うにときうりの祭~八戸旅日記(3)~
三年前(もう八戸に惚れ込んで三年にもなるのだ)、はじめて種差海岸に行った時は七月にも関わらず吹き付ける冷たい霧にこれがやませかと感銘を受けたのだが、今回はそれ以上だった。海を向いて一分も経たず眼鏡がべたべたになるほど、霧の流れがきつく、また濃い。三十メートルも離れれば白い闇のなか。海も大荒れに荒れていて、音がすごい。 なめらかに広がる芝生とその上を奔る霧と向こうに荒れ狂う波と。たしかにこれは日本の他のどこでも見られはしない風景で、『波光食堂』が開店するまでの一時間半はあっという間に過ぎていた。 ここは八戸の複数の知り合いが「海胆の店」と教えてくれたところ。やませですっかり体が冷えてしまったが、…
2021/07/15 17:13