chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
自句自賛 https://plaza.rakuten.co.jp/jikujisann/

自分の句を自分で解説していきます。大好きな季語に毎日触れていきたいです。

ココ
フォロー
住所
未設定
出身
愛媛県
ブログ村参加

2017/01/27

arrow_drop_down
  • 桜餅

    薄墨の餡のはみ出す桜餅 桜餅はとても柔らかで、その中の餡、そしてその色合いもまた柔らかです。春は揺蕩う季節ですが、その柔らかさが、桜餅をより一層春に相応しいものとしていると感じます。

  • 冬隣

    空白の多き貨車行く冬隣 荷台に空白ばかりの貨物列車が行き過ぎました。これから先の地点で荷を載せるのかもしれません。寒々しい感じが今の季節に合うように思いました。

  • 鬼灯

    鬼灯の供へられたる墓並ぶ 秋には鬼灯の入った供花が多く、墓地でも多く見かけるようになります。

  • 破蓮

    頭骨の割られし夢や破蓮 時折妙に生々しい感触の残る夢見があり、ざっくりと頭蓋骨に刃が入った死人の夢もその一つです。あまり寝しなにホラー系の映像を見るのはやめるべきかもしれません。

  • 朝涼

    朝涼や美濃にて選りし和蝋燭 昔からある美濃の和蝋燭の店で、商品をいろいろ見せてもらったことがあります。町には涼しく水と風が通っていました。

  • 水鉄砲

    水鉄砲撃たれ倒れし水しぶき 水遊びは全身ずぶ濡れになるのが楽しく、水を浴びたり転んだり、時間を忘れて遊んだ思い出があります。

  • 夏帽子

    柔らかき夏帽のつば上向きに 夏帽子は強い日差しを遮る役割ももちろんありますが、目深にかぶるばかりではつまらないです。時にはつばをぐっとあげることも。

  • 夏草

    手に薄く滲む血夏草掴むとき 夏草は硬くて強い鋭いものがあり、抜こうと不用意に掴むと手を切ったりします。

  • 沙羅の花

    闇に置く白き顔沙羅の花 夜散歩していたら真っ白な沙羅の花に行きあいました。夜闇の中、白い乙女の顔が浮かび上がっているようでした。

  • 氷菓

    勾玉のごとき氷菓の色愛でし 今では氷菓の季節感も薄れていますが、夏の屋外で涼を感じつつ色味を楽しむのが氷菓の1番のあり方のような気がします。

  • カーネーション

    カーネーション水換ふるとき腐臭せり 夏場は特に切花の水が傷みやすく、かつ濁ったり臭ったりします。花が可憐であればその差異が際立ちます。

  • 夏の霧

    水銀のなき体温計夏の霧 最近は水銀の体温計は見なくなりました。気軽に体温を測りつつ、ガラスに覆われた水銀の上下の特別感を思い出します。

  • 葉月

    猫のごと軽く駆けたき葉月かな 猫の軽やかでしなやかな身のこなし。あんな風に動けたらと思います。

  • 睡蓮

    睡蓮や哀しみ永遠に薄れざる 睡蓮はその美しさにどこか哀しみを含有する花であるように思えます。

  • 白玉

    白玉や静寂に満ち小路奥 賑やかな繁華街から少し入った小径にある甘味処。心身が鎮まります。

  • やませ

    やませ吹く燃え残りたるふとき骨 生き様というのが強い人は体も壮健、死後荼毘に付しても太い骨が残って「ご立派なお骨です。」と言われたりします。一方でこの人はさぞやと思っても、案外脆く何も形に残らないと

  • バナナ

    黒ずみしバナナの端を捨てにけり 夏の果物は足が早く、うっかりしていると傷んだり変色していたりします。バナナは房に何本もあるので、最後の方まで変色せずに食べ切るのが難しいです。

  • 夏至

    柔らかく薄明かり曳く夏至の夜は 夏至の夕暮れは驚くほど長く、いつまでも明るいものです。ここが折り返しだと考えると、これから夏本番なのにと不思議な気がします。

  • 一輪車の子ら駆け回る桜かな 桜の咲く時期は新学期。はしゃぐ子らの歓声が響きます。

  • 万愚節

    書きかけの言の葉ひとつ万愚節 今日はエイプリル・フールです。日中エイプリル・フールの何かかと思うような信じられない光景をひとつ見たのですが、後から理由があったと知り、少しだけガッカリしました。

  • 花の雨

    午前四時細く降り初む花の雨 花の咲く頃から、朝がより一層明るくなってくる気がします。その前の薄暗がりに雨が細く降り始めました。

  • 卒業

    一年を継ぎ足し生きて卒業す よくこの◯年間の思い出を、とか卒業の際にはまとめる年月ですが、個人的には漸くに一年一年を足して生きていた感が強いです。

  • 蕗の薹

    蕗の薹ビルの和室に窓はなく 本当の和室でなく、ビル内の和室を模した空間などでは、開けられない障子が窓のように壁に付いていたりします。季節感のあるような無いような不思議な感じです。

  • ネーブル

    陽の色のネーブル雨音止みし朝 雨は必要なものだと思ってもやはり晴れの日の方が気持ちが明るくなります。

  • 和布

    柔らかく熱き和布の舌に溶け 春のわかめ、特に舌に溶けるほど柔らく煮たものは絶品です。

  • 風船

    キャンペーンソングに揺るるゴム風船 人の少ない一角に設けられたキャンペーンカウンターと、来訪者に渡されるためのゴム風船。いつまでも貰い手がなく曲に合わせて揺れ続けています。

  • スイートピー

    腕巡らせスイートピー抱へけり 春には殊に花を飾りたくなりますが、それが両腕に溢れるほど有る光景に憧れます。

  • 春疾風

    引越しの積荷繚乱春疾風 春は引越しシーズンです。それこそ積荷がトラックに溢れんばかりに積まれたり降ろされたりの、入居や退去の様子があちこちで見受けられます。時期的に強い風が吹いたりして、養生のため

  • 春暁

    春暁のわだかまりある目覚めかな 最近自分が男だったらどれほど人生は生きやすかっただろうかとよく考えます。ずっと自分を苦しめてきたもの全てはそこに発端があるように思うのです。でもその反面、女性を虐げ

  • 春筍

    春筍数切れ混じるパスタかな 春の野菜は香り高く、料理に少しでも入ると主張をするものが多いです。春の柔らかい筍は貴重で、旬も短いので、日替わりのパスタなどに入っていると春を満喫できたような気がします

  • 鳥雲に

    見返しは淡き空色鳥雲に 美しい装丁の本はそれ自体が一つの詩のようで、いわゆるジャケ買いを促すものだと思います。そして季節にも各々似つかわしい色があるのではないでしょうか。

  • 春めく

    炭酸の缶開けし音春めくや 暖かくなってくると冷たく爽やかな飲み物を、殊に昼間には欲しくなります。炭酸の缶のプルトップを引く際特有の音をこの春初めて聞きました。

  • 余寒

    横向きの女の肖像余寒かな 春と言えども非常に寒い日もあります。暗い背景を背にした横向きの女の肖像画は、そんな感じをより一層強めるように思います。

  • 霞む

    思ひ出の輪郭霞む白昼夢 ごくたまに何かのきっかけで昔のことを思い出すことがあります。そのような場合、当たり前なのですが、その輪郭をはっきりさせようと思えば思うほど、霞んでいくような錯覚に陥ります。

  • 淡雪

    淡雪や花器は白磁を選びけり 淡雪は春先に降る名残の雪のことです。降っても積もらずにすぐに消えてしまうはかない雪です。でも雪が降るので空気は冷たくでも明るく、その空気感や雪の白さに相応しいのは白磁の

  • 水草生ふ

    青昏き水面煌めく水草生ふ 覗き込むと昏く見える池の中に煌めく光があり、新しい水草が生えてきていました。繁茂というほどの勢いはないものの、植物の生命力には驚かされます。

  • 春の昼

    ポケットを探りて募金春の昼 うららかな春に道を歩いているとふと目に止まる募金箱。わざわざ財布を開くほどのことはせず、さっきのお釣りの小銭が確かポケットに突っ込んだままだと探ってみる。募金にもいろい

  • 若緑

    若緑一方通行の隘路 若緑とは松の新芽、若葉のことを言います。奥まった通りにくい道に沿って立派な松の植えてあるお家があるような景色を詠みました。あまり人の通りもないような昔ながらの木塀の上から松がの

  • 手作りのパンの硬さや蜂の蜜 ブームであることもあり、最近手作りのパンを売るお店が増えました。ふっくら柔らかいことを売りにするパンもある一方で無添加や昔ながらの作り方の無骨なパンもあります。好きなお

  • 春の鴨

    直線の水脈並べ曳き春の鴨 穏やかな池の水面に春の鴨達が各々まっすぐに泳いでいます。円を描いたりジグザグにはならないので、一直線の水脈となります。

  • 冬の虫

    信心と疑心のあはひ冬の虫 秋が終わってもまだ力無く鳴く虫は迷いの心のようです。

  • 枯葉

    哀しみといふ拠り所枯葉踏む かさかさと軽く音を立てて踏まれる枯葉はもの思いの邪魔をしません。拠り所のない気持ちは不思議と哀しみには座りが良いようです。

  • 日記買ふ

    愉しげに日記買ふ人眺めけり 日記帳選びに迷うほど沢山の種類の日記が売られています。楽しみながら日記を選ぶ人を私は気がつくと眺めていました。

  • 湯冷め

    湯冷めせし早さや心遅れ行く 寒くなってきたので気をつけなければすぐ湯冷めするようになりました。湯上がりのぼうっとした気持ちが、湯冷めの身体に追いつきません。

  • 初時雨

    くずかごの消え去りし駅初時雨 都会では 最近くずかごのある駅はなかなか見なくなりました。あっても手も入らないくらいの入り口だけのダストボックスです。かぱっと大きな円柱形のくずかごは消えてしまったのでし

  • 菊枯る

    菊枯れて人訪ふを待つ御霊かな お墓まいりに行くと、中には枯れた菊がそのまま残っていたりするお墓があります。墓地が家の裏手にあったような時代とは違って、訪れは間遠になりがちな現代ならではの光景です。

  • 冬麗

    冬麗や光樹間を透かしけり 冬の日は傾きが早く、その光は樹間を斜めに通ります。僅かな時間だけに眩さが印象に残ります。

  • おでん

    おでん炊く人寄り添ひて暮らす町 狭い路地が入り組んだ宅地の日暮れ時、特に冬には各家の煮炊きの匂いが満ちます。その匂いだけで温かさを感じます。

  • 冬に入る

    寂しさは稜線のいろ冬に入る 高所から見た山の稜線は夏よりも薄く、小さく見えました。これから先の季節の厳しさを重ね、ふと物寂しさを感じました。

  • 秋桜

    片耳にピアス揺れをり秋桜 儚くも存在感のあるコスモスの花ですが、片耳のみあるピアスのような少しの欠落感を感じます。

  • きちこう

    きちこうや我が身に幾多の血の流れ 元を辿れば全ての人は一人の女性に行き着くと聞いたことがあります。それならば今複雑に枝分かれした私達はどんな流れを辿ったのでしょうか。

  • 富士山麓の水含みつつ秋の富士 名水のペットボトルがどこでも買える昨今、富士山麓の水は汲みに行かずとも飲めるようになりました。それを手に遠く眺めている秋の富士です。

  • 草の絮

    草の絮通過列車は飛ぶやうに 誰もいないような田舎の各駅停車駅で、通過列車は止まることなく過ぎ去ります。そこに駅などないように。

  • 夜寒

    カーテンの襞の暗がり夜寒かな 寒くなってくると防寒対策として早めにカーテンを引くようになります。既に暗さの迫ってきた室内では影も出来ます。

  • 林檎

    夜を行きしアタッシュケース林檎の香 夜仕事帰りと思われる人と駅前ですれ違った時、林檎の香りがしました。意外な時と場所に思いがけない香りがして、不思議な感覚がしました。

  • 薄紅葉

    あちこちに小さき橋や薄紅葉 よく小京都などと呼ばれる地方の町には、水路と季節の木々を美しく配した一角があります。 人々に愛されてきた光景は現代の私たちの目も楽しませてくれます。

  • 白萩

    白萩のこぼれこぼれて猫の後 猫がさささっと庭を過ぎった音がし、姿は既になく、空耳かと思っていたら、白萩がたくさんこぼれていました。猫は自分のいた印を残していました。

  • 秋雨

    秋雨や日毎に褪せしものありて 秋が終わりに近づくと色褪せたり細ったりするものがあります。一方でまた冬に肥ゆるものもあるのですが、秋雨の降る日には衰えるものに目がいきます。

  • 秋灯

    二度と見ぬ消印一つ秋灯 消印を集める蒐集家も世にはいると聞きます。私にはその趣味はありませんが、ここからはもう手紙は来ないだろうと思いながら、過去の書簡を振り返ることがあります。

  • 秋寒

    がら空きのカゴレジに置き秋寒し 大して買うものがない時、カゴの中には一つ二つと数えられるくらいの品しか入れずにレジに行きます。なぜか物寂しい気がします。

  • 秋色

    双眸に秋色宿す人静か 季節を写すような眼をしている人がいます。秋色を眼に宿らせる人は静かな人でした。

  • 秋草

    秋草の中に自転車乗り入れぬ 花野なら遠慮するところかもしれませんが、秋草の野なら入れます。街中では、アスファルトの上ではなく土の上を自転車で走ることは滅多にありません。

  • 銀杏散る

    銀杏散る昔文豪住みし町 古い町には昔のままの街路樹が残っていたりします。最近ではもうあまり流行らない種類の樹を見ると、タイムスリップしたような気がします。

  • 朝顔

    朝顔の力無く垂れ紺を閉づ 最近までまだ頑張って咲いている朝顔が近所にありましたが、さすがに茎も弱り、花も小さくなってきていました。そしてとうとうある日撤去されていました。

  • 秋蛍

    秋蛍誘ふ先は黄泉の国 秋蛍は儚さの極みのようです。そんな秋蛍について行った先にはこの世の境を超えた黄泉の国があることでしょう。

  • 野分後

    野分後雲千切れ飛ぶ車窓かな 先ごろの台風は大きな爪痕を各地に残しました。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。報道を見聞きするたびに現地の方々の辛苦を思い、一日も早い復興を願わずにはいられません

  • 長引きし話女は藷を割る 一見呑気そうに見える人でも、深刻な事情を抱えていることもあります。話が長引く中、思いつめないように、逆に敢えて明るく振舞っていたりするものかもしれません。

  • 青蜜柑

    乳飲み子を固く抱く母青蜜柑 まだ生まれてそんなに経っていない、ほやほやの赤ちゃんを、慣れない手つきのお母さんが大事に一所懸命抱いて買い物などしていることがあります。 赤ちゃんを庇うお母さんの緊張感や

  • 秋日和

    駆け抜けし五色の鉢巻秋日和 今は暑さ対策に赤白帽を着用する運動会が多いのでしょうか。昔色別に縦割りで組を分けた運動会があり、子どもたちは色々な色の鉢巻を巻き、競技をしていました。単に赤白の2チームでは

  • 木犀

    吾を責むるごと木犀の香りけり 朝窓を開けると、とても強く金木犀が香りました。見たくないものは目を瞑ると見えませんが、香りは不意打ちのように降りかかってくることがあります。金木犀の香りは好きなのですが

  • 団栗

    団栗を固く握りて離さぬ子 小さな子は木ノ実や落ち葉を拾うのが好きで、それをなかなか離しません。どこにそんな力があるのかと驚くほど強く握りしめて、手を開かせるのに困るくらいです。

  • 曼珠沙華

    狐出る里に燃えけり曼珠沙華 昔狐が出たと言われる里があり、そこでは秋になると真っ赤な曼珠沙華が咲きます。人を化かすと言う狐と曼珠沙華の形状はどこか似つかわしく、不思議な光景に思えます。

  • 炎天

    炎天や己の影の滅しけり ココ 暑い中、息も絶え絶えに歩いていると、自分の影すら消滅しているほど現実感がなくなって来るような気がします。

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ココさんをフォローしませんか?

ハンドル名
ココさん
ブログタイトル
自句自賛
フォロー
自句自賛

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用