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2017/11/17

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  • 125

    日本に帰国した翌日、類は葉山へ向かった。既に3月15日。ホワイトデーは過ぎているのだが、今日はその代わりにしようと思っている。「おはようございます。」「あらっ、いらっしゃい。 どうでした? 仕事は。」「挨拶程度です。 まだ2年ありますしこれから少しずつ覚えようと思います。」「大変ねぇ。」まだ2年あるというが、今から覚えていかなければならないほど、取引先、仕事内容が多いという事。そして大学卒業後は即戦...

  • 124

    2日後には日本に帰る予定の類。この日は聡の代りに慈善団体のパーティへ行く事になった。既に主な団体には寄付を済ませているが、聡が行く事で他の団体もわらわらと近寄る可能性がある。キチンとした団体ならまだしも、慈善活動は謳い文句で単に私腹を肥やす団体もいる。その為、毎年聡の秘書が代理で出席していたのだが、今回は類に白羽の矢が止まった。色々な人が集まるパーティで受付さえ済ませれば後は自由に退席できるもの。...

  • 123

    イタリアへ視察に行った類。そこは記憶にある場所だった。昔植えた四本の木がかなり成長し、今では大木に育っている。「ちょっと丘に行ってくる。」高台に着き、ブドウ畑を見下ろす。どこまでも続くブドウ畑は新芽が出始めたのか枝が緑っぽくなっている。その新芽の芽かきを行っているのか何人もの人の姿が確認できる。吹き抜ける風も心地良い。ぼんやりと眺めていた類だが、スマホを取り出すとぱちりと写真を撮りつくしに送った。...

  • 122

    類は朝も一人で起き朝食を済ませ、田村が迎えに来ると仕事に向かう。その当たり前の行動が今まで出来なかったのだから、麗や使用人達も驚くばかり。その上、挨拶もきちんとするようになり麗や聡と食事をするのも嫌がらない。「行ってきます。」「行ってらっしゃい。」類を見送った後、麗は聡の元へ向かい、その首にネクタイを締めながら話す。「類君。 頑張っているわね。」「あぁ。 遅く帰ってきても翌朝にはきちんと起きるし、...

  • 121

    類は田村と共にフランスへ旅立った。到着後、二人はまっすぐ会社へ向かう。類自身、フランスへは何度か行ったことはある物の、それは自宅と街の観光のみ。会社を訪れるのはこれが初めてだ。その為どうしてもキョロキョロしてしまう。社長室に入ると秘書が四人いた。その奥の扉に社長の執務室があるようだ。分かっていた事だが、将来自分もこのように大勢の秘書を従えて仕事をするのかと思うと不安で仕方ない。『あっ、田村さん。 ...

  • 120

    2月27日。類とつくしは美作邸へ向かった。明日はあきらの誕生日。家族で誕生日パーティーをするから牧野を招待しろ!と夢子に頼まれあきらはつくしに連絡を入れた。すると27日なら祖母がデイサービスで3時間ほどなら大丈夫と返事があった。もちろん異論はない。誕生日という口実でつくしを呼んで欲しいという夢子と妹達の願いだったから。久しぶりに美作邸に来たつくしは、変わらぬ可愛い庭に頬を緩める。「可愛い庭だよね。 ...

  • 119

    逗子海岸にあるレストランに入る。ここはリーズナブルな値段ながら美味しいフレンチが味わえると言われる有名店。バレンタインの今日、二人は早々にランチの予約を入れていた。店内は勿論カップルだらけだ。二人は海の見える窓側の席へ案内された。つくしは海に目を向ける。海岸を歩いている人がしっかり確認できることに驚く。「見える///。 見られた?///。」類も海岸へ目を向ける。広い海と海岸がバッチリ見え、つくしの言いた...

  • 118

    2月に入り、類は葉山で過ごすようになった。祖母が在宅の時は買い物以外ほぼ家で過ごし、デイサービスへ行くときはデートを楽しんだ。そんな中、2月14日になった。この日は丁度デイサービスの日と重なった。「じゃあ行ってきます。 今日はバレンタインデーでしょ?私の事は気にしないでゆっくりしてきても良いのよ?」「おばあちゃん///。」「日中は出かけますが夕方には帰ってきます。どんな一日だったか是非聞いてもらいたくて...

  • 117

    テストも終わり評価も良く無事二年に上がることが分かり、つくしはやっとホッとした。祖母が授業料を出してくれている為、留年は出来ない。その思いがかなりのプレッシャーだった。「つくし。 春休みは遊べる? おばあさんがデイサービスへ行っている時なら時間が取れるんじゃない?」類もフランスへ二週間ほど行くと聞いている。その間なら暇になるしまだ一度も休日に敦子と出かけた事がない。「うん。 大丈夫と思う。 その時...

  • 116 第六章

    大学が始まり、つくしは麗に貰ったハーフコートに初江に貰ったマフラーを巻き、類から貰った腕時計を付け向かった。既に講義が終わっている物もあり今日は2限のみだった。「つくし! ランチして帰らない?」「うん。」つくしは大島と駅付近の店に入った。「今日も寒かったね。」「うん。 年末からグッと気温が下がったよね。」「そのコート可愛いね。 どこで買ったの?」「これはクリスマスプレゼントに貰ったの。」「へぇ。 ...

  • 115

    ケーキを食べた後、聡と麗は葉山を後にする。「じゃあつくしちゃん、先生。 暫く類をお願いします。 類もしっかりお手伝いするのよ?」「もちろん!」「年末年始の料理は届けさせる。 年が明けたら私たちはフランスへ戻るが、春休みの間にお前も一度フランスへ来いよ。」「分かってる。」「じゃ迷惑をかけないようにな。」「またね、つくしちゃん。 先生また来ますので。」「いろいろありがとう麗さん、聡さん。」二人は軽く手...

  • 114

    14時ごろ。麗と聡が葉山へ来た。初対面になるつくしは緊張の面持ちで出迎える。「寒い中、こんなところまで来ていただきありがとうございます。初めまして。 牧野つくしと申します。」一気にまくしたてるように告げるつくし。その緊張度合いに隣に居る類は必死に笑いを堪えるがどうしても声が漏れる。「くっくっくっ、、。」つくしは、その類を肘で突く。「お邪魔します。 つくしちゃんお誕生日おめでとう。 これ私たちからの...

  • 113

    12月28日。つくしの誕生日に類は先に葉山へ向かった。午後から昨日帰国した聡と麗が誕生日ケーキを持って葉山に来ることになっている。類は数日分の着替えを手にしている。このまま正月明けまで葉山に泊まる予定だ。葉山に着いた類は門の前を掃除しているつくしを見つける。「おはよ。 掃除?」「うん。 昨日の風で葉っぱが飛んできたから。」「俺も手伝うよ。 ぐるりと一周するんだろ?」「そうだけど、、、やった事ある?...

  • 112

    ホテルの最上階にあるレストランで、つくしは緊張しながら食事をしていた。周りは夫婦やカップルばかりで、皆のテーブルにはワインがあるが、二人のテーブルにはジュースが置かれている。類はワインを頼もうとしたのだが、それをつくしが止めた。「3月30日までは駄目! まだ未成年なんだから!」自分の誕生日をつくしが知っていたことが嬉しく、その申し出に素直に従った。つくしは緊張しながらも綺麗に盛られた料理に感嘆のた...

  • 111

    類とつくしは車中で目的地である横浜のショッピングモール内の映画上映時間を検索しながら話し合っていた。類のスマホを覗き込む二人は額がくっつきそうな距離だ。「あっ、これは? 時間的に丁度良いし。」「ん。 それにしようか?」観る映画が決まったところで、つくしはパッと顔を上げる。すると間近に類の顔がありパッと離れる。その顔は真っ赤だ。「ごっ、ごめん///。」「何謝ってんのさ。 別にもっと近づいてくれても良い...

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