校舎から出てきたのは、正洋を含めた8人のヤンキーグループと、洋介を含めたビジュアル系6人の総勢14人。 正門に着く頃には、全クラスの窓から顔が出ていた。 「正洋ってのはお前か?」 小柄ではあるが眼光鋭い本職の人間が言葉を発した。 今まで長崎県内で暴れに暴れてきた正洋達であっ...
「席に着け、もう鐘なってんぞー」 生活指導も兼ねる学年主任の加瀬がいつもの調子で大声をあげた。今日もajidasの上下で決めている。 一クラス30人の一学年6クラス 佐世保という長崎第二の都市では大きなこの中学は、本州からの転勤者を親に持つ子供達も多く在籍している。 正洋も...
「マーー 起きろ。遅刻だよ」 ほぼ毎日、階下から聞こえてくる声、朝っぱらから、なんてヒステリックなんだ。 女ってのはなんでこんなヒステリック声を出せる動物なのだ。 まだまだあどけなさは残るが、正洋は毎朝思う。 撫でるように触った顎に若干の違和感を感じ、昨夜受けた一発の影響で...
正洋は全力で生きた。 死に行く者は皆このような気持ちになるのか。とても清々しく、達成感も感じられる。 心残りは、家族と老いた両親。 ただ、自分で選んだ道を歩んできた。 この終焉を予想はしていた。 クルニコワか、泣き叫びながら必死に止血を試みる光景が見えたような気がする。 正...
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