総合評価・・・3.82 2024年現在、モーニングで「望郷太郎」を絶賛連載中の「山田芳裕」の代表作とも呼べる作品、それが本作「へうげもの」だろう。主人公は織田信長に仕える武将「古田左介」。のちの世に織部焼を残すことになる武将茶人「古田織部」なのだが、この人物がとにかく名物と呼ばれる器や茶の湯の道具に目がなく、戦乱の時代に翻弄されながらも、ひたすらに自身の物欲と求める数寄の道を目指す物語である。タイトルである「へうげもの」の由来は「ひょうげたもの」=「ひょうきんな人」といったところで、まさに本作の主人公をあらわすに相応しい表現といえる。 戦の時でも名物に目がない数奇者の主人公(1巻より引用) こ…