旧約と新約が描く個人の終末とは ー 終末論(3)(学び合いの会
Ⅱ-3旧約時代の死後の観念以上はイスラエル民族または人類全体の終末についての旧約の考え方であるが、人間個人個人の終末または死についての考え方を以下の通りにまとめてみた。もともとユダヤ教の伝統は神とイスラエル民族全体との結合(つまり契約)がテーマであり、古代イスラエル人は個人の死についてはあまり問わなかった。旧約聖書全般では、長生きすること・富と子宝に恵まれること・社会的地位や名声を得ることが、人生の目的とされた。人間は死ぬと、シェオール(よみ黄泉、新共同訳では陰府)に下り、地上との関係のみならず神との関係も絶たれ、悦びも希望もない陰のような存在になると考えられていたようだ。知恵文学以外で死者の希望を語るものはまれだという。死後の「報い」について語るのは「知恵の書」だけである。だが、捕囚期以降、個人の死が問...旧約と新約が描く個人の終末とはー終末論(3)(学び合いの会
2022/09/30 09:39