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  • ブログを電子書籍にしました

    お久しぶりです!5月にYaleを卒業してから何をしていたのかというと、このブログを元に電子書籍を作っていました。この度ついに1冊目が完成したので、Amazonで販売を開始しました!ブログ記事を元に大幅に加筆・修正を加え、アメリカの大学生活や授業についてより詳しくわかりやすく書いてあります。Kindle Unlimitedに加入していればタダで読めます。 新型コロナウイルスの流行により、海外の大学について知りたくても、現地まで見学に行くのは難しくなってしまいました。その代わりとして、海外大を目指している方や、国内外どちらの大学も検討している方に、現地に行かなくてもアメリカの大学について知ることの…

  • Yaleで面白かった授業ベスト5

    Yaleの4年間で僕が履修した授業は全部で37個。今回は、そのベスト5を発表したいと思います。ランキングのポイントは 1. 知的好奇心という意味で面白かったか 2. 教授の教え方がうまかったか 3. 授業によって自分の考え方や価値観が大きく変わったか の3つ。思えばYale入学当初は一応物理専攻の予定でした。それがいつのまにか完全に文系の専攻を選び、物理の授業は一年生の一学期に取った宇宙物理の一個しか取っていません。色々な出会いや経験によって興味が絞られていきましたが、やはり4年間で取った授業はとても影響力のあるものでした。そんな中5つを選ぶのはとても難しいですが、上記の条件に沿って評価しまし…

  • 4年生春学期授業振り返り

    3月中旬に授業のオンライン化が決定し、それ以降は帰国し家で授業を受けていましたが、先日最後の課題を提出し、今学期、4年間のYaleでの最後の学期が終わりました。本来であればこれから2週間ほど休み期間があり、5月中旬に卒業式という形でしたが、コロナウイルスの影響によりそれも中止なので、実質最後の課題の提出がYaleの卒業というような形になります。このブログでも記してきた通り、4年間色々なことがありましたが、まずはいつも通り今学期の授業を振り返っていきたいと思います。今学期はオンライン化の影響で途中で授業形式や課題の内容が変更になった授業も多くありました。また、もう1つ大きな変化として、全ての授業…

  • イエール大学心理学教授がオススメするコロナウイルスに立ち向かう4つの方法

    春休みが明け、オンラインでの授業が始まりました。社会心理学(Social psychology)の最初の授業は、コロナウイルスについて。社会心理学的見地から、コロナウイルスに関連する人々の行動、そしてこれからについての分析をしていました。今までに授業で習ったことを鑑みた僕の考えも合わせ、4ポイントに分けて紹介したいと思います。1. 情報は集めろ、しかし集めすぎるな 人には自分の予想、予測が実現するように無意識に行動する習性があります(self-fulfilling prophecy)。ある学校の先生に、ランダムに選ばれた生徒の嘘のIQを教えた上で授業をしてもらったところ、高いIQを持っていると…

  • Yale大学のコロナウイルス対策

    春休みになりましたが、コロナウイルスがついにアメリカでも猛威を振るっています。春休みに入って数日経った3月10日夜9時、学長から一通のメールが。そこには春休み以降4月上旬まで全ての授業がオンラインに移行すること、そして一部の例外を除いて学部生は寮から近日中に退去することが記されていました。僕はオフキャンパスに住んでいるので、退去する必要はなく、4月に授業が再開されるのか、ずっとオンラインのままで卒業式等も行われないのかの判断が下ってから帰国するかどうか考えようと思っていますが、寮に住んでいる人たちは大変です。ハーバード、MIT、コロンビアなど他の各私立大学も似たような状況らしいですが、Yale…

  • ネイサンチェンのパフォーマンスついに鑑賞

    春休みになりました。卒論の草稿も提出し、のんびりした休みを過ごせそうです。四年生だし旅行に行こうと思っていたのですが、コロナウイルスを考えると大人しくしていようと思います。さて、先日あのネイサンチェンのパフォーマンスを見て来ました。Yale大学に入学したということは聞いていましたが、本当にいるのだろうかと思っていたところ、フィギュアスケートの学生団体の発表会に彼がゲスト出演するという情報をゲットしました。Facebookのイベントページの詳細のところにだけ小さく書いてあるのを発見したのです。しかも無料で誰でも見ることができるとのこと!

  • YALEのヒミツ〜周辺のレストラン編

    後1週間で春休みということで、最後の学期も半分が過ぎようとしています。卒論の草稿の締め切りも春休み前で近づいてきており、さらに中間テストやペーパーも来週締め切りのものが多いです。そんな忙しい時は美味しい料理を食べたくなりますね。ということで、今回はYale周辺にある様々なレストランを僕の独断でランク付けしたいと思います。軽食やブランチを楽しめるカフェは除いているので、それは今度カフェ編で紹介したいと思います。僕は三年生までは基本寮の食堂で毎食食べており、今年度は基本家で自炊しているので、そもそもあまり外食しません。そのため、行ったことのあるレストランは限られており、さらに食堂や自炊では食べられ…

  • YALEのヒミツ〜バーテンダーの授業編

    イェールには、バーテンダーになるための授業というものがあり、誰でも無料で受けることができます。入学前、イェールの先輩のブログでその存在を知り、ずっと興味があったのですが、定員が限られておりすぐに満杯になってしまうため、今まで受けることができずにいました。しかし!予約受付開始と同時に申し込むことで、今回ついに受講することができました。その様子をご紹介したいと思います。 ↓バーテンダー実践講習の会場 バーテンダーの授業は座学と実践の二部構成になっており、人気の実践を受けるためには、事前に座学を履修する必要があります。座学は2時間程の講義で、人体がアルコールをどのくらいで消化するのか、飲み物に含まれ…

  • 4年生春学期の授業

    Yale最終学期となりました。最後だから…ということで、「今まで取る機会がなかったけど取ってみたかった」という分野の授業が多めになっています。↓1週間のスケジュールはこんな感じです。 1. ARCH 341 Globalization Space 週二回のレクチャー、受講人数は100人くらいです。グローバル化とは何なのかを建築的な視点から考える授業です。建築科の授業を取ってみたいと思っており、その中でも面白そうだったので履修を決めました。

  • Ethnicity, Race and Migration専攻

    僕の専攻、Ethnicity, Race, and Migration(以下ER&M)ですが、何それ?と思う方も多いかなと思い、今更ですが専攻についてその内容、卒業に必要な単位について等紹介したいと思います。ER&Mはイェールで1999年に設立された学部生のための専攻で、今では毎年30-50人くらいがこの専攻で卒業します。日本では○○学部△△学科という形が多いかもしれませんが、イェールでは学部(department)と○○専攻(major)は一致しているわけではありません。学部(department)は大学院生用のプログラムを有しているもの(political science, anthrop…

  • 4年生秋学期授業振り返り

    最後の一年の前半が終わりました。今学期は久しぶりに筆記テストのある授業を受けると同時に、卒論も書き始め、12-15ページのファイナルペーパーも3枚あるラスト1週間でした。一年生の最初の頃は3ページのリーディングレスポンスに1週間かかっていたと思うと、4年生になったのかなと思います。振り返っていきたいと思います。1. ANTH 300 Primate Behavior and Ecology 霊長類についてのレクチャースタイルの授業で、仮説を立て予想し実証するという科学のアプローチの基本から、進化論の様々な派生と最新の研究、各サルの分類と特徴などを学びました。Distributional req…

  • 伝統の一戦 Yale X Harvard

    日本でいう早慶戦のように、アメリカにもライバル校による伝統の一戦というものがあります。イェールはハーバードが永遠のライバルです。そしてここはアメリカ、戦うのはアメリカンフットボールです。毎年11月にイェール、ハーバードの会場(大学がアメフト場を所有しています)を交互に使用して行われるこの伝統の一戦、今まではあまり興味なく行っていませんでしたが、今年はもう最後の機会でありちょうどイェールの会場で行われるということで、行ってきました! イェールの学生だけでなく、ハーバードからも多くの学生が応援しに、さらには両大学のOBOGも多く観戦に訪れます。チアやブラスバンドもいて盛り上がります。席は自由なので…

  • Yale流自己分析の方法

    大学卒業後の進路を考える上で、自己分析は大事だとよく言います。就活においても、自己分析をしましょうとよく本やネットに書いてありますね。その一方、具体的にどのように自己分析をすれば良いのかというのはなかなかよくわかりません。僕の場合、3年生の頃自分の興味や将来やりたいことを見失ってしまっている時期があり、自己分析をするのが良いのだろうと思いながらもその方法がよくわからず彷徨っていました。そのような状態から脱するきっかけとなったのが、Yaleで開催されていたセミナーでした。これは授業とは違い、学生のイノベーションや社会奉仕活動を支援するために設立された大学の機関が開催していたもので、「社会のために…

  • 卒業論文の書き方

    4年生ということで、専攻を修了するためには卒業論文を3月までに提出する必要があります。僕の専攻、Ethnicity, Race, and Migrationではいくつかオプションがあり、卒論を書かないオプションもあるのですが、僕は「一年かけて卒論を書く」という選択をしました。今年の夏にタイと日本にて行ったフィールドワーク、インタビューを元に、最終的には45-60ページの論文を書きます。秋学期には「卒業論文の書き方」というようなセミナーが僕の専攻の授業でオファーされており、今はその授業の中でどのような手順で研究を形にし、執筆していくかということを学びながら実際に書き始めています。予定としては今学…

  • 国に属さない人々その名はゾミア

    私たちは皆国に属しています。最近も芸能人の脱税が発覚して話題になっていますが、脱税が問題になるのはそれが国民としての義務だから、つまり我々が国に属しているからです。今の世界は国家の集合で成り立っています。日本、アメリカ、イギリスといった国家により、陸地には全て国境が引かれ、国家でない陸地は南極を除いて存在しないように思います。しかし!東南アジアには国に属さない地域、ゾミアと呼ばれる場所があるのです。近現代の国民国家制により、国に属せない難民のような存在も生まれてしまっている訳ですが、一方でゾミアには自ら国に属さないことを選ぶ人々がいるのです(という主張をしている教授がイエールにいます)。国では…

  • 奴隷制と資本主義

    授業や就活で忙しく、前回の投稿からだいぶ経ってしまいました。今回は履修している「人種と資本主義」のセミナーで学んでいることをご紹介したいと思います。かなり哲学的で理解できていないところもありますが、少しずつ人種と資本主義がどう結びついているのかわかってきました。アメリカの奴隷制がその一つの例です。まずは奴隷制と人種の関係性。これは簡単に想像がつきそうです。アフリカからの奴隷と白人の移住者との主従関係と、白人ー黒人という人種の違い。しかし、この二つ、どちらが先に生まれた関係性なのでしょうか?つまり、元々黒人ー白人という人種の概念、黒人への差別意識があり、それが奴隷制に繋がったのでしょうか、それと…

  • 4年生秋学期の授業

    今学期履修する授業が決まりました!↓1週間のスケジュールはこんな感じです。週一回のセミナーが多いため、授業の占める割合は少なくなっています。 それでは一つ一つ見て行きましょう。 1. ANTH 300 Primate Behavior and Ecology 週二回のレクチャーです。Distributional requirement的に、卒業するためには自然科学の単位があと1つ必要なため、自然科学の単位の付いている授業の中で一番面白そうなものとして選びました。分野としては生物人類学で、霊長類について生物学的・人類学的に学びます。

  • Off campusに住む

    4年生の秋学期が始まりました!3年生はフレッシュでも無く、最後でも無く、中途半端な立ち位置で気持ちも揺らぎ気味でしたが、今年は最終学年ということ自体が少し自信に繋がっている気がします。これまでの3年間は大学の寮に住んでいましたが、今年は初めて寮ではない一般の住宅に住むことになりました。(このように大学外に住むことをoff campusと言います。)今回はoff campusに住むとはどういうことなのかについて書いてみたいと思います。 ↓普通の住宅街にあります。一番右の水色の家です。一番近いYaleの施設まで徒歩2分くらいです。 この家は3階建で、そこに過去のスイートメートたちと合計5人で住んで…

  • 3年生夏のまとめ

    いくつか断片的な記事は書いてきましたが、この夏休み何をしていたのか総括したいと思います。3ヶ月以上ある夏休みの大半をタイで過ごしてきた訳ですが、そこには二つの目的がありました。一つはチェンマイにあるNGOでリサーチインターンをすること。もう一つは、4年生の時に執筆する卒業論文のための現地調査をすること。どちらも日本への移住労働者がテーマなのですが、内容や手法等が少しずつ異なります。まず、NGOでのインターンですが、僕はMekong Migration Network (MMN)というところで平日毎日働いていました。(ホームページ: ここをクリック) ↓デスクからの風景。 このNGOは移民にフォ…

  • チェンマイのお寺

    タイは仏教の国で、チェンマイにも至る所にお寺があります。基本構造は同じながらも、各お寺に特色があるので、その一部をご紹介したいと思います。タイのお寺には大きく分けて3つの見所があります。1つは、大きな仏像が置いてあり祈りのスペースがある建物、2つ目は小さめの本尊が祀られているお堂、そして3つ目は外にある塔です。↓1つ目の大きな建物には大きな仏像が複数置いてあることが多く、迫力があります。建物内は金色など派手な色で装飾されています。 タイの仏教のお参りは、正座をし、手を合わせ跪き頭を床につける動作を三回繰り返します。

  • 技能実習制度とNGO

    先週は、インターンをしているNGOの企画した日本でのスタディツアー及び会議参加のため東京に滞在していました。スタディツアーでは、ベトナム・カンボジア・ミャンマーでそれぞれ移民支援をしているNGOの代表者と一緒に、日本で技能実習制度や技能実習生の支援に携わっている様々な方にお話を伺い、会議では三国と日本の様々な関係者が一堂に会し、問題点や今後の展望について議論が行われました。僕の一番の役割は、スタディツアーの際に切符を買い、皆をそれぞれの場所まで案内することでしたが(意外と疲れますね)、色々な視点での技能実習制度に関する意見を学ぶことができ、とても有意義な滞在となりました。全体として印象的だった…

  • チェンマイの暮らし

    タイに来てもう1ヶ月が経とうとしています。ということで、今回はチェンマイで僕の住んでいる地域付近の様子をご紹介したいと思います。↓チェンマイの地図 地図の左側にある正方形の地域がチェンマイ旧市街と呼ばれている場所で、1200年代の王朝が築いた塀が今も一部残っています。チェンマイ観光の目玉となるお寺やマーケットなどの多くはこの旧市街とそれよりさらに東側に集中しています。旧市街のエリアは一辺1.6kmくらいなので、歩いても見て回れます。 ↓塀の一部。正方形の四方はお堀で囲まれており、今でも水が張ってあります。車だと一方通行でなかなか旧市街に出入りしづらいです。 ちなみに、チェンマイにはほとんど全く…

  • ぼくらが旅に出る理由 カンボジア技能実習生編

    前回の記事で紹介したように、インターンシップの一環としてカンボジアにて、技能実習生として日本に行くことが決まった人たちに出国前の日本語トレーニングを提供している送り出し機関及び移民当事者にインタビューして来ました。インタビューの内容をそのままお伝えすることはできませんが、そもそも技能実習とは何なのかというところから書いてみたいと思います。↓授業を受けていた学生の机の上。 技能実習とは、日本の技術を発展途上国からの実習生に指導しそれを本国に持ち帰ってもらうことでアジア圏に貢献しようという趣旨のプログラムです。ベトナム、中国等からのからの受け入れが多いですが、2017年からカンボジアからの受け入れ…

  • カンボジアの首都プノンペン

    タイ、チェンマイのNGOでのインターンシップ、1週目はバンコクでの会議参加とカンボジアの首都プノンペンでのインタビューに同行することでした。東南アジアの移民問題に特化しているNGOなので、バンコクでの会議はミャンマー・カンボジアからタイへの農業移民の抱える問題、プノンペンではカンボジア人を日本に技能実習生として送り出す企業へのインタビューでした。タイもカンボジアも初めて訪れる国ですが、今回はプノンペンの様子について書きたいと思います。

  • 良い社会学の定理とは?

    マルクス、デュルケーム、フーコーなど歴史的に有名な社会学者、また彼らが提唱した社会学の定理 (social theory)「社会主義」「分業論」「規律訓練型社会」等は今尚様々な分野、学者に影響を与えています。しかし、社会学者、社会学の定理は数え切れないほど存在してきたはずです。なぜこのように、いくつかの人物、定理だけが今も重要視されているのでしょう。「良い社会学の定理」の定義とは何なのでしょうか。物理や数学など理系の場合、定理が正しいかどうかは基本的に証明できます。理論的に計算したり、または確率論的に議論することで正当性を定量的に示すことができます。社会学の定理はそのように正当性を証明すること…

  • 3年生春学期授業振り返り

    3年生の春学期が終わりました。今学期は4授業履修と、今までより少なめにした分、今までを振り返ったり自分の興味を分析したり、4年生の卒業論文に向けた研究のテーマを考えたりすることもできました。一方、課外活動にはあまり取り組みませんでしたし、卒業後の進路など本来もっと考え準備しなけらばならないことも多くあります。全てが自分の思うようにはいかない、当たり前のことに気づかされた3年生だった気がします。ということで、春学期の授業を振り返ります。1. ARBC 140 Intermediate Modern Standard Arabic II 毎日50分のアラビア語の授業。基本的な文法を一通り学習し、政…

  • アメリカの大学、教授のダイバーシティ

    前回の投稿から一ヶ月以上経ってしまいました。Yaleでは春学期も残り2週間ほど、それが終われば3ヶ月の夏休みとなります。そんな中、今話題となっていることの一つが、学部間の格差や教授のダイバーシティについての問題です。3月の終わり頃、僕の専攻、Ethnicity, Race, and Migration (ER&M)に属する教授13人がプログラムからの離脱を発表しました (Thirteen professors withdraw from ER&M; majors in limbo) 。簡単に言うと、大学からこのプログラムへの資金や力が不足していることに対する抗議としての行動です。元々、ER&M…

  • アメリカ警察のパトカーに乗りました

    日本でも警官と話したことなどほぼなかったのですが、この度アメリカ警察に4時間程お世話になってきました。 とは言っても、犯罪を犯して捕まったわけではありません!!今学期履修している警察についての授業(Ethnography of Policing and Race)の一環として、地元の警察のパトカーに乗せてもらう(ride along)というフィールドワークをしてきたのです!アメリカでは書類を出せば誰でもできるものなのか、教授が元警察官でコネクションがあるからなのかはわかりませんが、この授業では学生全員一人一人が数回のパトカー乗車体験をし、それを元にペーパーを書くというのが最終的な課題です。乗車…

  • 社会学的には過去でもない、未来でもない、今を生きることなどできない説を検証

    俺は過去でも未来でもなく、今を生きる。あなたは過去に囚われすぎている。大事なのは、今じゃない。漫画やアニメでそんなセリフを聞くこと、ありますよね。かっこいいシーンですが、よく考えてみると、過去にも未来にも縛られず、今を生きるってどう言うことでしょう。そんなこと可能なのでしょうか?そこで今回持ってきた説はこちら。過去でもない、未来でもない、今を生きることなどできない説! 今回の説の検証にあたり、我々はヒト、社会に一番詳しい社会学者を探すことに。まず浮かび上がったのがアメリカ出身のベッカー (Gary Becker, 1976)。ノーベル経済学賞も受賞していて、合理的選択理論(Rational C…

  • フェミニズムはアメリカの受け売り?

    レズビアン、ゲイ、トランスジェンダー、ジェンダー、セクシュアリティ、セクハラ、、近年話題になっている性的マイノリティや女性の権利と言った議題には横文字ばかりが並びます。言いたいことはわかるが、それは西洋の受け売りだ、日本の伝統的文化を軽視して良いのか?これくらい言っても良くない?ここアメリカじゃなくて日本なんだから。そんな風に思うこともあるのではないでしょうか。事実、元々男/女という二元論や同性愛の宗教的・医学的違法性を主張していたのは西洋です。例えば昔のイランでは男性の中にも少年と髭の生えた青年という二種類の性が存在し、この二性間の恋愛や性的行為は一般規範として行われていましたし、日本でも明…

  • 3年生春学期の授業

    1週間のスケジュールです。特に意識した訳ではないですが、今学期は全ての授業が部屋から1ブロック以内の教室で行われることになりました。1. ARBC 140 Intermediate Modern Standard Arabic II 毎日50分のアラビア語の授業です。先学期に引き続きという感じです。

  • 2019年、始動

    明けましておめでとうございます。3年生の後半が始まろうとしています。将来の夢を聞かれた時、僕は小学生の頃から常に「ウルトラマンになりたい」と答えてきました。半分冗談ですが、半分本気で思っていました。自分にも世界の平和を守るために何かできることがあり、それを見つけできるようになることが自分なりのウルトラマンになることであり僕の夢であると。大学はその「自分ができる何か」が何であるかを見つけ、そのための力を伸ばす場所であると考えていましたが、今僕はそれが何であるか見つけられていないどころかウルトラマンになるという夢さえも強く想えなくなっている気がします。一つは昨年の夏のヨルダンでの経験がきっかけだと…

  • 3年生秋学期授業振り返り

    大学生活も後半戦となった今学期に履修した各授業の振り返りをしたいと思います。今学期は再び言語のクラスが毎朝あったり、長いファイナルペーパーが期末になかったりと、昨年とは少し違った日々だったと思います。1. ARBC 130 Intermediate Modern Standard Arabic I履修人数12人ほど、毎日50分の授業でした。アラビア語を一年間履修した人向けのクラスで、僕の言語レベルよりかなり高く、学期後半までついていくので精一杯という感じでした。期末テストはなく、小テストが5回でしたが、5回目でやっと平均を超えられました。中国語以上になかなか習得できていない自分に苛立ち、毎朝行…

  • ビジネス成功の鍵は文化!?

    以前の記事で大量生産・大量消費のスタイルを生み出したFordismについて書きました。資本主義において不可避なOver-accumulationにより廃れていったFordismですが、その後登場したPost-Fordismと括られる企業のあり方とはどのようなものなのでしょうか。圧倒的だったFordismに比べ、多種多様なシステムが生み出されましたが、その中でも今回は低価格・高品質を可能にしたサプライチェーンに注目し、そのシステムと文化の関係について考えてみたいと思います。フォードの時代以降、企業のグローバル化が進みました。マクドナルドのような、多国籍企業が世界各国にフランチャイズを展開するとい…

  • 眩き冒険者 ボストンキャリアフォーラム編

    彼が日本に来るのは久しぶりだった。2年前言葉も文化も何もわからない状態で栃木に一年留学した彼の現在は奇跡に近い。5年生レベルの日本語を履修し、今日本の企業に応募しようとしているのだから。長かったような短かったような、そんなことを思いながら彼はボストンに降り立った。ボストンキャリアフォーラム。日本での就職先を得られる唯一と言っても過言ではない就活イベント。会場に足を踏み入れた彼の周りは本当に日本人ばかりだ。皆一様に紺の就活スーツを身に纏い緊張した面持ちを浮かべ会場を彷徨っている。「日本に来た。今までとはまた違う、新しい日本に。」 僕は彼のことが心配だった。日本人である僕にとっても大変なイベントに…

  • 米大留学生の就活事情

    今週末は、日本人留学生に知らない者はいないボスキャリです。230の日本企業及び日本支社を持つ他国企業がボストンの会議場に集まり、1万人を超える日本人留学生参加者の採用を行う、年一回の一大イベント、ボストンキャリアフォーラム。三日間で応募から内定まで出す企業もあるということで、日本での就職に興味のある学生の多くが、早い人は一年生の頃から参加します。他方、僕自身三年生になり色々な機会を目にする中で、アメリカの大学に通う日本人が就活をする機会はこのボスキャリに限るわけではないこともわかってきました。今回は、米大留学生の就職活動についてご紹介したいと思います。 ↓ボスキャリのイメージ図 日本人留学生が…

  • 開発経済学の目指す世界

    なぜ先進国と発展途上国の経済格差は縮まらないのか?なぜ1日$1以下で生活している人々がいる一方で億万長者も存在するのか?何をすれば格差は縮まるのか?貧困層をなくすにはどうすれば良いのか?誰でも一度は考える疑問ではないでしょうか。経済学の中でも、開発経済学は特にこういった疑問に特化し、実験や数学技術を駆使して答えを探っています。その片鱗を授業を通じて学んでいるので、ご紹介したいと思います。開発経済学が明らかにしたいもの、それは一言で言えば因果関係です。〇〇をすれば、人々の収入が上がる、健康状態が良くなる、のようにこれさえすれば問題を解決できる!というのを探し、仮説を立て、それを証明します。ここで…

  • 「企業」とは

    大学三年生になると、将来のこともだんだんと考えなければなりません。周りを見ると毎週末のようにコンサルや投資銀行のインタビューに赴く人も多くなってきました。そんな時ふと、人はなぜ働くのか?なぜ企業という組織に属し生きていくのか?この生き方は人の歴史の中でいつどのように形成されたものなのか?思いますよね。この疑問を文化人類学的視点から考察するのが今学期履修している「The Corporation」という授業です。授業は歴史的に企業を見ており、東インド会社からアメリカでの鉄道会社・石油会社、フォード、そしてポストフォードという感じでそれぞれの時代における企業の形態、役割、文化などについて考察して来ま…

  • YaleのDiversityとは?

    先日、Yale大学の新入生選考プロセスにおいてアジア系アメリカ人が不当に差別されているという嫌疑がかけられ、当局が調査を開始したという報道がありました。少し前にハーバード大学においても同様の問題が発覚し、具体的な選考プロセスの公開という結果に至りました。日本でも医科大学における男女差別がニュースになりましたが、課外活動やエッセイ、推薦状などの総合評価で合否を決めるアメリカの大学における人種差別とは何を意味するのでしょう?そもそも、アメリカの大学では多様性を重視しているとよく言いますが、それは具体的には何を意味しているのでしょうか? ↓Yale大学の多様性をまとめたパンフレット https://…

  • 3年生秋学期の授業

    今学期履修する授業が確定しました!1週間の予定はこんな感じです。 以下に簡単に各授業の内容を記したいと思います。 ARBC 130 Intermediate Modern Standard Arabic I アラビア語の二年目のクラスで、毎日50分あります。履修人数は15人ほどで、標準アラビア語の中でも基本的には書き言葉について、文法、語彙、writing, reading, listening, speakingとどれもやります。毎日最低でも家で二時間は勉強してと言われ、実際宿題や予習にそのくらい時間がかかるので大変です。

  • 全米オープン女子決勝

    全米オープン女子テニスが大坂なおみ選手の優勝を以って閉幕しました。中高とテニス部でテニス観戦が趣味な僕は、実は一回戦の模様を二日間に渡りニューヨークに見に行っていました。アメリカの大学に来た以上、いつかグランドスラムを見に行きたいと思っていたので、夢が叶いました。その様子…の前に、話題になっている女子決勝戦で起きたセリーナウィリアムズ選手と審判の論争について。 ↓決勝のハイライトとともに、セリーナが審判に何を言っているのかわかります。最初のきっかけは0分26秒からのシーンです。(追記:アメリカ国内でないと見られないようですが、他に全てのシーンを載せている動画を見つけられませんでした。) セリー…

  • 3年生になりました

    Yale大学の新学期が始まりました。3年生ということで、大学生活も残り半分です。今は恒例のショッピングピリオドで、また色々な授業に行ってみています。振り返ると、この計5回の学期でショッピングした授業に一つも被りがありません。毎年2000個のコースがオファーされているからこそでもあり、僕の興味が毎学期変わっていっているからであるとも言えます。それは必ずしも良いことではありませんが、最初から決められた道を歩むよりは面白いのではないかと思います。さて、3年生になり、在住するスイート、部屋も変わりました。同じ寮ですが、今年は3階の4人スイートの1人部屋です。3年目にして初の1人部屋!ということで、僕の…

  • ヨルダンの街の様子

    家を出て階段を降り、道をしばらくまっすぐ歩くとヨルダン大学の北門が見える。その門から入り、右にしばらく歩くと… ようやく家から教室までの行き方をアラビア語で言えるようになりました。これでUberではなくタクシーでも家までたどり着けます。ということで、今回は僕の住んでいる付近の様子をご紹介したいと思います。アンマンの北の方、ジュベイハという街ですが、貧しすぎもせず、裕福でもなく、平均的な世帯層の街だと思います。まず、住んでいるアパートの目の前に広がっているのがこの荒地。荒地の向こう側に見える建物の一つが僕が今住んでいるアパートです。

  • ヨルダンの観光スポット PART I

    今週末はついにプログラムの一環でペトラ遺跡と死海に行きます。ヨルダンの観光スポットといえば、この二つが脚光を浴びることが多いですが、他にも見るべき場所、遺跡、施設は色々あります!と言うことで今回は首都アンマンの観光スポットを紹介したいと思います。↓アンマン周辺の地図。真ん中あたりがダウンタウン。丘と丘の合間の谷を這うように幹線道路が走っているのがわかります。僕が住んでいるのは地図の上の方です。 観光スポットの多くはダウンタウンに集中しており、週末になるとよくUberを利用して訪ねます。僕の住んでいるところからは片道400-600円ほど。ちなみにバスでは50円くらいでいけますが、難易度が高めなの…

  • ヨルダンの接客術と結婚式

    先日はローカルルームメートの家に招いてもらいました。彼は26歳のパレスチナ系ヨルダン人で、NGOで働いています。バカアキャンプの近くにある家に着くと、まずは応接室に通されます。この部屋だけ建物とは別の入り口がついており、中にはソファと机があって、まさに応接のためだけに作られた部屋。そこに彼の父親や弟らしき人、さらには友人(アラビア語で自己紹介されたので定かではない)がやって来て、アラブコーヒーを飲みながら少しお話ししました。同じプログラムに参加しているアメリカ人の学生2人と一緒に行ったのですが、僕達は正しい作法、礼儀がわからず結構緊張気味です。ソファの座る位置に上下関係はあるのか、コーヒーを飲…

  • パレスチナ難民キャンプ

    参加しているプログラムの一環として、毎週ラングエージパートナーと会って話したりどこかに行ったりするというものがあります。僕のパートナーはヨルダン大学に通うパレスチナ系の大学生で、先週は彼女とパレスチナ難民キャンプに行って来ました。シリア難民キャンプと違い、住んでいる人も外部の人も出入り自由というのが特徴的です。行ったのはバカアキャンプという、世界最大の難民キャンプで、東京ドーム1500個分の土地に約13万人が暮らしています。アンマンからは車で20分ほどの所にありますが、見慣れたヨルダンの街とは大きく異なりました。とにかく広く、その一部を見ただけなので、キャンプの状況を正しく描写することはできま…

  • あなたは難民ですか?

    ヨルダンの人口の7割はパレスチナ系。ヨルダンにいるシリア難民の数は約66万人。難民受け入れ人数世界第二位のヨルダン。難民に関連する問題はこの国では大変重要な話題です。他方、ヨルダンにいる難民は一括りに「難民」とは呼べない複雑な状況にもあります。今回は、ヨルダンにいる様々な「難民」について書きたいと思います。まず一番多いのはパレスチナ難民。1948年の第一次中東戦争の際に逃げてきた人とその子孫がメインですが、第三次中東戦争の際の人、もともとどこに住んでいたかなどでバックグラウンドは多岐にわたります。さらに、現在の状況も、ヨルダン国籍を取得しヨルダン人と法律上は同じ人、国籍を取得していない人、難民…

  • 抑圧の象徴:ヒジャブ…???

    中東、イスラム圏と聞いてよく想像するのがヒジャブ、両性の不平等、女性の抑圧といったイメージです。一方、そういった考えは西洋の価値観の押し付けに過ぎず、実際に中東に生きる女性はそうは思っていないという考えもよく聞きますね。実際のところ、どうなのでしょうか。ヨルダンでこの1週間見聞きしたことを踏まえ考えてみたいと思います。 ↓よくあるイメージ。体が覆われるほど笑顔が消えていく被写体。

  • ヨルダンなう

    春学期が終わり、帰国したのちは一ヶ月ほど東京の会社でインターンシップをしていました。そして今はヨルダンの首都、アンマンに来ています。この地でこれから二ヶ月間アラビア語を勉強します。ということで、これからしばらくはヨルダンについての記事を書いていきたいと思います!今回はヨルダンの基礎知識と街の様子について。↓ヨルダンの周辺地図。 シリア、イラク、サウジアラビア、イスラエル、パレスチナに囲まれた中東の国ヨルダン。とても危なそうですが、実は中東の緩衝帯として、中東国家及び欧米のどの国ともそれなりの和平を保っている数少ない国の一つです。人口は900万人ほど、その70%以上はパレスチナ系の人だと言われて…

  • Yale Refugee Project

    先学期に引き続き、今学期も課外活動の一つとしてYale Refugee Projectに入っていました。秋には、難民の人たちが料理を通じてお金を稼げるようなシステムを地元のNGOと協力して創るというようなことをしようとしていましたが、そのプロジェクトはNGOの事情などもあり結局頓挫してしまったので、今学期は別のNPOと別の活動をしていました。YaleのあるNew Havenという街では、ここ数年は年に1000人程の難民を受け入れています。その難民の方々の定住を一括して支援するのがIntegrated Refugee and Immigrant Services (IRIS)というNPOで、無料…

  • 2年生春学期授業振り返り

    今学期は最後の数日間にペーパー3枚、期末試験2つがありかなり大変でしたが、全てなんとか終了しました。ということで、毎学期恒例、振り返りをしたいと思います。 ANTH 460 / E&RS 531 / RSEE 365 Critical Human Rghts & Global Pstsocialism 面白さ5 教授4 大変さ4 課題はreading response3本、中間ペーパー、タームペーパー。人権という概念について、文化人類学的視点から、どのように生まれ、どのようにこの世界の共通言語になったか学び、また実際どのように現場で使われているのかについて考えました。また、ポスト社会主義にもフ…

  • それは、血を吐き続ける悲しいマラソン、或いは人類の歴史。

    きっかけは思い返せばあの事件だった。いや、事件と呼べるほどのことでもないちょっとした出来事。誰かが、警察が俺の仲間を集団で殴っている様子をビデオで撮影してそれが出回った。もちろん俺は怒ったし仲間たちとも一時期その話題で持ちきりだった。だがよくあることだ。そのまま過ぎ去っていた可能性だってある。でも今回は違った。その数日後、今度は別の仲間が銃で撃たれた。しかも15歳の少女だ。何かが俺の中で変わって、それはもう止めることができなかった。当然殺人犯は逮捕されたが、裁判の結果はほぼ無罪。そしてあのビデオに映っていた警察官たち。テレビで中継された判決は二度と忘れられないだろう。近くのバーで仲間たち(と言…

  • 人権は世界を救える?

    全ての人間が生まれながらにして持つ権利、人権。今では至る所で人権侵害、人権尊重といった言葉を聞きます。今学期履修している文化人類学のセミナーでは、人権を一種の思想として捉え、それがどのようにこの世界での主流、共通言語になったかについて議論しています。生まれながらにして持っているということで、その歴史は古そうですが、実は人権が主流になったのは結構最近のことなのです。また、文化人類学と人権思想はもともと相性が悪かったのですが、最近はより多様なアプローチが登場し、文化人類学が貢献できることについても議論が拡大しています。人権思想を批判する声も最近高まっていますが、文化人類学的視点から、人権という考え…

  • 日本は難民を受け入れていない?周囲にはいないから関係…ない??

    2017年、日本での難民認定申請者は2万人近かった中で、認定者は20人。毎年、日本の難民認定者の少なさは国内外で話題になります。日本の難民政策はどのようになっているのでしょうか?この2週間の春休み、難民に関連する研究の一環としてYaleの学生二人と日本に来て、難民支援に現場で携わる方々にインタビューを実施していました。認知者数や認定率だけ見るととても少ないように思いますが、日本社会・政治の現状を鑑みても少ないと言えるでしょうか。また、この数や率、結局は我々日本国民とは関係のない、遠い国から来た人々の問題と割り切れるでしょうか。日本における難民の定義、難民やそれに準ずる人々への支援、難民増加への…

  • Representing Disabilities: Ethnographic Playという選択肢

    中間期間到来で、エッセイの締め切りや試験が迫っていますが、それを乗り越えればすぐに春休み(2週間!)です。さて、今週末は、演劇の公演の手伝いをしていました。Yaleでは有志の学生たちがやっているものから、Drama schoolやプロの役者が大学の大きな劇場施設で公演しているものまで、多種多様な演劇を観ることができますが、今回僕が関わっていたのは、教授たちが主導するプロジェクトでした。今学期履修している人権についての授業の、文化人類学の教授が書いた脚本を、演劇学の教授が演出し(2人ともポスドク&lecturer)、プロの役者を招いて公演を行いました。文化人類学では、現地で行ったフィールドワーク…

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