週に2本ほどショートショート作品を掲載しています。読みきり、1作品およそ5分ほどの文量です。
たった5分で消えていく、愉快だけどどこか物憂い物語世界。こんな世界があったら、いいね。
そのころペンギンは陸を歩き、海を泳ぎ、空を飛び、ペンギン語で語り合い、世界中どこでも自分の気に入った場所で生活をしていた。あるものはリアス式海岸で一日中カキを採って食べていたし、あるものは暖かい広葉樹林の中でハンモックに横になり、まどろみの中で一日をす
現代には軟弱な若者が増えてきている、けしからん、と語気を荒めながら話す声がすぐ後ろから聞こえてきた。僕はがやがやと話し声の飛び交う店のカウンターで、ビールを飲みながら『戦争と平和』を読んでいるところだった。 ちらと振り返り声の主を見ると、アルコールなの
少女の左手首からゆっくりと――公園の砂場で手にいっぱいすくった砂が、少しずつこぼれていくように――血が流れていた。浴室の大きな鏡に映る自分の姿が、彼女にはなにか奇妙なものに感じられた。浴室の暖かいあかりに照らされる自分の姿を見ながら、彼女は「どうして私
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