男声合唱界の巨人、多田武彦が作曲した曲で取り上げられた近代詩を様々な角度から味わうブログ。
人に歴史あり。 音楽に譜面あり。 合唱に歌詞あり。 男声合唱、特に多田武彦をこよなく愛するものによる ブログ。合唱曲に取り上げられた詩についていろいろ感じたままに書いています。たまには脱線しますが 基本的には歴史と音楽と文学の話です。筆者は、男声合唱と文学とコメディをこよなく愛するシルバーのベガサス。サウスポーでAB型。
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男声合唱界隈では知る人ぞ知るサイト多田武彦〔タダタケ〕データベースが実に面白い。このサイトを訪れる度に新たな発見があるのが嬉しい。さて、このサイトには楽譜一覧のページがあるが、その中でも特に思い出深い楽譜がある。多田武彦 男声合唱組曲(3)この曲集には、
筆者にとって初のタダタケは、大学3年の時に歌った混声合唱組曲『京都』であった。正直、とても難しく、いいイメージがなかった。しかし、のちに男声合唱に取り組むことになり、この作曲家の曲に前向きになれたのは、大学1年の時に聞いた演奏の影響が大きかったと思う。その
今年(2020年)の7月にテノール歌手である永田峰雄さんの訃報に接し、久しぶりに愛蔵盤を引っ張り出して聞き入っている。合唱名曲コレクション26柳河風俗詩(東芝EMI)慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団と永田さんの独唱による『柳河風俗詩』と『草野心平の詩から
中学生の頃、FM STATIONという雑誌をエアチェック(死語)のために愛読していた。中3の受験生だった1987年頃と思うが、ある号に掲載された全面広告に目が釘付けになった。誰も超えられない、とかロックの金字塔、とか満を持して初のCD化、といった謳い文句でビートルズのア
人はみな旅人である。しかし時には原点に立ち戻る勇気も必要ということその肆
先日、色々あって3泊4日の入院と手術を受けてきた。全身麻酔を伴う手術だったので無事終わってほっと一息。医者からは、全身麻酔をしている間にあっという間に手術は終わりますよ、と説明を受けていた。その全身麻酔の時に不思議な体験をした。手術台に横になって酸素マス
詩人の激動の人生を振り返る~三好達治『わがふるき日のうた』など~
三好達治の詩人としての出世作「測量船」(1930年)から1945年をはさんで「砂の砦」(1946年)まで。激動の人生から作曲された7つの詩。同志社グリークラブによる怒涛の音の洪水にまいど飲み込まれて酔いつぶれる。合唱名曲コレクション29わがふるき日のうた(東芝EMI)おわ
平成一桁台に大学生だった筆者は、大学図書館の視聴覚ライブラリーに入り浸って男声合唱のレコードをききまくっていた。世の中は、CDが浸透してきたとはいえ、まだまだ貴重な録音はLPが中心だった。その中でも思い出深いLPのCD版がこちら。日本の合唱名曲選8「柳川風俗詩・
連日の暑さにすっかりまいっている。こう暑いと何もする気がおきない。こんなときには、手持ちの情報でやりくりするに限る。本ブログを書くきっかけとなった多田武彦『わがふるき日のうた』の終曲。いちど拙ブログでも取り上げたことがある。三好達治『わがふるき日のうた』
多田武彦の男声合唱組曲『わがふるき日のうた』の中でも5曲目の「郷愁」は、屈指の名曲であると思う。「郷愁」 三好達治蝶のやうな私の郷愁!……。蝶はいくつか籬を越え、午後の街角に海を見る……。私は壁に海を聽く……。私は本を閉ぢる。私は壁に凭れる。隣りの部屋で
筆者の合唱ライフは高校時代からスタートした。合唱にハマったきっかけは拙ブログに以前書いたことがある。人はみな旅人である。しかし時には原点に立ち戻る勇気も必要ということ当時同学年の男声は4人だった。(後に加入してくれた仲間のお陰で二桁になったが)その4人の
2020年は忘れられない一年になりそうだ。新型コロナの影響で男声合唱団タダタケを歌う会のコンサートは残念ながら中止になってしまった。HPはこちら。男声合唱団タダタケを歌う会拙ブログの記事はこちら。男声合唱団タダタケを歌う会のコンサート「第捌」のこと自分自身も合
男声合唱団タダタケを歌う会の「タダタケ ア・ラ・カルト」のこと
多田武彦の作品は、組曲で聴くのが取り上げられた詩との対比もあって面白い。しかしながら、まだ知らぬタダタケの新しい曲との出会いも愉しみにしたい。そんな贅沢な(勉強不足の)悩みに答えてくれるのが、男声合唱団タダタケを歌う会のコンサートで設けられている企画ステ
出張や旅で日本各地に行くとき、見知らぬ土地で図書館に行くのが好きである。どの図書館に行っても、まず目指すのはいわゆる日本十進分類法の911の棚「日本文学の詩歌」である。日本十進分類法(NDC)についてはこちら(日本図書協会のHP)。どこの図書館でも必ずあるこ
最近、お疲れモードのせいか、骨太なタダタケ節が無性に聴きたくなる。骨太だけでなく繊細なタダタケ節といえば最近のお気に入りは『木下杢太郎の詩から』である。ネット上で聴ける好きな音源として演奏の新しい順に早稲田大学グリークラブ2016年の演奏関西大学グリークラブ1
多田武彦が作曲した詩人たちの中で早くに頭角を現し、他の詩人たちの覚醒を促したのが堀口大學(1892年-1981年)である。90年近く生きた彼の生涯は、沢山の詩の友を見送ってきた生涯でもあった。多田武彦が作曲した詩人たちをざっくり知るために堀口大學が1971年に筑摩書房か
父を喪った冬があの冬の寒さがまた 私に還つて明日でもう11回目の冬が。「父が庭にゐる歌」 津村信夫父を喪つた冬があの冬の寒さがまた 私に還つてくる父の書齋を片づけて大きな寫眞を飾つた兄と二人で父の遺物を洋服を分けあつたがポケツトの紛悦(ハンカチ)はそ
突然であるが、色々あって公私ともに身動きがとれない日々が続いている。タダタケを歌いたいがそれもままならず。仕方がないので、こんなコンサートがあったらいいな、という妄想で我慢することにする。独断と偏見による選曲なので、広い心でお読みいただければ幸いである。
唐突であるが、国語の問題。問:筆者のこの三か月の出来事を10文字以内で述べよ。答:色々あった。解説:所蔵していた蔵書の9割は散逸してしまった。所蔵していた合唱の音源の9割は散逸してしまった。所蔵していた合唱の楽譜の9割は散逸してしまった。後には何が残された。多
組曲の3曲目「早春」の記事からだいぶ間があいてしまったが津村信夫『父のゐる庭』の中の「早春のこと」さて、終曲である。筆者にとっては、思い出深いこの曲。1998年に「三崎の詩・第二」をとある東京の男声合唱団で歌ってから、しばらく多田武彦の曲から遠ざかっていた。そ
先日、久しぶりに信州の山を間近にみたせいか、多田武彦のこの曲を久しぶりに聴きたくなった。「雨後」一つ また一つ雲は山を離れ夕暮れの空に浮かぶ雨の後山は新緑の襟を正し膝を交えて並んでゐる峡の奥 杉の林に発電所の燈がともるさうして後ろを顧みれば雲の切れ目に 鹿島
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