼らは何を仮託されているのでしょうか。望まない訪問者が首都に侵入した。武装して出迎えた。勝負に敗れた。田畑を荒らされた。恐怖で暗…
きょうは法事で東京へ。他府県への移動はお控えください。 と言われた気もするけれど、今回の法要をサボってしまうと確実に祟られる。止むを得ない。妻子は連れず。 移動の前日。 「卒塔婆って関東特有なん?大阪ではみーひん」 と妻がいう。 うーん。どうだったかな。言われてみれば、妻の父方と母方の墓には無かったように思う。他の墓は…知らん。法要の当日。 「卒塔婆は、墓石を用意できず、木で代用したことに由来するという説があります」 と副住職が言う。 あれれ。奇遇ですね。私はちょうど卒塔婆について知りたかったところなんですよ。ありがとうさまです。あと、大阪と卒塔婆の件は検索したらわかった。 おしまいに墓で線香…
近ごろ読んだ本を。 悪寒 (集英社文庫)作者:伊岡瞬発売日: 2019/10/04メディア: Kindle版とてもおもしろかった。が、一方でどうかと思った。 この小説の社会的意義は何だろうか。世に問いたいことや訴えたいこと、そういうものを感じ取れない。私は小説なんてただの娯楽で退屈を凌げたらいいと思っている部類だが、これでもかと登場人物を痛めつけておいて、それが物語の都合だけによるのであれば、いくらなんでもあんまりだ。 逃避行作者:小杉 健治発売日: 2019/09/18メディア: 単行本素封家夫人と警察のすれ違い小説。こちらは逆に社会性なんてどうでもよくて、逃げるから追う/追われるから逃げる…
びわ湖バレーへ車で家族で。 このスキー場は、ロープウェイで山を登った先にあってなかなか贅沢でおもしろいつくりをしている。しかしながら、そのロープウェイの運賃がどえらい高価で、我が家の場合だと駐車場代と合わせて一万円近く払わされるのだから、ぜーんぜんおもしろくない。それでも一時間でスキー場に行ける便利さはありがたい。 ◆雪はまばらだった この冬は充分に寒かったんじゃなかったっけ?私には関係ないけどね。 どうせスキーしないしな。長男はスキースクールにお預け。妻はお一人様スキー。残った私は次男坊とソリ遊びなのだ。雪質がどうだろうと、リフトがいくつか運休していようと、ぜーんぜん関係ない。 ◆ ほれほれ…
タイトルだけを見て手に取った。 地図も歴史も漢字も好きだから。地名の古代史 (KAWADEルネサンス)作者:谷川 健一,金達寿(キムタルス)発売日: 2012/01/25メディア: 単行本 中を覗かず。著作者の名も見ず。 図書館の本なんだから当たり外れは気にしなくてもいいや、借りてから考えよ。てな具合で。で、読みはじめてびっくり。 ほとんど朝鮮絡みじゃないか。なんでやねん。あ、金達寿さんの対談か。じゃあそんなもんか。と、なった。(碌に知らんのにどうして私はキムタルスさんと脳内変換したのだろうか。著作を読んだことはないはずなのに) そのようなわけで、内容もそのような感じ。 「朝鮮語で日本語を読め…
本を読む時間が足りない。 私は通勤時間に本を読む。 読書に限らず、ネット巡りも将棋のゲームで遊ぶのも新聞を眺めるのも、このブログを書くのも電車の中だ。であるので、読書に励めばブログは書けない。ブログに精を出す時期は本を開かない。最も割を食うのは新聞で、週末しか目を通さないこともある。 帰宅後は本を読まない。 早く帰れるときは子どもの相手をしたい。というか、早かろうと遅かろうと酒を飲むので、けっきょく家では読まない。 他に時間は。 ある。職場での昼休憩の時間だ。顔を伏せて寝ていてもあまり楽しくないし、いまは寒くて散歩に向かない。では本を読め。そうして今日は読書を試みた。が、やはり駄目だった。かば…
最近読んだ本をてきとうに。 看守の流儀作者:城山 真一発売日: 2019/12/09メディア: 単行本刑務官小説にハズレ無し(断言)。 日本古代史の読み方 456-785作者:遠山 美都男発売日: 2013/10/30メディア: 単行本(ソフトカバー)副題は『皇位継承事件に隠された真相を探る』歴史読本の連載記事をまとめたものらしい。言われてみれば確かにそんな雰囲気がある。とは言っても私が最後に歴史読本を読んだのは高校生の頃なのだけれど。感想:やっぱ孝謙天皇だよねえ… 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)作者:村上 春樹発売日: 2012/…
凄腕 (文春e-book)作者:永瀬隼介発売日: 2017/05/19メディア: Kindle版 初見の作家。 表紙の歌舞伎町の写真で購入を決めた。本をあまり読まない私が思うに、歌舞伎町を舞台にした本というのはおおよそB級と相場が決まっていて、当たりくじを引くことは滅多に無いのだけれども、途中でぶん投げるレベルの困ったちゃんに出会うことも同じくらい無い。したがって、読みたい本が見当たらないのであればとりあえず歌舞伎町モノにしたら?という程度に信頼してよいことになっている。 で、本作もどちらかと言えば予想を裏切らない出来で、総体としてはまあまあといったところなのだが、下っ端ヤクザやチンピラの描写…
底冷えした日曜の朝、小学校に忍び込んだ。通用門から侵入し、左手に体育館を右手に給食室を眺めながら進んでいくと、第二校舎の裏にある目的の小屋にたどり着いた。 小屋ではうさぎが飼われている。かつては二羽いた。いまは一羽しかしない。一羽はのっぴきならない事情があって何処かへ去ったのだろう。息子は、死んだのかな?と言い放った。そうかもね、と応じた。お引越ししたんじゃないかな、と答えるべきか少々考えて結局飲み込んだ。察しているのであればわざわざ誤魔化さなくてもよい気がした。 路肩の草を引っこ抜いて与えた。 めずらしく食い付きがよい。以前はここまで不用意に近づいて来なかったし、ひと口つまんで終わりだったは…
後漢書から明史まで。正史に描かれた日本に関する記事を、原文と書き下し文、現代語訳でまとめた本である。倭国伝 全訳注 中国正史に描かれた日本 (講談社学術文庫)作者:藤堂明保,竹田晃,影山輝國発売日: 2016/12/23メディア: Kindle版私は人並みに歴史に関心があるほうだと思うのだが、歴史小説がどうにもこうにも苦手で、ぜーんぜん読めない。よって、歴史の本を読みたいときは学生先生が書いたものを読むことになる。 が、私にはこの本は敷居が高すぎた。「倭は帯方の東南海中に在り」 なんて文を延々眺めていてもあまり楽しくない。注釈はあるが解説がないので、強弱を感じ取れない。私のような無教養者には、…
獄の棘 (単行本)作者:大門 剛明発売日: 2014/02/28メディア: 単行本新任刑務官の成長物語で、人情噺としても推理物としてもたいへんよろしい佳作短編集。 刑務所という重くなりがちな題材の割に意外とサクサク読める。倫理や正義をやかましく語らないところがよいのだろうね。エンターテイメントに徹している。個々の話はそれなりでも通読すると秀作。 というのが連作短編の醍醐味で、これを通勤電車で読む幸せといったら(ほんとうに)ない。もう少しで一話読み終わるのに最寄駅に到着してしまって仕方なく駅のベンチで読み続ける楽しさよ。 ところで。 題は『獄』と書いて『ひとや』と読む。うーん。これは読めない。私…
どんぐり公園には、家族の現実がある。 次男坊を連れてブナが茂る公園を訪れた。こういうの、去年もしたなあ。 去年はどんぐり将棋をしたんだっけか。 shabaduvitouch.hatenablog.comあ、一昨年の出来事だったのか。どうやら、二年前にも同じ公園の同じ石に腰を掛けて同じようにどんぐりで遊んでいたらしい。当時の記事を眺めてみると、二年前の私は長男に習い事ばかりさせる妻に腹を立てていたようだ。状況はさっぱり変わっていない。きょうは、妻と長男が学習塾の説明会だか面接だかに出掛けて不在するから、私と次男坊はどんぐりを拾いに来たのだ。 やはり腹立たしい。どうして小学五年生が塾に通わなければ…
とてもサービス精神の旺盛な作家だね。外道たちの餞別 (角川書店単行本)作者:伊兼 源太郎発売日: 2015/03/02メディア: Kindle版 最愛の友人をヤクザに暴行されたふたりの大学生が、闇に堕ちる覚悟を決め、仇討を誓う。そんな復讐劇が死の匂いを嗅ぎ分ける「嗅家」と近未来を覗くことのできる「視家」、ふたつの家系が存在した。とファンタジーに展開してしまう驚き。 欲張りぶりが半端ない。これを統一感のあるトーンで仕上げるんだからすごい。作品から溢れ出る独特さも相当なもので、読み手を選ぶ作家のように感じた。学生時代に出会っていたら嵌ったかもしれない。設定の奇抜さに目を奪われ最後まで楽しく読めた。…
セロリの葉を炒めてみた。茎が食べられるのに葉が食べられない道理はない。そう思ったからだ。フライパンにオリーブオイルを敷いた。にんにくチューブを捻った。点火した。ブロッコリー、ついで舞茸、セロリの葉を投入した。そして塩胡椒を振った。なんとなく醤油は合わないと思った。ぽん酢なら合いそうな気はした。 あと、走った。黒地に白抜き文字は、いけない。 とてもじゃないが、休日のジョギングは楽しいなあ、なんて雰囲気ではない。インパクトが強すぎる。走った内容になんのインパクトもないだけによろしくない。字体はかわいい。与える印象がかわいくない。(いったい誰やねん、配色設計をしたのは…)と正直思ったが、視認性は良い…
夏が過ぎたら走ろう。と思っていたら既に冬。涼しくなったらの季節は過ぎてもはや冬。あまり寒くはないけれど、冬だ。 そろそろと思い立ち、GPS腕時計を起動した。が、起動しない。数ヶ月ぶりだからヘソを曲げているのだろうか。充電器につないでもうんともすんとも言わない。どうやら寿命らしい。困ったなあ、と思った。 私はただ走って満足するタイプの人間ではない。記録されないのなら走らない。買い換える気も無い。少し考えたが、やはり無い。 ◆でも、もう着替えてしまったので走った スマホのアプリと一緒に。楽しい。数ヶ月ぶりだが楽しかった。きょうは陽気で暖かく、絶好のジョギング日和だ。近所の幼稚園に建屋新築の工事看板…
最近、台所に立つのが楽しい。休日に色々とつくっている。 たいしたものはつくれないが、何に手を出してよいかはわかってきた。というか、何に手を出したら痛い目にあうのか、判断できるようになった。 というわけで、きょうはカルボナーラである。 (これは失敗しても痛い目に合わない) ◆食材はこう。 レシピには生クリームと書いてあった。 でも、選んだのはホイップクリームである。お安かったからね。生クリームとホイップクリーム。ちがいはわからない。お安いなりに混ぜ物が加えられているのだと推測するが、どうだろうか。 ◆調理は長男。 玉子とクリーム、パルメザンチーズ。さあ、混ぜたまえ。 ほんとうは自分でやりたい。け…
最近読んだ書籍たち。 ゴールデン街コーリング【電子特典付き】 (角川書店単行本)作者:馳 星周発売日: 2018/12/27メディア: Kindle版馳星周の自伝的小説。すばらしい青春小説。ノワールの旗手として登場し、いまはハードボイルド風の小説を書いているけれど、この人が本当に書きたいものは別なんだろうな、という気がする。なんとなく。図書館で済ますには惜しい本。 手元に置くために買うべきか悩んでいる。 ザ・万字固め (文春文庫)作者:万城目 学発売日: 2016/03/18メディア: Kindle版肩の凝らないエッセイ。軽さが持ち味の作家なのでエッセイ向きかと思って手に取った。が、びみょう。…
ふるさと納税がいつ始まったかは覚えていない。けっこうな昔からやっていたような気もする。けれども私には無縁の制度だった。というのは、浅学非才無能の私が「所得控除じゃあんまうれしくないし」と思い違いをしていたからだが、最近知ったところによれば「え、住民税がモロ控除されんの?」であるらしい。ほな、お得やんか。参戦だ。 そうしてふるさと納税サイトを巡ってみると、肉やら魚やら果物やら他にも色々あっておもしろそうだ。しかし、私の興味はそこで尽きた。なんていうか、私はタダなら貰うというのが嫌いなのだ。何事も、欲しいから手に入れる/欲しければ買う、でありたいし、あって損は無いという程度なら要らない。要らないの…
きのうは留守番泊の日だったので、夜飯を調達する必要があって図書館帰りにスーパーに立ち寄った。鍋の具材を求めて。白菜とネギを買いに。 すると、あんこうの肝が売っていた。山盛りにパック詰めされて317円。 あんこうの身ではなく肝だけ。肝だけ山盛り。あんこうの相場なんて当然知るわけもなく、鮮度を判別できるはずもない。けれども安い。どうせ鍋に突っ込むんだから細かいことはどうでもいいや、の精神で、あまり悩まずにお買い上げ。おもしろそうじゃん。どうせ食べるのは私だし。 で、帰宅後にあんこうの肝処理を開始した。表面のぬめりを落として、筋や薄皮を剥がして、血のついた部分を洗って…というようなことをすればよいの…
きょうは何をつくろうか。長男に訊ねた。ポトフがいいと彼は答えた。よって台所を漁る。ポトフ鍋のスープは備蓄してある。冷蔵庫には鍋に合う野菜が色々あった。けれども肉が無い。無いものは無い。仕方がない。肉無し鍋の是非を問う。駄目だと言う。じゃあ別の何かにしようか。私にもつくれる肉無しの何かに。 スパゲティしか思いつかなかった。 パスタ動画をたくさん見たのでつくり方はなんとなくわかる。ただし、それらは外苑前のオーナーシェフや本場イタリアで修行した料理人によるパスタなので上品過ぎる。にんにくと唐辛子だけのペペロンチーノ。トマト缶だけのトマトスパ。豚と卵黄だけのカルボナーラ。そういうのだ。どれもこれも具が…
天才少年(少女)はたしかに存在する。 というお話。長男は公文に通っていて、昨晩、賞状を見せられた。なんでも、公文には年に一度の達成度確認テストのような行事があるらしく、それに合格したと言う。やるじゃんか。精いっぱい褒めた。実際に頭を撫でて大袈裟に褒めてあげた。褒められて気分を害する人間なんていやしないのだから、褒めて損はない。 賞状の裏に達成レベル段階表が載っている。受験した小学五年生4万人の分布図だ。 表は「10まで数えられる」からはじまり、「50まで数えられる」「数が読める」と順にレベルアップする。 長男の達成度は「分数の計算」である。そのランクに九割程度が位置している。そこが小学五年生相…
週明けに出社すると同僚が寄ってきて、言った。「はい。これ、金曜の分です。ごちそうさまでした。だいぶ酔ってましたけど、ちゃんと帰れましたか?」 なんだよ朝っぱらから。 帰れたに決まってんだろうが。と答えて大金を受け取ったものの、この金がどこの支払いなのか記憶にない。二軒目までは確かに覚えている。支払いまでしっかり覚えている。けれどもこの金には覚えがない。だから、これはもっと先の話にちがいない。 そんな朝のやりとりがあって、昼休みに携帯をいじっていたら痕跡らしきものが残っていた。 ◆これが『金曜の分』だろうか? 冗談抜きに記憶にない。(とは言っても、ちゃんと帰宅したからね。写真を撮る余裕があったっ…
通勤中は、新聞を読むか、スマホの将棋ゲームで遊ぶか、ブログの記事を書いて過ごしている。気が乗らなければウィキペディアの世話になる。 きょうは口分田について熱心に眺めた。戸籍に基づいて6年に一回、口分田として6歳以上の男性へ2段(720歩=約24アール)、女性へはその3分の2(480歩=約16アール)が支給され、その収穫から徴税(租)が行われるとされていた。そして無駄にあれこれ考えた(退屈なので)。24アールの田んぼを貰えるらしい。 それがどれくらいの広さか知らないが、記事には周長720歩と書いてある。一歩50センチとして90m四方相当。一戸あたりならその数倍の広さか。 次に、その田んぼから得る…
本日も留守番。最近の休日の夜は、妻は子どもたちを連れてホームバウンド。いってらっしゃーい。せいぜい実家で羽を伸ばしてくれたまえ。 さて。夕飯をどうしようか。お料理実験のチャンスがやってきた。 冷蔵庫を開けて考える。いろいろある。けれども面倒は避けたい。続いて食糧庫を開けてみる。乾燥ペンネがあった。お、いいじゃんか。と思えどもやはり面倒は避けたい。湯を張るのがすでにめんどくさい。不精道ここに極まれり。でも食べたい。ペンネを目にした瞬間、きょうはイタリアチックなやつを食べたくなった。 よっしゃ。きょうはチーズのカロリー爆弾にしよう。 ご覧のとおりである。見たまま。見たとおり。説明の必要は微塵もない…
もちろんああそうか。勿論と書くから、論をまたずの意味なんだな。漢字を見れば確かにそのとおりだ。えーと「勿」の字は他に何があったっけ。と考えていた(会議中に)。けれども「勿かれ」しか思いつかない。諦めてネットに頼ると、もったいないがあった。勿体無い。うーん。二重否定? 実体が無いことも無い?いやいやちがうな。そうじゃない。当たり前に使う言葉だってのに 私は何もわかってない。 次男坊はエヴァンゲリオンの歌に夢中だ。毎日、勇ましく歌っている。 プラスチックの剣を振り回しながら歌っている姿をよく見かける。どこで覚えたんだか。長男は歌わないから別経路にちがいない。保育園のお歌だろうか。ったく。むずかしい…
相変わらずのどうでもいい話。 信長さんという呼び方があって。近頃、歴史上の偉人をさん付けで呼ぶ人が多くて、NHKの教養番組あたりだとけっこうな頻度で耳にする。他人が他人をどう呼ぼうと私の知ったこっちゃないのだが、それにしても、なんだかなあと思う。なんていうか、しっくりこないのである。太閤さん、えべっさん、お稚児さん。何でも『さん付け』する文化が西にあるけれど、いまどきの信長さんはそれともちがうような気がする。 親近感のあらわれなのだろうね。でも、かえって敬意を損ねているとは思わないだろうか。テレビの場合は、私たちと同じ人間である偉人がどう決断したかにスポットライトを当てるから演出上の理由でその…
夏休みの終わりに川遊び。 子どもたちがうらやましい 私は小さい頃に川遊びをしたことがない。遊べる川が近所に無かったし、遊べない川も校区内には無かった。自転車を二十分以上漕いでようやくドブ川にたどり着くような環境だった。だから、川遊びなんてのは旅行先でするものだと思っていたなあ。魚を捕まえたり沢蟹を捕まえたり石で水の流れを変えたり、とても良い経験だね。 川へざっぷーん 岩場からダイブ。近頃では川遊びの事故が大きく取り上げられていて、遊泳エリア以外では遊ぶなとか、子どもだけで川に行くなとか、いろいろ言われるのだけれども、まあ、何事も経験だよ。恐怖の一歩手前くらいまでは体験しておいたほうがいいんじゃ…
たくさん泳いだ後はたくさん食え。 おいしいご飯をいただきましょうな。 ◆次男坊の夕食 如何にもお子様用。でも、これがいいのだ。 私もこの膳がよかったのに。海の幸とか山の幸とか希少味とか珍味は、そりゃまあうまいっちゃあうまいのだけれども、温泉上がりに浴衣で頂戴しなければならない必然はどこにもない。気を張るのは疲れるし、こういうので十分な気がする。 ◆長男の夕食 子どもと大人の中間を選べるのがうれしい。子ども慣れした宿なのだろう。 なかには、大人用は豪勢なのに子ども用には冷凍食かってくらいつまらないものを出す旅館もあって、がっかり極まりない。でも、この宿はわかっておいでだ。金主が父母や爺婆でも評価…
今年の夏は、実家への帰省と欲張った旅行を諦めて、ちょっとそこまで、で済ますことにした。 というわけで淡路島である。淡路島は大阪から驚くほど近い。 大阪の裏庭といっても過言ではないかもしれない。小旅行にぴったりの位置だ。ということを大阪で暮らして知った。感覚的には東京人が九十九里へ海水浴に行く程度だと思う。日帰りでもいいけどせっかくだから一泊しようか?という感じ。 高速道でジョギング用の時計を動かしてみた。 だからなに?と言われても何もない。カーナビの走行結果と同じだ。けれども、地図を眺めるだけで楽しい私にはこれでおもしろい。他人にはお薦めしない。1キロおきにラップタイムを知らせる例の機能がうる…
長男が料理に挑むのは決まって妻が不在のときで、たいていの場合、私が仕向ける。けれども今回はちがって、完全に長男の主導によるものだった。 妻に外出の予定はなかったが、それでは都合がよくないらしい。「お母さんは六時半まで外に行ってて!」と追い出した。私は蚊帳の外だったので経緯を知らないが、おそらく、台所に立ちたかったのではなく親孝行をしたかったのだと思う。そして、兄弟はつくりはじめた。 米を敷いて? 「このお米、洗ったん?」 とは、この二時間後の妻の発言。あ、洗ってないや。 ごめんごめん。長男も私もすっかり忘れてた。そして気付かされたのだが、私にとって洗米は米でなく炊飯器とセットになっているようだ…
とある日の、というか恒例の私の日常。 ◆朝一:起床起床。麦茶二杯。着替え。走る。 私は割とうだうだせずに走るタイプ。三十分だけだからえらそうに言えないが。暑い。しんどい。頭がのぼせる。 ◆朝ニ:子どもたち起床長男は目覚めが良い。起きてすぐに目玉焼きを焼いたり宿題の残りをしたりと活発に動く。一方、次男坊はぐだぐだ。ぜんぜん起きない。無理やり布団から剥がすと泣く。朝食ものんびりゆっくり。フォークを握ったままテレビに首ったけ。兄弟のくせに似てねえなあ。 ◆朝三:保育園次男坊を連れて保育園へ。 毎朝、道中で二組のボランティアと遭遇する。黄色い旗を持って誘導してくれる人たちだ。おはようございます。声を掛…
プリンっつうのは、牛乳と卵と砂糖だけで出来ているのかな?ふと、そんなことが頭をよぎった。なぜかはわからないがよぎったのだ。そして、そうであれば私にもつくれそうな気がした。というよりその組み合わせなら失敗しても大惨事にはなるまいと思った。 じゃあやってみよう。 厨房に立つ。「やるやる。僕にもやらせて」 すぐさま長男が寄ってきた。任天堂スイッチを持ってきてプリンのつくり方動画を映しだす。へえ。スイッチってそんな使い方もできるのか。便利だなあ。やりたければおやりなさい。ただし。牛乳と卵だからな。汚したらお母さんめっちゃ怒ると思うぜ。 牛乳300ccと砂糖40gをレンジで温めて。 その間に卵を溶く。以…
そろそろ、ぬか床やな。と妻が言ったのは、四月か五月だったと思う。 よっしゃよっしゃ。敬虔なぬか漬け教徒である私は、たいそう喜んだ。恥ずかしながらこのとき知ったのだが、ぬか漬けは夏の食べものなんだそうな。へえ。そうなんですか。年中おいしいのに。てゆうか、冷蔵庫で漬けるんだから夏も冬も無かろうよ。慣習に囚われず、年がら年中漬けてくれ(私が勝手にぬか床を用意すると冷蔵庫が汚れると言って怒られるから、しない)。 日は経って、二日前。 冷蔵庫の奥底で発掘した。ぬか床のことなんてすっかり忘れてた。そういえばそんな話をしたっけかね。中をゴソゴソしてみれば、萎びたきゅうりが三本ご在住。ちくしょうめ。抜け駆けか…
凶犬の眼 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)作者:柚月裕子発売日: 2020/03/24メディア: Kindle版『狐狼の血』の続編である。へえ、こういう感じで続かせるんだ。 と思った。頁をめくる前に予想したのは、舞台が同じで主人公を変えるパターンだった。前作がきれいに完結していたから、視点を変えなければ物語をつなげようが無いと思ったのだ。だが、実際は逆で、主人公は同一で舞台が変わっていた。 解説によると、前作は広島抗争で今作は山一抗争を下敷にしているとある。言われてみればたしかに山一抗争をなぞったようだ。はてさて。うーん。 なんていうか、規模が大きすぎる気がするなあ。 舞台が広いのと時の移り…
走るのが好きじゃないと少し前に書いたばかりだが、いちおう走っている。 ただし、一生懸命だとか、私なりにがんばるといったふうな走り方はやめた。私の場合、けっこうな頻度で夏場のジョギング後に頭痛が起きる。痛みが生じるとその日はもう駄目で、夜中まで頭を抱えて過ごすようになる。原因はよくわからないが体調の問題ではないように思う。事前に朝食を摂ろうと睡眠時間が充分だろうと前日に酒を抜こうと、痛むときは痛むのである。いまになって振り返ってみれば、子どもの頃も部活の後に頭痛で悩むことがあった。熱中症という言葉が流行る前から、私は熱中症に悩んでいたようだ。こうして私は、(こりゃもう、体調じゃなくて体質なんだな…
夜、妻と次男坊が実家に行き、不在した。 いつもなら同行する長男は、私と留守番だ。長男が居間で英語の勉強をはじめた。 邪魔にならない程度に眺める。小学生の英語のお勉強は筆記よりも音読を重視するらしく、声が聞こえる。whereの単語があらわれると、それに引っ張られるように we areの読みがおかしくなっている。ま、がんばりたまえ。と思う私の内心は、(居間で勉強すんな。勉強は自室に篭って孤独な環境でやれ)であったり、(英語なんていまからはじめなくていいよ。それよりも理科と社会をがんばりなさい)であるのだが、学校教育にケチをつける度胸はないし、私個人の信念に息子を巻き込む覚悟もないから、言わない。 …
三十分と少し走った。真夏のジョギングは、残念ながらあまり楽しくない。身の危険を天秤に掛けてまで私は走らなきゃいかんのかしら?と思いながら走った。おそらく、私は走ることがそれほど好きではないのだろう。汗をかきたくて走っているだけなのかもしれない。だから、黙っていても汗をかく夏場には走る欲求が失せてしまうのだ。なんとなくそんな気がする。 走り終えたら昼食を。 きょうはツナサンドイッチの日だ。長男に任せた玉ねぎの微塵切りは、あまり微塵になっていない。ああもう!と天を仰いだ。だが、ここで注意したり出しゃばったりしたら長男が料理嫌いになってしまうおそれがあるので、そのままにしておく。どうせ食うのは我々だ…
警察小説は割と好き。極道小説はもっと好き。 孤狼の血 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)作者:柚月裕子発売日: 2017/08/25メディア: Kindle版いやあ。ほんとうに良い小説をつかまえた。僥倖ですよ。僥倖。巡りあいに感謝です。アンテナは低い(けど、避雷針だけはたいそう立派な)私にしては上出来に過ぎた。作家買い決定なんじゃないでしょうか。しばらくの間は、この作家を信じていればハッピーまちがいないような気がする。適度なハードボイルド具合がたまらなく良い。 と、言ってもだ。実は、本屋でこの本を手に取った私はうんうん唸っていたのである。文字どおり、うんうんうんうんと。けっこう悩んだ。そりゃま…
もうそろそろ夏休みか。と、天気予報を見ながら思った。 まあ、夏休み禁止令が発布された本年において、子どもたちにそれはやってこないのだけれど。 夏休みというと、私は防災頭巾を思い浮かべる。長い休みは、防災頭巾を家に持ち帰ることから始まり、猛暑下の防災訓練で終わりを告げる。ただでさえ普段以上の教具を持って帰らねばならない日だってのに防災頭巾が荷に加わり、ただでさえ暑くてたまらないのに頭巾を被らねばならず、思わず呪詛を漏らす。だが、夏休みはそういうものである。たぶん、防災もそういうものだ。 「うちの子はちゃんと頭巾を持ち帰ってるの?」 妻に訊いてみた。 「なにゆうてんの」 妻が応じた。 「カントーだ…
ようやく体調が上向きに。ではジョギングを再開だ。 と言っても、走る当てが特段あるわけじゃなし。きのうの新聞折り込みチラシにあった新築マンションでも冷やかしに行こうか。 最多帯は65平米の3800万。チラシにそう書いてある。65平米か。私の感覚だと、ひとり暮らしには広すぎて、夫婦ならちょうどよくて、子育て目的だとやや手狭といったところかな。 どの層に向けたマンションだろうね。答えは広告の中にあって、『契約者のお客様の声』に載っている。『近くに大学があるので先生の賃貸需要も多いから購入しても安心です(K様/40代シングル)』、『マンションを資産として持つという前提で今後も値崩れしない街(O様/ご夫…
もうすぐ車検の時期だ。 11年目のね。 妻の妊娠の知らせを聞いて購入した車だから11年目なのである。うちの兄ちゃんは十歳と半歳ぐらい。妻は買い換えを望み、私は継続を望んだ。気に入ったからこの車を選んだのだ。いまだって愛着がある。そりゃ些細な不満はあるさ。だからといって、年式が古いって理由だけで手放してたまるかってんだ。そもそも、11年で3万キロ弱しか運転しなかった我々には老車で充分だよ。と思えども妻の要望は無下にできないわけで。 普段、不満を口に出さない人だから尚更だ。できる限り尊重しなければならない。 そういういうわけだ。不本意だが。 以下、買い換えるのであれば、というお話。 ◆スカイライン…
漢字とアジア (ちくま文庫)作者:九楊, 石川発売日: 2018/08/08メディア: 文庫九楊さんか。珍しいお名前だね。本名ではあるまいよ。坊さんの戒名でもなさそうだ。じゃあ、どっかの家元さんかな? ん、ちがうのか。ああ、書道家ね。なーる。でお買い上げ。 ◆これを音で聴くの?大学の講義録を整理したものらしい。 素朴な疑問だが、この内容で講義が成立するのだろうか。漢字は目で眺めるものであって、耳で聴くには向いてないように思うのだけれど。レイショ・チョスイリョウ・ガントウショウキョウジョ・トウエンメイ。受講生のみなさんは即座に理解できるのかしら。私は無理だね。基礎がないもん。漢字変換に忙しくて、…
先週の出来事。 長男と将棋を指していると、隣接する畳の間でレゴを組み立てていた四歳児の歌声が聞こえてきた。「大人の階段、のーぼう」古くさい歌を知ってるんだな。どこで覚えたんだろう。保育園のお歌にしては渋すぎる。そして彼は、先を続けた。「よんじゅうだい、ごじゅうだいのみなさん」 うへえ。なんだそりゃ。保険かなにかの宣伝じゃないか。 幼児の頭の中はホントわかんねえな。 と、そのときは思ったのだが、いまになって考えてみれば彼なりに理由があったように思う。きっと、よんじゅうだいごじゅうだい云々は、次男坊にとって歌の一部なのだ。Jポップの間奏に唐突なラップが挿入されるように、あるいは演歌には司会者の前口…
起きがけにテレビのニュースを見て。 「某議員夫妻の選挙問題について、検察当局が動きだした」という主旨のニュースを見た。寝ぼけていたから多少ちがうかもしれないが、おおよそそのような報道だったはずだ。む、むむむ。テレビの前の私は思わず唸る。なにかがおかしい。絶対におかしい。寝ぼけている場合じゃない。見逃せないと思った。なにが? そりゃあアレだ。議員じゃなくて、夫婦で議員の部分でもなくて、選挙ではもちろんなくて、『検査当局』が、のテロップである。 『当局』の使い方、おかしくない? 当局とはなにか。 知らん。が、私は、「具体的な部局名は重要じゃないから省略しますが」か「厳密にはちがうんだけど、馴染みの…
口にしたものを偽りなく記録する日記。 ◆朝 コーヒーとおにぎり。とびきり熱いコーヒーだったので牛乳を加えた。寝坊した。のんびり啜る余裕がない。 ◆昼 おにぎりふたつ。私はおにぎりと呼ぶが、ふつう、これをおにぎりとは呼ばない。昨晩の米の残りをラップに包んだもの。本来ならそのまま冷凍庫につっこむ代物。それにごま塩を振る。ひとつは朝メシになり、他のふたつが昼メシになる。おかずはない。 ◆間 家麦茶。コーヒー。毎日、麦茶を持って出勤する。二日酔いの日などはすぐに空になるが、ほとんど飲まずに自宅に持って帰る日もある。飲みきれないと申し訳ない気分になる。すまん。コーヒーは3杯。職場に置いてあるユニマット的…
妻と次男坊とで梅田へ。 茶屋町でも兎我野でも大融寺でも堂山でも東通でも北新地でも堂島でもない梅田、はじめてのグラン大阪へ。寄らないなあ、こっち方面は。縁がない。 つーか、妻と梅田を訪れるのはなん年振りだっけ? 「子どもが出来てからはじめてちゃうか」と妻が言う。そうだね。きっとそうだ。 食卓を買い替えに。 なんで食卓で梅田なのか ー国道沿いの家具屋でいいのに どうして買い替えるのか ーいまのがまだ使えるのにけれどもまあ、我が家には夫婦の持ち分というものがあって、それにおいて食卓は妻の守備範囲であるとみなされる物だから、あまり文句は言わない(言いたい)。加えて、家具は理屈ではなくセンスで選ぶもので…
梅雨といえば、あじさい、かたつむり、てるてる坊主。梅雨入り前は田植えで、梅雨明け後なら梅干し作り。 近所のあじさいがとてもきれい。どんよりした季節にひときわ鮮やかに咲いている。曇色の空と淡色のあじさい。色を加えた水墨画のよう。よいものを見た。 ついでだからウィキ先生で検索。 万葉集には「安治佐為」とあるらしい。へえ。8世紀の奈良の豪族も、21世紀の大阪の会社員と同じように梅雨にはあじさいを愛でたのか。では、豪族と会社員以外の人はどう呼んでいたのだろう。肥後の国人や越後の漁師や常陸の百姓はどうだったのか。どう考えても、あじさいが古今東西同じ呼び名であったとは思えない。だって、たかだか道端の草だも…
頭が働かない。身体も動かない。二日酔いかと思った。次第に頭がぼおっとしだした。もしかして…と体温を計ったらこれである。 お風邪でございますね、だろうか。実は、ここ二ヶ月ほど間、十日に一度くらいの頻度で38度越えの発熱を起こしている。おおかた、一晩から二晩で治まる。そして熱発以外の症状は無い。扁桃腺は腫れないし、嘔吐も下痢も無い。ただただ、発熱するのである。 理由がわからない。ちょうど在宅勤務の時期と重なるから、よそで何かの菌を貰ったとは考えがたい。免疫力の低下でもなさそうだ。毎晩、妻の手作り料理を食べて夜十時には床に就いている。親元を離れて以来、最も健康的な生活をしているはずだ。 前回の発熱時…
映画『キングダム』を観た。 金曜ロードショーで夜9時から9時25分まで。要するにぜんぜん見てない。漫画版キングダムが大好きな長男の傍らで、酒を飲みながら少し眺めただけ。 オープニング。 戦国七雄の勢力図が映しだされた場面で、「読めるかな?」と試してみる。すると、長男は「カン・ギ・チョウ、云々」とスラスラ答えた。すげえなあ。漫画は偉大だ。私が小学生の時分は何一つ知らなかった。中国史の概念すら頭に無かったよ。 「お父さん、リョーフイは有名やんな」 続けて曰く。 「呂不韋? 始皇帝のお父さんの?」 と私。 「ちがうよ。そういう説もあるけどな」 と長男。へえ。そういう説ときたか。一書に曰く、とでも言い…
漫画を読むようになった。長い春休みに退屈中の長男がレンタルした漫画を読んでいる。すべての漫画に目を通すのではなく、食卓に置いてあるものをパラパラめくって気が向けば読む。気が向かなければ読まない。そんな私が最近読んだ漫画。 ◆『約束のネバーランド』 10〜18巻を。とてもおもしろい。が、世間では話題になってないような? 少なくとも私は知らなかった。鬼滅の刃の影に隠れちゃってるのかな。あるいは私のアンテナが低すぎるだけか。途中から読みはじめても十分に楽しい。鬼により家畜として育てられた少年たち…のあらすじだけで舞台をなんとなく察せられるので、ちゃんと物語の世界に没頭できた。なお、長男が1巻を借りて…
本日の豆知識:『ロートル』は中国語 実は西洋語じゃない。漢字だと老頭。音はラオトウ。 混老頭と清老頭はロウトウと読むのに、この場合はロートルになる。由来は知らないが、支那戦線の兵隊さんが持ち込んだ言葉だと思う。いわゆるピジン語の類か。老頭なのだから、老人に些かの敬意を示した単語であるはずだが、一般的にロートルという単語は否定的な意味で用いられる。ロートル選手と言えばおおよそピークを過ぎた選手の意であり、単にベテランを指さない。ていうか、ロートルなんて野球以外の分野で耳にしたことはないけれど。 さて、家族で比叡山へ叡山に赴くのはこれで三度目だからお父さんも新鮮だ。 ちなみに、一度目は中学の修学旅…
Bzがライブビデオを無料公開したことはネットニュースで何度も見たから私だって知っている。けれどもまあ、Bzなんて耳を塞いでいても聞こえてくる類のものだから敢えて聴かんでもいいよねえ、と思っていたわけだ。 で、いまさらながら聴いた。というか観た。【B’z】B'z LIVE-GYM 2010 "Ain't No Magic" at TOKYO DOME すんごい。ひたすらすんごい。なにがすごいって出だしがすごい。 イントロ〜マジック〜ダイブの入りがすばらしい。こういうのは小音量で聴いてはいけないと途中で気付いてイヤホンを引っ張りだした。とびきりの大音量で聴く。圧巻だ。鳥肌もの。現地に居合わせたら震…
それ、私の浮生なる相をつらつら観ずるに。 ◆在宅勤務なんだかなあ。毎日、朝食を終えたら部屋に籠もって作業にかかる。コーヒーを点てるときと用を足すとき、昼食と散歩の間だけ部屋を出る。日が暮れたら居間で天才テレビ君を眺めるのだ。はあ。ため息が漏れる。刺激が無い。インプットが皆無だ。時間はあるのだから本を読めばよいのだが、こういうときに限って読む気が起こらない。代わりに新聞を隅から隅まで目を通すようになった。 仕事自体はなんとかなっている。私はね。ただ、若手はどうだろうか。この業態で人材育成が可能かというと甚だ疑問である。ノウハウの蓄積、技術の継承といった組織に最も大切なものがおろそかになっているよ…
中井貴一がナレーションをしている『サラメシ』というテレビを見る。 へえ。はじめて見たけど、とてもおもしろい。 おっけー! 私も公開してみようか!(便乗100%) シャケ。記憶に無い。 が、この写真がスマホに収められているということは、当然食べたのだろう。食器から察するに、単身赴任時代に実家に寄ったときのメシだと思う。でも、ランチではないな。晩飯だ。おそらく。 こういうのでいいんだよ定食。っぽいやつ。 どこで食ったんだこれ? 一切覚えてない。写真には納豆とメカブとトロロ芋が写っている。『ネバネバ定食』の名がついていそうな感じがする。ただし、これもランチではないのは確か。私は昼食にこんながっつり食…
ズボラ極まりない私の料理。皿を洗うのはめんどうじゃないのに、作るほうになるとてんでダメ。きょうはやるぞ!と意気込んだはずなのに、冷蔵庫を開けた瞬間、胃に収まれば何でもいいや…になってしまうのはなぜだろう? きのうの昼飯 大根の煮物。妻が置いていってくれた煮物の素を使って。 実は、こういうクックドゥ的なレトルト調味料を使うのは初めてだったりする。大根をいちょう切り。レンジでチン。フライパンで調味料と絡めて10分コトコト。だけ。こりゃ楽ちん。冷蔵庫に手頃な肉がなかったのでハムで代用。ただ、ちょっと味付けが濃い。 私には半分くらいの濃さで十分なのだが。 きのうの晩飯 厚揚げを焼いただけ。晩飯というか…
世の中には、うらやましいほど素敵な御名前を持つ人がいる。 ◆世界で一番かわいいお名前山吹みどりさん。何気にかなりかわいいお名前。 ほんとうは、山吹あかねさんにしようと思ったんだけど、ウィキ先生に訊いたら彼女の苗字は「木緑」なんだってさ。知らんかった。ついでだけど、「アンタ、芋ね」の糞ガキは妹なんだそうな。それも知らんかった。あれだけアラレちゃん音頭を踊ったってのに。 ◆世界三大英雄お名前文天祥 (ブンテンショウ) 袁崇煥 (エンスウカン) 李鴻章 (リコウショウ)字面も読みも最強。 もちろんスマホで漢字変換できる。南宋末・明末・清末の英雄。 なんでみんな王朝末期かというと、ヒーローは遅れてやっ…
近頃のテレビは宅配やらテイクアウトやら持ち帰りやらウーバーイーツをやたらと取り上げるので、私だってその気になってしまうわけだ。ゆえにきょうはピザの日。 じゃじゃーん。 長男が選んだ4種のチーズがどうこうのピザ。電話やネットで飯を注文するなんてまっぴら御免なので、宅配だけれど店に赴くのである。すると、お持ち帰りなら半額ですよ!の毎度お馴染みな仕様になっている。かといって、半額で買えてうれしいな!にはならないもので、じゃあもう一枚買っちゃおうか!となるのは当然の成り行きだ。 じゃじゃじゃーん。 私が選んだシチリアのトマトがなんたらのピザ。「宅配ピザを食べるの初めて」 と長男談。 そういえば、我が家…
きょうも山登り。 長男の身体を動かさせるために。 早朝に雨が降った。湿度が高い。湿気があるときの山は、とても気分が良い。雨上がり特有の天気で、空は青く森は緑で溢れている。雨に濡れた葉が水滴を落とす。高度が上がるにつれ、冷んやりと涼しくなる。どれもこれも、いとをかし。 君も男の子なんだな。 崖を登り降りしたいらしい。ズザザと滑って尻もちをつく。ズボンが土まみれ。服を汚したり怪我をするのも経験のうち。好きに遊んだらいいよ。 二時間の約束で連れ出したので途中で引き返す。 気持ちよく汗をかいてお終い。「楽しかった!また今度来よう!」 長男が言った。 ん? めずらしいな。そうか、負荷を適切にしてやれば、…
午前十一時。次男坊と散歩に出かけた。キッカー(ペダルが付いてない幼児用の自転車のことです。一般名詞は知らない)に跨って出発だ。進路を決めるのは次男坊。私は後を追うだけ。おもてなし要らずの楽ちんである。やがて、線路にたどり着いた。 フェンス越しに電車を眺める。どこのお子さまも大差無いと想像するのだが、幼児は電車を見ると絶叫する。全身で喜びを表現する。我が家の次男坊もそう。ただし、どえらい詳しい。「快速!快速!」 「サンダーバードや!」 「コウノトリ〜!」 「ぱんださんくろしお!」 「お父さん、キティちゃんはるか、来た!」驚くほど鉄道オタクである。 快速のどこがおもしろいんだか。でも、いまだけなん…
はい、UNOって言ってない〜!(Hillary is back )
UNOを買ったのである。 連休中に家族で楽しく勝負だ。 はて。なにかがちがう。 私の子どもの頃と、なーんかちがう。どこが?と訊かれても説明しづらいのだが、当時はこんなにかわいくなかったような気がする。ワイルドはもっと「ワイルドだろ〜」ってオーラが溢れていたはずだし、スキップにはちゃんとSKIPと書いてあったと記憶している。 ワイルド・ドロー・フォー声に出して読みたい言葉。十選の一。 なんたって、響きがすばらしい。これほどかっこいい言葉はそう無い。そんじょそこらのドローツーとは格がちがうんだぜ! ただのワイルドほど甘くはないぞ!って感じがよく表れていて、良い。万能感で言えば、トランプのジョーカー…
妻と長男とで山登り。 ◆のどかな小径からスタートだ 川のせせらぎを聞きながらのんびりと。椎茸の原木を眺めながらぶらぶらと。はじめは順調だったんだよ。はじめは。 ◆しばらくしたらこれ 一昨年の台風で樹々が倒れたらしい。驚いた。目を疑う。「東南アジアでは焼畑農業により豊かな自然が失われているのです」のナレーションが入りそうな絵。まるで海外の景色のよう。いったいここはどこだ。ここは大阪である。 ◆登山道も無事じゃない 倒木が道を塞ぐ。以前、ジョギングで訪れたことがあるんだけどな。これでは走れない。てゆうか、記憶とぜんぜんちがう。かつては樹々に覆われた薄暗い道だったのだが、いまは木が倒れて明るく開けて…
図鑑が欲しい。図鑑が欲しい。ドラえもーん! 泣きついてみるもんだ。買ってもらえた。 自ら買わないのは、自ら買う金がないからである。まるまるもりもりの子が四人並ぶと少々異様である。いや、この子に罪は無いのだけれど。なにはともあれ、月に一度くらいは利用してくれるとお父さんはうれしい。週に一度とは言わないから。 さっそく、ひょうたんを調べる。 へえ。これが植物のひょうたんか。どういうわけだか、私はひょうたんとへちまがセットになっている。そう妻に話したところ、「言われてみれば私もや」と賛同を得た。なぜだろうねえ。はてな。あと、千成瓢箪は「ちなり」だと思ってた。「せんなり」が正しいと知った。本でしか知ら…
上りと下りと平らな道をバランス良く。 圧倒的に下りが多い気もするが。 序盤からたいへんだった。いつも上って下っての坂しか走らないから、逆順だとかなりきつい。下りをどこまで気持ちよく駆けていいか判断できないし、下りに脚が慣れた後の上りが地獄。このパターンはあかん。心理的にやりづらい。ところで、スタート地点の標高のインパクトが強すぎて紛れてしまうが、後半に表れたかわいい山も実はきつい。普段、坂道キャッキャと騒いでるのがこれである。であるから、いつもどおりにしんどい。心臓ばっくばくのオーバーレブ状態。泣きそうだった。 はあ。ため息が出る。 なんで私は休日につらい思いをしてるんだろう。なにかを目指して…
昨晩、念入りに腰のストレッチをした。風呂上がりに、筋を伸ばすようにゆっくりと左右に捻ったり、関節をほぐすようにぶらんぶらん振ったり、子どもに腰の上で足踏みしてもらったり、普段はしない柔軟体操に励んだ。 するとどうだろう。朝、腰が痛くて起きあがれなかった。あいたたた。しゃがめば唸り声。靴下を履くにも一苦労な状態で、腰がガチガチに固まってる。うーん。なんだこれ。わけわからん。けど、きっとストレッチのせいだ。他に思い当たる節がない。慣れないことをするものじゃないな、と思った。 よって夕方のランもそれなりに。 きょうはペースを気にせずに走れよ。三十分間走る姿勢をしてりゃ十分だ。キーワードはのんびりだぞ…
三度走った。いままで、日に二度走ることすら無かったのに。いったいどういう風の吹き回しだ。 午前十一時。第一走。 はなはだしく中途半端な。近所にある山のふもとへ。長男は自転車で。私は走って。そのまま一時間のハイキング。山の木々を眺めたり道路脇のゴミを眺めながら歩く。色合いのちがいから植林について教えたり、ポイ捨ては万死に値すると説教したりしながら。 午後二時。第二走。 全身が怠い。走った自分を褒めてあげたい。 往路は登り基調。高度を見るとそれっぽいが、緩やかな勾配の坂がひたすら続くので、実は楽ちん。復路は天国。いやっほーぅ!てな感じで駆け下りる。 午後四時。第三走。 もうしんどい。けどここで勝負…
お父さん!きょうは何鍋にしようか!本日も長男と留守番泊である。 夕食は鍋に決まってるらしい。じゃあ、お父さんはいまから走りにいくから、戻ったら鍋の素を買いに行こう。 ががーん。 ジョギングから戻ると野菜がカットされていた。妻が出掛けに済ませたらしい。えらいことをしてくれた。うれしいけどうれしくない。長男の修行を分捕りやがってからにまったく。鍋から切断工程を抜いたら何も残らないじゃんか。 水に浸されたじゃがいも。ふーん。そういうものか… そういえばそんな絵をどこかで見たことがあるような。見てないような。(ぜんぜんわかってない) 買い物で調達した追加具材。 まるまるとしてうまそう。 貴様の今回の任…
ふーむ。4月は62キロかあ。 なんだか100キロを目指せそう。あと数日で40キロ。このびみょう加減がたまらなくいい。私の駄脚力だと、がんばればなんとかなる。がんばらなければなんともならない。うーん。びみょう。というか絶妙。試されてる感じ。 というわけで、まずは10キロ消化。 陽気でとても楽しいランだった。ひさしぶりに呆けながら走れた。淀川の堤防道路を少々走る。職場の同僚から「最近の川はすごいぞ。どこもかしこも人だらけや」と聞いていたが、無人だった。家族連れが来なそうなところを選んで走っているのだから、当然だ。 最近、ランナーに対する風当たりが強い。私は、各々が自らの意思で対処したらいいと思う。…
にわか雨に襲われた。走りだして1キロほどの地点だった。かといって、引き返すのも癪である。走れるときは走りたいし、走りたいときは走るのだ。よって中断は無い。続行だ。けれども雨粒で顔が痛い。気温が低くて雨が冷たい。雹かな?ってくらい勢いよく降り注いた。痛い。痛い。痛い。雨はすぐに止んだ。 気勢をそがれたので、予定を変更して坂道を走ることにする。なんだか調子がいい。 登り坂をあまりしんどく感じない。ちょっと前はつらくて堪らなかったのに。なぜだろう。よくわからない。さらに、下り坂では、がんばって駆けおりてみようかな!と珍しく前向きな気分になった。どういう風の吹き回しか。さっぱりわからない。で、下り1キ…
なんだか頭がぼんやりしている。視界に入るものは霞がかかったよう。気分が高揚することも減ったかもしれない。身体を動かすのが億劫なほど気怠い。どういうわけだか、何事も長続きしない。はあ… こんなときだからこそ。 心を無にしてお絵描きに勤しむ。無にしてもはやぶさこまちは書けるから。百度以上書いたし。 こんなときだからこそ。 心を無にして靴を洗う。無にしなきゃやってらんないから。水が冷たいし。 こんなときじゃなくてもいいんだけど。 心を無にして走る。無にはできない。はよ終われ〜。はよ三十分過ぎろ〜。としか考えてないし。 怠惰な一日だなあ。五月病かしら。
ひょうたんは種のすがたで冬をすごす。 「お父さん教えてくれ〜」 長男が訊きにきた。 正しいものに丸を…の問題である。 「ひょうたんがどういうのかわかる?」 まずはそこからですよね。 「あの、豊臣秀吉のやつでしょ?」 すげえ覚え方をするんだな君は。合ってるけど。 「あとは中にお酒が入ってる」 ふつうはそっちで覚えるのかもね。 「そうだよ。むかしの人の水筒だったんだ」 えらそうに言うが知らない。 「見たことないからわかんないよ…」 そういえばお父さんも植物のひょうたんは、無い。 冬の自然がテーマのプリントらしい。気になったことは調べよう! そう仕向けられているように感じた。さて、私は子どもにその環…
本日はプロの料理人をお招きしました。 まずは材料を準備します。 じゃがいも、にんじん、たまねぎ、エリンギ、ウインナー、それと鶏肉をご用意ください。続いて、ちょうどいいサイズにぶつ切りしましょう。細けえことは気にすんな、指を切らんようにだけ注意しとけ、という心構えが大切です。 次にカットした具材を煮込みます。 鍋底が焦げないように。かは存じませんが、プロは休まず延々と鍋を掻き回しています。おそらく、巨大な鍋をグツグツ煮込む魔女の姿を思い描いているのでしょう。いつまでたってもアク取りの工程に移ろうとしません。 できあがりました。 別皿に移さず、鍋のまま食卓に置くと雰囲気がアップしますよ。ちなみに、…
子どもの扱いに気を使う昨今。 言うまでもなく、少年はお日さまの下で汗をかくべきであり、外に出て刺激を受けなければならない。与えられた勉強さえしていれば終日おうちに居てもかまわないなんて道理は、絶対に無い。このご時世? そんなのは関係無い。政府の要請が? 言うのは自由だが、はたしてそれは子どもを家に閉じ込める理由になるだろうか。ならない。言い訳に過ぎないと思う。 国家は国家。うちはうち。各々に為すべきことがあるはずだ。我が子の将来に責任を負うのはいったいだれか。 外出を自粛なさい。けど怠惰な生活は許しません。言うは易しの典型だ。口先だけで子どもは動かない。だれが動くものか。率先して示せ。私は父親…
ツタヤで借りた。長男に頼まれるままツタヤへ。店内で彼の後を追う。つまらなそうな顔をして。ほんとうは海外ドラマを借りたい。でもそうはいかない。子どもたちの前で観れないビデオは借りられない。 「あと二冊借りれるからお父さんも選んでいいよ」長男が言った。金田一少年を選ぶ。要した時間は三秒ほど。キングダムが居並ぶ書棚から周囲を見渡したら、そこに金田一少年がいたのだ。『37歳の事件簿』と『犯人たちの事件簿』というのが。どちらも予備知識ゼロ。タイトルで選ぶのであれば、そりゃまあ『犯人たちの』のほうですよね。金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(1) (週刊少年マガジンコミックス)作者:天樹征丸,金成陽…
どうした!サンキューは嘆いている。久しぶりに坂道を走ってぜえぜえはあはあしたいと嘆いているぜ。おまえらに坂道なんて走れるわけねえじゃねーかよ。 というわけで坂道。 きっつい。きっついったらきっつい。脚は大丈夫だったけど心肺が負けた。ちょっと前なら、まあそこそこしんどいですね程度だったのに、いまはフルパワーの二歩手前って感じ。体力落ちた。グラフ終盤の小さく尖った角は、本来、一番大きくなる予定だったのだが、途中で諦めてこうなった。そういう妥協は駄目だってのに。ま、たいした坂じゃないんですけどね。 道中がやたらとギザギザしているのは、GPSの乱れではなく、実際にそのような道を走っているから。具体で言…
春のジョギングは気分がよい。 なんか、走るのが楽しい。相変わらず遅いのだが、そんなんどうだっていいんだよと思わせてくれる(どうでもよくないけどどうでもいいのだ)。工事現場を眺めたり珍しい車をじろじろ見たり。桜の下を通ったり神社を脇目に通過したり。普段と変わらないジョギングなのに、なぜかとても楽しい。 これはなんと呼んだらいいのか。妻は缶ぽっくりと言う。 でも、私はその呼び方は初耳だ。ではどう呼んでいたのか。うーん。まったくもって思い出せない。なんだったっけか。云々唸ってもわからないものはわからない。とりあえず、「おんまはみんな、ぱっぱか走るのやつ」と次男坊に説明した。ほんとうは、彼は竹馬を所望…
酔っ払ってぐだぐだになったときに聴きたい。 (要するにいま、ぐだぐだなわけだ) マドンナ『American Pie』 ーこんなかわいい歌、そうそう無い。バグルス『Video Killed The Radio Star』 ーザ・エレクトロ。超名曲。ブームタウンラッツ『I Don't Like Mondays』 ー政治臭は気にしないで! めっちゃいい歌だよ!インギー『Gimme! Gimme! Gimme!』 ーギターカバーのお手本。ABBAがなぜかこうなる。フェアウォーニング『Save Me』 ーまあ聴いてくれ。ジャーマンメタルの最高峰。スキッドロウ『Youth Gone Wild』 ーーこれは…
長い春休み中の長男と昼食をつくる。 正午丁度「メシのじかーん!」 号令をかけるのは私。 「きょうはなににする?お父さん」 冷蔵庫を開きながら長男。 「焼きビーフンはどう?」 と私。 「え〜、無理!」 と長男。 「じゃあどうしようか」 君が決めるんだ。君のご飯だ。 調理は長男による。将来、私みたいに料理を怖がる人間にならないように、いまのうちに慣れておこうな。父親としてではなく人生の先輩として教えておくが、料理が出来ないと生涯を二割くらい損するんだ。冗談ではなく。 父子の腕と発想の貧しさの事情により野菜炒め率が高いのはご愛嬌。包丁と火は長男。皿出しと皿洗いは私。そういう分業体制が確立されている。…
長男が『進撃の巨人』31巻を買ってきた。 息を切らしながら帰ってきて、「お父さん、先に読んでいいよ!」と言う。本屋へダッシュするほど楽しみにしていたのにどうして父に譲るのだ。わからん子だなキミは。ま、なにはともあれありがとう。 お父さんも読みたい。 以前、こんな記事を書いた。 shabaduvitouch.hatenablog.com その後、24巻から30巻まで読んだ。それより前は未読のままだ。よっていまだに全体像が見えてないのだが、それでも今のところ、私にとって最も(というか唯一の)お気に入りの漫画である。 さてさて読みましょうか。ん。んん。 1頁目からさっそくわからん。よって長男の部屋か…
久しぶりに走ることにした。仕事を放り投げて業務終了とメールを打ち、ただちにパソコンを閉じた。あとはもう知りません。急ぎの用事は携帯へどうぞ。てな具合で。 運動不足解消のジョギング 「夕飯までに帰還されたし」と妻が言う。あ、そうですね。と答えるほかない。たまの在宅なのだから、子どもと一緒にご飯を食べなきゃいけないよねそりゃ。 陽が長くなった。 夕方でも明るいのがうれしい。数人のランナーとすれ違った。走るのが楽しい季節だからみなさんも走るのだろう。もしくは、私と同じように終日自宅に居て鬱憤が溜まっているのかもしれない。あるいは、昨日も一昨日も同じ風景だったが、朝にしか走らない私は知らなかっただけか…
宣言の発令(発令? 令なの?)に関連して「知事にできる措置」とやらが新聞に載っていた。読んでみると、制限・停止を要請できる業種が示してあり、その中に理髪店があった。慌てふためいて床屋へ。髪なんぞ多少伸びても…なのだが、既に妻から指摘されるくらい放ったらかしであったので、待った無しの状態だったわけだ。不要不急に非ず。須要至急の様相也。 (誰に言い訳してんだ、おまえは) さて、きょうの昼ごはん。 温かい蕎麦。冷蔵庫で大根を見つけて、そういえばみぞれ鍋というのを耳にしたことがあるな…と思いついた。検索してみたらみぞれ蕎麦もあるらしいので挑戦。何事も物は試し。 すごーくびっみょう。【びみょう其の壱】 …
そろそろ在宅勤務にも飽きてきた。なにがって、いろいろと。 だからたまには散歩でもしようか。 さやえんどうを眺める。淡い緑の葉と白い花びらが春らしい。 近寄りすぎると畑泥棒とまちがわれてしまうのでそこそこに。さやえんどうを盗む物好きなんていないと思いますが。 続いて近所の公園へ。あれ、桜はもう下り坂か。でも、満開だけが花見じゃないしな。葉桜の季節よ、早よ来い。なお、公園には保育園児が遊びに来ていた。賑やかでたいへんよろしい。 赤い花も満開。 黄色い花も満開。君たちは鮮やかすぎだな。目が疲れる。 これくらいがちょうどいい。 昼休みの散歩はなかなかに楽しい。気が晴れる。よろしければポチりと。いつも励…
読まない本を語る。 たまにはそういうことがあってもいい。 目次を眺める。 眺めた限りにおいて、「人間には元来備わった負の本能があります。思い込みと呼んだほうが正しいかもしれませんね。でも、それはあなたの可能性を狭めるものであり、世界を歪めてしまうのです」的なことを、翻訳文体と洋画っぽい声優の声で語ってそうな雰囲気がある。いや、なんとなく。 ちなみにこの本。 妻の本である。「こんな本を読んでるよ」と妻が言いだしたとき、それは「おまえも読め」の意である。けれども、いままでお薦めにしたがって読んだ本なんてほんの僅かである(しゃばけとか万城目学とか)。妻が読書の楽しみを知る人で良かった。 おかげで読ん…
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