英語教師・水田光希(第6章)
第6章 私たち 3Cの仲間達に俺は海原夢希が不登校だったことは告げずにいた。ただ、少し身体の調子が悪く、欠席したり、保健室登校をしたりすることが多いかもしれないとだけ述べた。これで察しのいい生徒は大体理解できるはずだ。 海原夢希がクラスに入り、自己紹介をする。今にも泣き出しそうな声で自分を語る。生徒たちは頑張れとでも言うような目で彼女を真剣に見つめていた。そして自己紹介が終わると、拍手が起きる。彼女はきょとんとしていた。「この子たちが君の新しい仲間だ。仲良くしてくれな?」むしろ「彼女」に協力してもらいたいというような形式でそう俺は呟いた。 ほとんどの行事は1学期に終わっており、あとは文化祭のみ…
2021/05/28 02:28