『星からおちた小さな人』 佐藤さとる
『星からおちた小さな人』はコロボックル物語の第3作目にあたります。『だれも知らない小さな国』『豆つぶほどの小さないぬ』の前2作とは違って、コロボックルとは直接関係のない少年が主人公となる物語です。作者もあとがきで書いていますが、この作品はコロボックルのことをまるで知らない人間がふとした出来事からコロボックルの世界と関わりをもつこととなる点で、シリーズのターニングポイントとなります。言い換えれば、今まで一部の理解のある人間しか知られることのなかったコロボックル世界が、人間社会と関わりをもち始めることとなるのがこの『星からおちた小さな人』となるのです。作者はコロボックル世界の行き先について楽観的なイメージをもっているようです。もちろん、物語をつくる人なのですから、自分の思うように話を発展させていくことはできますし、...『星からおちた小さな人』佐藤さとる
2021/12/18 16:58