昨日、転載した、新刊書の副タイトルの中に… ・スペインでは「提供拒否」の 意思なき臓器は摘出され、移植へ という項目がありますが、これについて補足説明をしま…
生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。 ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。 これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
〈Qー3 主治医の猛反対〉 言葉を挟もうとして、「それは…」と、言いかけたところ、O医師は、「言わないで!」と、一方的に、シャットアウト。 「人工透析は、一…
〈Qー2 主治医の猛反対〉 これで終わり、の流れだったのですが、突然、「腎移植をしたいと、言いに行ったようだけど…」と、例の話の第二ラウンドが、始まりました…
〈Qー1 主治医の猛反対〉 翌月、夫の診察の日、私たちは二人で、大学病院に出向きました。 前回、思い切って、「再び、ドナーになりたい」と、切り出したところ、…
〈Pー9 腎移植への挑戦〉 六月の夫の検診日、ドキドキしながら、その時が来るのを待ちました。 徹夜のオペで、お疲れモードのO医師に向かって、私は、口火を切り…
〈Pー8 腎移植への挑戦〉 私の、「二度、ドナーになった人捜し」は、難航しました。捜せども、一向に見つかりません。 そのうち、私たちのケースは、とても珍しい…
〈Pー7 腎移植への挑戦〉 肝移植のときもそうでしたが、「やるっきゃない。私がドナーになる!」と、決めたからには、とにかく、二回、ドナーになった人がいるのか…
〈Pー6 腎移植への挑戦〉 肝移植の時は、「移植をしない」という選択は、遠からぬ死と、直結していました。ところが、腎移植の場合は、移植を選択しなくても、人工…
〈Pー5 腎移植への挑戦〉 「どう思う?」と、子どもたちに尋ねると… 「病院の先生が、駄目って言うんだから、それに従った方が、いいと思う」 「肝臓のときは、…
〈Pー4 腎移植への挑戦〉 人工透析患者の都合など、まったく考えないに等しい、大学病院のしゃくし定規な対応に、夫は、腹立たしさと無力感を、感じていたようで、…
〈Pー3 腎移植への挑戦〉 あの悪夢の日から一年。夫の人工透析生活も、一年になりました。肝移植のダメージからは、すっかり脱却し、腎不全にならなければ、社会復…
〈Pー2 腎移植への挑戦〉 けれども、私は既に、バツイチならぬ「ドナー1」体験者。そんな私が、さらに、「ドナー2」体験者になることが、果たして、可能なのか?…
〈Pー1 腎移植への挑戦〉 ちょうど、失意や諦めということばが、夫の横顔の陰りと、重なり始めていたころ、生体肝移植手術後一年の検診が、ありました。 主治医の…
〈Oー6 シーシュポスの岩〉 こう着状態が続く中、私は、人工透析を受ける夫を思うとき、こんなことを、イメージするようになりました。 「シーシュポスの岩」とい…
〈Oー5 シーシュポスの岩〉 この「水面下の真実」を、感じ始めたきっかけは、人工透析を終えて、帰宅してきた夫の様子、言動や表情にありました。 『透析の手引書…
〈Oー4 シーシュポスの岩〉 夫は、人工透析患者として、一生を送ることを、ある日突然、余儀なくされたわけですが、その人工透析生活を、運命だと思って、受け入れ…
〈Oー3 シーシュポスの岩〉 年が明けて、平成27年のお正月、夫と二人で、初詣に出かけました。 困った時の神頼み、という言葉通り、これまでの人生の中で、昨年…
〈Oー2 シーシュポスの岩〉 お母さんへ明けましておめでとう。2014年は、我が家にとって、私にとって、いろいろあった年でした。思い出すと、つらい時間の方が…
〈Oー1 シーシュポスの岩〉 ▼机の上に置かれていた、 長女からの二通の手紙 お父さんへ明けましておめでとう。まさか、というのも、なんですが、新しい年を、こ…
〈Nー5 苛酷な人工透析生活〉 激動の平成26年も、フィナーレを迎えようとしていました。 肝硬変の末期で、腹水のコントロールが、全く出来なくなり、妊婦のよう…
〈Nー4 苛酷な人工透析生活〉 透析クリニックに行くと、透析歴の長い患者にも、会うことになります。 手首が、コブのように腫れ上がった人。シャントが駄目になり…
〈Nー3 苛酷な人工透析生活〉 その日は、入院中、お世話になった看護師さんたちに、会いに行こうと、入院病棟を訪れました。 ナースステーションにいた、看護師さ…
〈Nー2 苛酷な人工透析生活〉 夫の退院後3回目の検診は、一か月ぶり。 夫の様子を見たO医師は、驚いた声で、「えーっ、こんなに良くなったの?おい、見ろよ!別…
〈Nー1 苛酷な人工透析生活〉 暑いお盆の時期に、退院した夫が、自宅療養を始めてから、二か月が、経とうとしていました。 退院時に、毎日すると決めたことを、続…
〈Mー5 車椅子での生活〉 退院当初の夫の脚力は、お粗末でした。病院内では、スタスタと、歩けていましたが、一般道路では、そんな訳にはいきません。 道路を渡ろ…
〈Mー4 車椅子での生活〉 昼食は、帰宅後の午後二時ごろ。その後は、横になって休まないと、しんどそうで、座っていられません。お昼寝タイムが終了するのは、夕方…
〈Mー3 車椅子での生活〉 さっそく、その日から必要な車椅子を、取りに行きました。 初めて押す車椅子は、子どものベビーカーと違って、ハンドル操作が難しいので…
〈Mー2 車椅子での生活〉 退院前日、移植コーディネーターのTさんが、夫の病室に、やって来ました。 「退院後は、毎日、体温を測っていただき、体温が37,5度…
〈Mー1 車椅子での生活〉 「退院は、8月14日」と告げられたのは、その10日前。 退院日までに、決めておかねばならない懸案が、二つありました。一つは、その…
〈Lー5 肝機能は回復〉 しかも、夫の肝機能は、相変わらず、移植前のような、悪い数値が、続いています。 ところが!七月も終わるころから、夫の肝機能が、ぐんぐ…
〈Lー4 肝機能は回復〉 その確信が、少しずつ、不安へと変化していきました。 いつまでたっても、人工透析による、血液浄化時間が、短くならないのです。むしろ、…
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昨日、転載した、新刊書の副タイトルの中に… ・スペインでは「提供拒否」の 意思なき臓器は摘出され、移植へ という項目がありますが、これについて補足説明をしま…
新刊書の裏面の帯(おび)に、列挙された副タイトルは… ・新聞協会賞受賞「海外臓器売買」 スクープは真実か? ・巨大メディア(NHK・読売・文春)を 名誉毀損…
今から数か月前の、2025年3月末に、幻冬舎新書の新刊、臓器ブローカー~すがる患者をむさぼり喰う業者たち~が、発売されました。 この新刊の著者は、NPO…
故万波医師の上司として、万波先生を支え続けた、近藤先生は、すでに1980年代に、市立宇和島病院に、病院独自の、『院内移植コーディネーター』を配置し、万波先生…
また、ひとたびJOTに、移植に関する権限を集中させたのなら、JOTが責任をもって、全国の移植施設間を、綿密なネットワークで連結したり、移植コーディネーターを…
…この厚生労働省の改革案の記事を読んだ途端、私は、無性に腹立たしさを感じると同時に、「28年もかけて振り出しに戻っただけ」という空虚さも感じました。 「JOT…
そんな度重なる情けない現状が、明らかになり、JOTの綻びが露呈してしまったので、早急な対応や改革が、求められるようになりました。その結果… 今から半年余り前…
「日本における唯一の臓器斡旋機関」というお墨付きを得たJOTでしたが、1997年の設立以来、28年も経つというのに、移植希望の大半を占める、『腎移植希望者』…
この「9割が生体ドナーによる移植」という現実も、外国ではありえない、日本特有の歪んだ偏りだと言えます。言い換えれば、日本の移植は、家族の下支えによって、かろ…
このトップ記事に対して、日本の臓器移植を牛耳っている方々は、情けないと思わないのでしょうか? 失礼ながら、厚労省の担当者や審議委員の先生方は、移植が進もうが…
こんな当たり前過ぎることに、これまで着手せずに、膠着時間だけを費やしてきた結果、移植医不足や移植専門病床不足、そして、移植前後に必要な、ICUのベッド確保が…
自由裁量が少なく制約の多い中で、日本の移植成功率を、よくぞ、世界のトップレベルにまで、引き上げてくれたものだと、先陣を切って、移植に没頭してきた移植医の方々…
死に瀕して苦しんでいる、臓器不全患者を救うために、『臓器移植』という先進医療分野で、希望に燃えて奔走してきた移植医たちは、JOTの、(全ての権限は、こちらで…
日本臓器移植ネットワークに、臓器移植に関わる、全ての集約・分配の権限を、一元化し、そこに〈公平・公正〉という、錦の御旗を掲げたのならば、臓器移植が速やかに進…
そもそも、万波先生は当時、日本移植学会に、所属していませんでしたから、学会に届け出てお伺いを立てる必要は、なかったそうです。 ですが、移植学会幹部やマスコミ…
これまで何度も、このブログで取り上げてきた、『病気腎事件(正しくは修復腎事件)』に関する、様々な資料を読んだり、厚労省や移植学会の、すさまじいまでの万波先生…
「臓器移植をする・しない、移植を受ける・受けないの4つの権利を、公平公正に尊重します」なんて、今の日本では当たり前すぎて、基本理念として、わざわざ冒頭で、ア…
昨日このブログに記載した、JOTの〈基本理念・価値観〉 なんだかなあ…と思ってしまう、空虚な美辞麗句のオンパレードです。ここに掲げられた、多くの価値観のうち…
【グリーンリボンキャンペーンとは】企業・団体・行政の支援によって、このキャンペーンは運営されていますが、10月の移植普及月間には、以下のようなイベントが開催…
〈グリーンリボン〉という、臓器移植活動のシンボルマーク…実は、ドナーに2度なった私でさえ、グリーンリボンの存在を知ったのは、ほんの数年前でした。その後も状況…
〈Rー13 万波誠先生への直訴〉 私は、二度とも、ドナーになる際に、断られましたが、その根拠として、医師の側が示した内容には、到底、納得できませんでした。 …
〈Rー12 万波誠先生への直訴〉 それにしても、いろいろな意味で、当時74歳の、万波先生は、「すごい方だな」と、思わずにはいられませんでした。 「紹介状なん…
〈Rー11 万波誠先生への直訴〉 「一番早い日で、9月2日に、手術をしましょう。その前に、奥さんとふたりで、精密検査をしに来てもらって…」「本人は、人工透析…
〈Rー10 万波誠先生への直訴〉 次は、夫への質問です。 「奥さんが、ドナーになるって、言ってくれたの?」「はい、家内から申し出てくれました」「そう、じゃ、…
〈Rー9 万波誠先生への直訴〉 まず、私の身体状況についての、質問です。 「奥さんは、肝移植のドナーになって、一年は経っているんだね」「はい。一年三か月経ち…
〈Rー8 万波誠先生への直訴〉 翌日届いた、病院事務室からの返信は、次のような内容でした。 この度は、ご相談いただき、ありがとうございます。メールでの状況を…
〈Rー7 万波誠先生への直訴〉 ところが、先日、肝移植主治医から、以下のような猛反発を、受けました。「万が一、何かあったらどうするの?世間が、生体臓器移植を…
〈Rー6 万波誠先生への直訴〉 昨年3月に、肝硬変末期のため、生体肝移植を希望して、都内の大学病院に、緊急入院いたしました。翌月、妻をドナーとして、移植手術…
〈Rー5 万波誠先生への直訴〉 腎臓病に精通した、高齢の医師にとって、私は、受け入れてもらえるドナーなのか。 イチかバチかの、勝負に出ることにして、どんな展…
〈Rー4 万波誠先生への直訴〉 大学病院をはじめとする、大規模病院の硬直性、権威主義。患者の苦しみよりも、自己保身や、病院の評判を、優先する姿勢。 今回、そ…
〈Rー3 万波誠先生への直訴〉 猛烈なバッシングを、繰り返していたマスコミは、この辺りから、手のひらを返したように、万波先生を、良医として、取り上げるように…
〈Rー2 万波誠先生への直訴〉 その後は、当然のことながら、万波先生が、悪徳医師どころか、地位も名声も求めず、四国の海沿いの、過疎化が進む小さな市(宇和島)…
〈Rー1 万波誠先生への直訴〉 「こうなったら、この方にお願いしてみるしかない」と、私はついに、決心しました。 この方とは、愛媛県宇和島市在住の、万波誠(ま…
〈Qー10 主治医の猛反対〉 腎移植を望まないまま、移植自嘲派、あるいは、移植懐疑派になることなど、考えられませんでした。 ただ、ひたすら、「私は、生体臓器…
〈Qー9 主治医の猛反対〉 夫は、生体肝移植を受けなければ、あと半年ほどで、人生の終局を、迎えていたはず。それが…どす黒く固まり、害悪でしかなくなった、自分…
〈Qー8 主治医の猛反対〉 ▽医師はリスク回避を最優先するため、発想がネガティブである。 O医師が、発した言葉は、私の意思とは乖離したものでした。 O医師の…
〈Qー7 主治医の猛反対〉 ▽移植医は、世間の評判を、とても気にしている。 このころ、生体肝移植は、技法が確立してから、まだ、20年足らず。 そのため、O医…
〈Qー6 主治医の猛反対〉 一方、取りあえずの命が担保される、腎臓とは異なり、O医師の専門分野である、肝臓は、末期に、究極の救済方法である、肝移植がなければ…
〈Qー5 主治医の猛反対〉 ▽同じ移植医でも、肝移植医は、腎移植の必要性を、知らない。 以前、別の移植医が、「僕は、肝臓が専門なので、腎臓のことは、さっぱり…
〈Qー4 主治医の猛反対〉 「そりゃ、生き死にに関わる、というのなら、考えるけどね。これが、私の、というか、当大学病院の、方針です」 時間的には、数分間に過…