「春」と云ってももう良いのだろう水面を渡ってくる風が緩やかに南から吹き付けるこの海岸今日は波も穏やかで遠くまでふんわりと凪いでいたアルコールストーブで沸かした湯でコーヒーを淹れると少しコーヒーにアルコールの匂いが移ると思わない?あ、思わないかそんなもやもやとしたコーヒーを啜りながら渚に打ち寄せる波を飽きもせずに眺めているこの海岸にはもう40年以上前から繰り返し来ているけど海の方を眺めている限りでは本当に何も変化が無くて遠くに見える渥美半島に少し風車が建ったくらいか消波ブロックも防波堤もそのままだからここへきて海を眺めているとまるで時間が止まっているかのように感じる過去も未来も何も変わらずボクが生まれる前もボクがいなくなった後もここでは本当にそんなことがどうでも良いと思えるから不思議だ自分の意識をどこかへ放...未知の体験にサルは繰り返しスロットルを捻り続ける春