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本ブログ / 読書日記

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2016/10/01

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  • 『空色勾玉』 荻原規子

    著者の荻原規子さんは、子どもの頃に『ナルニア国ものがたり』を読み、感銘を受け、それ以来ファンタジーの周辺を読みあさってきたのだそうです。しかし、なにぶん翻訳ものばかり。いつしか日本のハイファンタジーを読みたいという思いに至るのですが、当時は

  • 『空色勾玉』 荻原規子

    著者の荻原規子さんは、子どもの頃に『ナルニア国ものがたり』を読み、感銘を受け、それ以来ファンタジーの周辺を読みあさってきたのだそうです。しかし、なにぶん翻訳ものばかり。いつしか日本のハイファンタジーを読みたいという思いに至るのですが、当時は

  • 新美南吉 リンク

    第一童話集『おじいさんのランプ』『川』 新美南吉 - どこか懐かしい少年心理『嘘』 新美南吉 - フィクションについて『ごんごろ鐘』 新美南吉 - 鐘という無機物に込められた村人の思いが果たす反戦『久助君の話』 新美南吉 - 他人という概念

  • 『正坊とクロ』 新美南吉 - 本来無一物

    青空文庫 『正坊とクロ』 新美南吉村々を興行して歩くサーカス団がありました。十人そこそこの軽業師と、年をとった黒くまと馬二とうだけの小さな団です。サーカス団はある村へつきました。そして、テントばりの小屋がかかってから、三日めのお昼すぎのこと

  • 『花のき村と盗人たち』 新美南吉 - 民話調ユートピア文学

    青空文庫 『花のき村と盗人たち』 新美南吉舞台は花のき村。村の描写は平和そのもの、村人は皆、心の良い人ばかり、村に、ある種のユートピア(現実には存在し得ない、理想的な社会を示す言葉)が重なります。そこへ、いつも人々から冷たい目で見られてきた

  • 『和太郎さんと牛』 新美南吉 - 心のどこかで希望を捨てなければ不思議は起こる

    青空文庫 『和太郎さんと牛』 新美南吉牛ひきの和太郎さんは、たいへんよい牛をもっていると、皆がいっていました。だが、それはよぼよぼの年とった牛で、おしりの肉がこけて落ちて、あばら骨も数えられるほどでした。ではなぜ皆はよい牛というのでしょう。

  • 『のら犬』 新美南吉 - 気のやさしいお坊さんのお話し

    青空文庫 『のら犬』 新美南吉常念御坊は、碁がなによりもすきでした。きょうも、となり村の檀家へ法事でよばれて、お昼すぎから碁をうちつづけ、日がかげってきたので、びっくりしてこしをあげました。檀家さんは、これからじゃもう夜になってしまうから、

  • 『百姓の足、坊さんの足』 新美南吉 - 南吉の人生観

    青空文庫 『百姓の足、坊さんの足』 新美南吉貧しい百姓の菊次さんは、雲華寺の和尚さんが米初穂をあつめてまわるのにお供していきました。米初穂といふのは、ことしの秋とれた新しいお米のことで、村の百姓達はそれを少しづつお寺にささげて、仏様にのちの

  • 『ごん狐』 新美南吉 - 兵十と子狐ごんの失敗

    青空文庫 『ごん狐』 新美南吉おなじみの物語です。兵十と子狐のごんの悲劇です。ごんにとって、いたずらは、子狐として悪気のない行為であり、決して兵十を苦しめることが目的ではありません。実際、ウナギを盗んだことで、起きた兵十の悲しみを知ったごん

  • 『赤とんぼ』 新美南吉 - 優しい社会を求めるなら

    青空文庫 『赤とんぼ』 新美南吉赤とんぼは、三回ほど空をまわって、いつも休む一本の垣根の竹の上に、チョイととまりました。山里の昼は静かです。ひとりの女の子と一匹の赤とんぼの、別荘地でのひと夏の交流を描いた、とてもやさしい気持ちになれる物語で

  • 『いぼ』 新美南吉 - 底なしの肯定感、心洗われる物語

    青空文庫 『いぼ』 新美南吉兄さんの松吉と弟の杉作は、年齢も一つ違いでしたがよく似ていました。松吉の右手にある二つのいぼ以外には。夏休みになって、町からいとこの克巳が遊びにきました。松吉と杉作と克巳の三人は仲よく遊びました。あしたは克巳が、

  • 『耳』 新美南吉 - 子どもたちの太平洋戦争

    青空文庫 『耳』新美南吉花市君はふつうの人より大きい耳をもつていました。その耳は肉があつくて、柔かくて、赤い色をしていました。久助君は、この花市君の耳をよく触りました。むろん久助君ばかりではない。村の子供は全部、そういうことをするのでありま

  • 『牛をつないだ椿の木』 新美南吉 - 皆のために働くということ

    青空文庫 『牛をつないだ椿の木』 新美南吉しんたのむねという場所を下りて、道から山の方へ入っていくと、泉が湧いていました。村人たちは仕事で往来するのに、丁度水を飲む場所に使っていました。ただ泉は道から一町ほど山の方へ向かわなければならなかっ

  • 『狐』 新美南吉 - 狐に託された南吉の考える無上の母子愛

    青空文庫 『狐』 新美南吉一子どもたちが、月夜に祭りに出かけます。祭りの笛の音が聞こえてくると皆は足を速めました。足に合わないお母さんの下駄をはいた文六ちゃんは遅れます。二子どもたちは文六ちゃんのお母さんにたのまれたので文六ちゃんの足に合っ

  • 『手袋を買いに』 新美南吉 - 南吉の物語の狐たち

    青空文庫 『手袋を買いに』 新美南吉ある朝、雪が積もっていました。子狐にとっては初めての雪です。子狐は遊びに行きました。しかし子狐の手は凍えてしまいます。お母さん狐は、夜になったら人間の町へ出て、子狐に手袋を買ってやろうと思いました。二匹の

  • 『小さい太郎の悲しみ』 新美南吉 - 大人の世界と子供の世界の断絶

    青空文庫 『小さい太郎の悲しみ』 新美南吉小さな太郎は、かぶと虫を捕まえますが、一人っ子故に、だれかと話題を共有できません。つまらない思いをします。昼寝をしているおばあさんに話しかけても、少し目を開けただけで小さな太郎を相手にしてくれません

  • 『おじいさんのランプ』 新美南吉 - みなしごだったおじいさんの一代記

    青空文庫 『おじいさんのランプ』 新美南吉かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一(とういち)君がランプを持って出て来ました。 それはおじいさんのランプでした。おじいさんは昔話を始めます。子どもの頃、みなしごだったおじいさんは、できることなら

  • 『うた時計』 新美南吉 - 人生という泥道

    青空文庫 『うた時計』 新美南吉二月のある日、野中のさびしい道を、十二、三の少年と、皮のかばんをかかえた三十四、五の男の人とが、同じ方へ歩いていった。風がすこしもないあたたかい日で、もう霜がとけて道はぬれていた。つまり泥道ですね。この道を歩

  • 『久助君の話』 新美南吉 - 他人という概念との遭遇

    青空文庫 『久助君の話』 新美南吉『川』、『嘘』に続き、このお話で三作目ですが、南吉の作品の中で、九助君という、一人の少年を主人公とした物語で、いわゆる九助ものと呼ばれる物語群の中のひとつです。三作目にして、どうやら久助君には、どちらかとい

  • 『ごんごろ鐘』 新美南吉 - 鐘という無機物に込められた村人の思いが果たす反戦

    青空文庫 『ごんごろ鐘』 新美南吉この作品は、戦時中の勅令(金属類回収令、昭和18年8月12日)で、村のごんごろ鐘と呼ばれる鐘が、爆弾にされるべく国に献納されるという出来事を物語るものです。主人公である僕は、物語最後に、彼の兄の言葉、「うん

  • 『嘘』 新美南吉 - フィクションについて

    青空文庫 『嘘』 新美南吉前回に続き、南吉の作品の中で、九助君という、一人の少年を主人公とした物語で、いわゆる九助ものと呼ばれる物語群の中のひとつです。久助君のクラスに、横浜から太郎左衛門という都会風の少年が転校してきました。太郎左衛門は皆

  • 『川』 新美南吉 - どこか懐かしい少年心理

    青空文庫 『川』 新美南吉 南吉の作品の中で、九助君という、一人の少年を主人公とした物語群で、いわゆる”九助もの”と呼ばれるもののひとつです。物語始め、学校の帰り道、九助君以下四人の級友が、川で、とあるゲームにいそしんでいたところ、兵太郎君

  • 日本の昔話 5 冬 リンク

    先頭の数字は記事の日時です。これに記事タイトルが続きます。12-12 日本の昔話 5 より 『ねずみのもちつき』 日本昔話に多く展開される隣との関係性12-18 日本の昔話 5 より 『三枚のお札』 恐怖と笑いが織り成す、よくできた昔話12

  • アンデルセン童話集〈下〉 リンク

    『夜なきうぐいす』 H.C.アンデルセン 最後の恋人への思いがつづられる物語『マッチ売りの少女』 H.C.アンデルセン 優れた空想がもたらすもの『妖精の丘』 H.C.アンデルセン 異色の小品『古い家』 H.C.アンデルセン 生涯独身だったア

  • 読書雑記 - 新美南吉を読む

    宮沢賢治と新美南吉(代表作『ごん狐』)は、同じ時代を、地方で教師を務め若くして亡くなった童話作家(宮沢賢治37歳没、新美南吉29歳没)という共通点から比較されることが多い。賢治が、独特の宗教観・宇宙観で人を客体化して、時にシニカルな筆致で語

  • 日本の昔話 5 より 『けちくらべ』競っても仕方のないもの

    むかし、あるところに、ふたりのけちんぼの男がいました。ひとりは太郎どん、ひとりは次郎どんといいました。ふたりは隣り合わせに住んでいました。ある日ふたりはどちらがけちんぼか、けちくらべをしてみようということになりました。まず次郎どんが、「おま

  • 日本の昔話 5 より 『天狗の太郎坊』 日本昔話をにぎわす異界の両義的な存在

    短いお話です。むかし、あるところに、太郎という男の子がいました。太郎の下にも子ができたので、お父とお母は、太郎にあかん坊の子守をさせていました。ある日いつものように、太郎に子守をさせていると、太郎はあかんぼうをおぶったまま、するするとお堂の

  • 日本の昔話 5 より 『西の狩人と東の狩人』

    むかし、土佐の国の、西と東に狩りの名人がいました。ある日、西の狩りの名人が、東の狩りの名人を訪ねていき、狩りに誘いました。東の狩りの名人は早速誘いに乗りました。そして、いつも泊まる寝床である岩屋に泊りました。東の狩人は西の狩人に、遠くからや

  • 日本の昔話 5 より 『猫と鉄びんのふた』 化け猫のお話し

    むかし、ある村に、古くから名の知れた旧家がありました。この家には三代の主人にかわいがられてきた年寄りの三毛猫がいました。今の主人は、狩りが好きで、村から谷を七つ、山を八つも超えた遠くの山までよく出かけて、鹿狩りや猪狩りをしました。ある晩遅く

  • 日本の昔話 5 より 『炭焼き小屋のあねさま』 つい気を許すものには注意せよ

    短いお話です。むかし、炭を作るため、若い男十人に、年寄りが二人がついて一緒に山に入りました。男たちは六人ずつに分かれ、それぞれの炭焼き小屋で、何日も炭焼きの仕事を続けました。ある晩、仕事が済んだ後、片方の小屋の男たちが酒を飲んでいると、外か

  • 日本の昔話 5 より 『猟師とせんぐり食い』 山じいのお話し

    むかし、あるところにひとりの猟師がいました。ある日のこと、猟師は鉄砲を担いで山奥に入り、いのししの通う道で待ち伏せをしていました。やがて日が暮れて辺りがすっかり暗くなると物干しざお位もある太いミミズがにょろりとはい出しました。「おや」猟師は

  • 日本の昔話 5 より 『じいさん、いるかい』 恐怖話、あるいはナンセンスユーモア

    むかし、越中富山の薬売りが、大きな荷物をしょって旅をしていました。ある日のこと薬売りはいつも通る道なのにどうしたわけか迷ってしまいました。どうしても村に行く道が見つかりません。とうとう日が暮れてしまいました。するといいあんばいに向こうの方か

  • 日本の昔話 5 より 『貧乏神』 余裕という福を得るためのトリガー

    むかし、あるところに、じさま、ばさまと、息子夫婦の、四人暮らしの家がありました。この家の人たちは、そろいもそろって大のものぐさで、長い間、家の掃除をしたことがありませんでした。ところがあるとき、じさまは寝ていて、天上からすすがゆらりゆらりと

  • 日本の昔話 5 より 『おわれ化けもの』 受け入れる勇気をくれる物語

    むかし、あるところに、何事も人に逆らわない質の男がいました。男はやがて女房をもらい、その日暮らしの貧乏な生活を送っていました。ある年の大みそかの晩、女房は亭主にいいました。「きょうはひとつ頼みがあります。どこを歩いても、破れないわらじを二足

  • 日本の昔話 5 より 『笠地蔵』 すべてを受け入れる善良な昔話の登場人物について

    むかし、あるところに、貧乏なじさまとばさまがいました。じさまはいつも菅の笠をこしらえて、町へ売りに行きました。そして笠が売れると、そのお金で、米や味噌を買って暮らしていました。ある年の暮れの大みそかのことです。じさまとばさまの家では、正月が

  • 日本の昔話 5 より 『大歳の火』 日本の昔話のハッピーエンドについて

    むかし、ある年の大みそかの晩にお姑さんが嫁さんを呼んで、「大歳(おおとし、大みそかのこと)の火は消してはならないものだから、今夜は火種を絶やさないようにしておくれ」といいました。嫁さんは「はい、わかりました」といってひきうけました。ところが

  • 日本の昔話 5 より 『竜宮女房』 神さまはいつでも見ている

    むかし、ある海辺の村に、年をとった父親と息子が住んでいました。年の暮れになったのに、何も食べるものがないので、息子は裏山の木を切って、大みそかの街に売りに行きました。けれども乾いていない生木なのでちっとも売れません。息子が途方に暮れて歩いて

  • 日本の昔話 5 より 『炭焼き長者』 善悪を司る両義的存在

    むかし、ある山に、炭焼きごん、という若者が住んでいました。ごんは、炭を焼いては里に売りにいって、暮らしを立てていました。ある、冬の寒い日のことです。ごんは里へ炭を売りにいった帰り道、山で鬼婆が、吹雪倒れになっているのを見つけました。「ああ、

  • 日本の昔話 5 より 『蛇の泊まり』 見るなの禁の物語の一類型

    むかし、あるところに、ばあさんがひとり住んでいました。ばあさんはひどい貧乏暮らしで、その日食べるものにも事欠く有様でした。ある日の夕方ばあさんは、畑仕事を終えて家に帰り、囲炉裏にあたっていました。そこへ綺麗なあねさまがやってきて、ひと晩の宿

  • 日本の昔話 5 より 『蛇の湯治』 蛇というシンボリックな存在

    久しぶりに、昔話読みました。短いお話です。むかし、あるところに、弥兵衛という男がいました。ある日弥兵衛は、山に芝刈りに行きました。山奥に入って芝を刈っていると、すぐそばで蛇が一匹とぐろを巻いて、じっと弥兵衛の仕事ぶりを見ていました。弥兵衛は

  • 日本の昔話 5 より 『岩くだき堂せおい知恵もん』 なぜ鬼は最終的に退治されないのか

    むかし、ある山に、おそろしく大きな鬼がいました。鬼は毎晩のように人里に下りてきて、子どもをさらっていきました。村人たちは、今日こそは我が子がさらわれるんじゃないかと心配していました。そこで、隣村の、岩くだきと、堂せおいと、知恵もんの三人の男

  • 日本の昔話 5 より 『うそつく槍』 駄洒落によってああばかれる自慢話の真相

    短いお話です。むかし、和歌山の男と、名古屋の男と、水戸の男が、三人寄り合って、お国自慢をしました。和歌山の男は、「うちじゃ、みかんが名物で、さしわたし一尺もある美味しいみかんが取れる」といい「そのうまさに娘がほっぺたを落とす」と自慢しました

  • 日本の昔話 5 より 『たからの水』 駄洒落が潤す主従関係

    短いお話です。むかし、ある村に、たいそうな分限者がいました。屋敷には田畑で働く作男がたくさんいました。ある年の大みそかの晩に、旦那は一人の作男を呼んでいいました。「あしたは正月だから朝早く起きて川へ行って若水を汲んでこい」すると作男は「若水

  • 日本の昔話 5 より 『とんびになりたい』 心からの願望の行きつく先,

    昔、ある村の庄屋どんの家に、茂左どんという作男がいました。ある日、庄屋どんは、茂左どんを連れて畑に行きました。一仕事済ませた後、ふたりは土手に腰を下ろして休んでいると、空をとんびが一羽「ぴーひょろ、ぴーひょろ」と鳴きながら悠々と飛んでいきま

  • 日本の昔話 5 より 『目の養生』 ダークヒーローの昔話の系譜

    むかし、ある村の長者の家に、「まの」という名の、怠け者で、たいそう嘘つきの下男がおりました。ある日、まのは、旦那どのに、「冬が近づいてきたから山でたきぎを集めておけ」といいつけられました。けれどもまのは、嘘をついて、たきぎ取りなどせず、山へ

  • 日本の昔話 5 より 『きつねのないしょばなし』 物語と不思議な出来事

    ある年の冬のことです。じいさんが隣村の大きな家へ嫁取りの祝いに招かれて出かけました。じいさんは、深い雪をこぎこぎ、沢の渡りまで来ると、きつねが二匹、沢っぷちで何か話をしていました。「きょうは隣村の大きな家で嫁取りの祝いのお振る舞いがある。お

  • 日本の昔話 5 より 『なぞの子守歌』 民衆の知恵のあり方を表現する謎解きの物語

    むかし、あるところに、ひとりの和尚さんがいました。和尚さんの寺は貧乏でした。そこで和尚さんは、村々を訪ね托鉢して回りました。ある冬の寒い日、和尚さんはいつものように托鉢に出かけました。途中、雪が降りだし、やがて日もくれ、道に迷ってしまいまし

  • 日本の昔話 5 より 『ぬすっと女房』 ユーモラスに語られるぬすっと長者のお話

    むかしひとりの若者が、ある家の婿に入りました。ところがその女房は人のものを盗むぬすっと女房でした。女房は、初めのうちは婿を立てて尽くしましたが、ひと月も経つと、「あんた、そろそろどこかで何か盗んでおいで」といいました。婿は、「よわったなあ。

  • 日本の昔話 5 より 『馬の尻に札』 ぬけさくの民話が紡ぐ善良な民の物語

    短いお話です。むかし、あるところにちょっと間のぬけた息子がいました。親はいつもこの息子を少しでも利口に見せたいと思っていました。あるとき隣村の親せきが、家を新しく建てました。父親は息子にお土産を持たせて、お祝いの使いをやることにしました。そ

  • 日本の昔話 5 より 『どっこいしょ』 ぬけさくに優しい昔話という媒体

    短いお話です。むかし、婿どのがひとりで、隣村にある嫁さんの実家を訪ねました。嫁さんの実家では、団子をこしらえて、婿どのをもてなしました。婿どのはこれまで、団子というものを食べたことがなかったので、とてもおいしいと思ってごちそうになりました。

  • 日本の昔話 5 より 『糸ひき婿』 笑い話、ぬけさくばれる

    短いお話です。むかし、ある村の若者が、近くの村から嫁さんをもらいました。嫁さんはなかなかの利口者でしたが、若者はいたって能天気というか、どちらかというとぬけさくのほうでした。しばらくたって嫁さんが、自分の親元に里帰りする頃になりました。嫁さ

  • 日本の昔話 5 より 『おんちょろちょろの穴のぞき』 瓢箪から駒

    むかし、あるところに、とても信心深いばあさんがいました。ばあさんはじいさんに先立たれたので、お経の一つでもあげたいと、いつも思っていました。しかし近くに和尚さんがいなかったのでお経を覚えることができずにいました。何年かたった命日のこと、ばあ

  • 日本の昔話 5 より 『ねずみのすもう』 善良な民衆が語り継ぐ昔話という媒体

    むかし、あるところに、貧乏なじいさまとばあさまがいました。ある日、じいさまが山に木を切りにいくと、何ともいえない、面白い掛け声が聞こえてきました。「よいしょ」「どっこいしょ」「よいしょ」「どっこいしょ」「どっこいしょ」「どっこいしょ」「うん

  • 日本の昔話 5 より 『雪女』 雪女という存在の両義性

    短いお話です。むかし、お城の若い侍たちが火にあたって、あれやこれやの話をしながら夜番をしていました。「今夜のように雪の降る夜は、お城に雪女が出るといううわさだが、聞いたことがあるか」「耳にしたことはあるが、いまどき雪女などというものがおるは

  • 日本の昔話 5 より 『雪娘』 はかない雪の精の物語

    短いお話です。むかし、あるところに、じいさまとばあさまがいました。ふたりには子供がおらず、寂しく暮らしていました。ある冬のことです。吹雪の吹く寒い晩でした。表のほうで赤ん坊の泣く声がします。じいさまとばあさまは不思議に思って戸を開けてみまし

  • 日本の昔話 5 より 『猫の嫁』 猫を用いた異類婚姻譚

    むかし、あるところに、いくら稼いでも稼いでも貧乏な若者がいました。ある晩のこと若者のあばら家の前で猫が「にゃごにゃご、にゃごにゃご」と鳴いていました。何で今頃、猫が鳴いているのだろうと思って若者が外に出てみると、それは隣の長者の家の猫でした

  • 日本の昔話 5 より 『つる女房』 日本型異類婚姻譚の代表格

    おなじみのお話です。むかし、ある村に、ひとりの若者がいました。若者は粗末な家で貧しく暮らしていました。ある朝、若者が草刈りに行くと、一羽の鶴が笹がやに足をとられて羽ばたきをさせていました。若者はかわいそうに思って、丁寧に笹がやを切り取り、鶴

  • 日本の昔話 5 より 『灰坊』 灰かぶり(シンデレラ)との類似性

    むかしオームラの国の殿さまと奥方の間に男の子が生まれました。殿さまはたいそう喜んで、その子を「マミチガネ」と名付けました。けれどもマミチガネが三つの時、奥方が亡くなり、殿さまは新しい奥方を迎えました。マミチガネが九つになった時、殿さまは、三

  • 日本の昔話 5 より 『仙人のおしえ』 与えた善行は巡り巡って自分に返ってくる

    むかし、あるところに、ひとりの若者が、目の見えない母親と暮らしていました。息子は毎日、草鞋を作っては、それを売り、母親に好きなものを買っていきました。母親は「こんな孝行息子は、世界中探しても、そういないだろう。わたしは幸せ者だ。しかし、ただ

  • 日本の昔話 5 より 『やまんばとくし』 合理に対するアンチテーゼ

    むかし、ある山のふもとに、きこりとその女房が住んでいました。きこりは毎日、山へ木を切りに行きました。、女房のおみるは家で機織りをしていました。麻の皮を細かく裂いて唾をつけながら糸に紡ぎ、桶に入れていっぱいになると、それで布を織るのでした。あ

  • 日本の昔話 5 より 『片子』 鬼と人間の間の子、節分の由来譚、昔話という媒体

    むかし、あるところに、男が女房とふたりで暮らしていました。男は、毎日、山にたきぎを取りに行っては町で売り、その日ぐらしをしていました。ある日、男が、山で一生懸命たきぎを集めていると、後ろからいきなり、「おまえ、あんころ餅、好きか」と声を掛け

  • 日本の昔話 5 より 『馬方やまんば』 かたき討ちのお話の類型

    むかし、あるところに、ひとりの馬方がおりました。ある日のこと、馬方は、浜でたくさんの魚を仕入れ、馬の背に振り分けて積み、山道を登っていきました。日が暮れて峠に差し掛かると、松に木の陰から、やまんばがぬうっと出てきて、「これまて。その魚、置い

  • 日本の昔話 5 より 『化けものをひと口』 間の抜けたお化けのお話し

    むかし、ある村で、山に化けものが出るというので、村の人はみんな怖がっていました。何しろ山へ行けば、化けものに食われてしまって、戻ってきた人はいないというのです。ある日のこと、村に、目の見えない座頭さんがまわってきました。座頭さんは、この話を

  • 『人魚姫』 H.C.アンデルセン 若き日のアンデルセンの恋愛観

    おなじみの物語ですはるか沖へ出ると、海の水は青みの一番強いヤグルマソウくらいに青く、また一番透明な水晶に負けないくらい澄み切っています。でも沖はとても深く、深さを測ろうにも測れません。人魚が住んでいるのは、そんな海の底です。人魚の王様はずい

  • 日本の昔話 5 より 『鬼退治』 榊が神事に用いられるようになった由来

    むかし、ある村に、元気のいい若者がおりました。あるとき、なぜか、だれひとり村を訪れるものがいなくなりました。若者はこれはきっと峠に化けものが出るからに違いないと思い。家に代々伝わるやすりをもって化けもの退治に出かけました。山道の途中、若者は

  • 日本の昔話 5 より 『鮭の大助』 怪魚”鮭の大助”の伝承

    むかしある村に八兵衛という男がいました。八兵衛はいつも川にやな(梁)をかけて魚を捕るので「やなかけ八兵衛」と呼ばれていました。ある年の五月の節句のこと、八兵衛は大事な牛の子を川できれいに洗っていたところ、大鷲が舞い降りてきて、山のほうへ牛の

  • 日本の昔話 5 より 『雪おなご』 雪女の伝承

    短いお話しです。むかし、あるところに、父親と男の子が暮らしていました。冬のうんと寒い日、父親は男の子を連れて、雪の降る山へ木を切りに行きました。ふたりが木を切っている間にも、雪はしんしんと降り、夕方帰るころには、もう山を下りられないほど積も

  • 『蝶』 H.C.アンデルセン 得られなかった生涯の伴侶、自嘲が語られる物語

    むかし、一羽の蝶が、花嫁を探していました。もちろん、とてもきれいな花を花嫁にしようと思っていました。しかし、どの花たちにも、優劣をつけられません。皆、茎の上にちょこんと澄まして座って、まるで婚約をまえにした若いお嬢さんのようでした。そんなわ

  • 日本の昔話 5 より 『猟師と山じい』 昔話の大男

    短いお話しです。むかし、あるところに、ひとりの猟師がいました。ある日、猟師は、いつもの通り、山へ狩りに出かけました。しかし何も捕れないので大きな岩の下で火をたいてあたっていました。するとそこへ奥山の山じいがやってきました。雲を突くような大男

  • 日本の昔話 5 より 『サトリ』 サトリに勝る、じいさまの悟り

    短いお話しです。むかし、ある山奥の小屋で、木を削って、へらやしゃもじを作っている、じいさまがいました。秋も深まったある晩のことじいさまは、囲炉裏に火を燃やし雪山を歩くときに使うかんじきを竹で作り始めました。そこにひょっこりと、ひひの様な顔を

  • 『古い家』 H.C.アンデルセン 生涯独身だったアンデルセンの孤独な心象風景

    通りの向こうに一軒のとても古い家がありました。建てられた日付が、梁の一つに刻まれていて、この家が建てられてから三百年たっていることがわかります。その通りの他の家は、どれも新しく、がらくたのような古い家とはかかわりあいたくないと思っていました

  • 日本の昔話 5 より 『三枚のお札』 恐怖と笑いが織り成す、よくできた昔話

    むかし、ある山寺に、和尚さんとちくりんぼうという名の小僧がいました。冬が近くなったある日、和尚さんはちくりんぼうに仏さまにお供えする冬木(常緑樹)をとってくるよう言いつけました。それからこういいました。「山には鬼ばさが出るかもしれないから、

  • 『妖精の丘』 H.C.アンデルセン 異色の小品

    数匹の大きなトカゲが老木の裂け目で素早く走り回っていました。「妖精の丘がガタガタ、ガラガラうるさいけれど、何をしているのだろう」と一匹のトカゲが言いました。「うるさくてさこっちは二晩も眠れなかったよ。あそこで何かあるらしいんだよ」ともう一匹

  • 日本の昔話 5 より 『ねずみのもちつき』 日本昔話に多く展開される隣との関係性

    むかし、あるところに、正直なじさまとばさまがいました。ある日じさまが山へ行って木を切っていると、ねずみ穴からねずみが一匹出てきました。ねずみは「ああ、いい天気だ。お金をほすのにちょうどいい。おいみんな、金ほそう、金ほそう」といって穴の中へ戻

  • 『マッチ売りの少女』 H.C.アンデルセン 優れた空想がもたらすもの

    おなじみの物語です。雪がこんこんと降って、ひどく寒い日でした。あたりは次第に暗くなり、夜になりかけていました。それは一年の一番おしまいの日、おおみそかの晩のことです。その寒い夜の中、貧しい身なりの小さな女の子が、たった一人で歩いていました。

  • 日本の昔話 4 秋 リンク

    先頭の数字は記事の日時です。これに記事タイトルが続きます。02-14 日本の昔話 4 より 『猿かに合戦』 日本人の心性をよく表す昔話02-15 日本の昔話 4 より 『いたちの粟畑』 生き残ることを第一義と考えるねずみの物語02-16 日

  • 日本の昔話 4 より 『七人めの婿』 人に恋をした神さまの物語、続々、アイヌの昔話

    わたしは、オタサムという村(コタン)で、兄と二人で暮らしている少年でした。兄はわたしを可愛がってくれて、山へいくにも川にいくにも、いつも一緒に連れ歩きました。やがてわたしも一人前に近い若者になりました。ところが、ご飯を作るのはいつもわたしで

  • 日本の昔話 4 より 『きつねのチャランケ』 続、アイヌの昔話

    わたしは、支笏湖近くの、ウサクマイに住む、ひとりのアイヌでした。村(コタン)の近くには高い山があり、そこには鹿や熊がたくさんいるので、肉を食べたいときは、いつでも弓矢をもって狩りに行けば、獲物をとることができました。そんな時には、村の人々に

  • 日本の昔話 4 より 『すずめの恩返し』 人と動物の共存共栄、アイヌの昔話

    わたしは、天の上にある神の国で、姉に育てられた一羽のすずめです。ほかのすずめの娘たちは、アイヌの国、十勝川のほとりにある村(コタン)へ、舞い降りて行っては、稗や粟を大きな袋に、二つも三つも持って帰ってきます。それを見てわたしは姉に、「わたし

  • 『夜なきうぐいす』 H.C.アンデルセン 最後の恋人への思いがつづられる物語

    ここ、中国の皇帝の宮殿は、世界に比べるもののない見事な建物でした。庭のほうにも珍しい花が咲きにおい、またその広さも、たいへんなものでした。庭の奥へ入っていくと、この世のものと思えぬほどの美しい森があって、そこには、いくつかの深い湖があり、湖

  • 日本の昔話 4 より 『海のはて』 時代をまたぐ人間のリアリティ

    短いお話しです。むかし、むかしの、ずっとむかし、ある高い山の頂上に、ひと飛びで千里を行く、大きなおうむが住んでいました。おうむはいつも高い木のてっぺんで、広い海を眺めながら、「海のはてがどうなっているのかを、いちど見てみたいものだ」と思って

  • アンデルセン童話集〈上〉 リンク

    『ほくち箱』 H.C.アンデルセン 童話という名の魔法『大クラウスと小クラウス』 H.C.アンデルセン グリム『小百姓』を下敷きとした物語?『おやゆび姫』 H.C.アンデルセン アンデルセンの恋愛譚『旅の道連れ』 H.C.アンデルセン 善良

  • 日本の昔話 4 より 『古さくらべ』 昔話とファンタジー

    短いお話ですむかし、のっぽの猿と、ふとっちょ猿と、ちび猿が三匹いっしょに旅にでることになりました。猿たちが歩いていくと、道の真ん中に栗の実がひとつ落ちていました。三匹は、「この栗、おれが先に見つけたんだ」「いや、おれが先に見つけたんだぞ」「

  • 日本の昔話 4 より 『猿の生きぎも』 インド起源の類話の多い昔話

    むかし、海の底に、竜宮城がありました。あるとき、竜宮城の乙姫さまが病気になり、あちこちの医者に診てもらいましたが、いっこうに良くなりませんでした。竜宮城ではみんな心配して、四方八方に使いを出し、良い医者を探しました。そして、やっとひとりえら

  • 『雪の女王』 H.C.アンデルセン 絆の物語、愛の力

    さあこれから話を始めましょう。その小鬼は、仲間うちでも一番の悪者の一人でした。本物の悪魔です。話の終わりが来たら、その小鬼がいかにたいへんな悪さをしたかということがわかるでしょう。ある日、その小鬼は、とても浮かれていました。良いものや、きれ

  • 日本の昔話 4 より 『蛇島』 民衆の切実な思いを乗せる昔話という媒体

    むかし、あるところに、仲のいい漁師が五人いました。ある日のこと五人は、天気がいいので魚がたくさん取れそうだといって、船に乗り海に出ました。とてもいい日和で、波も静かでした。ところがどうしたことか魚は一匹も取れませんでした。そればかりか船はど

  • 『豚飼い王子』 H.C.アンデルセン アンデルセンの価値観、美意識に貫かれた物語

    むかし、ひとりの貧しい王子がいました。持っている領土はとても小ささかったけれど、それでも妃をめとって暮らしていけるだけの広さはあり、また妃をめとることが王子の望みでもありました。さて、その王子が、皇帝の娘に向かって、「姫さま。わたしの妃にな

  • 日本の昔話 4 より 『話ずきな殿さま』 昔話のフォーマットを誇張した笑い話

    むかし、あるところに、たいそう昔話の好きな殿さまがいました。殿さまは、毎晩、家来を呼んで、昔話を語らせました。家来たちは、かわるがわる、たくさんの昔話を語りましたが、殿さまは、決して飽きるということがありませんでした。そのうち、とうとう話の

  • 『モミの木』 H.C.アンデルセン アンデルセンに潜む深いペシミスム

    町の外にある森に、たいへんかわいいモミの木が一本立っていました。そこは、とてもいい場所で、日の光がよく当たり、空気も新鮮でした。そのあたりには、同じモミの木や松の木といった、多くの背の高い仲間も立っていました。小さなモミの木は、早く大きくな

  • 日本の昔話 4 より 『いうなの地蔵』 笑いはやがて身につまされる苦笑いに

    短いお話です。むかし、あるところに、ちょっぴり間抜けな男がいました。ある日、男は、隣村に用たしに行って、帰り道、村はずれのお地蔵さんを横目に、急いで通り過ぎました。ところが、ふと見ると、お地蔵さんの前には、うまそうな饅頭が山のようにお供えし

  • 日本の昔話 4 より 『とうふ問答』 誤解がうまく作用するお話

    短いお話です。むかしある寺に、あまり学問のない和尚さんがいました。あるとき本山の偉い坊さんが「これこれの日に、お前と禅問答をしに行く」との使いがきました。和尚さんは、禅問答など難しくてできるわけがないと、心配で心配でなりませんでした。さて、

  • 『ひつじ飼いの娘と煙突そうじ人』 H.C.アンデルセン アンデルセン存命当時の結婚観

    もうすっかり黒ずんでいて、とても古めかしい木製の飾り棚が客間に置いてありました。それはひいおばあさんの形見で、飾り棚の真ん中には、一人の男の姿が彫刻されていました。その男はみるも奇妙な風体をしていました。というのも、彼は歯をむき出しにして、

  • 日本の昔話 4 より 『おねがいもうしあげます』 知恵者、貧しい民を救う

    短いお話です。むかし、ある村で、三年も米の不作が続きました。村の人たちは、食べる米がなく飢えに苦しみました。それでも殿様に年貢を納めねばなりません。たとえ自分達が食べるものがなくとも年貢を納めねば厳しく罰せられます。しかし、とうとうたまりか

  • 日本の昔話 4 より 『まのいい猟師』 貧しい民によって伝承されてきた日本の昔話

    むかし、ある大きなお百姓さんの家で、祝い事がありました。そこでおふるまいをすることになり、親戚中のものが呼ばれました。親戚の者たちはみないい暮らしをしていましたが、一人だけ貧しい男がいました。その男は猟師でしたが、お祝いに招かれても、ご祝儀

  • 日本の昔話 4 より 『日はどこから暮れる』 話が通じない男

    短いお話です。むかし、山奥の村の男が、町へ買い物に出かけました。帰り道は夜になったので、たいまつをつけて戻ってきました。近所の人が、「えらく遅かったけれど、日はどこから暮れてきたかね」と聞くと男は、「四方八方から暮れてきたので、どこから暮れ

  • 『みにくいアヒルの子』 H.C.アンデルセン 困難な辛苦も幸福になるための大切な糧

    おなじみの物語です。いなかの夏はとても素敵でした。黄金色のトウモロコシ、それに緑色のカラス麦はとてもきれいで、干し草の山はいくつも草地に高く積み上げられていました。その周りには大きな森が広がり、深い池もいくつかありました。そのあたりで、特に

  • 日本の昔話 4 より 『芝居見物』 吉四六さんのバックボーンにある信頼がなせる笑い話

    短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんの、お話、続きます。むかし、九州の田舎町に、上方から大変評判の高い、芝居の一座がやってきました。町の人たちも、村の人たちも、一生に一度の上方芝居の見物をしようと、わんさ、わんさと、芝居小屋におしかけまし

  • 日本の昔話 4 より 『熟し柿でけが』 親しみを込めて伝承される、吉四六さん

    短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんのお話続きます。ある日、吉四六さんが、家の裏の柿の木の下で、まきを割っていました。ところが、斧を打ち下ろした途端、熟した柿が、ぺたりと頭の上に落ちてきました。吉四六さんは、てっきり、まきの片割れが、頭に

  • 『コウノトリ』 H.C.アンデルセン 西洋のコウノトリの伝承をベースとした物語

    ある小さな村の、いちばん隅っこの家の屋根の上に、コウノトリの巣がありました。コウノトリのお母さんは、四羽のひなのそばに座っていました。コウノトリのひなたちは、小さな黒いくちばしのついている頭を、巣から突き出していました。くちばしはまだ親鳥の

  • 『父さんのすることに間違い無し』 H.C.アンデルセン 愛情に育まれる信頼

    さあ、小さい頃に聞いたことのある、わたしの大好きなお話をしましょう。このお話は、聞くたびに前に聞いたときよりも面白味を増します。それというのも、お話というものは、読み手が時を經るごとに、より面白く感じられていくものだからです。大抵の人が、年

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