ウィーン時代の友人から、ある日お願いがあるんだけど‥とメッセージが届いた。 簡潔に言えば、彼女が経験したある機関の闇について、ペンネームか本名どちらで出版するか悩んでいるから、テキストを読んでほしいという内容だった。 私とは全く違う畑の人なので、自分がどう役に立つか。そんな疑問はとりあえず横にして、二つ返事で、うん、送って!とテキストを受け取った。私以外には母親にしか見せていないが、もう出版されることは決まっていて、出版社に名前を公表するか2週間以内に返事をしなければいけないとのこと。 読み始めて、とても内容が苦しくて、一度途中で休憩が必要だった。彼女から当時、逐一その話を聞いていたので、新し…