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KEC Emi
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2016/09/21

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  • #96. アダム・ガリンスキー: はっきり主張できるようになるには

    私はコーチで研究者で学生でもあるので、日々、交渉や提案や相談をしたり、されたりすることが多いです。状況や相手によって自分の発言の自由度が変化することや、そこに力関係が働いていることを感じていたので、この講演を最初に聞いたときには内容がすんなり理解できたように思いました。ところが、翻訳作業に入り一言一句を細かく見ていくと、すっきりしない箇所がちらほら出てきました。感覚的な言葉遣いは魅力的なのですが、残念ながら翻訳する場合、よくわからないまま聞き流すわけにはいきません。その意味では、訳すという行為は無粋なものですね。担当者間で解釈をすり合わせたり、講演者本人に確認をとったりしました。

  • #95. ウィット(知力)とグリット(やり抜く力)を超えて:成功の秘訣を再考する ハワード・ガードナー TEDxBeaconStreet

    アメリカで教育を学んだ人なら一度は通るガードナーのMI理論。ガードナー自身が自らの言葉で語る動画はネット上にいくつもある中(参照)、その1つに日本語字幕を付けることができるというのは貴重で光栄な機会でした。この翻訳作業のために資料を探す過程で気づいたのですが、MI理論は日本語の資料だけを見ていると支持が圧倒的多数、疑問の余地なしという印象です。欧米では批判もたくさんあり、教育や脳科学などの分野でさまざまな議論を呼んでいますが、もしその部分が日本の人々に届いていないのだとすると重大な問題だなと思いました。脅すつもりはありませんが、「英語ができると取り込める情報の量が増え、理解の幅が広がる」というのは事実です。 日本語の訳本をはじめ、MI理論関連には定訳のある用語が多いので、検索で複数のソースを確認しながら翻訳を進めました。

  • #38. カルマパ猊下: 心のテクノロジー

    こちらも様々な事情から長い間字幕が未完成になっていたものでした。チベット語を英語に通訳したものに日本語字幕をつけるという珍しい体験ができました。

  • #94. 義務でする交流なんて要らない キャロライン・ マグロー TEDxBirminghamSalon

    コーチングセッションの中で「忙しくて学習時間が取れない」「どこから手を付ければいいかわからない」というようなご相談を紐解いていくと、それぞれの「線引き」や「優先順位」の問題につながってくることがあります。限られた時間やエネルギーを、どこにどれだけ使うかは本人次第なのですが、それに気づくのは簡単ではないのかもしれません。こうした講演が、日常生活のちょっとした習慣を変えていくきっかけになればいいなと思います。

  • #37. 幸福は心の中に|ゲン・ケルサン・ニエマ|TED×Greenville

    15年ほど前、私は日本からアメリカへ禅を紹介しに来られた老師に教わってはじめて坐禅を知りました。その後、日本帰国中に近所のお寺で何度か体験し、そこで教わったことやいただいたハンドブックを使って、今でも気が向いたときに坐るようにしています。一方、アメリカでは西海岸のビジネス界からMeditation(瞑想)が広まって、東海岸でもすっかり定着しましたが、意外なことにそちらは未体験なのです。というわけで、どんなものか覗くついでに訳してみたのがこの作品です。

  • #36. ナオミ・オレスケス: 科学者を信頼すべき理由

    本来は科学の外にいる人向けに、科学が行っていることを解説する目的のレクチャーなのですが、立場上、いつの間にか「なぜ科学をやるのか」という聞き方をしていることに気づきました。研究者はときに自分がやっていることが何の役に立つのか、見失うものです。つい、PhD学生の間でよく知られるこちらの図解を思い出してしまいました。 訳については判断に迷うような部分はありませんでしたが、固有名詞や訳語、定訳の確認に手間がかかりました。これに限らず、分野を越えていつも思うことですが、同じモノや現象を指す用語でも、英語では一般的な語の組み合わせなどで比較的素人の想像が届きやすいのに対し、日本語では日常語と明確に隔てられていて、孤高で有標、使われ方が限定的ですね。たとえば「inductive/deductive」にしても、「帰納/演繹」よりずっと身近です。「専門用語然」としているところに、日本語の専門用語のありがたみがあるんでしょうか。

  • #93. アビゲイル・マーシュ: 人が利他的になる理由

    個人的に日頃から読んだり話したりしている話題と重なるところが多く、点と点がつながるような感覚があったので翻訳に着手しました。今回は“ご本人吹き替え現象”は起きませんでしたが、内容がすとんと理解でき、外部資料を探す必要もなかったため、短時間であっという間に訳し終えました。

  • #35. 代名詞の秘密 ジェームズ・ペネベイカー TEDxAustin

    英語学習者に関わる研究や仕事をしている私にとって、英語の文法、言葉づかい、やりとりの様子などはどれも非常に身近な話題ですが、代名詞の使用頻度から心理や人間関係を解くという視点はとても新鮮で、翻訳を通じて理解を深めたいと思いました。英→日の翻訳では、通常、代名詞は訳出しない方が文として自然になりますし、字幕では文字数に制限があるので省くことが多いのですが、代名詞が主役のこの作品ではそうはいきません。あえて代名詞を逐一訳出しながらも、日本語として意味が通り、かつ読みやすく収まるように工夫しました。

  • #34. アンドリュー・ソロモン: 揺るぎなき愛

    いろんな事情が重なって、長いあいだ日本語字幕が完成しないままになっていた作品です。“平均”より時間的に長めで難度も高く、確かに翻訳しやすいタイプのものではありませんが、一方で、訳がなければ日本の視聴者には伝わりにくい講演でもあるので、重い腰を上げてタスクを引き受けることにしました。翻訳が終わり字幕が公開されたときには「やっとお届けできる」とホッとしました。

  • #33. ビル・ゲイツとメリンダ・ゲイツ: 富を贈ることが最高の喜び

    あまり積極的に手を出すタイプの作品ではありませんが、某テレビ番組のために急いで字幕を公開する必要があるとのことでお手伝いしました。自分の興味や好みで作品を選んでいるとどうしても食わず嫌いになってしまいがちですが、翻訳チームの一員として貢献するという視点があると、個人的な理由では出会うことのないTalkと関わりを持つことができます。訳にあたり関連記事やゲイツ夫妻の他の講演を聞く機会も得られ、良い勉強になりました。

  • #92. ジュリー・リスコット=ヘイムス: 我が子を成功させる、やりすぎない子育て

    聴衆の心をわしづかみにするパワフルな講演です。翻訳が終わった後で、講演者には弁護士の経験と詩の心得があることを知り、大いに納得しました。歯切れの良さ、テンポの良さ、喩えのわかりやすさ、言葉選びのセンス、盛り上げ方は見事ですね。 子育てや大学受験など、話題に馴染みがあるせいか、私の耳には、講演者の声や口調で日本語が聞こえてくるという“ご本人吹き替え現象”が起きていました。というわけで、訳すというより、聞こえるままに書き取るという感覚で、あっという間に字幕が出来上がりました。

  • #32. ルース・チャン: 難しい選択の仕方

    英語学習の方法を中心に、日々さまざまなご相談を受ける中で、「選択する」ということを避ける動きをよく見かけます。変わりたいけれど変われない、何か思いついても最初の一歩が踏み出せない人には、自分で選択をする代わりに、お金がない、時間がない…などの外的な理由を並べて、「だからできない」という結論で落ち着こうとする傾向があります。でも実は「選択しない」というのも選択のうちなんですよね。コーチの仕事は、選択の難しさや選択する辛さに共感しながら、「難しくて辛いけど、逃げないで選択しよう」という気持ちになれるよう、後押しすることなのかもしれません。日本語字幕によってより多くの人にこの講演を見ていただけるといいなと思って訳しました。

  • #91. 精神的に強くなる秘訣 エイミー・モーリン TEDxOcala

    「聞いてわかる」のと「日本語に訳せる」というのは違うものだなぁと改めて感じました。たとえば2:23の"I shouldn't have to deal with it." 日本語ではなんて言うんだろうとあれこれ考えを巡らせました。何度も再生して口調を確かめ、"I shouldn't have to ~"を含む文を検索して、文脈からそこに込められた感情を読み取ろうとしたのですが、結局これだという訳には出会えませんでした。どことなく「他の人ならいい」「自分以外の人にしてくれ」というニュアンスがありそうだと判断して、担当者間で「私じゃなくてもいいはず」「どうしてこんなことが」「こんな目に遭うなんて」などの候補を出しあいました。

  • #90. ナディア・ロペス: 学校を開く理由、それは刑務所を閉鎖するため

    都市部の教育問題について、私自身は直接携わってはいませんが、ニューヨークで教育に関わっていれば自然に見聞きする機会があるものです。また、周りに『Humans of New York』を読んでいる人もたくさんいます。というわけでこの話題には馴染みがありました。講演の中で紹介されている少年の記事はこちらです。 ひとくちに教育といっても、このタイプの公教育と、日本人向けの英語教育のような教育にはさまざまな違いがあります。私は大学院で言語学系ではなく教育を学ぶ道に進んだので、国・地域・個人などの規模、公的・民間の別、政策・開発・管理・教職などの立場、幼児教育から高等教育、生涯教育といった場面、科学・人文・芸術などの教科、マイノリティなど社会的側面、オンライン・オフライン・ハイブリッドなどといった、それぞれに異なる視点から教育を推進しようとする仲間たちと出会うことができました。この講演を聞きながら、何人かの顔が思い浮かびました。

  • #88. 脳を動かそう ― 脳の性能を上げる7つの秘密 サンドラ・ボンド・チャップマン TEDxBayArea

    「7つの秘密」のうち少なくとも5つは、KECのコーチングセッションでしょっちゅうお伝えしているポイントです。一般的に私たちは自分の脳のキャパシティーを過信してあれもこれもと欲張り、結局、実のある学習のチャンスを逃してしまいがちです。良くないとわかっていてもついやってしまうのではないでしょうか。脳の習慣を変えるというのは簡単ではありません。「変わりたい」と望む学習者が、私たちコーチやこうしたビデオをリマインダーとして使いながら、自分で自分の学習をきちんとコントロールできるようになってくれたらいいなと思います。

  • #89. サルマン・カーン: 点数ではなく身に付けることを目指す教育

    教育関係者なら誰もが知る、カーン・アカデミーのサルマン・カーンの講演です。内容はこれまでにも繰り返し主張されてきたとおりですが、今回は新たな喩えを使ってより伝わりやすく説明しています。Flipped Classroom(反転授業)が広がりつつあるアメリカに比べ、日本では展開が遅いような印象があります。さまざまな思惑や物理的、感情的な事情はあるのでしょうけれど、そうこうしているうちに、学習者の時間がどんどん過ぎていってしまうのは惜しいような気がします。こうした講演の字幕や翻訳が、個別の習得型学習についての理念を正しく伝え、建設的な議論を起こすための一助になればいいなと思います。

  • #87. 最も訳しにくい語の話 ― クリスチャン・アパルタ

    内容がわかりやすく短い作品だったので、あっという間に訳し終えてしまいました。「訳しにくい」がテーマなのに訳しやすいというのはおもしろいですね。

  • #31. サラ・ルイス: 「あと一歩」を大事にしよう

    人名がたくさん出てくるので、1つ1つのカタカナ表記を調べ、複数の例がある場合にはどちらが良いか選ぶのに手間がかかりました。また、アーチェリーのルールや用語に馴染みがなかったのでネット上に出ている情報を頼りに「行射」などの用語を確認しました。TED翻訳では通常ヤード・ポンドをメートルに換算していますが、スポーツによっては日本でもヤード・ポンドを採用している場合があるので、この作品内では「ヤード(m)」「ポンド(kg)」のように併記しています。講演内容そのものは理解しやすく、短時間で訳し終えました。

  • #30. ダン・ギルバート: 未来の自分に対する心理

    有名なTED Speakerの1人であるダン・ギルバートの講演です。予備知識なくたまたま見たのですが、話がうまく、内容がおもしろいので引き込まれてしまいました。翻訳に着手した後で、彼の他のTEDやTEDxでの講演を聞きましたが、焼き直しやバージョン違いなどのように内容が重なることが一切なく、各講演がくっきり独立しているなと感じました。講演者の引き出しが多いのはもちろんですが、講演者自身が自分のパフォーマンスの鮮度を大切にしている表れかなと思います。

  • #29. ステラ・ヤング: 私は皆さんの感動の対象ではありません、どうぞよろしく

    パラリンピックの開催時期とも重なり、奇しくも日本では最近になって「感動ポルノ」についての議論が起きているようですね。その流れでこの講演を初めて聞いたという人もいるかもしれません。講演者は日本語字幕公開の約5ヶ月後、2014年12月に亡くなりましたが、彼女のメッセージが今日改めて注目を集めているというのは素晴らしいことだと思います。 TEDにはコメディアンが登壇することがたびたびありますが、彼らのレトリックやニュアンス、皮肉やジョーク、遊びの部分を日本語に訳すのは本当に難しいです。きちんと訳してつまらなくしてもダメだし、狙いすぎて寒いことになるのも残念です。文化の違いも大いに関係しますので、個人的には少し物足りない「8分目」ぐらいの訳だとちょうどいいのかなと思っています。

  • #28. ローガン・ラプラント「ハック・スクーリング:ハッピーになるための教育」(TEDxUniversityofNevada)

    YouTubeで公開されて以来、アメリカではFacebookなどで"viral"と呼ばれる広まり方を見せ、大きな話題になっていた講演です。日本語字幕はそれから1年以上もお待たせしていた状態でした。この経験をきっかけに、それまでの、翻訳タスクが自然に舞い込んでくるのを待つという姿勢を見直し、気になる講演に日本語字幕が付いていないのを見つけたら、自ら働きかけてなるべく早めに翻訳しようと思うようになりました。 講演者の13歳という年齢と、原文の雰囲気にできるだけ見合う表現を日本語でも再現できるように工夫しました。スキーやスノーボード用語、雪に関する語は日本語で知らなかったものが多く、勉強になりました。

  • このブログについて

    このブログは、「TEDを英語学習に使いたい」と望む学習者が、背伸びしすぎや情報過多で疲弊してしまわないように、選別や咀嚼のサポートができたらいいなという思いから生まれたものです。

  • #27. ウーリ・アロン: 真の革新的科学のために、未知の領域へ飛び込むことが不可欠な理由

    この作品前後、私は集中的に翻訳に取り組んでいたせいか、字幕なしのビデオを初めて見たときに、日本語の吹き替えが聞こえてくるような感覚をもつようになっていました。講演者が、声や口調、タイミングはそのままに、日本語を話してくれるので、それをただ書き取るだけで翻訳ができあがるというわけです。おかげで1本の翻訳がわずか1-2日程度で完成していました。 全体としては大変わかりやすく話してくれているのですが、10:05あたりからの表現が一部わかりにくかったので、友人の生物学者に助けを求め、噛み砕いて解説してもらいました。マニアックな話を、そうとは気づかず織り込んでしまうのは、いかにも研究者です。

  • #26. ジェニファー・シニア: 幸福は親には高すぎるハードル

    話題に馴染みがあったせいか、短時間で一気に訳し終えてしまいました。12:53あたりで出てくる"drones"は、翻訳当時(2014年6月)アメリカではすでに一般に通用する表現となっていましたが、日本ではまだその存在は一般的でなく、「ドローン」も日本語として定着していませんでした。時間・文字数に制約のある字幕の中で「無人機」と化して子どもの動向を追う親の姿をイメージしてもらうのは難しいと判断し、その時点で少なくともネット上では一般的に使われていた「ヘリコプターペアレンツ」の一種として扱うことにしました。現在(2016年9月)は日本でも「ドローン」がよく知られていますが、だからと言って、たとえば「ドローンペアレンツ」のような訳にしていたら、ドローンを操作して子どもに何か届ける親のことかと誤解されてしまうかもしれませんね。

  • #25. アン・カーザン: 言葉が「本物」になる条件

    私は英語や日本語について、調べたり考えたり教えたりするのが日常ですが、私の興味は一貫して「何が正しいか」より「いま、何が使われているか」にあります。というわけでこの講演は個人的に身近に感じられ、あっという間に楽しく訳し終えました。「最近の言葉の乱れは目に余る」というのは、いつの時代にも、おそらくどの言語でも言われていることなんでしょうね。

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