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長内那由多のMovie Noteさんのプロフィール

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最新映画や海外ドラマ、Netflix配信作を中心とした映画レビュー。アカデミー賞予想記事も有り。半期毎に総括ベストテン記事も書いています。「ドラマも同じくらいの熱量で見ていなければ今の映画は語れない!」が最近の信条です。

ブログタイトル
長内那由多のMovie Note
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/nayutagp01fb-zephyranthes
ブログ紹介文
映画レビュー、俳優論など映画のことを中心としたブログ
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長内那由多のMovie Noteさんの新着記事

31件〜60件

  • 『ゴーン・ガール』

    デヴィッド・フィンチャー監督のスリラー作家としての円熟を感じさせる会心の1本だ。これまでの彼の作品同様、ヒリヒリするような緊張感がある一方、原作者ギリアン・フリンが自ら手掛けた脚色したストーリーは思いもよらぬツイストを1つも2つも加え、後半は驚いた事に観客席から何度も笑いが上がった。これは結婚にまつわるダークファンタジーだ。オレは本当に妻の全てを知っているのだろうか?妻はオレの全てを知っているのだろうか?オレが見ているのは彼女のほんの一部だけではないか?パートナーに対して少しでもやましい気持ちがある人は怒涛のドンデン返しに震え上がり、結婚前のカップルならば最悪のデート映画となるだろう。ストーリーテラーとしてのフィンチャーの巧みさが光る。闇夜が映える硬質な映像美、トレント・レズナーとアッティカ・ロスによるクールな...『ゴーン・ガール』

  • 『ブレッドウィナー』

    『ブレンダンとケルズの秘密』『ソング・オブ・ザ・シー』で知られるアイルランドのアニメーションスタジオ“カートゥーン・サルーン”の2017年作。前2作に引き続きアカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネートされた。アイルランドの民間伝承にモチーフを取ったこれまでの作品とは違い、デボラ・エリスによる原作小説を映画化した本作は2001年のアフガニスタンが舞台だ。当時はイスラム原理主義組織タリバンの支配下にあり、特に女性に対する差別的な社会が形成されていた。女性は人前で肌を見せる事は許されず、頭からブルカと呼ばれる布を被り、1人で外を歩く事も許されない。もちろん勉学などもっての外だ。これまで同様の牧歌的画調ながら、描かれる暴力描写の数々には足がすくんでしまう。信仰を笠に着る事で容易く暴力性を増すミソジニーには恐怖を覚え...『ブレッドウィナー』

  • 『LEGOムービー』

    毎年誰がノミネートされたかより、“誰がノミネートされなかったか”の方が盛り上がる気がするアカデミー賞。2014年度は本作の落選が驚きを持って伝えられた。他のどの候補作品よりもヒットし、批評家からも大絶賛されながら本命視された長編アニメーション賞ノミネートでその名前が呼ばれる事はなかった。子供向けおもちゃを使ったアニメなんて芸術性がない?LEGO動画はYouTubeのネタにすぎない?そんな“既成概念”にケリを入れるのが本作だ。定番を思わぬやり方でひっくり返すのが監督フィル・ロード、クリス・ミラーの得意技だ。刑事バディアクションの定石を外しに外してセンス・オブ・ワンダーへと昇華させた『21ジャンプストリート』は最高に笑える大快作だった。本作でもギャグとアクションはたっぷりに、終幕で“アニメ”という表現媒体すら取っ払...『LEGOムービー』

  • 『シン・シティ 復讐の女神』

    映画の神とは時に残酷なもので、2005年に独自の意匠とハードボイルドなストーリーで大ヒットを記録した『シン・シティ』は周囲の期待の高さにも関わらず、続編の実現まで10年の歳月を必要とし結果、その賞味期限を失って批評、興行共に不振に終わった。ミッキー・ロークもブルース・ウィリスも見た目に大した変化はないが、ジェシカ・アルバはその可憐さを失い、クライヴ・オーウェンもデヴォン青木も合流は叶わず、マイケル・クラーク・ダンカンとブリタニー・マーフィは鬼籍に入ってしまった。映画は撮るだけでも一苦労だが、続編に至っては諸条件を整え、完遂するまでさらなる難関なのだ。とはいえこの『シン・シティ復讐の女神』は前作のクオリティを少しも落としておらず、新味はなくともファンの期待は裏切らない仕上がりになっている。そして完成まで10年を要...『シン・シティ復讐の女神』

  • 『GLOW』シーズン3

    Netflixドラマ『GLOW』は回を重ねる毎にそのユニークさが際立つ野心作だ。最新シーズン3には驚かされた。落ちこぼれ達が逆境を跳ね返す『がんばれベアーズ』よろしくなスポ根ドラマとしてスタートしながら、今シーズンではなんとレスリングシーンをほとんどオミットし、より人間ドラマを深く掘り下げ、登場人物を新たな旅立ちへと導いているのだ。まさにターニングポイントとなる重要シーズンである。TV番組の成功を受け、レディーズ達はショーのメッカ、ラスベガスへと進出。ホテル専属で毎晩ショーを行う長期興行だ。だが、同じ事を繰り返すルーティンにレディーズ達はダレており、カジノで夜遊びの毎日。チームの空気は停滞気味だ。主人公ルース(アリソン・ブリー)もマメに興行報告日誌を付け続けるが、例外に漏れずマンネリ気味だった。そんな中、同室の...『GLOW』シーズン3

  • 『ジャッジ 裁かれる判事』

    時代を特定する要素がないせいか、デイビッド・ドブキン監督の『ジャッジ』はやけに古臭く、まるで90年代の映画のようだ。ひき逃げ事件で逮捕された判事である父と、反発してきた弁護人の息子。1つの事件を通して父子の断絶が修復されようとする本作は愚直なまでのヒューマンドラマだが、ここには9.11やイラク戦争といった同時代性がなく、故になぜ今日語られるべき物語なのか存在意義が弱い。プロットの脇道も丁寧に歩くストーリーテリングの御陰で142分の長尺になってしまった事も垢抜けない印象を強めた。となればスターの演技を堪能しよう。久々にアイアンマンスーツを脱いだロバート・ダウニーJr.がキレのある反射神経はそのままに、いつにも増して熱意ある演技をしている。自身のプロダクションによる第一回作であり、情熱を傾けられる作品をつくりたいと...『ジャッジ裁かれる判事』

  • 『イーダ』

    映画は自ずと他の映画の記憶を呼び起こし、結びつき合おうとする。1962年のポーランドを舞台にした『イーダ』は端正なモノクロームが同郷の巨匠アンジェイ・ワイダを彷彿とさせるが、それは決してルックスに限った話ではない。修道女を目指す少女アンナがイーダとしてのルーツを辿るこの物語は少女から女へ、俗から聖へと変わるイニシエーションを描いているだけでなく、その根底に戦争と社会主義によって癒し難い傷を負った国家の歴史と、今なおファシズムへ傾倒しようとする世界への批評というワイダ同様の強い反骨精神が存在する。ユニークなのは決して社会派に終始しない監督パヴェウ・パブリコフスキの個性だ。1シーン1カットにも近い禁欲的で抑制された演出は観客に容易く感傷を抱かせようとしない。戦後、社会主義政権の下で自分を殺し、過去を封印してきた叔母...『イーダ』

  • 『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』

    ジャンル映画への多大なリスペクトを『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』としてリツイートしてきたエドガー・ライト監督の作品にはエールを送りたくなってしまう愛嬌と熱意があるが、そこにはボンクラ映画特有のグダグダ感もあり、それが時に打算に感じられてしまう事もままあった。今回は『遊星からの物体X』や『光る眼』といったジョン・カーペンター監督作に“パブクロール”という英国文化をマッシュアップしている。エイリアンの地球侵略が進む田舎町を舞台に、意地でも12軒のパブをハシゴしようとするサイモン・ペッグは確かに可笑しい。しかし、終盤にはそのアイデアの樽も枯渇し、開栓時のフレッシュさは失われている。注目はサイモン・ペッグ、ニック・フロストのおなじみコンビに加え、その同級生役でマーティン・フリーマン、パディ・コンシダ...『ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!』

  • 『エクソダス 神と王』

    リドリー・スコットのファンとしてはディレクターズカット版を見越しての劇場公開版である事がありありとわかる1本だ。およそリドリーらしくないテンポの速いストーリー展開、シガーニー・ウィーヴァー、アーラン・ポールら実力派のほぼ空気な扱いに『キングダム・オブ・ヘブン』の50分とまではいかないにせよ、未公開シーンがたっぷりある事は想像がつく。それだけならまだしも、『グラディエーター』から始まる一連の史劇大作で発揮されたまるで宗教画のような映像美が少しも見受けられず(おそらくCGの多用が原因ではある)、ほとんど誰が撮ったのかわからない仕上がりが残念だ。リドリーらしい采配が見受けられるのはせいぜいオープニングの合戦シーンくらいである。また数々の奇跡、災厄の再現は彼の本領が発揮できる場面にも関わらず、それらを全て“異常気象”で...『エクソダス神と王』

  • 『フォックスキャッチャー』

    1996年、デュポン財閥の御曹司が自らスポンサーを務めるレスリングチーム“フォックスキャッチャー”の金メダリスト、デイヴ・シュルツを殺害した実話を描く。アカデミー賞ではベネット・ミラーの監督賞はじめ5部門でノミネートされた。スキャンダラスな事件を描く監督の冷徹な視点はドキュメンタリーのを思わせ、いたずらに劇的効果をもたらすような事をしていない。元狩猟場であったデュポン家の敷地“フォックスキャッチャー”は外界から閉ざされた特殊な環境であり、そこで繰り広げられるデュポン、シュルツ兄弟ら3人の愛憎が次第に狂気を帯びていく様はまるで舞台劇のように濃密だ。コメディ演技から一転、死んだ目つきで自らの王国に閉じこもったデュポンの狂気をスティーヴ・カレルが体現。屈折した兄への愛情を抱きながら次第に精神が瓦解するマーク・シュルツ...『フォックスキャッチャー』

  • 『マインドハンター』

    鬼才デヴィッド・フィンチャー監督による最新TVシリーズ『マインドハンター』はPeakTVだからこそ到達しえた野心的ドラマだ。本作では1977年を舞台に、FBIによる行動心理学捜査の黎明期が描かれる。FBI捜査官のホールデンとテンチのコンビは全国に収監されている連続殺人鬼(後に劇中で“シリアルキラー”という言葉が確立される)にインタビューし、これを大学教授カー博士の協力の下、学術的に大系づけていく。プロファイリングによるシリアルキラーとの戦いを描いたサイコサスペンスを期待した人にはやや肩透かしに思えるかも知れないが、原作は元FBI捜査官ジョン・ダグラス、マーク・オルシェイカーによる『マインドハンターFBI連続殺人プロファイリング班』であり、いわば『羊たちの沈黙』はじめこれらジャンルのオリジンを辿るドラマなのだ。こ...『マインドハンター』

  • 『アス』

    前作『ゲット・アウト』が全米で大ヒットを記録し、ついにはアカデミー脚本賞を受賞した鬼才ジョーダン・ピール監督の最新ホラー。主人公アデレードは優しい夫、可愛らしい2人の子供と共に別荘地へとやってくる。その夜、家の前に立つ4つの人影…押し入ろうとする彼らは一家と全く同じ顔を持つドッペルゲンガーだった。『アス』は所謂、作家主義の作品にも関わらず全米で大ヒットを記録した。『ゲット・アウト』が人種差別を恐怖と笑いで隠していたのと同様に、本作は格差社会を恐怖と血しぶきでコーティングし、その気迫は前作以上のものを感じさせる。特に前半はあのミヒャエル・ハネケの問題作『ファニー・ゲーム』を彷彿とさせる緊迫だ(ピールもハネケからの影響を認めている)。侵入者であるもう1人のアデレードは言う「私達はアメリカ人だ」。ジョーダン・ピールが...『アス』

  • 『マジック・イン・ムーンライト』

    ウディ・アレン監督の2014年作。舞台は1920年代、中国人の仮装で奇術を行うイリュージョニストのコリン・ファースは友人からインチキ霊媒師のトリックを暴いて欲しいと頼まれる。富豪にかこわれ、亡くなった家族の触媒となっているのがアレン映画初登場となるエマ・ストーン。かくして2人は丁々発止のやり取りを繰り広げながら、やがて恋に落ちていく。このプロットであればもちろん、ウディはストーンにベタ惚れなわけで、彼女は登場シーン毎に衣装が変わるまさに七変化で映画を自分のものにしている(『ギター弾きの恋』のサマンサ・モートンと似た、やや年齢の幼い衣装にウディの性癖を感じる)。方やコリン・ファースはオスカー獲得後も身のこなしは軽く、これまで何度も演じてきた気難しい英国紳士役が意外や1920年代英国版ウディ・アレンと呼びたくなる親...『マジック・イン・ムーンライト』

  • 『ナイスガイズ!』

    『キスキス、バンバン』『アイアンマン3』のシェーン・ブラック監督第3作目はまたもやお得意のクライムコメディだ。舞台は1977年のロサンゼルス、示談屋ラッセル・クロウと私立探偵ライアン・ゴズリングが少女失踪事件の裏にある巨大な陰謀に立ち向かう。水と油の2人によるバディものだが、スターが揃っても面白くならないのが映画の難しい所である。ラッセル・クロウは腕っぷしばかりだし(それに太り過ぎだ)、ライアン・ゴズリングも甲高い声で叫ぶばかりで空回り気味(もっとも、ムリしてコメディをやっている所に彼のチャームがある)。この手の映画に必要なファムファタールが不足しており、これは行方不明の女優役マーガレット・クアリーではなく、ゴズリングの娘に扮したアンガーリー・ライスがかろうじて相当するくらいだろう。2大スターに引けを取らない芸...『ナイスガイズ!』

  • 『スウィート17モンスター』

    ケリー・フレモン・クレイグ監督による本作を見てアイタタタ…と思わない大人はいないだろう。主人公ネイディーンは17歳。周りの気取ったバカ連中とはツルまない。ファッションもスクールライフも我が道を行く女の子だ。そんな彼女の親友は天使のように可愛い幼馴染のクリスタ。ところが彼女は事もあろうにイケメン、筋肉バカの兄貴ダリアンと付き合い始めてしまう。ありえない!!『スウィート17モンスター』は思春期特有のこじれにこじらせた面倒くさい自意識を描いている。ムカつく兄貴と付き合うなんて許せない。ネイディーンは「私とアニキ、どっちが大事なの?」とまで迫る。そして担任の先生に絡んでは自己憐憫に浸る始末だ。そんな彼女が何より許せないのは何者でもない自分自身なのだろう。そんな暴走女子高生をヘイリー・スタインフェルドが快演。あらゆるギャ...『スウィート17モンスター』

  • 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

    クェンティン・タランティーノの映画は数々の元ネタを事前に知っていればより楽しめる事がままある作りだが、中でも本作は事前の予習が必須だ。あなたはシャロン・テートを知っているだろうか?彼女は1960年代『サイレンサー破壊部隊』等に出演していた新進女優であり、『ローズマリーの赤ちゃん』を世界的なヒットに導き、人気監督となっていたロマン・ポランスキーの妻である。そして1969年8月9日、妊娠中だった彼女はチャールズ・マンソン率いるカルト集団マンソンファミリーによって惨殺されてしまう。カウンターカルチャーの象徴的存在とも言えたヒッピーによる凶行は社会を震撼させ、反体制の時代は終焉。当時、ヨーロッパで新作の準備中で難を逃れたポランスキーの人生にはホロコースト体験に次ぐ、暗い影を落とす事になる。この事件はその後も本や小説等で...『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

  • 『スイス・アーミー・マン』

    絶海の孤島でサバイバル生活を送る遭難者ポール・ダノ。ついに食糧も尽き、絶望に駆られて首を吊ろうとしたその時、目の前に土座衛門ダニエル・ラドクリフが漂着する。この死体はオナラ(死体の腐敗ガス)を使ってモーターボート代わりになったり、口からウォーターサーバーの如く真水を吐いたり、さらにはお喋りもできる十徳ナイフ(=スイス・アーミー・ナイフ)のような死体、“スイス・アーミー・マン”だった!ホントにそういう映画なんだってば!こうして書いていてもどうかしてるとしか思えないプロットで、映画の大半は「いったい何を見ているんだオレは…」という戸惑いが拭えない。ダノはもちろんのこと、ハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフが水死体を楽し気に演じており、一種のバディムービー、ブロマンス映画として成立している(中盤、どんどん倒錯して...『スイス・アーミー・マン』

  • 『王様のためのホログラム』

    2017年、トム・ハンクスはどういうわけかテック企業に勤める役柄が連続した。まんまスティーヴ・ジョブズ風のSNSサービス設立者を演じた『ザ・サークル』と、中東の王族にホログラフ投影機を売るセールスマンに扮した本作だ。砂漠のど真ん中に未来都市を建設しようとする王族と一介のサラリーマンの交流を描くお仕事モノかと思いきや、王様もホログラフも映画の主題ではなく、テーマは人生のやり直しだ。妻とは別れ、新しく着いたこの仕事にも大した熱意は湧かず、そして背中には何やら悪そうな“おでき”がある。ひょっとして、自分はそう遠くないうちに死ぬんじゃないだろうか?時差ボケで眠れぬサウジアラビアでトム・ハンクスは中年に危機に瀕するのである。テック企業である事は物語において重要な意味はない。ハンクスのさすがの貫禄で飽きはしないが、これでは...『王様のためのホログラム』

  • 『ザ・サークル』

    2016年の米大統領選や、ブレグジットを問う英国民投票においてFacebookの会員データが分析会社に不正流出し、有権者の投票行動に影響を与えたとされる事件を思えば、この映画も決して絵空事とは言えないだろう。主人公メイは世界ナンバーワンのシェアを誇るSNS会社“サークル”に入社。ひょんなことから創業者であるベイリーの目に止まり、小型カメラを携帯して日常生活をシェアする新機能SeeChangeの試験者として世界的なインフルエンサーとなる。さらに彼女はサークルを有権者全員に登録させ、投票率の上昇を狙うのだが…。実際に米テック企業に就職した事がある筆者の目から見ても、サークルの描写はリアルだ。会社の理念からマインドセットしていくトレーニング風景、従業員に対する手厚いホスピタリティ(バンドが来てライヴというのは本当にあ...『ザ・サークル』

  • 『女と男の観覧車』

    今のところ“最後の”ウディ・アレン監督劇場公開作である。ミア・ファローの娘ディラン・ファローへの虐待疑惑が再燃したアレンは#Metoo旋風に呑まれる形で近年の製作パートナーであるAmazonから契約を打ち切られてしまったのだ。アレン映画への出演経験がある女優達も相次いで「出演するべきではなかった」と声明を発表。92年時点で証拠不十分により無罪判決が出ているにも関わらず、御年83歳の巨匠は事実上キャリアを絶たれてしまったのである。そんな一連の騒動を思いながら2017年の本作を見ると、人生に対する彼のシニカルな視線はいつも以上に味わいがある。舞台は1950年代のコニーアイランド。元舞台女優のジニーはアルコールに呑まれて職を失い、今はウエイトレスとしてわずかな稼ぎを得ていた。依存症時代に知り合った夫ジムとは共依存的関...『女と男の観覧車』

  • 『バリー・シール アメリカをはめた男』

    驚愕の実話だ。1980年代、旅客機パイロットだったバリー・シールはCIAによって南米の偵察飛行パイロットにリクルートされる。その航路に目をつけた南米の一大麻薬カルテル“メデジン・カルテル”はバリー・シールを使ってドラッグの密輸を画策。かくしてシールはCIAの暗黙の了解の下、カルテルの航空輸送網を築き上げていく事になる。こんな事が起こり得るのか?ダグ・リーマン監督の演出はテンポも快調。この嘘みたいな本当の話をコメディとして見せていく。シールのキャラクターは全くの無個性に描かれているが、そんな事はどうでもいい。偉大なる大スター、トム・クルーズによって映画には有無を言わさぬ駆動力が生まれ、シールが次から次へと押し寄せる危機にただただ飲み込まれ、走り抜けた事がよくわかる。シールが増え続けるドラッグマネーでダミー会社を作...『バリー・シールアメリカをはめた男』

  • 祝・開設3周年

    いつも訪問ありがとうございます。おかげさまでブログ開設3周年となりました。今回はアマゾンのアフィリを付けるくらいの改良しかしていませんが(笑)、海外ドラマのカテゴリーもだいぶ増えてきたので、いずれこちらも50音に分けなくちゃいけないなぁと思っています。時間があれば過去に鑑賞した作品のレビューも上げていきたいと考えています。「この映画のレビューが読みたい」などリクエストがありましたら、ぜひお聞かせ下さい。マイペースに続けているブログですが、Twitterでご紹介頂いた時や、話題になっているけど日本語のレビューが少ない作品についてはアクセス数が増えており、ちょっと嬉しいです。今後とも宜しくお願いします。祝・開設3周年

  • 『ワイルドスピード スーパーコンボ』

    今やハリウッド屈指の人気シリーズへと成長した『ワイルドスピード』シリーズ。回を重ねる毎にキャスティングもアベンジャーズ級の豪華さへとアップグレードされ、ついにスピンオフが誕生した。ロック様ことドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムの2枚看板だ。僕はシリーズ第1作目を見たきりだったが、そんな人でも心配無用。水と油、でも毛と筋肉の量は同じ2人の痛快バディアクションコメディになっている。細菌兵器を巡る秘密結社との攻防戦というプロットはどうでもいい。『ジョン・ウィク』『アトミック・ブロンド』『デッドプール2』でアクション映画史に新風を吹き込んできたデヴィッド・リーチ監督があの手この手でアクションシークエンスを作り上げて飽きさせない。一見、似たルックスに見えるロック様とステイサムだが、身長や筋肉、そして俳優として...『ワイルドスピードスーパーコンボ』

  • 『アニー・イン・ザ・ターミナル』

    マーゴット・ロビーを初めて見たのは2013年のマーティン・スコセッシ監督作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。まばゆいブロンド、目鼻立ちのはっきりした顔立ち、そして抜群のスタイルは主演ディカプリオの添え物で終わらない存在感、貫禄があった。当時23歳!そんなルックスゆえに所謂、お色気要員的な扱いも多く、DCコミックの映画化『スーサイド・スクワッド』のハーレー・クイン役で見せたエロ可愛さは彼女をスターダムへ押し上げる決定打となった。マリリン・モンロー以後、なおも残る“ブロンド美人は可愛くても頭が弱い”というタイプキャスティングを払拭すべく、ロビーは懸命にセルフプロデュースを行っていく。2017年、米スケート界の問題児トーニャ・ハーディングを演じた『アイ、トーニャ』を製作、主演し、ついにオスカーノミネートを勝ち取っ...『アニー・イン・ザ・ターミナル』

  • 『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』

    さて、どこから話そうか?あなたがドラクエを知らなければわざわざ本作を見る必要はない。注目作がひしめく夏休みだ。ぜひとも他の映画を見よう。あなたがもし『ドラゴンクエストⅤ』にノスタルジーを感じる世代なら、やはりこの映画を見る必要はない。押入れの奥からスーパーファミコンを取り出すのも良し。今やスマートフォンでも手軽にプレイできる。ネット上にあふれる本作への怨嗟の声を聞いて、興味本位で本作を見ようというアナタもやめておいた方がいい。スクリーンで目にするのはあなたの想像を上回る腹立たしい現実だ。先に言っておく。『ドラゴンクエストユア・ストーリー』は近年稀に見るゴミ映画だ。脚本も演出も存在しないに等しく、そもそも山崎貴は92年に発売された原作ゲームを当時やったきり触ってもいないか、ひょっとしたらプレイすらしていないかも知...『ドラゴンクエストユア・ストーリー』

  • 『アウトサイダーズ』

    強盗を生業とする家族の因習から逃れようとする男…というハードボイルドな触れ込みだが、これは一風変わった父子の物語だ。彼らはまるでロマのようにトレーラーハウスで自由気ままな集団生活を送っており、子供を学校へ通わせ、暴力とも無縁である。強盗はあくまで彼らの生活を支える手段であり、その背景に貧困があることは容易に想像がつく(トレーラーハウス集落が町のあちこちに点在している事が伺える)。そんな一家の稼ぎ頭チャドをマイケル・ファスベンダーが好演している。満足な教育を受けておらず、読み書きもできないが、犯罪テクニックは超一流。カーチェイス中はタバコの一服が欠かせない。ヤマを持ちかける親父には頭が上がらないが、子供達のために足を洗おうとする子煩悩な父親だ。近年はすっかりハリウッドスターのイメージが定着したが、地元アイルランド...『アウトサイダーズ』

  • 『ゴールデン・リバー』

    作品同様にパンチのある外見をした監督といえば現代フレンチノワールの巨匠ジャック・オーディアールもその1人だろう。スキンヘッドに片時も離さないサングラス…完全に“その筋の人”だ。作る映画も“動詞”だけで積み上げる実に端正なものである。そんなオーディアールの初の英語映画となる本作はいつもと調子が違う。西部劇、主演はホアキン・フェニックス、ジョン・C・ライリー、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッドとハリウッドで活躍する演技派揃い。台詞も多く、そして笑えるのである。オーディアールに期待していた作風かと聞かれればやや答えに窮するが、これは新境地と言っていいだろう。舞台はゴールドラッシュ時代のアメリカ西部。悪名を馳せる殺し屋シスターズ兄弟は提督の命令である化学者の行方を追っていた。先発する提督の部下モリスとは連絡がつか...『ゴールデン・リバー』

  • 『ビッグ・アイズ』

    1950年代に一世を風靡した大きな瞳の寂しげな女の子の絵“ビッグ・アイズ”。当時、画家ウォルター・キーンによる作品と認知されていたそれは妻マーガレット・キーンが描いたものだった…ティム・バートン監督による本作は実に現代的なテーマであり、ネオウーマンリヴを先駆けている。1950年代当時、女が独立して生計を立てる術はなく、バツイチだったマーガレットも多分に漏れず世間を知らなかった。詐欺同然の贋作商売をしていたウォルターに口八丁手八丁で丸め込まれ、彼女はゴーストライターとしてビッグ・アイズを描き続けることになる。モラハラ夫によって気力も判断力も奪われてしまう精神的DVは今でこそ世間に認知されているが、マーガレットにはなす術のない事だ。絵画というアイデンティティを奪われたマーガレットの哀しみをエイミー・アダムスは好演。...『ビッグ・アイズ』

  • 『デリー・ガールズ 〜アイルランド青春物語〜』

    舞台は1990年代の北アイルランドはデリー。当時のアイルランドは長きに渡る紛争状態にあり、銃や爆破テロと背中合わせの毎日だった。だが高校生のエリン、オーラ、クレア、ミシェル、そして学校で唯一の男子となる転校生ジェームズにとってそんなの関係ない。青春時代は生きてるだけで問題だらけなんだから!『デリー・ガールズ』は“アイルランド版『あまちゃん』”と呼びたくなる痛快ドタバタコメディだ。良くぞまぁ集めたと感心してしまうブサイク(失礼!)揃いのデリー・ガールズや、婿へ執拗なモラハラを繰り返すグランパ、教育者として全くやる気のないシスターマイケルなど個性的なキャラ達が毎話、すっとこどっこいな騒動を繰り広げる。そして『あまちゃん』と呼びたくなる一番の理由が登場人物達のリスニング不能なアイルランド訛りだ。これが実に耳に楽しく、...『デリー・ガールズ〜アイルランド青春物語〜』

  • 『ウーナ 13歳の欲動』

    時代の変化のスピードを感じる。原作戯曲は2005年、その映画化となる本作の公開は2016年。2019年の今見ると、ほとんど化石のような価値観の映画だ。ルーニー・マーラ、ベン・メンデルソーン、リズ・アーメッドら実力派俳優が揃ったが、今となってはその出演意図を察する事も難しい。ウーナがレイと再会する。親子ほど歳の離れた2人はウーナが13歳の時、性的関係にあった。2人は互いに恋愛関係であると信じていたが、レイは逮捕されて社会的な制裁を受ける事となり、ウーナはその後も同じ家に住んで地域から好奇の目で見続けられる人生を送った。性的虐待によって心を壊されたウーナをルーニー・マーラはガラスのような繊細さで演じ、実に痛ましい。虐待がもたらす傷は永遠であり、出口のない苦しみである。だが、映画はウーナにもレイにも主観を置いておらず...『ウーナ13歳の欲動』

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