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2017/11/17

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  • 141

    金曜日。類は早朝に葉山を出る。そのまま空港へ向かい北海道へ行く為だ。もちろんスーツ姿。今日はオープン日。本当なら昨日のうちに現地入りしたいところだったが、まだ学生の身でどうしても外せない講義があると主張し、当日の朝一の便で行く事にした。多少遅れるがまだ本格的に仕事に携わっていないし許容範囲だと思っている。もちろんオープンに合わせ主要関係者が揃う為、顔を売り込むチャンスだし、その後の慰労会にも参加す...

  • 15

    類とつくしと共に聡と麗も日本へ一時帰国し、その足で牧野家へ向かった。そして晴男と千恵子、進を前に両手を着き謝罪した。「この度は、うちの愚息が大変な事をしてしまい申し訳ありません。 きちんと責任を取らせていただきます。 出来ればすぐにでも入籍、結婚を御了承ください。」思いもよらぬ申し出に、牧野家は暫し固まる。てっきり楓のようにお金で肩を付けられると思っていたからだ。「頭を上げてください。 本当にうち...

  • 140

    食後、病室へ戻る二人だが、つくしが立ち止まりスマホを見始めた。類も画面を覗くと、葉山の家の防犯カメラ映像だ。今まさに伯父が物色している。金目のものは現金に替えておくと言っていたが、その言葉通り次々と玄関へ運んでいる。「今から止めてこようか?」「ううん。 何時かはこうなると思っていたし、おばあちゃんも物がなくなったことに気づかないと思うから。」今は祖母のタンスを漁っている。その上部にある宝石箱のよう...

  • 14

  • 139

    日曜日。類は北海道から戻るとその足で鎌倉病院へ向かう。総二郎から電話があったのは金曜日の夜の事。『牧野のお婆さんが入院した。偶然大学を出たところで見つけ、病院まで連れて行った。とりあえず容態は安定してる。最近食事が少ししかとれなかったらしくて、脱水症状もありしばらく様子を見るらしい。俺も土日は茶会でついてやれねぇし、あきらも四国に行ってるんだ。牧野は気丈に振る舞ってるけど、東京に戻ったらすぐ行って...

  • 13

    「「「司、、、」」」司はまっすぐ類を射抜くように見つめている。「お前、どうしてここに?」「そりゃぁ牧野に別れを告げられたからに決まってんだろ! 電話じゃ埒が明かねぇから直接話をしようと思ったんだよ。」「でも仕事だろ?」「あぁ。 急遽日本行きを入れたから時間としては30分しかねぇ。 それで牧野。 俺と別れる理由は何だ?」「類の事が好きだと気づいたから。」つくしはキッパリと告げる。回りくどい事は一切言...

  • 138

    6月末。類は北海道に居た。オープン間近になり商業施設には商品の搬入作業が始まっている。以前来たときはまだ土がむき出しだったが、今は綺麗に舗装されオープンを待つばかりとなった。その施設を一つ一つチェックする。北海道初出展の店もかなりあり目玉となっているが、それが道民に受け入れられるのかは分からない。だがとりあえず全てのテナントが埋まりホッとした。そして花壇にはハーブや花が植えられている。オープン時は...

  • 12

    翌日、類が大学に来た。それを見つけたあきらと総二郎は、拉致するようにラウンジへ連れて行った。「何?」「お前、一昨日の夜から牧野と一緒だったらしいな。」「まあね。」「牧野と付き合うことになったのか?」「情報が早いね。」やっぱり、、と二人は思う。「昨日、司から電話があったんだよ。 牧野が別れて欲しいと電話があったってな。」「そっか。」至って普通に答える類に、二人の気持ちはゆるぎない物と感じる。「何があ...

  • 137

    翌日、類は初江の様子を注意深く見ていた。以前と違うのは動作がゆっくりになった事と会話が極端に減った事だろうか?だが身だしなみはきちんとし化粧もしている。「つくし? そろそろご飯の時間? この人が待ってるよ。」つくしは一瞬困った表情をしたものの、すぐ笑顔で告げる。「さっき食べたでしょ? それにこの人は類! 類さんだよ?あっ、お饅頭があるから食べる?」「あるんだったらこの人に出してあげて?」「牧野! ...

  • 11

    18時ごろまで交わった二人。ゴロンと横になると、つくしは自然に類の胸に頭を摺り寄せ腕を腰に回す。類はつくしの頭を優しく撫でる。「これから牧野の両親にきちんと挨拶する。」「うん。 夜には類と一緒に行くと伝えてるから。」「ん。 その後、司に会いに行こう。」「うん。 電話で別れは告げたけど、きちんと面と向かって話さないとね。」「ん。 その足でフランスへ行こう。 俺の両親にもきちんと挨拶する必要があるから...

  • 136

    翌週の金曜日。つくしは大島と共に大学近くの花屋へ行く。そして花しょうぶを3本買った。「つくしの家にはいつも花が飾ってあるんだよね?」「まあ、そうかな?」「おばあちゃんも生ける?」「今は見るだけになった。 昔は手直ししてくれたりしていたんだけどね。」「痴呆症のほうはどう?」「年相応? でもまだマシだと思う。 ただ最近は絵手紙もやらなくなったし、ボーとする時間も増えたし、同じ事を何度も言うけど私の事は...

  • 10

    あきら、総二郎、桜子はつくしの家へ向かった。大学を休んでいるという事は病気かも知れないからだ。もちろんあきらと総二郎は病気であって欲しいと願っている。ピンポ~ンすると千恵子が顔を出した。「はい。」「何時も先輩にお世話になっております。 三条桜子と申します。 今日は大学を休まれているんですが病気でしょうか?」千恵子も何度か見た事のある女性。しかも一緒に来ている男性二人にも面識がある。「大学を休んだ?...

  • 135

    GWが終わり、類は隔週で支社巡りが始まった。三年になった類は、大学の講義もまばらで、曜日によっては1限もない日もある。それが丁度金曜日。その為、金曜から二泊三日の予定を組まされ、類は溜息しか出ない。その代わり仕事の無い日は葉山で二泊することにした。今日は北海道へ来ている。富良野に大型リゾート施設を施行しており、支社で挨拶後すぐに説明が行われた。支社にとっては初めての大規模開発で本社からも応援に駆け付...

  • 9

  • 134 第七章

    もうすぐGW。「ねえ、つくし。」「ん?」「GWはデート?」「何日かは家に来てくれると思うけど。」「優しいよねぇ。 普通は相手の家族なんて鬱陶しい存在だよ?緊張するし会話は聞かれるし、二人っきりで部屋に籠ると定期的にお菓子やジュースを持ってきて何してるのか確認されたりさぁ。だから家は敬遠されがちなのにね。」そういう物なんだ。確かに花沢邸に行った時は緊張したけど、会話する時も食事する時も特に気にならなかっ...

  • 8

    大学のラウンジでは、あきらが類を待っていた。何時もならこの時間には類がソファーで寝ているのだが今日はまだ来ていない。ただ講義ギリギリまで自宅で寝ている可能性もある。そうであって欲しいと願っている。そこにはもう一つの最悪な結果を払拭したい気持ちだ。愛が爆発してねぇよな?アレはインチキで単なるラムネだ。きっとそうだ。それに牧野は司の彼氏だし類は親友だ。その二人がラムネを食べたところで愛が爆発するはずが...

  • 133

    4月になり、類は大学三年、つくしは二年になった。春休みは葉山で過ごしていた類も花沢邸へ戻った。田村から目を通しておく書類という物が届けられるからだ。そのほとんどが次に訪問する支社の重役たちの顔写真と名前と役職名。元々他人に感心の無かった類には、それを覚えるのに四苦八苦だ。そんな時に思い出すのは誕生日の一夜。あの時の満ち足りたひと時。近い将来、いつでもそのひと時が得られるためにも、今頑張らねばと気持...

  • 7

  • 132

    髪を撫でられている感覚がする。懐かしいこの感覚。ずっとずっと昔、ママかおばあちゃんが撫でてくれていたような?ん?えっ?髪を撫でる?つくしはパチッと目を開ける。すると類と目が合う。「おはよ。 起こした?」撫でていたのはもちろん類で、その二の腕が筋肉質で着やせするタイプなんだ、、、。ん?二の腕が見える?あっ///。つくしはやっと昨夜の事を思い出した。キスから始まったそれは、凄く幸せを感じられるものだった...

  • 6

  • 131

    「シャンパン開けたけど飲む?」余裕ある振りをしつつも、まともにつくしの姿が見れない類は、すぐに視線を外す。「じゃ少しだけ。」マジ?と思いつつ、つくしのグラスに半分程注ぐと、隣に座ったつくしに渡す。「ありがと。 じゃ乾杯しよ?」「ん。」二人はグラスをカチンと合わせる。「誕生日おめでとう。」「ありがと。 でも無理するなよ。 緊張を紛らわせる為だろ?」「うん。 舐める程度にする。 酔っ払った勢いとかにし...

  • 5

  • 130

    部屋に入り、あまりの広さに驚きすぎ声が出ないつくし。「牧野。 そこに立っているとボーイの邪魔だから。」「あっ///。」つくしが除けるとボーイはワゴンを押し中に入る。「ケーキは冷蔵庫へ入れておきます。 取り皿はこちらに。」テキパキ置くとボーイはすぐに下がっていった。その間、つくしは室内を歩き回る。大きなリビングの他にドア付きの寝室が二か所。それぞれベッドが二つあり計四つ。バスルームとトイレも二つある。...

  • 4

  • 129

    類は覚悟を決めつくしに告げる。「司から電話があった時、ここのディナーと共にこの上のスウィートの部屋を使えと言われた。総二郎とあきらも一枚噛んでる。 誕生日のお礼だってさ。と同時に俺達が進展しないことに気を揉んでる。でも俺は俺たちのペースで良いと思ってる。 だから部屋の事は言えなかった。タマさんがお婆さんと会いたがっていたのはホント。ただその日を俺の誕生日にしたのは必然。」「そう。 道明寺が、、、。...

  • 3

  • 128

    ディナーまで時間のある二人は、メープル近くの映画館へ行った。ディナーの予約は18時。それまでまだ時間はあるし、少しでも緊張を解しておく為だ。それにつくしは慣れないパンプス。歩き疲れや足に豆でも出来たら大変と言う思いと、つくしの可愛い姿を他の人に見せたくないという類の気持ちが加味されている。映画を観終えるとメープルへ移動する。「やっと堂々とお酒が飲める。」「確かに。」「牧野も早く飲めるようになると良...

  • 2

    つくしは時間になり片づけを始めた。「先生。 また彼氏来てるかな?」「彼氏じゃないけど、来ると言ってたよ。」「またまたぁ。 彼氏じゃないのに毎回迎えに来るわけないじゃない。」「いや、ほんとに彼氏じゃないよ? 友達だよ友達。」「じゃあ友達と言うなら私に紹介して?」「えっ? それはちょっと、、、。」「ほらね、彼氏なんだ。 良いなぁ、あんなにカッコイイ人が彼氏だなんて。」「だから彼氏じゃないってば。」つく...

  • 127

    30日になった。昼食後三人は道明寺邸へ向かう。その車内では、、。「おばあちゃん。 何かあったらすぐに連絡してね。」「何かとは何? タマさんとお茶してご飯食べるだけなのに?」「えっと。 寂しくなったとか、、。」「そんな歳じゃないし、タマさんと一緒なんだから何の心配もないわよ!それよりつくしが私に助けを求めるんじゃないの?メープルのレストランで粗相があったら恥ずかしいから、私をダシにして早々に帰りたい...

  • 1

    ラウンジでは、あきらと総二郎と桜子が顔を揃えていた。「これがお土産ですか?」「あぁ。 妹達が父親に『お兄ちゃまにもお土産を買ってきて』と言ったらしくてな。」机の上には巾着が置かれている。中を開けると個包装された物が入っている。「飴か?」「食べ物には間違いなさそうですね。」「妹達が食べていた物は飴だったわ。 でもほらっ、ここ。」あきらは中国語で書かれた紙を取り出す。それは手書きで書かれた紙キレのよう...

  • 秋の夜長の過ごし方

    朝晩めっきり寒くなりました。皆様お元気でしょうか?コロナも収まりかけてきたような?まあ無くなる事は無いですし変異を繰り返すそうなので油断は出来ませんけど、それでも少しだけ気分が楽になりました。もちろん寒くなる時期ですからインフルエンザなども要注意です。そんな鬱憤を抱えて過ごした2年半を払拭すべく、弾丸新作アップを行います。時間は23時。夜という事はお察しの通りです。18歳未満の方、そう言うものを好...

  • 126

    葉山にいる類の元に突然電話が鳴った。しかも時刻はまだ朝の5時。二人を起こしてはならないと、類はサッと通話ボタンを押した。『珍しい事もあるもんだな。 お前が数コールで電話に出るなんてよ。』司?何だろ?突然。と思いつつ、時差のこと等全く考えない親友が全く成長していないことにクスッと笑いが漏れる。『何笑ってんだよ! それよりお前は相変わらず薄情だな。NYへ行ってから連絡の一つも寄越さねぇんだからよ。どうせ...

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