『アトランティック』★★★ 『海賊のフィアンセ』★★½ 『乙女の星』★★ マティ・ディオップ『アトランティック』(Atlantique, 2019) ダカールの高層ビルの建築現場で働く青年スレイマンは、彼と同じく貧しい家の娘アーダと恋仲である。しかし、アーダには親が決めた金持ちの婚約者がいた。彼女は家を捨ててでもスレイマンと一緒になるつもりだったが、現場で給料の未払いが何ヶ月も続いている状況に絶望したスレイマンは、アーダに黙って、仲間の男たちとともにボートで海を渡って新天地を目指す。しかし、やがて、彼らが乗った船は遭難し、みんな海の藻屑と消えてしまったという噂が流れてくる。スレイマンが死んだも…
「ラングの足は、手同様とても大きく、背筋をまっすぐ伸ばして歩く姿は軍人のようだった。試写が始まってからずっと、彼はそうしてここで外国製の粗末な煙草を吸っては投げ捨て自分の影がいくつも周囲で揺れ動くさまを眺めていた。廊下を行き来するたびに、影は伸びたり縮んだりする。しかしそれを眺めるのにもとっくの昔に飽きてしまった……。片眼鏡を直し、何気なくもう一本マッチを擦った。 と、爆発音が聞こえ、ラングは思わずにやりとした。悪名高い患者マブぜ博士の催眠術に操られて、精神病院長のバウムが化学工場を爆破したところだ。気に入っているショットの一つだった。」 ハワード・A・ロドマンが映画監督フリッツ・ラングをモデ…
「ブログリーダー」を活用して、pop1280さんをフォローしませんか?